都市再開発法の一部を改正する法律

法律第六十六号(昭五〇・七・一六)

 都市再開発法(昭和四十四年法律第三十八号)の一部を次のように改正する。

 目次中

第一章 総則(第一条―第七条)

第一章 総則(第一条―第二条の二)

第一章の二 第一種市街地再開発事業及び第二種市街地再開発事業に関する都市計画(第三条―第六条)

第一章の三 市街地再開発促進区域(第七条―第七条の八)

に、「第一節 市街地再開発組合」を

第一節 個人施行者(第七条の九―第七条の二十)

第一節の二 市街地再開発組合

に、「市街地再開発事業」を「第一種市街地再開発事業」に、「第四章 組合の事業の代行(第百十二条―第百十八条)」を

 第三節 個人施行者及び組合の事業の代行(第百十二条―第百十八条)

第四章 第二種市街地再開発事業

 第一節 管理処分手続

  第一款 管理処分計画(第百十八条の二―第百十八条の十)

  第二款 建築施設の部分による対償の給付等(第百十八条の十一―第百十八条の十六)

  第三款 権利関係の確定等(第百十八条の十七―第百十八条の二十五)

 第二節 雑則(第百十八条の二十六―第百十八条の二十八)」に改める。

 第二条第一号中「行なわれる」を「行われる」に、「いう」を「いい、第三章の規定により行われる第一種市街地再開発事業と第四章の規定により行われる第二種市街地再開発事業とに区分する」に改め、同条の次に次の一条及び章名を加える。

 (市街地再開発事業の施行)

第二条の二 高度利用地区内の宅地について所有権又は借地権を有する者は、一人で、又は数人共同して、当該権利の目的である宅地について、又はその宅地及び一定の区域内の宅地以外の土地について第一種市街地再開発事業を施行することができる。

2 市街地再開発組合は、第一種市街地再開発事業の施行区域内の土地について第一種市街地再開発事業を施行することができる。

3 地方公共団体は、市街地再開発事業の施行区域内の土地について市街地再開発事業を施行することができる。

4 日本住宅公団は、建設大臣が日本住宅公団の行う住宅の建設と併せてこれと関連する市街地の再開発を行うための市街地再開発事業を施行する必要があると認めるときは、市街地再開発事業の施行区域内の土地について当該市街地再開発事業を施行することができる。

5 地域振興整備公団は、建設大臣が地域社会の中心となる都市の開発整備又は特定の地域の総合的かつ計画的な開発整備を行うため地域振興整備公団が宅地の造成と併せてこれと関連する市街地再開発事業を施行する必要があると認めるときは、市街地再開発事業の施行区域内の土地について当該市街地再開発事業を施行することができる。

   第一章の二 第一種市街地再開発事業及び第二種市街地再開発事業に関する都市計画

 第三条の見出しを「(第一種市街地再開発事業の施行区域)」に改め、同条中「市街地再開発事業」を「第一種市街地再開発事業」に改め、「施行区域は、」の下に「第七条第一項の規定による市街地再開発促進区域内の土地の区域又は」を加え、同条第二号を次のように改める。

 二 当該区域内にある耐火建築物(建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第二条第九号の二に規定する耐火建築物をいう。以下同じ。)で地階を除く階数が三以上であるもの(政令で定める耐用年限の三分の二を経過しているもの又は災害その他の理由によりこれと同程度の機能の低下を生じているものを除く。)の建築面積の合計が、当該区域内にあるすべての建築物の建築面積の合計の三分の一以下であること。

 第三条第四号を次のように改める。

 四 当該区域内の土地の高度利用を図ることが、当該都市の機能の更新に貢献すること。

 第三条の次に次の一条を加える。

 (第二種市街地再開発事業の施行区域)

第三条の二 都市計画法第十二条第二項の規定により第二種市街地再開発事業について都市計画に定めるべき施行区域は、次の各号に掲げる条件に該当する土地の区域でなければならない。

 一 前条各号に掲げる条件

 二 次のいずれかに該当する土地の区域で、その面積が三ヘクタール以上のものであること。

  イ 当該区域内にある安全上又は防火上支障がある建築物で政令で定めるものの数の当該区域内にあるすべての建築物の数に対する割合が政令で定める割合以上であり、かつ、これらの建築物が密集しているため、災害の発生のおそれが著しく、又は環境が不良であること。

  ロ 当該区域内に駅前広場、大規模な火災等が発生した場合における公衆の避難の用に供する公園又は広場その他の重要な公共施設で政令で定めるものを早急に整備する必要があり、かつ、当該公共施設の整備と併せて当該区域内の建築物及び建築敷地の整備を一体的に行うことが合理的であること。

 第四条に見出しとして「(第一種市街地再開発事業又は第二種市街地再開発事業に関する都市計画に定める事項)」を付し、同条中「市街地再開発事業」を「第一種市街地再開発事業又は第二種市街地再開発事業」に改める。

 第五条中「市街地再開発事業に関する」を「第一種市街地再開発事業又は第二種市街地再開発事業に関する」に改める。

 第六条の見出しを「(都市計画事業として施行する市街地再開発事業)」に改め、同条第一項中「市街地再開発事業」を「市街地再開発事業の施行区域内においては、市街地再開発事業」に改め、同条第二項を次のように改める。

2 都市計画事業として施行する第一種市街地再開発事業については都市計画法第六十条から第七十四条までの規定を、第二種市街地再開発事業については同法第六十条から第六十四条までの規定を適用しない。

 第六条第三項中「各号」の下に「に掲げる公告又は第百十八条の二第一項各号(同条第六項において準用する場合を含む。)」を加え、同条に次の一項を加える。

4 第二種市街地再開発事業についての都市計画法第六十五条から第七十三条までの規定の適用に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。

 第六条の次に次の章名を付する。

   第一章の三 市街地再開発促進区域

 第七条を次のように改める。

 (市街地再開発促進区域に関する都市計画)

第七条 次の各号に掲げる条件に該当する土地の区域で、その区域内の宅地について所有権又は借地権を有する者による市街地の計画的な再開発の実施を図ることが適切であると認められるものについては、都市計画に市街地再開発促進区域を定めることができる。

 一 第三条各号に掲げる条件

 二 当該土地の区域が第三条の二第二号イ又はロに該当しないこと。

2 市街地再開発促進区域に関する都市計画においては、都市計画法第十条の二第二項に定める事項のほか、公共施設の配置及び規模並びに単位整備区を定めるものとする。

3 市街地再開発促進区域に関する都市計画は、次の各号に規定するところに従つて定めなければならない。

 一 道路、公園、下水道その他の施設に関する都市計画が定められている場合においては、その都市計画に適合するように定めること。

 二 当該区域が、適正な配置及び規模の道路、公園その他の公共施設を備えた良好な都市環境のものとなるように定めること。

 三 単位整備区は、その区域が市街地再開発促進区域内における建築敷地の造成及び公共施設の用に供する敷地の造成を一体として行うべき土地の区域としてふさわしいものとなるように定めること。

 第一章の三中第七条の次に次の七条を加える。

 (第一種市街地再開発事業等の施行)

第七条の二 市街地再開発促進区域内の宅地について所有権又は借地権を有する者は、当該区域内の宅地について、できる限り速やかに、第一種市街地再開発事業を施行する等により、高度利用地区に関する都市計画及び当該市街地再開発促進区域に関する都市計画の目的を達成するよう努めなければならない。

