特定不況業種離職者臨時措置法
法律第九十五号(昭五二・一二・二六)
目次
第一章 総則(第一条―第四条)
第二章 失業の予防(第五条)
第三章 職業紹介等に関する計画及び再就職援助等に関する計画(第六条―第八条)
第四章 特定不況業種離職者に対する特別措置(第九条―第十九条)
第五章 雑則(第二十条・第二十一条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、雇用の機会が著しく減少している状況の下で、特定不況業種に係る事業分野において一時に多数の離職者が発生することが見込まれること等の事情にかんがみ、失業の予防、再就職の促進等のための特別の措置を講じ、もつて特定不況業種離職者等の職業及び生活の安定に資することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「特定不況業種」とは、我が国における経済基調の変化、国際経済環境の変化、長期にわたる不況等の経済的事情により、その製品又は役務の供給能力が著しく過剰となつており、かつ、その状態が長期にわたり継続することが見込まれ、このため、法令に基づく行為又は国の施策に基づき事業規模若しくは事業活動の縮小又は事業の転換若しくは廃止(以下「事業規模の縮小等」という。)がなされ、これに伴い相当数の離職者が発生し、又は発生するおそれがあると認められる業種で、当該離職者に関しこの法律で定める特別の措置を講ずる必要があるものとして政令で指定するものをいう。
2 前項の政令の制定又は改正の立案をしようとするときは、労働大臣は、あらかじめ、当該業種に係る主たる事業者団体及び労働組合の意見を聴かなければならない。
3 この法律において「特定不況業種事業主」とは、特定不況業種に属する事業を行う事業主(当該事業主から特定不況業種に属する事業に関し委託を受けて製造、修理その他の行為を業として行う事業主であつて労働省令で定めるものを含む。)をいう。
4 この法律において「特定不況業種離職者」とは、特定不況業種事業主が実施する当該特定不況業種に係る事業規模の縮小等に伴い離職を余儀なくされた労働者であつて、現に失業しており、又はその職業が著しく不安定であるため失業と同様の状態にあると認められるもの(第十九条を除き、船員職業安定法(昭和二十三年法律第百三十号)第六条第一項に規定する船員となろうとする者を除く。)をいう。
(事業主等の責務)
第三条 特定不況業種事業主は、その雇用する労働者について、配置転換、教育訓練又は雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第六十一条の二第一項若しくは第二項の雇用安定事業に係る教育訓練等の実施その他の必要な措置を講ずることにより、失業の予防に努めるとともに、離職を余儀なくされた場合における再就職の促進を図るため、公共職業安定所と協力して、求人の開拓その他再就職の援助に関し必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
2 特定不況業種事業主及びその団体は、当該特定不況業種事業主の雇用する労働者の雇用の安定に関し、相互に協力するよう努めなければならない。
(国及び地方公共団体の責務)
第四条 国は、特定不況業種に係る事業規模の縮小等に伴う労働者の失業を予防するため、事業主に対する必要な援助の措置を講ずるよう努めるとともに、特定不況業種離職者の再就職の促進に必要な施策を総合的かつ効果的に推進するよう努めなければならない。
2 地方公共団体は、前項の国の施策に協力するとともに、特定不況業種離職者の再就職の促進に努めなければならない。
第二章 失業の予防
第五条 第七条第一項に規定する再就職援助等に関する計画について同条第三項(第八条において準用する場合を含む。)の規定により公共職業安定所長の認定を受けた特定不況業種事業主が雇用保険法第六十一条の二第二項の雇用安定事業に係る教育訓練等を実施する場合には、政府は、同条の規定により同条同項の雇用安定事業を行うものとする。
第三章 職業紹介等に関する計画及び再就職援助等に関する計画
(職業紹介等に関する計画)
第六条 労働大臣は、労働省令で定める特定不況業種の区分ごとに、次項の資料を勘案して、特定不況業種離職者の再就職を促進するため、職業紹介等に関する計画を作成し、その計画に基づき必要な措置を講ずるものとする。
2 労働大臣は、前項の計画を作成するに当たつては、特定不況業種に係る事業者団体に対し、労働省令で定めるところにより、当該特定不況業種における労働力の需給見通しに関する資料の提出を求めるものとする。
(再就職援助等に関する計画)
