石炭鉱業合理化臨時措置法等の一部を改正する法律

法律第二十二号(昭五二・四・二二)

 (石炭鉱業合理化臨時措置法の一部改正)

第一条 石炭鉱業合理化臨時措置法(昭和三十年法律第百五十六号)の一部を次のように改正する。

  第三条第二項第一号中「昭和五十一年度」を「昭和五十六年度」に改める。

  第七条中「業務」の下に「を行い、併せて電力用炭の購入及び販売に関する業務」を加える。

  第九条の二第三項中「保証基金」の下に「のいずれか」を加え、「その金額」を「それぞれその金額」に改める。

  第十四条中「六人」を「七人」に改める。

  第二十五条第一項中「行なう」を「行う」に改め、同項第十号の次に次の二号を加える。

  十の二 石炭鉱山における災害の復旧工事に必要な資金の借入れに係る債務の保証

  十の三 海外における石炭資源の開発に必要な資金の借入れに係る債務の保証

  第二十五条第一項中第十二号の二を削り、第十四号を第十九号とし、第十三号を第十八号とし、第十二号の次に次の五号を加える。

  十三 石炭鉱山における災害の復旧工事に必要な資金の貸付け

  十四 海外における石炭の探鉱に必要な資金の貸付け

  十五 海外炭開発調査補助金の交付

  十六 鉱床の一体的な開発のため必要な場合における採掘権の取得及び処分

  十七 電力用炭の購入及び販売

  第二十五条第二項中「前項第十四号」を「前項第十九号」に改める。

  第二十六条第二項第十号中「第十号」の下に「から第十号の三まで」を加え、同項第十三号中「鉱区の調整」を「鉱床の一体的な開発」に改め、同号を同項第十六号とし、同項に次の一号を加える。

  十七 電力用炭の購入及び販売の方法

  第二十六条第二項第十二号の次に次の三号を加える。

  十三 前条第一項第十三号に規定する資金の貸付け及び償還の方法

  十四 前条第一項第十四号に規定する資金(以下「海外炭探鉱資金」という。)の貸付けをすることができる場合並びに海外炭探鉱資金に係る貸付金の利率、償還期間並びに貸付け及び償還の方法

  十五 海外炭開発調査補助金の額の算定の基準並びに交付の時期及び方法

  第二十六条の二第一項中「業務に関する保証基金」の下に「、同項第十号の二に掲げる業務及びこれに附帯する業務に関する保証基金並びに同項第十号の三に掲げる業務及びこれに附帯する業務に関する保証基金」を加え、「当該基金」を「それぞれの基金」に改める。

  第二十七条第二項中「債務」の下に「及び同項第十号の三に規定する債務」を加え、「並びに同項第十一号に規定する資金及び同項第十一号の二に規定する資金の貸付計画」を「、同項第十一号に規定する資金、同項第十一号の二に規定する資金及び海外炭探鉱資金の貸付計画並びに海外炭開発調査補助金の交付計画」に改める。

  第二十九条の次に次の一条を加える。

  (利益及び損失の処理)

 第二十九条の二 事業団は、毎事業年度、損益計算において利益を生じたときは、前事業年度から繰り越した損失をうめ、なお残余があるときは、その残余の額は、積立金として整理しなければならない。

 2 事業団は、毎事業年度、損益計算において損失を生じたときは、前項の規定による積立金を減額して整理し、なお不足があるときは、その不足額は、繰越欠損金として整理しなければならない。

  第三十五条の十第一項ただし書中「及びこれと隣接する採掘鉱区に係る鉱床を一体として開発することが」を「に係る鉱床と当該区域の周辺の採掘鉱区に係る鉱床とを一体的に開発することが鉱床の位置形状その他の鉱床の状態からみて」に改める。

  第三十六条の十三に次の三項を加える。

 2 第二十五条第一項第十号の二に規定する債務の保証は、採掘権者であつて通商産業省令で定める基準に該当するものが銀行から石炭鉱山における災害であつてその復旧に著しく多額の資金を要するもの(通商産業省令で定める基準に該当するものに限る。以下「特定災害」という。)に係る復旧工事(坑道の修復工事その他の通商産業省令で定める工事に限る。)に必要な資金の貸付けを受けることにより当該銀行に対して負担する債務(元本に限る。)について、事業団が当該銀行と保証契約を締結することにより行うものとする。

 3 前項の債務の保証は、通商産業大臣が石炭鉱業審議会の意見を聴いて、当該石炭鉱山に係る石炭の鉱量、品位その他の自然条件及び復旧が完了した後における生産条件からみてその復旧が石炭鉱業の合理化の円滑な実施を図るため必要と認めた場合に限り、行うものとする。