2 市町村は、市街地再開発促進区域に関する都市計画に係る都市計画法第二十条第一項の告示の日から起算して五年以内に、当該市街地再開発促進区域内の宅地について同法第二十九条の許可がされておらず、又は第七条の九第一項若しくは第十一条第一項の規定による認可に係る第一種市街地再開発事業の施行地区に含まれていない単位整備区については、施行の障害となる事由がない限り、第一種市街地再開発事業を施行するものとする。

3 一の単位整備区の区域内の宅地について所有権又は借地権を有する者が、建設省令で定めるところにより、その区域内の宅地について所有権又は借地権を有するすべての者の三分の二以上の同意(同意した者が所有するその区域内の宅地の地積と同意した者のその区域内の借地の地積との合計が、その区域内の宅地の総地積と借地の総地積との合計の三分の二以上となる場合に限る。)を得て、第一種市街地再開発事業を施行すべきことを市町村に対して要請したときは、当該市町村は、前項の期間内であつても、当該単位整備区について第一種市街地再開発事業を施行することができる。

4 前二項の場合において、都道府県は、当該市町村と協議の上、前二項の規定による第一種市街地再開発事業を施行することができる。当該第一種市街地再開発事業が日本住宅公団又は地域振興整備公団の施行することができるものであるときは、これらの公団についても、同様とする。

 (借地権の申告)

第七条の三 前条第三項の同意を得ようとする者は、あらかじめ、当該単位整備区の区域内の宅地について未登記の借地権を有する者は第三項の規定による申告を行うべき旨の公告を、当該単位整備区の区域を管轄する市町村長に申請しなければならない。

2 市町村長は、前項の申請があつたときは、建設省令で定めるところにより、遅滞なく、当該申請に係る公告をしなければならない。

3 前項の公告に係る単位整備区の区域内の宅地について未登記の借地権を有する者は、同項の公告があつた日から起算して三十日以内に当該市町村長に対し、建設省令で定めるところにより、その借地の所有者(借地権を有する者から更に借地権の設定を受けた場合にあつては、その設定者及びその借地の所有者)と連署し、又は借地権を証する書面を添えて、書面をもつてその借地権の種類及び内容を申告しなければならない。

4 未登記の借地権で前項の規定による申告のないものは、同項の申告の期間を経過した後は、前条第三項の規定の適用については、存しないものとみなす。

 (建築の許可)

第七条の四 市街地再開発促進区域内においては、建築基準法第五十九条第一項第一号に該当する建築物(同項第二号又は第三号に該当する建築物を除く。)の建築をしようとする者は、建設省令で定めるところにより、都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、非常災害のため必要な応急措置として行う行為又はその他の政令で定める軽易な行為については、この限りでない。

2 都道府県知事は、前項の許可の申請があつた場合において、当該建築が第七条の六第四項の規定により買い取らない旨の通知があつた土地におけるものであるときは、その許可をしなければならない。

3 第一項の規定は、第一種市街地再開発事業に関する都市計画に係る都市計画法第二十条第一項(同法第二十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定による告示又は第六十条第二項第一号の公告があつた後は、当該告示又は公告に係る土地の区域内においては、適用しない。

 (違反行為に対する措置)

第七条の五 都道府県知事は、前条第一項の規定に違反した者があるときは、その者に対して、その違反を是正するため必要な措置を命ずることができる。

2 都道府県知事は、前項の規定による命令をしようとするときは、あらかじめ、当該命令をしようとする違反者について聴聞を行わなければならない。ただし、その者が正当な理由がなくて聴聞に応じないときは、この限りでない。

3 第一項の規定により必要な措置を命じようとする場合において、過失がなくて当該措置を命ずべき者を確知することができないときは、都道府県知事は、その者の負担において、当該措置を自ら行い、又はその命じた者若しくは委任した者にこれを行わせることができる。この場合においては、相当の期限を定めて、当該措置を行うべき旨及びその期限までに当該措置を行わないときは、都道府県知事又はその命じた者若しくはその委任した者が当該措置を行う旨を、あらかじめ、公告しなければならない.

4 前項の規定により必要な措置を行おうとする者は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。

 (土地の買取り)

第七条の六 都道府県又は市町村は、都道府県知事に対し、第三項の規定による土地の買取りの申出の相手方として定めるべきことを申し出ることができる。

2 都道府県知事は、前項の規定による申出に基づき、次項の規定による土地の買取りの申出の相手方を定めるときは、建設省令で定めるところにより、その旨を公告しなければならない。

3 都道府県知事(前項の規定により、土地の買取りの申出の相手方として公告された者があるときは、その者)は、市街地再開発促進区域内の土地の所有者から、第七条の四第一項の許可がされないときはその土地の利用に著しい支障を来すこととなることを理由として、当該土地を買い取るべき旨の申出があつたときは、特別の事情がない限り、当該土地を時価で買い取るものとする。

4 前項の申出を受けた者は、遅滞なく、当該土地を買い取る旨又は買い取らない旨を当該土地の所有者に通知しなければならない。

5 第二項の規定により土地の買取りの申出の相手方として公告された者は、前項の規定により土地を買い取らない旨の通知をしたときは、直ちに、その旨を都道府県知事に通知しなければならない。

 (買い取つた土地の処分等)

第七条の七 前条第三項の規定により土地を買い取つた者(以下この条において「都道府県知事等」という。)は、当該土地を第一種市街地再開発事業その他当該土地に係る都市計画に適合して事業を施行する者又は公共施設の管理者若しくは管理者となるべき者に賃貸し、又は譲渡することができる。

2 都道府県知事等は、前項の規定により土地を賃貸し、又は譲渡するときは、同項の趣旨を達成するため必要な条件を付けることができる。この場合において、その条件は、当該土地を賃借りし、又は譲り受けた者に不当な義務を課するものであつてはならない。

3 都道府県知事等は、第一項の規定により土地を賃借りし、又は譲り受けた者が前項の条件に違反したときは、当該土地の賃貸又は譲渡に係る契約を解除することができる。

4 第一項の規定により土地を賃貸し、又は譲渡する場合のほか、都道府県知事等は、前条第三項の規定により買い取つた土地を当該土地に係る都市計画に適合するように管理しなければならない。

 (開発行為の許可の基準の特例)

第七条の八 市街地再開発促進区域内における都市計画法第四条第十項に規定する開発行為(第七条の四第一項の許可に係る建築物の建築又は建築基準法第五十九条第一項第二号若しくは第三号に該当する建築物の建築に係るものを除く。)については、都市計画法第二十九条第一号の規定は、適用せず、同法第三十三条第一項中「基準」とあるのは、「基準(第二十九条第一号の政令で定める規模未満の開発行為にあつては第二号から第十三号までに規定する基準、第二十九条第一号の政令で定める規模以上の開発行為にあつては第二号(貯水施設に係る部分を除く。)に規定する基準を除く。)及び市街地再開発促進区域に関する都市計画」と読み替えて、同条の規定を適用する。

 「第一節 市街地再開発組合」を「第一節の二 市街地再開発組合」に改める。

 第二章に第一節として次の一節を加える。

    第一節 個人施行者

 (施行の認可)

第七条の九 第二条の二第一項の規定により第一種市街地再開発事業を施行しようとする者は、一人で施行しょうとする者にあつては規準及び事業計画を定め、数人共同して施行しようとする者にあつては規約及び事業計画を定め、建設省令で定めるところにより、その第一種市街地再開発事業の施行について都道府県知事の認可を受けなければならない。

