船員の雇用の促進に関する特別措置法

法律第九十六号(昭五二・一二・二六)

目次

 第一章 総則(第一条・第二条)

 第二章 就職促進給付金(第三条―第六条)

 第三章 船員雇用促進センター(第七条―第十五条)

 第四章 罰則(第十六条)

 附則

   第一章 総則


 (目的)

第一条 この法律は、海上企業をめぐる経済事情及び国際環境の変化等により離職を余儀なくされる船員の数が増大していること等の状況にかんがみ、船員の雇用の促進に関し必要な措置を講ずることにより、船員の職業及び生活の安定に資することを目的とする。


 (定義)

第二条 この法律において「船員」とは、船員職業安定法(昭和二十三年法律第百三十号)第六条第一項に規定する船員をいう。

   第二章 就職促進給付金


 (就職促進給付金)

第三条 政府は、他の法令の規定に基づき支給するものを除くほか、海上企業をめぐる経済事情及び国際環境の変化等による事業の規模の縮小等に伴い離職を余儀なくされた船員であつて再び船員となろうとするものの就職を容易にし、及び促進するため、求職者又は事業主に対して、次の各号に掲げる給付金(以下「就職促進給付金」という。)を支給することができる。

 一 求職者の求職活動の促進とその生活の安定とを図るための給付金

 二 求職者の知識及び技能の習得を容易にするための給付金

 三 就職又は知識若しくは技能の習得をするための移転に要する費用に充てるための給付金

 四 前三号に掲げる給付金以外の給付金であつて、政令で定めるもの

2 就職促進給付金の支給を受けることができる者の範囲その他就職促進給付金の支給に関し必要な基準は、運輸省令で定める。

3 前項の基準の作成及びその運用に当たつては、他の法令の規定に基づき支給する給付金でこれに類するものとの関連を十分に参酌し、船員の就職が促進されるように配慮しなければならない。


 (譲渡等の禁止)

第四条 就職促進給付金の支給を受けることとなつた者の当該支給を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。ただし、事業主に係る当該権利については、国税滞納処分(その例による処分を含む。)により差し押さえる場合は、この限りでない。


 (公課の禁止)

第五条 租税その他の公課は、就職促進給付金(事業主に対して支給するものを除く。)を標準として、課することができない。


 (報告の徴収)

第六条 海運局長(運輸省設置法(昭和二十四年法律第百五十七号)第三十九条の海運局の長をいう。)は、就職促進給付金の支給を受け、又は受けた者から当該給付金の支給に関し必要な事項について報告を求めることができる。

   第三章 船員雇用促進センター


 (指定)

第七条 運輸大臣は、次の各号に掲げる要件を備える者の申請があつた場合において、その者が次条各号に掲げる事業(以下「船員雇用促進等事業」という。)を適正かつ確実に行うことができると認められるときは、この章の定めるところにより船員雇用促進等事業を行う者として、指定することができる。

 一 申請者が民法(明治二十九年法律第八十九号)第三十四条の規定により設立された法人であること。

 二 申請者が第十五条の規定により指定を取り消され、その取消しの日から五年を経過していない者でないこと。

 三 申請者の役員のうちに、禁治産者若しくは準禁治産者又は破産者で復権を得ないものがないこと。

 四 申請者の役員のうちに、三年の懲役又は禁 錮の刑以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過していない者がないこと。

2 運輸大臣は、前項の指定をしたときは、その指定した者(以下「船員雇用促進センター」という。)の名称、住所及び事務所の所在地を官報で公示しなければならない。

3 船員雇用促進センターは、その名称、住所又は事務所の所在地を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を運輸大臣に届け出なければならない。

4 運輸大臣は、前項の規定による届出があつたときは、その旨を官報で公示しなければならない。


 (船員雇用促進等事業)

