核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律

法律第八十号(昭五二・一一・二五)

 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号)の一部を次のように改正する。

 目次中「第六十一条の八」を「第六十一条の二十三」に改める。

 第二十条第二項中第七号を第八号とし、第六号を第七号とし、同号の前に次の一号を加える。

 六 第六十一条の八第一項若しくは第四項の規定に違反し、又は同条第三項の規定による命令に違反したとき。

 第三十三条第二項中第八号を第九号とし、第七号を第八号とし、第六号を第七号とし、同号の前に次の一号を加える。

 六 第六十一条の八第一項若しくは第四項の規定に違反し、又は同条第三項の規定による命令に違反したとき。

 第三十三条第三項第一号中「第八号」を「第九号」に改める。

 第五十六条中第六号を第七号とし、第五号を第六号とし、同号の前に次の一号を加える。

 五 第六十一条の八第一項若しくは第四項の規定に違反し、又は同条第三項の規定による命令に違反したとき。

 第六十一条第九号中「第六十一条の八」を「第六十一条の九」に改める。

 第六十一条の六中第三号を第四号とし、第二号の次に次の一号を加える。

 三 第六十一条の八第一項若しくは第四項の規定に違反し、又は同条第三項の規定による命令に違反したとき。

 第六章の二中第六十一条の八を第六十一条の九とし、同条の次に次の十四条を加える。

 (情報処理業務の委託)

第六十一条の十 内閣総理大臣は、国際約束に基づく保障措置の適切な実施に資すると認めるときは、政令で定めるところにより、国際規制物資の使用の状況に関する情報の解析その他の処理業務(以下「情報処理業務」という。)をその指定する者(以下「指定情報処理機関」という。)に行わせることができる。

 (指定)

第六十一条の十一 前条の指定は、情報処理業務を行おうとする者の申請により行う。

 (指定の基準)

第六十一条の十二 内閣総理大臣は、第六十一条の十の指定の申請があつた場合においては、その申請が次の各号に適合していると認めるときでなければ、同条の指定をしてはならない。

 一 情報処理業務を適確に遂行するに足りる技術的能力及び経理的基礎があること。

 二 民法(明治二十九年法律第八十九号)第三十四条の規定により設立された法人であつて、その役員又は社員の構成が情報処理業務の公正な遂行に支障を及ぼすおそれがないものであること。

 三 情報処理業務以外の業務を行つている場合には、その業務を行うことによつて情報処理業務の適確な遂行に支障を及ぼすおそれがないものであること。

 四 その指定をすることによつて国際約束に基づく保障措置の適確かつ円滑な実施を阻害することとならないこと。

 (指定の欠格条項)

第六十一条の十三 次の各号の一に該当する者には、第六十一条の十の指定を与えない。

 一 第六十一条の二十一の規定により第六十一条の十の指定を取り消され、取消しの日から二年を経過していない者

 二 この法律又はこの法律に基づく命令の規定に違反し、刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることのなくなつた後、二年を経過していない者

 三 その業務を行う役員のうちに前号に該当する者のある者

 (名称等の変更)

第六十一条の十四 指定情報処理機関は、その名称、住所又は情報処理業務を行う事業所の所在地を変更しようとするときは、あらかじめ内閣総理大臣に届け出なければならない。

 (業務の実施義務)

第六十一条の十五 指定情報処理機関は、内閣総理大臣から情報処理業務を行うべきことを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、遅滞なく、情報処理業務を行わなければならない。

 (業務規定)

第六十一条の十六 指定情報処理機関は、情報処理業務に関する規定(以下「業務規定」という。)を定め、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

2 業務規定で定めるべき事項は、総理府令で定める。

3 内閣総理大臣は、第一項の認可をした業務規定が情報処理業務の適確な遂行上不適当となつたと認めるときは、その変更を命ずることができる。

 (事業計画等)

第六十一条の十七 指定情報処理機関は、毎事業年度開始前に(指定を受けた日の属する事業年度にあつては、その指定を受けた後遅滞なく)、その事業年度の事業計画及び収支予算を作成し、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