2 都道府県知事は、前項の規定による認可をしようとするときは、あらかじめ、施行地区となるべき区域を管轄する市町村長の意見を聴かなければならない。

3 第二条の二第一項に規定する者が第一種市街地再開発事業の施行区域内において施行する第一種市街地再開発事業については、第一項の規定による認可をもつて都市計画法第五十九条第四項の規定による認可とみなす。ただし、同法第七十九条、第八十条第一項、第八十一条第一項及び第八十九条第一項の規定の適用については、この限りでない。

 (規準又は規約)

第七条の十 前条第一項の規準又は規約には、次の各号(規準にあつては、第五号から第七号までを除く。)に掲げる事項を記載しなければならない。

 一 第一種市街地再開発事業の名称

 二 施行地区(施行地区を工区に分けるときは、施行地区及び工区)に含まれる地域の名称

 三 第一種市街地再開発事業の範囲

 四 事務所の所在地

 五 費用の分担に関する事項

 六 業務を代表して行う者を定めるときは、その職名、定数、任期、職務の分担及び選任の方法に関する事項

 七 会議に関する事項

 八 事業年度

 九 公告の方法

 十 その他建設省令で定める事項

 (事業計画)

第七条の十一 事業計画においては、建設省令で定めるところにより、施行地区(施行地区を工区に分けるときは、施行地区及び工区)、設計の概要、事業施行期間及び資金計画を定めなければならない。

2 事業計画の設定について必要な技術的基準は、建設省令で定める。

 (公共施設の管理者の同意)

第七条の十二 第七条の九第一項の規定による認可を申請しようとする者は、あらかじめ、事業計画につき、施行地区内にある公共施設の管理者、当該第一種市街地再開発事業の施行により整備される公共施設の管理者又は管理者となるべき者その他政令で定める施設の管理者又は管理者となるべき者の同意を得なければならない。

 (事業計画に関する関係権利者の同意)

第七条の十三 第七条の九第一項の規定による認可を申請しようとする者は、その者以外に施行地区となるべき区域内の宅地又は建築物について権利を有する者があるときは、事業計画についてこれらの者の同意を得なければならない。ただし、その権利をもつて認可を申請しようとする者に対抗することができない者については、この限りでない。

2 前項の場合において、宅地又は建築物について権利を有する者のうち、宅地について所有権又は借地権を有する者及び権原に基づいて存する建築物について所有権又は借家権を有する者以外の者について同意を得られないとき、又はその者を確知することができないときは、その同意を得られない理由又は確知することができない理由を記載した書面を添えて、第七条の九第一項の規定による認可を申請することができる。

 (施行の認可の基準)

第七条の十四 都道府県知事は、第七条の九第一項の規定による認可の申請があつた場合において、次の各号のいずれにも該当しないと認めるときに限り、その認可をすることができる。

 一 申請手続が法令に違反していること。

 二 規準若しくは規約又は事業計画の決定手続又は内容が法令に違反していること。

 三 施行地区が、第一種市街地再開発事業の施行区域の内外にわたつており、又は第三条第二号から第四号までに掲げる条件に該当しないこと。

 四 事業計画の内容が施行地区内の土地に係る都市計画に適合せず、又は事業施行期間が適切でないこと。

 五 当該第一種市街地再開発事業を遂行するために必要な経済的基礎及びこれを的確に遂行するために必要なその他の能力が十分でないこと。

 (施行の認可の公告等)

第七条の十五 都道府県知事は、第七条の九第一項の規定による認可をしたときは、遅滞なく、建設省令で定めるところにより、施行者の氏名又は名称、事業施行期間、施行地区(施行地区を工区に分けるときは、施行地区及び工区。以下この項において同じ。)その他建設省令で定める事項を公告し、かつ、第一種市街地再開発事業の施行区域内において施行する第一種市街地再開発事業については建設大臣及び関係市町村長に、その他の第一種市街地再開発事業については関係市町村長に施行地区及び設計の概要を表示する図書を送付しなければならない。

2 第二条の二第一項の規定による施行者(以下「個人施行者」という。)は、前項の公告があるまでは、施行者として、又は規準若しくは規約若しくは事業計画をもつて第三者に対抗することができない。

3 市町村長は、第百条又は第百二十四条の二第四項の公告の日まで、建設省令で定めるところにより、第一項の図書を当該市町村の事務所において公衆の縦覧に供しなければならない。

 (規準又は規約及び事業計画の変更)

第七条の十六 個人施行者は、規準若しくは規約又は事業計画を変更しようとするときは、建設省令で定めるところにより、都道府県知事の認可を受けなければならない。

2 第七条の九第二項及び第七条の十三の規定は個人施行者が事業計画を変更して新たに施行地区に編入しようとする土地がある場合に、第七条の十二の規定は個人施行者が公共施設又は同条の政令で定める施設に関係のある事業計画の変更をしようとする場合に、第七条の十四及び前条の規定は前項の規定による認可について準用する。この場合において、第七条の九第二項及び第七条の十三第一項中「施行地区となるべき区域」とあるのは「施行地区及び新たに施行地区となるべき区域」と、前条第二項中「施行者として、又は規準若しくは規約若しくは事業計画をもつて」とあるのは「規準若しくは規約又は事業計画の変更をもつて」と読み替えるものとする。

3 個人施行者は、施行地区の縮小又は費用の分担に関し、規準若しくは規約又は事業計画を変更しようとする場合において、第一種市街地再開発事業の施行のための借入金があるときは、その変更についてその債権者の同意を得なければならない。

 (施行者の変動)

第七条の十七 施行地区内の宅地について、個人施行者の有する所有権又は借地権の全部又は一部を施行者以外の者が承継したときは、その者は、施行者となる。

2 施行地区内の宅地について、個人施行者の有する借地権の全部又は一部が消滅した場合において、その借地権の設定者が施行者以外の者であるときは、その借地権の設定者は、施行者となる。

3 一人で施行する第一種市街地再開発事業において、施行地区内の宅地について当該施行者の有する所有権又は借地権の承継又は消滅があつたことにより施行者が数人となつたときは、その第一種市街地再開発事業は、第二条の二第一項の規定により数人共同して施行する第一種市街地再開発事業となるものとする。この場合において、施行者は、遅滞なく、第七条の九第一項の規約を定め、建設省令で定めるところにより、その規約について都道府県知事の認可を受けなければならない。

4 数人共同して施行する第一種市街地再開発事業において、施行地区内の宅地について当該施行者の有する所有権又は借地権の承継又は消滅があつたことにより施行者が一人となつたときは、その第一種市街地再開発事業は、第二条の二第一項の規定により一人で施行する第一種市街地再開発事業となるものとする。この場合において、当該第一種市街地再開発事業について定められていた規約のうち、規準に記載すべき事項に相当する事項は、当該第一種市街地再開発事業に係る規準としての効力を有するものとし、その他の事項はその効力を失うものとする。

5 施行地区内の宅地について、個人施行者の有する所有権又は借地権の承継又は消滅があつたことにより施行者に変動を生じたときは、施行者は、遅滞なく、建設省令で定めるところにより、新たに施行者となつた者の氏名又は名称及び住所並びに施行者でなくなつた者の氏名又は名称を都道府県知事に届け出なければならない。