第七条 特定不況業種事業主であつて、当該特定不況業種に係る一の事業所において相当数の労働者について離職及びその他の影響を生ずることとなる労働省令で定める事業規模の縮小等を行おうとするものは、労働省令で定めるところにより、離職者の再就職の援助その他当該労働者の雇用の安定に関する計画(以下「再就職援助等に関する計画」という。)を作成しなければならない。
2 前項の事業主は、再就職援助等に関する計画の作成に当たつては、当該事業所において、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合の、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければならない。次項の規定により認定を受けた当該計画を変更しようとするときも、同様とする。
3 第一項の事業主は、再就職援助等に関する計画を作成したときは、労働省令で定めるところにより、当該事業主が実施する事業規模の縮小等に関する資料を添えて、公共職業安定所長に提出し、その認定を受けなければならない。当該認定を受けた計画を変更したときも、同様とする。
4 前項の場合において、公共職業安定所長は、再就職援助等に関する計画で定める措置の内容が不適当であると認めるときは、当該計画に係る事業主に対し、その内容の変更を求めることができる。この場合において、当該事業主がその求めに応じなかつたときは、公共職業安定所長は、同項の認定を行わないことができる。
5 第一項から前項までの規定は、特定不況業種事業主が、当該特定不況業種に係る一の事業所において、一箇月の期間内に、三十人以上の離職者を生ずることとなる事業規模の縮小等を行おうとする場合について準用する。この場合において、第三項中「労働省令で定めるところにより」とあるのは、「その離職者の生ずる日(その離職者の生ずる日が同一の日でない場合にあつては、当該離職者の生ずる最後の日)の少なくとも一箇月前に、労働省令で定めるところにより」と読み替えるものとする。
6 前項において準用する第三項の認定の申請をした特定不況業種事業主は、雇用対策法(昭和四十一年法律第百三十二号)の規定の適用については、同法第二十一条第一項の離職に係る届出をしたものとみなす。
7 第二条第一項の政令が制定され、又は改正されたことにより新たに特定不況業種が指定された場合において、当該新たに特定不況業種に属することとなつた事業に係る特定不況業種事業主が当該新たに指定された日から起算して一箇月内に第五項に規定する事業規模の縮小等を行おうとするときは、同項の規定の適用については、同項後段中「その離職者の生ずる日(その離職者の生ずる日が同一の日でない場合にあつては、当該離職者の生ずる最後の日)の少なくとも一箇月前に」とあるのは、「その難職者の生ずる日前に遅滞なく」とする。
第八条 特定不況業種事業主のうち、前条第一項及び第五項の事業主以外の事業主であつて、当該特定不況業種に係る事業所において事業規模の縮小等を行おうとするものは、労働省令で定めるところにより、再就職援助等に関する計画を作成し、公共職業安定所長の認定を求めることができる。この場合においては、同条第二項から第四項までの規定を準用する。
第四章 特定不況業種離職者に対する特別措置
(職業訓練)
第九条 労働大臣は、特定不況業種離職者の再就職を容易にするため、必要な職業訓練の実施に関し、訓練時期、訓練期間、職業訓練に係る職種、委託訓練、職業訓練施設、受講定員等について特別の措置を講ずるものとする。
2 前項の措置に係る専修職業訓練校における職業訓練に要する費用については、国は、職業訓練法(昭和四十四年法律第六十四号)第九十九条の規定による負担を行うほか、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、その一部を負担することができる。
(特定不況業種離職者求職手帳)
第十条 公共職業安定所長は、特定不況業種離職者で次の各号に該当すると認定したものに対し、その者の申請に基づき、特定不況業種離職者求職手帳(以下「求職手帳」という。)を発給する。
一 当該離職が第七条第三項(同条第五項及び第八条において準用する場合を含む。次号及び次項において同じ。)の規定により認定を受けた再就職援助等に関する計画に含まれているものであること。
二 第七条第三項の規定により認定を受けた再就職援助等に関する計画に係る事業主に当該離職の日まで一年以上引き続き雇用されていたこと。
三 労働の意思及び能力を有すること。
四 当該離職の日以後において新たに安定した職業に就いたことがないこと。