2 指定情報処理機関は、毎事業年度経過後三月以内に、その事業年度の事業報告書及び収支決算書を作成し、内閣総理大臣に提出しなければならない。

 (秘密保持義務)

第六十一条の十八 指定情報処理機関の役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者は、情報処理業務に関して知ることのできた秘密を漏らしてはならない。

 (適合命令)

第六十一条の十九 内閣総理大臣は、指定情報処理機関が第六十一条の十二第一号から第三号までに適合しなくなつたと認めるときは、その指定情報処理機関に対し、これらの規定に適合するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

 (業務の休廃止)

第六十一条の二十 指定情報処理機関は、内閣総理大臣の許可を受けなければ、情報処理業務の全部又は一部を休止し、又は廃止してはならない。

 (指定の取消し等)

第六十一条の二十一 内閣総理大臣は、指定情報処理機関が次の各号の一に該当するときは、第六十一条の十の指定を取り消し、又は一年以内の期間を定めて情報処理業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。

 一 第六十一条の十三第二号又は第三号に該当するに至つたとき。

 二 第六十一条の十四、第六十一条の十五、第六十一条の十七又は前条の規定に違反したとき。

 三 第六十一条の十六第一項の認可を受けた業務規定によらないで情報処理業務を行つたとき。

 四 第六十一条の十六第三項又は第六十一条の十九の規定による命令に違反したとき。

 (公示)

第六十一条の二十二 内閣総理大臣は、次の場合には、その旨を官報で告示するものとする。

 一 第六十一条の十の指定をしたとき。

 二 第六十一条の二十の許可をしたとき。

 三 前条の規定により指定を取り消したとき。

 (報告徴収等)

第六十一条の二十三 内閣総理大臣は、指定情報処理機関の情報処理業務の適確な遂行の確保に必要な限度において、指定情報処理機関に対し、その業務若しくは経理に関し報告をさせ、又はその職員に、当該機関の事務所若しくは事業所に立ち入り、当該機関の帳簿、書類その他必要な物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。

2 前項の規定により職員が立ち入るときは、その身分を示す証明書を携帯し、かつ、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。

3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

 第六十一条の七の次に次の一条を加える。

 (計量管理規定)

第六十一条の八 国際規制物資使用者及び第六十一条の三第一項各号(第一号を除く。)の一に該当する場合における当該各号に規定する者(以下この条において「国際規制物資使用者等」という。)は、国際規制物資の適正な計量及び管理を確保するため、総理府令で定めるところにより、計量管理規定を定め、国際規制物資の使用開始前に、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

2 内閣総理大臣は、計量管理規定が国際規制物資の適正な計量及び管理を確保するために十分でないと認めるときは、前項の認可をしてはならない。

3 内閣総理大臣は、国際規制物資の適正な計量及び管理を確保するため必要があると認めるときは、国際規制物資使用者等に対し、計量管理規定の変更を命ずることができる。

4 国際規制物資使用者等及びその従業者は、計量管理規定を守らなければならない。

 第六十八条の見出しを「(立入検査等)」に改め、同条第一項中「又は関係者に質問させることができる」を「関係者に質問させ、又は試験のため必要な最小限度の量に限り、核原料物質、核燃料物質その他の必要な試料を収去させることができる」に改め、同条第四項中「国際規制物資の」を「国際原子力機関の指定する者又は国際規制物資の」に、「その職員」を「その職員(第七十四条の二第二項の規定により立入検査を行う通商産業省又は運輸省の職員を含む。第六項において同じ。)」に、「国際規制物資を使用している者」を「国際規制物資使用者及び第六十一条の三第一項各号の一に該当する場合における当該各号に規定する者」に、「その船舶」を「その船舶。次項及び第六項において同じ。」に、「最少限度」を「最小限度」に改め、同条に次の三項を加える。

5 内閣総理大臣は、国際約束に基づく保障措置の実施に必要な限度において、総理府令で定めるところにより、その職員に、国際規制物資を使用している者の工場又は事業所内において、国際規制物資の移動を監視するために必要な封印をさせ、又は装置を取り付けさせることができる。