6 都道府県知事は、第三項後段の規定により定められた規約について認可したときは新たに施行者となつた者の氏名又は名称その他建設省令で定める事項を、前項の規定による届出を受理したときは新たに施行者となつた者及び施行者でなくなつた者の氏名又は名称その他建設省令で定める事項を、遅滞なく、公告しなければならない。

7 個人施行者は、前項の公告があるまでは、施行者の変動、第三項後段の規定により定めた規約又は第四項後段の規定による規約の一部の失効をもつて第三者に対抗することができない。

 (施行者の権利義務の移転)

第七条の十八 施行地区内の宅地について個人施行者の有する所有権又は借地権の全部又は一部を承継した者があるときは、その施行者がその所有権又は借地権の全部又は一部について第一種市街地再開発事業に関して有する権利義務(その施行者が当該第一種市街地再開発事業に関し、行政庁の認可、許可その他の処分に基づいて有する権利義務を含む。次項において同じ。)は、その承継した者に移転する。

2 施行地区内の宅地について、個人施行者の有する借地権の全部又は一部が消滅したときは、その施行者がその借地権の全部又は一部について第一種市街地再開発事業に関して有する権利義務は、その消滅した借地権の設定者に移転する。

 (審査委員)

第七条の十九 個人施行者は、都道府県知事の承認を受けて、土地及び建物の権利関係又は評価について特別の知識経験を有し、かつ、公正な判断をすることができる者のうちから、この法律及び規準又は規約で定める権限を行う審査委員三人以上を選任しなければならない。

2 前項に規定するもののほか、審査委員に関し必要な事項は、政令で定める。

 (第一種市街地再開発事業の終了)

第七条の二十 個人施行者は、第一種市街地再開発事業を終了しようとするときは、建設省令で定めるところにより、その終了について都道府県知事の認可を受けなければならない。

2 第七条の十五第一項(図書の送付に係る部分を除く。)及び第二項の規定は、前項の規定による認可をした場合について準用する。この場合において、同条第二項中「施行者として、又は規準若しくは規約若しくは事業計画をもつて」とあるのは、「第一種市街地再開発事業の終了をもつて」と読み替えるものとする。

 第九条第三号中「市街地再開発事業」を「第一種市街地再開発事業」に改める。

 第十一条第一項中「市街地再開発事業」を「第一種市街地再開発事業」に改め、同条第二項及び第三項を次のように改める。

2 第七条の九第二項の規定は、都道府県知事が前項の規定による認可をしようとする場合について準用する。

3 組合が施行する第一種市街地再開発事業については、第一項の規定による認可をもつて都市計画法第五十九条第四項の規定による認可とみなす。第七条の九第三項ただし書の規定は、この場合について準用する。

 第十二条を次のように改める。

 (事業計画)

第十二条 第七条の十一及び第七条の十二の規定は、事業計画について準用する。

 第十三条の見出しを「(参加組合員としての参加の機会の付与)」に改め、同条第一項を削り、同条第二項中「市街地再開発事業」を「第一種市街地再開発事業」に改め、同項を同条とする。

 第十五条第二項を次のように改める。

2 第七条の三第二項から第四項までの規定は、前項の規定による申請があつた場合について準用する。この場合において、同条第四項中「前条第三項」とあるのは、「第十四条」と読み替えるものとする。

 第十五条第三項及び第四項を削る。

 第十六条第二項並びに第十七条第三号及び第四号中「当該市街地再開発事業」を「当該第一種市街地再開発事業」に改める。

 第十九条第三項中「第百条」を「第四十五条第四項又は第百条」に改める。

 第二十条第一項及び第二十一条中「市街地再開発事業」を「第一種市街地再開発事業」に改める。

 第三十八条第二項中「第十一条第二項」を「第七条の九第二項」に、「第十三条第一項」を「第七条の十二」に改め、「しようとする場合に」の下に「、第七条の十六第三項の規定は組合が施行地区の縮小又は費用の分担に関し定款又は事業計画を変更しようとする場合に」を加え、同条第三項を削る。

 第五十一条第二項中「第十一条第三項ただし書」を「第七条の九第三項ただし書」に改める。

 第五十二条第二項第一号中「名称」を「種類及び名称」に改め、同項第六号中「施設建築物の一部等」の下に「若しくは建築施設の部分」を加える。

 第五十三条第四項中「第十二条及び第十三条第一項」を「第七条の十一及び第七条の十二」に、「同項」を「同条」に、「第十一条第一項」を「第七条の九第一項」に改める。

 第五十四条第一項中「名称」を「種類及び名称」に改める。

 第五十八条第二項中「第十一条第三項ただし書」を第七条の九第三項ただし書」に改め、同条第三項中「第十二条及び第十三条第一項」を「第七条の十一及び第七条の十二」に、「第十三条第一項中」を「第七条の十二中」に改め、「市街地再開発事業の」の下に「種類及び」を加え、同条第四項中「第十三条第一項」を「第七条の十二」に改める。

 「第三章 市街地再開発事業」を「第三章 第一種市街地再開発事業」に改める。

 第六十条第一項中「市街地再開発事業」を「第一種市街地再開発事業」に、「行なう」を「行う」に、「みずから」を「自ら」に改め、「ただし、」の下に「個人施行者となろうとする者若しくは」を加え、「又は組合」を「又は個人施行者若しくは組合」に改め、同条第二項中「市街地再開発事業」を「第一種市街地再開発事業」に、「行なう」を「行う」に改め、同項中第三号を第四号とし、第二号を第三号とし、第一号を第二号とし、第一号として次の一号を加える。

 一 個人施行者が施行する第一種市街地再開発事業にあつては、その施行についての認可の公告又は新たな施行地区の編入に係る事業計画の変更の認可の公告

 第六十二条第一項中「及び、」の下に「個人施行者となろうとする者若しくは」を加え、「又は組合」を「又は個人施行者若しくは組合」に改める。

 第六十四条第一項中「市街地再開発事業」を「第一種市街地再開発事業」に、「行なう」を「行う」に改める。

 第六十五条中「市街地再開発事業」を「第一種市街地再開発事業」に改める。

 第六十六条第一項中「市街地再開発事業」を「第一種市街地再開発事業」に、「行ない」を「行い」に、「行なおう」を「行おう」に改め、同条第三項中「市街地再開発事業」を「第一種市街地再開発事業」に、「附する」を「付ける」に改め、同条第四項中「附した」を「付けた」に、「市街地再開発事業」を「第一種市街地再開発事業」に改める。

 第六十七条(見出しを含む。)中「市街地再開発事業」を「第一種市街地再開発事業」に、「すみやかに」を「速やかに」に改める。

 第六十九条第一項中「市街地再開発事業」を「第一種市街地再開発事業」に改める。

 第七十一条第一項中「組合の設立」を「個人施行者の施行若しくは組合の設立」に改める。

 第七十二条第一項中「建設大臣の」の下に「、個人施行者」を加え、同条第三項を同条第四項とし、同条第二項中「前項後段」を「第一項後段及び前項」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。

2 第七条の十三の規定は、個人施行者が権利変換計画について認可を申請しようとする場合について準用する。この場合において、同条第一項中「施行地区となるべき区域」とあるのは、「施行地区」と読み替えるものとする。