第八条 船員雇用促進センターは、船員の雇用の促進等を図るため、次の各号に掲げる事業を行うものとする。

 一 船員に係る求人の開拓その他船員の職域の開拓及び船員の就職の奨励を行うこと。

 二 船員の知識又は技能の習得及び向上のための訓練(以下「技能訓練」という。)を行うための施設の設置及び運営並びに事業主その他の者の行う技能訓練の援助を行うこと。

 三 前二号に掲げるもののほか、船員の雇用の促進及び安定のために必要な事業を行うこと。


 (船員職業安定法の適用除外等)

第九条 船員職業安定法第三十三条の規定は、船員雇用促進センターについては適用しない。

2 船員職業安定法第十六条から第二十一条までの規定は、船員雇用促進センターの行う船員職業紹介について準用する。


 (事業計画等)

第十条 船員雇用促進センターは、毎事業年度開始前に(第七条第一項の指定を受けた日の属する事業年度にあつては、その指定を受けた後速やかに)、事業計画及び収支予算を作成し、運輸大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

2 船員雇用促進センターは、毎事業年度経過後三月以内に、事業報告書、貸借対照表、収支決算書及び財産目録を作成し、運輸大臣に提出しなければならない。


 (役員の選任及び解任)

第十一条 船員雇用促進センターの役員の選任及び解任は、運輸大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

2 運輸大臣は、船員雇用促進センターの役員が、この法律若しくはこの法律に基づく命令若しくは処分に違反する行為をしたとき、又はその在任により船員雇用促進センターが第七条第一項第三号若しくは第四号に掲げる要件に適合しなくなるときは、船員雇用促進センターに対し、その役員を解任すべきことを命ずることができる。


 (秘密の厳守)

第十二条 船員雇用促進センターの船員雇用促進等事業に従事する役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者は、船員雇用促進等事業に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。


 (補助)

第十三条 国は、予算で定める金額の範囲内において、船員雇用促進センターに対し、船員雇用促進等事業に要する費用の一部を補助することができる。


 (監督命令)

第十四条 運輸大臣は、この章の規定を施行するため必要があると認めるときは、船員雇用促進センターに対し、監督上必要な命令をすることができる。


 (指定の取消し)

第十五条 運輸大臣は、船員雇用促進センターが次の各号の一に該当するときは、第七条第一項の指定を取り消すことができる。

 一 船員雇用促進等事業を適正かつ確実に実施することができないと認められるとき。

 二 第十一条第二項又は前条の規定による処分に違反したとき。

2 運輸大臣は、前項の規定により第七条第一項の指定を取り消したときは、その旨を官報で公示しなければならない。

    第四章 罰則

第十六条 第六条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者は、十万円以下の罰金に処する。

2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、同項の刑を科する。

    附 則


 (施行期日)

1 この法律は、公布の日から起算して七日を経過した日から施行する。


 (就職促進給付金に関する特別措置)

2 特定不況業種離職者臨時措置法(昭和五十二年法律第九十五号)第二条第一項の特定不況業種(以下「特定不況業種」という。)に係る業務に従事していた船員であつて当該特定不況業種に係る事業規模の縮小等に伴い離職を余儀なくされたもの(同法の施行の日(以下「施行日」という。)において同条第三項の特定不況業種事業主に該当することとなつた事業主が施行日前に実施した当該特定不況業種に係る事業規模の縮小等に伴い、昭和五十二年十二月一日から施行日の前日までの間に離職を余儀なくされた船員を含む。)(この法律の施行の日から起算して二年を経過する日までに離職した者に限る。)のうち、特定不況業種離職者臨時措置法第十条の特定不況業種離職者求職手帳の発給の要件を参酌して運輸省令で定める基準に適合する者に係る第三条の規定による就職促進給付金の支給については、同法の規定による給付金等の支給の例に準じて特別の措置(技能訓練を受けるために待期している間についての訓練待期手当の支給を含む。)を講ずるものとする。

(運輸・内閣総理大臣署名) 

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