6 国際原子力機関の指定する者は、内閣総理大臣の指定するその職員の立会いの下に、国際約束で定める範囲内で、国際規制物資を使用している者の工場又は事業所内において、国際規制物資の移動を監視するために必要な封印をし、又は装置を取り付けることができる。

7 何人も、前二項の規定によりされた封印又は取り付けられた装置を、正当な理由がないのに、取り外し、又はき損してはならない。

 第六十九条第一項中「第七十四条の二」を「第七十四条の二第一項」に、「又は第六十一条の六」を「、第六十一条の六又は第六十一条の二十一」に改める。

 第七十四条の二の見出し中「委任」を「委任等」に改め、同条に次の二項を加える。

2 第六十八条第一項及び第五項の規定により内閣総理大臣がその職員に行わせることができる事務は、政令で定めるところにより、通商産業省又は運輸省の職員に行わせることができる。

3 第六十八条第二項及び第三項の規定は、前項の規定により通商産業省又は運輸省の職員に行わせる立入検査に準用する。

 第七十七条中「三十万円」を「五十万円」に改める。

 第七十八条中「十万円」を「三十万円」に改める。

 第七十八条の次に次の二条を加える。

第七十八条の二 第六十一条の十八の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

第七十八条の三 第六十一条の二十一の規定による情報処理業務の停止の命令に違反した場合には、その違反行為をした指定情報処理機関の役員又は職員は、一年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

 第七十九条中「五万円」を「二十万円」に改め、同条第十号を同条第十一号とし、同条第九号を同条第十号とし、同条第八号中「第六十一条の八」を「第六十一条の九」に改め、同号を同条第九号とし、同条第七号の次に次の一号を加える。

 八 第六十一条の八第一項の規定に違反し、又は同条第三項の規定による命令に違反した者

 第八十条中「一万円」を「十万円」に改め、同条第六号中「立入」を「立入り」に改め、同条に次の一号を加える。

 七 第六十八条第七項の規定に違反した者

 第八十条の次に次の一条を加える。

第八十条の二 次の各号の一に掲げる違反があつた場合には、その違反行為をした指定情報処理機関の役員又は職員は、十万円以下の罰金に処する。

 一 第六十一条の二十の許可を受けないで情報処理業務の全部を廃止したとき。

 二 第六十一条の二十三第一項の報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。

 三 第六十一条の二十三第一項の規定による立入り若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をしたとき。

 第八十一条中「前四条」を「第七十七条、第七十八条、第七十九条又は第八十条」に改める。

 第八十二条中「一万円」を「五万円」に改める。

 第八十三条中「五千円」を「三万円」に改める。


   附 則


 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して一月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、附則第三条の規定は、原子力基本法等の一部を改正する法律(昭和五十三年法律第八十六号)の公布の日から施行する。


 (経過措置)

第二条 この法律の施行の際現に国際規制物資を使用している者についてのこの法律による改正後の核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第六十一条の八第一項の規定の適用については、同項中「国際規制物資の使用開始前に」とあるのは、「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律(昭和五十二年法律第八十号)の施行の日から三十日以内に」とする。

2 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。


 (原子力基本法等の一部を改正する法律の一部改正)

第三条 原子力基本法等の一部を改正する法律の一部を次のように改正する。

  第三条のうち核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(以下この条において「法」という。)第六十七条の改正規定中「第六十八条第一項において同じ。」を削る。

  第三条のうち法第六十八条第一項の改正規定中「区分」の下に「(核原料物質使用者並びに国際規制物資使用者及び第六十一条の三第一項各号の一に該当する場合における当該各号に規定する者については、第六十四条第三項各号の当該区分にかかわらず、内閣総理大臣とする。)」を加え、「「国際規制物資使用者」を「国際規制物資を使用している者」に改め」を「「国際規制物資使用者」の下に「若しくは第六十一条の三第一項各号の一に該当する場合における当該各号に規定する者」を加え」に改める。

  第三条のうち法第七十四条の二の改正規定中「第七十四条の二第二号」を「第七十四条の二第一項第二号」に、「同条第五号」を「同項第五号」に改める。

(内閣総理大臣署名) 

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