 第七十六条第二項中「当該市街地再開発事業」を「当該第一種市街地再開発事業」に改める。

 第八十一条及び第八十二条中「市街地再開発事業」を「第一種市街地再開発事業」に改める。

 第八十三条第一項中「施行者」を「個人施行者以外の施行者」に改める。

 第八十六条第一項中「第七十二条第二項」を「第七十二条第三項」に改める。

 第九十二条第五項中「第三項まで」を「第四項まで」に改め、同項を同条第六項とし、同条第四項中「前三項」を「前四項」に改め、同項を同条第五項とし、同条第三項の次に次の一項を加える。

4 施行者は、先取特権、質権若しくは抵当権又は仮登記若しくは買戻しの特約の登記に係る権利の目的物について補償金等を支払うときは、これらの権利者のすべてから供託しなくてもよい旨の申出があつたときを除き、その補償金等を供託しなければならない。

 第九十三条を次のように改める。

 (物上代位)

第九十三条 前条第四項の先取特権、質権又は抵当権を有する者は、同項の規定により供託された補償金等に対してその権利を行うことができる。

 第九十六条第一項中「市街地再開発事業」を「第一種市街地再開発事業」に改める。

 第百二条第一項中「(施行者を除く。)」を削り、「一部について」の下に「第七十七条第五項本文の規定により」を加える。

 第百三条第一項中「市街地再開発事業」を「第一種市街地再開発事業」に改め、「一部について」の下に「第七十七条第五項ただし書の規定により借家権が与えられるように定められ、」を加える。

 第百五条を次のように改める。

 (清算金の供託及び物上代位)

第百五条 前条に規定する宅地、借地権又は建築物が先取特権、質権若しくは抵当権又は仮登記若しくは買戻しの特約の登記に係る権利の目的となつていたときは、これらの権利者のすべてから供託しなくてもよい旨の申出があつたときを除き、施行者は、同条の規定により交付すべき清算金の交付に代えてこれを供託しなければならない。第九十二条第五項及び第六項の規定は、この場合について準用する。

2 前項の先取特権、質権又は抵当権を有していた者は、同項の規定により供託された清算金に対してその権利を行うことができる。

 第百六条第二項中「施行者」を「個人施行者以外の施行者」に改める。

 第百八条第一項中「市街地再開発事業」を「第一種市街地再開発事業」に、「賃貸し、又は譲渡するもののほかは」を「必要があるとき、又は施行地区内に宅地、借地権若しくは権原に基づき存する建築物を有する者若しくは施行地区内の建築物について借家権を有する者の居住若しくは業務の用に供するため特に必要があるときを除き」に改め、同条第二項中「市街地再開発事業」を「第一種市街地再開発事業」に改める。

 第百九条(見出しを含む。)中「市街地再開発事業」を「第一種市街地再開発事業」に、「定款」を「規準、規約、定款」に改める。

 第百十条第一項中「組合」を「個人施行者又は組合」に改め、同条第二項中「当該市街地再開発事業」を「当該第一種市街地再開発事業」に改める。

 第百十一条の表中「第五十二条第二項第六号、」を削る。

 「第四章 組合の事業の代行」を削り、第百十二条の前に次の節名を付する。

    第三節 個人施行者及び組合の事業の代行

 第百十二条中「都道府県知事は、」及び「事情により」の下に「個人施行者又は」を、「第百二十四条第二項」の下に「、第百二十四条の二」を、「によつては」の下に「個人施行者又は」を加え、「、組合若しくは組合員の申請により、又は職権で」を削る。

 第百十三条中「組合の名称、」を「個人施行者の氏名若しくは名称又は組合の名称、個人施行者又は」に改める。

 第百十四条中「組合」を「個人施行者又は組合」に改める。

 第百十五条中「ときは、」の下に「個人施行者の業務の執行並びに当該業務に係る財産の管理及び処分をする権限又は」を加える。

 第百十七条第一項及び第三項中「組合」を「個人施行者又は組合」に改める。

 第三章の次に次の一章を加える。

   第四章 第二種市街地再開発事業

    第一節 管理処分手続

     第一款 管理処分計画

 (譲受け希望の申出及び賃借り希望の申出)

第百十八条の二 次の各号に掲げる公告があつたときは、施行地区内の宅地の所有者、その宅地について借地権を有する者又は施行地区内の土地に権原に基づき建築物を所有する者は、その公告があつた日から起算して三十日以内に、施行者に対し、その者が施行者から払渡しを受けることとなる当該宅地、借地権又は建築物の対償に代えて、建築施設の部分の譲受けを希望する旨の申出(以下「譲受け希望の申出」という。)をすることができる。

 一 地方公共団体が施行する第二種市街地再開発事業にあつては、事業計画の決定の公告

 二 公団が施行する第二種市街地再開発事業にあつては、施行規程及び事業計画の認可の公告

2 前項の宅地若しくは建築物の所有権又は同項の借地権で既登記のものの存否又は帰属について争いがある場合においては、争いの当事者のうち当該権利の登記名義人又は当該権利に関する仮登記若しくは処分の制限の登記を有する者に限り、同項の譲受け希望の申出をすることができる。

3 第一項の借地権で未登記のものの存否又は帰属について争いがある場合においては、争いの当事者は、同項の譲受け希望の申出をすることができる。

4 前二項の規定により、争いの当事者の一方が譲受け希望の申出をしたときは、争いの他方の当事者は、譲受け希望の申出をしたものとみなす。

5 第一項の建築物について借家権を有する者(その者が更に借家権を設定しているときは、その借家権の設定を受けた者)は、同項の期間内に、施行者に対し、施設建築物の一部の賃借りを希望する旨の申出(以下「賃借り希望の申出」という。)をすることができる。

6 前五項の規定は、事業計画を変更して従前の施行地区外の土地を新たに施行地区に編入した場合について準用する。この場合において、第一項中「施行地区」とあるのは「施行地区に編入された土地の区域」と、同項第一号中「事業計画の決定の公告」とあるのは「新たな施行地区の編入に係る事業計画の変更の公告」と、同項第二号中「施行規程及び事業計画の認可の公告」とあるのは「新たな施行地区の編入に係る事業計画の変更の認可の公告」と読み替えるものとする。

7 施行者は、譲受け希望の申出をした者の建築物について借家権を有する者から賃借り希望の申出があつたときは、遅滞なく、その旨を譲受け希望の申出をした者に通知しなければならない。

8 譲受け希望の申出又は賃借り希望の申出は、建設省令で定めるところにより、書面でしなければならない。

 (譲受け希望の申出に係る宅地等の処分制限)

第百十八条の三 譲受け希望の申出をした者(前条第四項の規定により譲受け希望の申出をしたものとみなされた者を含む。以下同じ。)は、その者が施行地区内に有する宅地、借地権又は建築物の処分をするには、施行者の承認を得なければならない。

2 施行者は、事業の遂行に重大な支障が生ずることその他正当な理由がなければ、前項の承認を拒むことができない。

3 前二項の規定は、土地収用法第四十五条の二に規定する裁決手続開始の登記があつた後における当該登記に係る宅地については、適用しない。

 (譲受け希望の申出と補償金の支払請求との調整)

第百十八条の四 土地収用法第四十六条の二第一項の規定による補償金の支払の請求に係る宅地又は借地権については、譲受け希望の申出をすることができない。

2 譲受け希望の申出に係る宅地又は借地権については、土地収用法第四十六条の二第一項の規定による補償金の支払の請求をすることができない。

 (譲受け希望の申出等の撤回)