 4 第二十五条第一項第十号の三に規定する債務の保証は、海外における石炭資源の開発又はこれに必要な資金の供給を行う採掘権者(採掘権者と共同して又は採掘権者から出資を受けて、海外における石炭資源の開発又はこれに必要な資金の供給を行う者を含む。)であつて通商産業省令で定める基準に該当するものが銀行から当該開発又は当該資金の供給を行うために必要な資金であつて通商産業省令で定めるものの貸付けを受けることにより当該銀行に対して負担する債務(元本に限る。)について、その開発が石炭鉱業の合理化のため適切であると認められる場合に限り、事業団が当該銀行と保証契約を締結することにより行うものとする。

  第三十六条の十四中「前条」を「前条第一項、第二項又は第四項」に改め、「債務の」の下に「それぞれの」を、「掲げる」の下に「それぞれの」を加え、「こえない」を「超えない」に改める。

  第三十六条の十五第一項中「第三十六条の十三」を「第三十六条の十三第一項、第二項又は第四項」に、「当該債務者たる採掘権者又は租鉱権者」を「当該債務の債務者」に改める。

  第三十六条の十六第一項、第三十六条の十七、第三十六条の十八及び第三十六条の十九第一項中「第三十六条の十三」を「第三十六条の十三第一項、第二項又は第四項」に改める。

  第三十六条の二十中「第三十六条の十三」を「第三十六条の十三第一項、第二項若しくは第四項」に改める。

  第三十六条の二十一第一項中「第三十六条の十三第一号又は第二号」を「第三十六条の十三第一項第一号又は第二号」に、「行なう」を「行う」に改める。

  第三十六条の二十二第一項中「第三十六条の十三第一号」を「第三十六条の十三第一項第一号」に、「行なう」を「行う」に改める。

  第三十六条の二十四第一項中「第二十五条第一項第十二号の二」を「第二十五条第一項第十六号」に改め、同条第二項中「第二十五条第一項第十二号の二」を「第二十五条第一項第十六号」に、「及びこれと隣接する採掘鉱区に係る鉱床を一体として開発することが著しく合理的であると認められる場合において、隣接鉱区の採掘権者であつて通商産業省令で定める基準に該当するものに対して行なう」を「に係る鉱床と当該鉱区の周辺の採掘鉱区に係る鉱床とを一体的に開発することが鉱床の位置形状その他の鉱床の状態からみて著しく合理的であると認められる場合において、当該周辺の採掘鉱区の採掘権者であつて鉱床の一体的な開発に関する適切な計画を有し、かつ、当該計画を適確に遂行するに足りる経理的基礎及び技術的能力を有することその他の通商産業省令で定める基準に該当するものに対して行う」に改め、同条を第三十六条の二十七とし、同条の次に次の一条を加える。

  (電力用炭の購入及び販売)

 第三十六条の二十八 第二十五条第一項第十七号に規定する電力用炭の購入及び販売は、第六十七条の四に規定するところにより行うものとする。

  第三十六条の二十三の次に次の三条を加える。

  (災害復旧資金の貸付け)

 第三十六条の二十四 第二十五条第一項第十三号に規定する資金の貸付けは、採掘権者であつて通商産業省令で定める基準に該当するものに対し、特定災害に係る復旧工事(坑道の修復工事その他の通商産業省令で定める工事に限る。)に必要な資金について行うものとする。

 2 第三十六条の十三第三項の規定は、前項に規定する資金の貸付けについて準用する。

 3 第一項に規定する資金の貸付けに係る貸付金は、無利子とし、その償還期間は、八年(据置期間を含む。)を超えない範囲内において政令で定める期間とする。

 4 第三十六条の六及び第三十六条の八から第三十六条の十一までの規定は、第一項に規定する資金の貸付けを受けた者について準用する。

  (海外炭探鉱資金の貸付け)

 第三十六条の二十五 海外炭探鉱資金の貸付けは、海外における石炭の探鉱又はこれに必要な資金の供給を行う採掘権者(採掘権者から出資を受けて海外における石炭の探鉱又はこれに必要な資金の供給を行う者を含む。)であつて通商産業省令で定める基準に該当するものに対し、当該探鉱又は当該資金の供給を行うために必要な資金であつて通商産業省令で定めるものについて、その探鉱に係る石炭資源の開発が石炭鉱業の合理化のため適切であると見込まれる場合に限り、行うものとする。