2 公共職業安定所長は、やむを得ない理由により特定不況業種事業主が再就職援助等に関する計画について第七条第三項の規定による認定を受けることができなかつたと認めたときは、当該離職の日まで一年以上引き続き当該特定不況業種事業主に雇用されており、かつ、前項第三号及び第四号に該当すると認定した特定不況業種離職者に対しても、その者の申請に基づき、求職手帳を発給することができる。
3 求職手帳は、労働省令で定める期間、その効力を有する。
4 求職手帳は、公共職業安定所長が、当該求職手帳の発給を受けた者が次の各号のいずれかに該当すると認めたときは、その効力を失う。
一 労働の意思又は能力を有しなくなつたとき。
二 新たに安定した職業に就いたとき。
三 次条第三項の規定に違反して再度就職指導を受けなかつたとき。
四 偽りその他不正の行為により、第十三条第一項又は第二項の給付金(事業主に対して支給するものを除く。)の支給を受け、又は受けようとしたとき。
5 前項の場合においては、公共職業安定所長は、その旨をその者に通知する。
6 第一項から前項までに定めるもののほか、求職手帳の発給の申請、発給、返納その他求職手帳に関し必要な事項は、労働省令で定める。
(就職指導)
第十一条 公共職業安定所長は、求職手帳の発給を受けた者(以下「手帳所持者」という。)に対し、その者の再就職を促進するために必要な職業指導(以下「就職指導」という。)を行うものとする。
2 公共職業安定所長は、手帳所持者に対し、公共職業訓練施設の行う職業訓練を受けることその他その者の再就職を促進するために必要な事項を指示することができる。
3 手帳所持者は、労働省令で定めるところにより、定期的に、公共職業安定所長が指定した日に公共職業安定所に出頭し、就職指導を受けなければならない。ただし、次の各号に掲げるいずれかの理由により公共職業安定所に出頭することができなかつたときは、この限りでない。
一 疾病又は負傷
二 公共職業安定所の紹介による求人者との面接
三 前項の規定により公共職業安定所長の指示した公共職業訓練施設の行う職業訓練の受講
四 天災その他やむを得ない理由
五 その他労働省令で定める理由
(就職促進指導官)
第十二条 就職指導は、職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)第九条の二第一項の就職促進指導官に行わせるものとする。
(給付金の支給等)
第十三条 国は、他の法令の規定に基づき支給するものを除くほか、手帳所持者がその有する能力に適合する職業に就くことを容易にし、及び促進するため、手帳所持者又は事業主に対し、次の各号に掲げる給付金を支給することができる。
一 公共職業安定所長の指示した公共職業訓練施設の行う職業訓練を受けるために待期している間についての訓練待期手当又は手帳所持者の再就職の促進を図るための就職促進手当
二 広範囲の地域にわたる求職活動に要する費用に充てるための広域求職活動費
三 就職又は知識若しくは技能の習得をするための住所又は居所の変更に要する費用に充てるための移転費
四 前各号に掲げる給付金以外の給付金であつて、政令で定めるもの
2 都道府県は、他の法令の規定に基づき支給するものを除くほか、手帳所持者がその有する能力に適合する職業に就くことを容易にし、及び促進するため、手帳所持者又は事業主に対し、次の各号に掲げる給付金を支給することができる。
一 公共職業訓練施設の行う職業訓練又は作業環境に適応させる訓練を受けることを容易にするための訓練手当
二 手帳所持者を作業環境に適応させる訓練を行うことを促進するための職場適応訓練費
3 国は、労働大臣が定める基準に従い、都道府県に対し、前項第一号に掲げる訓練手当に要する費用の三分の二を、同項第二号に掲げる職場適応訓練費に要する費用の二分の一を、それぞれ負担する。
4 第一項及び第二項の規定による給付金の支給に関し必要な基準は、労働省令で定める。
(給付金の支給を受ける権利の譲渡等の禁止)
第十四条 前条第一項又は第二項の給付金の支給を受けることとなつた者の当該支給を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。ただし、事業主に係る当該権利については、国税滞納処分(その例による処分を含む。)により差し押さえる場合は、この限りでない。
(公課の禁止)
第十五条 租税その他の公課は、第十三条第一項及び第二項の給付金(事業主に対して支給するものを除く。)を標準として課することができない。
(宿舎の確保のための配慮)
第十六条 国は、手帳所持者が公共職業安定所の紹介により移転して就職することを容易にするため、宿舎の貸与その他宿舎の確保に関し特別な配慮をするものとする。
(雇用機会の増大のための措置)