第百十八条の五 譲受け希望の申出をした者又は賃借り希望の申出をした者は、第百十八条の二第一項の期間(事業計画を変更して新たに編入した施行地区に係る譲受け希望の申出をした者又は賃借り希望の申出をした者にあつては、同条第六項において準用する同条第一項の期間)が経過した後においては、施行者の同意を得た場合に限り、その譲受け希望の申出又は賃借り希望の申出を撤回することができる。

2 施行者は、事業の遂行に重大な支障がない限り、前項の同意をしなければならない。

3 第百十八条の二第八項の規定は、譲受け希望の申出又は賃借り希望の申出の撤回について準用する。

4 第百十八条の二第二項又は第三項の規定により譲受け希望の申出がされた場合における譲受け希望の申出の撤回は、争いの当事者が共同してしなければならない。

 (管理処分計画の決定及び認可)

第百十八条の六 施行者は、第百十八条の二の規定による手続に必要な期間の経過後、遅滞なく、施行地区ごとに管理処分計画を定めなければならない。この場合においては、建設省令で定めるところにより、都道府県又は公団にあつては建設大臣の、市町村にあつては都道府県知事の認可を受けなければならない。

2 前項後段の規定は、管理処分計画を変更する場合(政令で定める軽微な変更をする場合を除く。)について準用する。

3 施行地区が工区に分かれているときは、管理処分計画は、工区ごとに定めることができる。

 (管理処分計画の内容)

第百十八条の七 管理処分計画においては、建設省令で定めるところにより、次の各号に掲げる事項を定めなければならない。

 一 配置設計

 二 譲受け希望の申出をした者で建築施設の部分を譲り受けることができるものの氏名又は名称及び住所

 三 前号に掲げる者が施行地区内に有する宅地、借地権又は建築物及びその見積額並びにその者がその対償に代えて譲り受けることとなる建築施設の部分の明細及びその価額の概算額

 四 賃借り希望の申出をした者で施設建築物の一部を賃借りすることができるものの氏名又は名称及び住所

 五 前号に掲げる者が賃借りすることとなる施設建築物の一部

 六 施行者が施設建築物の一部を賃貸しする場合における標準家賃の概算額及び家賃以外の借家条件の概要

 七 第三号の建築施設の部分以外の建築施設の部分の明細及びその管理処分の方法

 八 新たな公共施設の用に供する土地の帰属に関する事項

 九 第三号の見積額並びに同号及び第六号の概算額の算定の基準日並びに工事完了の予定時期

 十 その他建設省令で定める事項

2 前項第三号の見積額は、同項第九号の基準日における近傍類似の土地、近傍同種の建築物又は近傍類似の土地に関する同種の権利の取引価格等を考慮して定める相当の価額を基準として定めなければならない。

3 第一項第九号の基準日は、第百十八条の二第一項各号に掲げる公告(事業計画を変更して新たに編入した施行地区については、同条第六項において準用する同条第一項各号に掲げる公告)の日(都市計画法第七十一条第一項に規定する理由があるときは、同項の規定により事業の認定の告示があつたものとみなされる日)とする。

 (建築施設の部分等)

第百十八条の八 管理処分計画においては、譲受け希望の申出をした者に対しては建築施設の部分を譲り渡すように定め、賃借り希望の申出をした者のうち、譲受け希望の申出をした者の所有する建築物について借家権を有する者(その者が更に借家権を設定しているときは、その借家権の設定を受けた者)に対してはその所有者が譲り受けることとなる施設建築物の一部を、その他の者に対しては施行者に帰属することとなる施設建築物の一部を賃借りすることができるように定めなければならない。

 (建築施設の部分の価額等の概算額)

第百十八条の九 管理処分計画においては、第百十八条の七第一項第三号又は第六号の概算額は、政令で定めるところにより、第二種市街地再開発事業に要する費用及び同項第九号の基準日における近傍類似の土地、近傍同種の建築物又は近傍同種の建築物に関する同種の権利の取引価格等を考慮して定める相当の価額を基準として定めなければならない。

 (権利変換計画に関する規定の準用)

第百十八条の十 第七十三条第二項から第四項まで、第七十四条、第七十五条第一項及び第三項、第七十七条第二項前段、第七十九条、第八十二条から第八十四条まで並びに第八十六条第一項の規定は、管理処分計画について準用する。この場合において、次の表の上欄に掲げる規定の同表中欄に掲げる字句は、同表下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。

第七十三条第二項

権利がある

権利(第百十八条の三第一項の承認を受けないで設定された質権又は抵当権を除く。)がある。

第七十五条第三項

第七十三条第一項第二号

第百十八条の七第一項第二号

第七十五条第三項

施設建築物の所有を目的とする地上権

施設建築敷地

第七十七条第二項前段

前項前段に規定する者

譲受け希望の申出をした者

第七十七条第二項前段、第七十九条第三項

施設建築物の一部等

建築施設の部分

第七十七条第二項前段

従前の価額

従前の宅地、借地権又は建築物の見積額

第七十九条第一項

第二項又は第三項

第二項前段

第七十九条第三項

前二条

第百十八条の八

第八十六条第一項

第七十二条第二項

第百十八条の六第二項

     第二款 建築施設の部分による対償の給付等

 (建築施設の部分による対償の給付)

第百十八条の十一 管理処分計画において建築施設の部分を譲り受けることとなる者として定められた者(以下「譲受け予定者」という。)に対しては、その者が施行地区内に有する宅地、借地権又は建築物が、契約に基づき、又は収用により、施行者に取得され、又は消滅するときは、その取得又は消滅につき施行者が払い渡すべき対償に代えて、この法律で定めるところにより当該建築施設の部分が給付されるものとする。

2 前項の場合において、譲受け希望の申出をした者が第百十八条の三第一項の承認を受けないで施行地区内に有する宅地、借地権又は建築物を処分したことにより、二以上の者に建築施設の部分を譲り渡す必要が生じたときは、当該二以上の者に対しては、これらの処分がなかつたとすれば当該譲受け希望の申出をした者に譲り渡すべき建築施設の部分について、それぞれ対償の額に応ずる共有持分が給付されるものとする。

3 土地収用法第百条の規定は、前二項に規定する対償に関しては、適用しない。

4 第一項の宅地、借地権又は建築物が、契約に基づき施行者に取得されたときは、これらの宅地、借地権又は建築物の上の先取特権、質権及び抵当権は、消滅する。

 (仮登記等に係る権利の消滅について同意が得られない場合における譲受け希望の申出の撤回)

第百十八条の十二 譲受け予定者の有する宅地、借地権又は建築物について仮登記、買戻しの特約その他権利の消滅に関する事項の定めの登記又は処分の制限の登記を有する者がある場合において、当該宅地又は借地権に係るものにあつては土地収用法第四十八条第一項の権利取得裁決において定められた権利取得の時期までに、当該建築物に係るものにあつては同法第四十九条第一項の明渡裁決において定められた明渡しの期限までに、これらの登記に係る権利の消滅につき、これらの者のすべての同意が得られないときは、その時において、当該譲受け予定者は、その譲受け希望の申出を撤回したものとみなす。

2 第百十八条の二第二項の規定により同項の仮登記又は処分の制限の登記を有する者が譲受け希望の申出をした場合における前項の規定の適用については、これらの者の同意があつたものとみなす。