 2 第三十六条の八、第三十六条の九及び第三十六条の十一の規定は、海外炭探鉱資金の貸付けを受けた者について準用する。

  (海外炭開発調査補助金の交付)

 第三十六条の二十六 海外炭開発調査補助金の交付は、海外における石炭資源の開発に必要な基礎的な調査又は海外における石炭の探鉱に必要な地質調査を行う採掘権者(採掘権者から出資を受けてこれらの調査を行う者を含む。)であつて通商産業省令で定める基準に該当するものに対し、これらの調査に必要な経費について行うものとする。

  第四十条の二中「又は再建資金」を「、再建資金又は同項第十三号に規定する資金」に改める。

  第五十三条の二第三号中「第三十六条の十三」を「第三十六条の十三第一項、第二項若しくは第四項」に改め、「第三十六条の二十三第一項」の下に「、第三十六条の二十四第一項、第三十六条の二十五第一項、第三十六条の二十六」を加える。

  第五章中第六十八条を第六十七条の二とし、同条の次に次の三条を加える。

  (電力用炭の販売価格等の特例)

 第六十七条の三 通商産業大臣は、毎年、電気事業者であつて政令で定めるもの(以下「電気事業者」という。)が発電の用に供する石炭(以下「電力用炭」という。)の品位に応じ、基準炭価に準拠して、事業団の電力用炭の購入価格及び販売価格を定めなければならない。

 2 通商産業大臣は、前項の購入価格及び販売価格を定めるに当たつては、事業団のその年における電力用炭の予定購入額及び第二十五条第一項第十七号に掲げる業務の遂行に必要な費用の予定額の合計額が事業団のその年における電力用炭の予定販売額を超えないよう配慮しなければならない。

 第六十七条の四 事業団は、鉱業権者若しくは租鉱権者又は石炭の販売業者から、当該鉱業権者若しくは租鉱権者又は石炭の販売業者が電力用炭を出荷すべき電気事業者の氏名又は名称及び当該電力用炭の数量、銘柄その他の通商産業省令で定める取引条件(価格を除く。)を定めた電力用炭の販売の申込みを受け、電気事業者から、当該電気事業者に電力用炭を出荷すべき鉱業権者若しくは租鉱権者又は石炭の販売業者の氏名又は名称及び当該電力用炭の数量、銘柄その他の通商産業省令で定める取引条件(価格を除く。)を定めた電力用炭の購入の申込みを受けた場合において、販売の申込みの内容と購入の申込みの内容とが合致するときは、当該電力用炭について、当該申込みの内容に従い、前条第一項の購入価格により当該鉱業権者若しくは租鉱権者又は石炭の販売業者と購入の契約をし、同項の販売価格により当該電気事業者と販売の契約をしなければならない。ただし、災害その他通商産業省令で定める事由により購入又は販売の契約をすることが第二十五条第一項第十七号に掲げる業務の遂行に支障を及ぼすと認められる場合において、通商産業大臣が承認したときは、この限りでない。

 第六十八条 鉱業権者若しくは租鉱権者又は石炭の販売業者は、電気事業者と電力用炭の販売の契約をしてはならない。

 2 電気事業者は、鉱業権者若しくは租鉱権者又は石炭の販売業者と電力用炭の購入の契約をしてはならない。

 3 前二項の規定は、災害その他の事由により事業団が第二十五条第一項第十七号に掲げる業務を行うことができない場合その他通商産業省令で定める場合には、適用しない。

  第八十五条の次に次の一条を加える。

 第八十五条の二 第六十八条第一項又は第二項の規定に違反して、電力用炭の販売又は購入の契約をした者は、十万円以下の罰金に処する。

  第八十八条中「、第八十六条又は前条」を「又は前三条」に改める。

  附則第二条の二を削り、附則第二条の三を附則第二条の二とする。


 (石炭鉱業経理規制臨時措置法の一部改正)

第二条 石炭鉱業経理規制臨時措置法(昭和三十八年法律第百四十五号)の一部を次のように改正する。

  附則第二項中「昭和五十二年三月三十一日」を「昭和五十七年三月三十一日」に改める。


 (石炭及び石油対策特別会計法の一部改正)

第三条 石炭及び石油対策特別会計法(昭和四十二年法律第十二号)の一部を次のように改正する。

  附則第二項中「昭和五十二年三月三十一日」を「昭和五十七年三月三十一日」に改める。


   附 則


 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して二月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第一条の規定中石炭鉱業合理化臨時措置法附則第二条の二を削り附則第二条の三を附則第二条の二とする改正規定並びに第二条、第三条及び次条の規定は、公布の日から施行する。