第十七条 国は、手帳所持者の雇用を促進するため、手帳所持者を継続して雇用する労働者として雇い入れる事業主に対する助成金の支給その他新規の雇用部門の開拓等雇用機会の増大を図るために必要な措置を講ずるものとする。
(雇用保険法の特例)
第十八条 手帳所持者であって雇用保険法第十五条第一項に規定する受給資格者であるもののうち、公共職業安定所長が次の各号に該当すると認めたものであり、かつ、同法第二十二条第一項第一号に規定する基準日において四十歳以上であるものについては、同法第二十三条第一項の規定にかかわらず、次項の規定による期間内の失業している日について、同法同条同項の規定により、同法同条同項の所定給付日数(同法同条同項に規定する所定給付日数をいう。以下この項において同じ。)を超える基本手当の支給を行うことができる。この場合において、当該所定給付日数を超えて基本手当を支給する日数は、同法同条同項後段の規定にかかわらず、同法同条同項後段の政令で定める日数に三十日を加えた日数を限度とするものとする。
一 所定給付日数に相当する日数分の基本手当の支給を受け終わる日(雇用保険法第二十四条から第二十八条までの規定により訓練延長給付、広域延長給付又は全国延長給付を受けている者にあつては、これらの規定によるこれらの給付が終わる日)までに職業に就くことができる見込みがなく、かつ、特に再就職のために援助を行う必要があると認められる者
二 当該受給資格に係る離職後最初に公共職業安定所に求職の申込みをした日以後、正当な理由がなく、公共職業安定所の紹介する職業に就くこと、第十一条第二項の規定による公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受けること又は同条第三項の規定による就職指導を受けることを拒んだことのある者以外の者
2 前項及び雇用保険法第二十三条第一項の規定による基本手当の支給を受ける受給資格者の同法同条第二項に規定する受給期間は、当該期間に三十日を加えた期間とする。
3 第一項の規定の適用を受ける者に対する雇用保険法の規定の適用については、同法第二十八条第一項中「全国延長給付、個別延長給付」とあるのは、「全国延長給付、個別延長給付(特定不況業種離職者臨時措置法(昭和五十二年法律第九十五号)第十八条第一項の規定によるものを含む。以下同じ。)」とする。
(船員保険法の特例)
第十九条 手帳所持者(特定不況業種離職者で、海運局(船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)第三十三条ノ四第一項に規定する海運局をいう。以下この項において同じ。)の長が、第十条第一項各号に該当すると認定した者及び同条第二項に規定する者に相当する者であると認定した者を含む。附則第二項において同じ。)であつて、同法第三十三条ノ三第一項の規定に該当するもののうち、公共職業安定所(同法第三十三条ノ四第一項に規定する公共職業安定所をいう。以下この項において同じ。)又は海運局(以下この項において「公共職業安定所等」と総称する。)の長が、次の各号に該当すると認めたものであり、かつ、同法第三十三条ノ十二第一項第一号に規定する基準日において四十歳以上であるものについては、同法第三十三条ノ十二ノ二第一項の規定にかかわらず、次項の規定による期間内の失業している日について、同法同条同項の規定により、同法同条同項の所定給付日数(同法同条同項に規定する所定給付日数をいう。以下この項において同じ。)を超える失業保険金の支給を行うことができる。この場合において、当該所定給付日数を超えて失業保険金を支給する日数は、同法同条同項後段の規定にかかわらず、同法同条同項後段の政令で定める日数に三十日を加えた日数を限度とするものとする。
一 所定給付日数に相当する日数分の失業保険金の支給を受け終わる日(船員保険法第三十三条ノ十三から第三十三条ノ十三ノ三までの規定により職業補導延長給付又は全国延長給付を受けている者にあつては、これらの規定によるこれらの給付が終わる日)までに職業に就くことができる見込みがなく、かつ、特に再就職のために援助を行う必要があると認められる者
二 当該受給資格に係る離職後最初に公共職業安定所等に求職の申込みをした日以後、正当な理由がなく、公共職業安定所等の紹介する職業に就くこと、第十一条第二項の規定による公共職業安定所の長の指示した公共職業訓練等を受けること、同条第三項の規定による就職指導を受けること又は海運局の長の指示した職業の補導を受けることを拒んだことのある者以外の者
2 前項及び船員保険法第三十三条ノ十二ノ二第一項の規定による失業保険金の支給を受けることができる者の同法同条第二項に規定する支給を受ける期間は、当該期間に三十日を加えた期間とする。