3 第一項の場合における土地収用法第九十五条第一項、第二項及び第四項、第九十六条第一項、第九十七条、第百条、第百一条第一項及び第三項、第百一条の二、第百二条並びに第百二条の二第二項の規定の適用については、同法第九十五条第一項、第百条第一項並びに第百一条第一項及び第三項中「定められた権利取得の時期」とあり、同法第九十五条第二項及び第四項、第九十六条第一項並びに第九十七条第二項中「権利取得の時期」とあるのは「権利取得の時期として定められた日から起算して一週間を経過する日」と、同法第九十六条第一項、第九十七条第二項及び第百二条の二第二項中「明渡しの期限」とあり、同法第九十七条第一項、第百条第二項、第百一条第三項及び第百二条中「定められた明渡しの期限」とあるのは「明渡しの期限として定められた日から起算して一週間を経過する日」と、同法第百一条の二中「定められる明渡しの期限」とあるのは「明渡しの期限として定められる日から起算して一週間を経過する日」とする。

 (物上代位)

第百十八条の十三 第百十八条の十一第一項の宅地、借地権又は建築物が先取特権、質権又は抵当権の目的であるときは、その先取特権、質権又は抵当権を有する者は、同項の規定による建築施設の部分の給付を受ける権利(以下「譲受け権」という。)及び第百十八条の十五第二項又は第百十八条の十九第一項の規定により供託された対償等に対して、その権利を行うことができる。

2 第百十八条の十一第二項の規定により一の建築施設の部分が二以上の宅地、借地権又は建築物の対償に代えて給付されることとなるときは、各宅地、借地権又は建築物の上に先取特権、質権又は抵当権を有する者が前項の規定に基づき優先弁済を受けることができる範囲は、同条第二項の共有持分に応じて配分した額を限度とする。

3 譲受け希望の申出をした者が第百十八条の三第一項の承認を受けないで施行地区内に有する宅地、借地権又は建築物の上に質権又は抵当権を設定したときは、当該質権又は抵当権を有する者が第一項の規定に基づき優先弁済を受けることができる範囲は、当該質権又は抵当権の目的である宅地、借地権又は建築物に係る額を限度とする。

 (土地等の取得又は消滅の制限)

第百十八条の十四 譲受け希望の申出をした者の宅地、借地権又は建築物は、管理処分計画の認可の公告(事業計画を変更して新たに編入した施行地区に係る譲受け希望の申出をした者の宅地、借地権又は建築物にあつては、当該事業計画の変更に伴う管理処分計画又はその変更の認可の公告)の日前においては、契約に基づき、又は収用により、施行者が取得し、又は消滅させることはできない。

 (譲受け希望の申出の撤回に伴う対償の支払等)

第百十八条の十五 譲受け予定者が第百十八条の五第一項の規定により譲受け希望の申出を撤回した場合において、その者の宅地、借地権又は建築物が、契約に基づき、又は収用により、施行者に取得され、又は消滅しているときは、施行者は、その宅地、借地権又は建築物の対償に当該取得又は消滅の時から当該対償を支払う時までの期間につき年六パーセントの割合により算出した利息に相当する金額を付けてこれを支払わなければならない。

2 前項に規定する場合において、同項の宅地、借地権又は建築物が、契約に基づき、又は収用により、施行者に取得され、又は消滅する時に先取特権、質権又は抵当権の目的となつていたときは、施行者は、同項の規定により支払うべき対償及び利息に相当する金額(以下「対償等」という。)の支払に代えてこれを供託しなければならない。前項に規定する場合において、第百十八条の十において準用する第七十三条第四項の規定により管理処分計画において存するものとされた権利に係る対償等(併存し得ない二以上の権利が存するものとされた場合においては、それらの権利に対する対償等のうち最高額のもの)についても、同様とする。

3 第九十二条第五項及び第六項の規定は、前項の規定による供託について準用する。この場合において、同条第六項中「第三項の」とあるのは、「第百十八条の十五第二項後段の」と読み替えるものとする。

 (譲受け権の譲渡等の対抗要件)

第百十八条の十六 譲受け権の譲渡又は譲受け権を目的とする質権の設定は、民法第四百六十七条の規定に従い、建設省令で定めるところにより、施行者に通知しなければ、施行者その他の第三者に対抗することができない。

     第三款 権利関係の確定等

 (建築工事の完了の公告等)

第百十八条の十七 施行者は、施設建築物の建築工事を完了したときは、速やかに、その旨を公告するとともに、譲受け予定者及び管理処分計画において施設建築物の一部を賃借りすることができる者として定められた者(以下「貸借り予定者」という。)に通知しなければならない。

 (建築施設の部分等の取得)

第百十八条の十八 前条の公告の日の翌日において、譲受け予定者は管理処分計画において定められた建築施設の部分を、賃借り予定者は管理処分計画において定められた施設建築物の一部についての借家権を取得する。

 (対償等の供託等)

第百十八条の十九 譲受け予定者の宅地、借地権又は建築物が、契約に基づき、又は収用により、施行者に取得され、又は消滅する時に先取特権、質権又は抵当権の目的となつていた場合において、第百十八条の十七の公告の日までに、その者とその先取特権、質権又は抵当権(これらの権利を目的とする権利を含む。)を有していた者との間に、当該譲受け予定者の譲受け権に対する第百十八条の十三第一項の権利の消滅に関する合意が成立しないときは、当該譲受け予定者は、第百十八条の十七の公告の日において、その譲受け希望の申出を撤回したものとみなし、施行者は、その者の宅地、借地権又は建築物に係る対償等の支払に代えてこれを供託しなければならない。第九十二条第五項及び第六項の規定は、この場合について準用する。

2 前項の合意が成立したときは、当事者は、第百十八条の十七の公告の日の翌日から起算して一週間を経過する日までに、建設省令で定めるところにより、その旨を施行者に届け出なければならない。

3 前項の期日までに同項の規定による届出がないときは、第一項の合意が成立しなかつたものとみなす。

 (公共施設の用に供する土地の帰属等)

第百十八条の二十 施行者は、公共施設の整備に関する工事を完了したときは、速やかに、その旨を、公告しなければならない。

2 公共施設の用に供する土地は、当該公共施設に係る前項の公告の日の翌日において、管理処分計画の定めるところに従い、新たに所有者となるべき者に帰属する。

3 第百九条の規定は、第二種市街地再開発事業の施行により設置された公共施設の管理について準用する。

 (建築施設の部分等の登記)

第百十八条の二十一 施行者は、施設建築物の建築工事が完了したときは、遅滞なく、施設建築敷地及び施設建築物について必要な登記を嘱託しなければならない。

2 第百十八条の十九第一項の合意が、第百十八条の十八の規定により取得される建築施設の部分に質権又は抵当権を設定すべきことを条件として成立したものであるときは、施行者は、前項の登記の際に、当該権利を有する者のために、当該権利の設定の登記を登記所に嘱託しなければならない。

3 施設建築敷地及び施設建築物に関する権利に関しては、前二項の登記がされるまでの間は、他の登記をすることができない。

 (借家条件の協議及び裁定)

第百十八条の二十二 譲受け予定者と管理処分計画においてその者が譲り受けることと定められた施設建築物の一部についての賃借り予定者は、家賃その他の借家条件について協議しなければならない。

2 第百二条第二項から第七項までの規定は、前項の規定による協議について準用する。この場合において、同条第二項中「第百条」とあるのは、「第百十八条の十七」と読み替えるものとする。

 (建築施設の部分等の価額等の確定)