 (電力用炭販売株式会社の解散等)

第二条 電力用炭販売株式会社法(昭和三十八年法律第百四十四号)により設立された電力用炭販売株式会社(以下「会社」という。)は、この法律の公布の日から起算して一月以内に商法(明治三十二年法律第四十八号)第三百四十三条に規定する株主総会の決議を得て、石炭鉱業合理化事業団(以下「事業団」という。)に対してその営業の全部を出資することができる。

2 会社は、前項の規定による出資をする場合には、あらかじめ、その旨を事業団に申し出なければならない。

3 事業団は、前項の規定による申出があつたときは、遅滞なく、通商産業大臣の認可を申請しなければならない。

4 第一項に規定する決議があつた場合において、前項の認可があつたときは、政府以外の株主の所有する株式は、その認可のあつた時に会社が買い取つて消却したものとみなす。

5 前項の場合における株式一株の買取価格は、会社の純資産の額をその発行済株式の総数で除して得た額とする。

6 前項の会社の純資産の額は、臨時に通商産業省に置く評価審査会が決定する。

7 前項の評価審査会の組織及び運営に関し必要な事項は、通商産業省令で定める。石炭鉱業合理化臨時措置法第五十三条の二の規定は、この場合について準用する。

8 第三項の認可があつたときは、会社の一切の権利及び義務は、その認可があつた時において事業団に承継されるものとし、会社は、その時において解散するものとする。この場合においては、他の法令中法人の解散及び清算に関する規定は、適用しない。

9 前項の規定による承継があつたときは、会社の解散の時までに政府の一般会計から会社に対して出資された額は、その承継に際し政府の一般会計から事業団に対して出資されたものとする。この場合において、事業団は、その額により資本金を増加するものとする。

10 第八項の規定により会社が解散した場合における解散の登記については、政令で定める。

11 事業団は、第八項の規定により会社から権利及び義務を承継したときは、石炭鉱業合理化臨時措置法第二十五条第一項の規定にかかわらず、その承継した権利及び義務の処理に関する業務を行うことができる。


 (電力用炭販売株式会社法の廃止)

第三条 電力用炭販売株式会社法は、廃止する。

2 前項の規定の施行前にした廃止前の電力用炭販売株式会社法の規定に違反する行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。


 (経過措置)

第四条 事業団が最初に作成する改正後の石炭鉱業合理化臨時措置法第二十五条第一項第十号の三に規定する債務の保証計画、海外炭探鉱資金の貸付計画及び海外炭開発調査補助金の交付計画については、改正後の同法第二十七条第二項中「事業年度の毎四半期開始前に」とあるのは「石炭鉱業合理化臨時措置法等の一部を改正する法律(昭和五十二年法律第二十二号)の施行後遅滞なく」とする。


 (法人税法の一部改正)

第五条 法人税法(昭和四十年法律第三十四号)の一部を次のように改正する。

  別表第一第一号の表中石炭鉱害事業団の項の次に次のように加える。

石炭鉱業合理化事業団

石炭鉱業合理化臨時措置法(昭和三十年法律第百五十六号)

  別表第二第一号の表中石炭鉱業合理化事業団の項を削る。

2 前項の規定による改正後の法人税法第四条第三項の規定は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)以後に終了する事業団の事業年度の所得に対する法人税について適用し、施行日前に終了した事業団の事業年度の所得に対する法人税については、なお従前の例による。

3 施行日の属する事業団の事業年度に関する前項の規定の適用については、法人税法第十三条第一項の規定にかかわらず、その事業年度の開始の日から施行日の前日までの期間及び施行日からその事業年度の末日までの期間をそれぞれ一の事業年度とみなす。


 (地方税法の一部改正)

第六条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。

  第七十二条の四第一項第二号中「石炭鉱害事業団」の下に「、石炭鉱業合理化事業団」を加える。

  第七十二条の五第一項第七号中「石炭鉱業合理化事業団、」を削る。

2 前項の規定による改正後の地方税法第七十二条の四第一項第二号の規定は、施行日以後に終了する事業団の事業年度分の事業税について適用し、施行日前に終了した事業団の事業年度分の事業税については、なお従前の例による。

3 施行日の属する事業団の事業年度に関する前項の規定の適用については、地方税法第七十二条の十三第一項の規定にかかわらず、その事業年度の開始の日から施行日の前日までの期間及び施行日からその事業年度の末日までの期間をそれぞれ一の事業年度とみなす。

(法務・大蔵・通商産業・労働・自治・内閣総理大臣署名) 

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