3 第一項の規定の適用を受ける者に対する船員保険法の規定の適用については、同法第三十三条ノ十三ノ三第一項中「個別延長給付及職業補導延長給付」とあるのは、「個別延長給付(特定不況業種離職者臨時措置法(昭和五十二年法律第九十五号)第十九条第一項ノ規定ニ依ルモノヲ含ム以下同ジ)及職業補導延長給付」とする。
第五章 雑則
(公共事業についての配慮等)
第二十条 労働大臣は、必要があると認めるときは、公共事業(国自ら又は国の負担金の交付を受け、若しくは国庫の補助により地方公共団体等が計画実施する公共的な建設又は復旧の事業をいう。)を計画実施する国の機関又は地方公共団体等(これらのものとの請負契約その他の契約に基づいて、その事業を施行する者を含む。)に対し、特定不況業種離職者の雇入れの促進について配慮するよう要請することができる。
2 中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法(昭和四十六年法律第六十八号)第二十二条の規定の適用については、同条中「中高年齢失業者等」とあるのは「中高年齢失業者等(特定不況業種離職者臨時措置法に定める特定不況業種離職者求職手帳の発給を受けた者を含む。)」と、同条第一項中「特定地域における」とあるのは「特定地域又は指定地域(特定地域以外の地域であつて、特定不況業種離職者臨時措置法(昭和五十二年法律第九十五号)に定める特定不況業種離職者求職手帳の発給を受けた者及び中高年齢者である失業者が就職することが著しく困難である地域として労働大臣が指定するものをいう。)における」と、「当該特定地域」とあるのは「当該特定地域又は当該指定地域」とする。
(中央職業安定審議会における専門部会の設置)
第二十一条 中央職業安会審議会に、特定不況業種離職者等に関して講ずる再就職の促進等の措置についての専門的事項を調査審議させるため、専門部会を置く。
2 専門部会の組織及び運営に関し必要な事項は、労働省令で定める。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から起算して七日を経過した日から施行する。
(この法律の失効)
2 この法律は、施行の日から起算して二年を経過した日にその効力を失う。ただし、この法律の失効の際現に手帳所持者である者に関しては、第四章の規定は、なおその効力を有する。
(経過措置)
3 この法律の施行の日(以下次項までにおいて「施行日」という。)において特定不況業種事業主に該当することとなつた事業主が施行日前に実施した当該特定不況業種に係る事業規模の縮小等に伴い、昭和五十二年十二月一日から施行日の前日までの間に離職を余儀なくされた労働者は、この法律の規定の適用については、特定不況業種離職者とみなす。この場合においては、第十条第一項第一号中「第七条第三項(同条第五項及び第八条において準用する場合を含む。次号及び次項において同じ。)の規定により認定を受けた再就職援助等に関する計画」とあり、同項第二号中「第七条第三項の規定により認定を受けた再就職援助等に関する計画」とあるのは「附則第四項の規定により確認を受けた同項の報告書」と、同条第二項中「再就職援助等に関する計画について第七条第三項の規定による認定」とあるのは「附則第四項の報告書について同項の規定による確認」とする。
4 前項の規定により特定不況業種離職者とみなされた者に係る特定不況業種事業主は、施行日から起算して一箇月内に、労働省令で定めるところにより、当該事業規模の縮小等に関する資料を添えて、当該離職者に係る報告書を公共職業安定所長に提出し、その確認を求めることができる。
(労働省設置法の一部改正)
5 労働省設置法(昭和二十四年法律第百六十二号)の一部を次のように改正する。
第十条第一項第八号中「及び建設労働者の雇用の改善等に関する法律」を「、建設労働者の雇用の改善等に関する法律及び特定不況業種離職者臨時措置法(昭和五十二年法律第九十五号)(第九条の規定を除く。)」に改める。
第十条の二第六号中「及び港湾労働者」を「、港湾労働者及び特定不況業種離職者」に改める。
第十八条第一項中「及び建設労働者の雇用の改善等に関する法律(これに基づく命令を含む。)」を「、建設労働者の雇用の改善等に関する法律(これに基づく命令を含む。)及び特定不況業種離職者臨時措置法(これに基づく命令を含む。)」に改める。
(社会保険労務士法の一部改正)
6 社会保険労務士法(昭和四十三年法律第八十九号)の一部を次のように改正する。
別表第一第二十号の九の次に次の一号を加える。
二十の十 特定不況業種離職者臨時措置法(昭和五十二年法律第九十五号)
(法務・大蔵・厚生・運輸・労働・自治・内閣総理大臣署名)