第百十八条の二十三 施行者は、第二種市街地再開発事業の工事が完了したときは、速やかに、当該事業に要した費用の額を確定するとともに、建築施設の部分を取得した者がこれに対応するものとして有していた施行地区内の宅地、借地権若しくは建築物の価額(以下「従前の権利の価額」という。)及びその取得した建築施設の部分の価額又は第百十八条の十八の規定により借家権を取得した者に対して施行者が賃貸しする施設建築物の一部の家賃の額を確定し、これらの者にその確定した額を通知しなければならない。

2 前項の従前の権利の価額は、同項の宅地、借地権又は建築物の対償の額に、これらが契約に基づき、又は収用により、施行者に取得され、又は消滅した時から第百十八条の十七の公告の日までの物価の変動に応ずる修正率を乗じて得た額をもつてその確定額とする。この場合において、その修正率は、政令で定める方法によつて算定するものとする。

3 第一項の建築施設の部分の価額及び家賃の額は、政令で定めるところにより、当該事業に要した費用の確定額及び第百十八条の七第一項第九号の基準日における近傍類似の土地、近傍同種の建築物又は近傍同種の建築物に関する同種の権利の取引価格等を考慮して定める相当の価額に同号の基準日から第百十八条の十七の公告の日までの物価の変動に応ずる修正率を乗じて得た額を基準として確定する。前項後段の規定は、この場合について準用する。

 (清算)

第百十八条の二十四 前条第一項の規定により確定した従前の権利の価額と同項の規定により確定した建築施設の部分の価額とに差額があるときは、施行者は、その差額に相当する金額を徴収し、又は交付しなければならない。

2 第百五条から第百七条まで(第百六条第六項を除く。)の規定は、前項の場合について準用する。この場合において、第百五条第一項中「前条」とあるのは「第百十八条の二十三第一項」と、「同条」とあるのは「第百十八条の二十四第一項」と、第百六条第一項及び第二項中「第百四条」とあるのは「第百十八条の二十四第一項」と、第百七条第一項中「第百四条」とあるのは「第百十八条の二十四第一項」と、「施設建築物の一部」とあるのは「建築施設の部分」と、同条第二項中「第百一条第一項」とあるのは「第百十八条の二十一第一項」と読み替えるものとする。

 (建築施設の部分の管理処分)

第百十八条の二十五 第百八条第一項の規定は、第二種市街地再開発事業により譲受け予定者が取得した建築施設の部分及び賃借り予定者が取得した借家権に係る建築施設の部分以外の建築施設の部分について準用する。

2 施行者が地方公共団体であるときは、施行者が第二種市街地再開発事業により取得した建築施設の部分の管理処分については、当該地方公共団体の財産の管理処分に関する法令の規定は、適用しない。

    第二節 雑則

 (建築物の収用の請求)

第百十八条の二十六 第二種市街地再開発事業につき都市計画法第六十九条の規定により適用される土地収用法の規定により土地又は権利が収用されるときは、権原により当該土地又は当該権利の目的である土地に建築物を所有する者は、その建築物の収用を請求することができる。

2 第百十八条の二第一項の規定により建築物の所有者が譲受け希望の申出をしたときは、土地収用法第四十七条の四第二項において準用する同法第四十二条第二項の公告の日から起算して二週間を経過する日以後に第百十八条の五第一項の規定により当該譲受け希望の申出が撤回され、又は第百十八条の十二若しくは第百十八条の十九第一項の規定により当該譲受け希望の申出が撤回されたものとみなされた場合であつても、当該建築物については、収用の請求をしたものとみなす。この場合においては、施行者は、同法第四十七条の三第一項の明渡裁決の申立てをする際に、当該譲受け希望の申出があつたことを証する書面を収用委員会に提出しなければならない。

3 土地収用法第八十七条の規定は第一項の規定による収用の請求について、同法第百一条第三項の規定は第一項の規定による収用の請求及び第二項の規定によりみなされる収用の請求について準用する。

 (物件の移転命令)

第百十八条の二十七 第二種市街地再開発事業の施行者は、当該第二種市街地再開発事業の施行のため必要があるときは、施行地区内の土地にある物件の所有者で当該物件のある土地に関し施行者に対抗することができる権利を有しないものに対し、相当の期限を定めて、当該物件の移転を命じ、当該物件の占有者で当該物件に関し所有者に対抗することができる権利を有しないものに対し、相当の期限を定めて、当該物件を所有者に引き渡すべきことを命ずることができる。

2 第九十八条第二項の規定は、前項の場合について準用する。この場合において、同項中「第九十六条第三項の場合」とあるのは、「第百十八条の二十七第一項の規定により物件の移転又は引渡しが命ぜられた場合」と読み替えるものとする。

 (測量のための標識の設置等)

第百十八条の二十八 第六十四条、第六十五条及び第六十九条の規定は、第二種市街地再開発事業について準用する。

 第百二十一条第二項中「組合が施行する市街地再開発事業」を「個人施行者又は組合が施行する第一種市街地再開発事業」に改める。

 第百二十二条第一項中「組合」を「施行者(政令で定める施行者を除く。)」に、「市街地再開発業」を「第一種市街地再開発事業」に改める。

 第百二十四条第一項中「又は組合」を「、組合又は個人施行者」に改め、「市町村長は組合」の下に「又は個人施行者」を加え、同条第二項中「組合」の下に「又は個人施行者」を加え、「市街地再開発事業」を「第一種市街地再開発事業」に改め、同条の次に次の一条を加える。

 (個人施行者に対する監督)

第百二十四条の二 都道府県知事は、個人施行者の施行する第一種市街地再開発事業につき、その事業又は会計がこの法律若しくはこれに基づく行政庁の処分又は規準、規約、事業計画若しくは権利変換計画に違反すると認めるときその他監督上必要があるときは、その事業又は会計の状況を検査し、その結果、違反の事実があると認めるときは、その施行者に対し、その違反を是正するため必要な限度において、その施行者のした処分の取消し、変更若しくは停止又はその施行者のした工事の中止若しくは変更その他必要な措置を命ずることができる。

2 都道府県知事は、個人施行者が前項の規定による命令に従わないときは、権利変換期日前に限り、その施行者に対する第一種市街地再開発事業の施行についての認可を取り消すことができる。

3 都道府県知事は、前項の規定により認可を取り消そうとするときは、あらかじめ、その施行者について聴聞を行わなければならない。ただし、その施行者が正当な理由がなくて聴聞に応じないときは、この限りでない。

4 都道府県知事は、第二項の規定により認可を取り消したときは、遅滞なく、その旨を公告しなければならない。

5 個人施行者は、前項の公告があるまでは、認可の取消しによる第一種市街地再開発事業の廃止をもつて第三者に対抗することができない。

 第百二十五条第一項中「市街地再開発事業」を「第一種市街地再開発事業」に改める。 第百二十七条第五号を削り、同条第六号を同条第五号とし、同条に次の一号を加える。

 六 第百十八条の十において準用する第八十三条第三項(同条第五項において準用する場合を含む。)の規定による通知

 第百二十九条中「組合を」を「個人施行者となろうとする者又は組合を」に、「組合は」を「個人施行者又は組合は」に、「市街地再開発事業の」を「第一種市街地再開発事業の」に改める。

 第百三十条中「命令」の下に「、規準、規約」を加える。

 第百三十一条第一項中「市街地再開発事業」を「第一種市街地再開発事業」に改める。

 第百三十三条中「建設大臣の」の下に「、個人施行者」を加える。

 第百三十七条中「市街地再開発事業に関する」を削り、「第十一条」を「第七条の九又は第十一条」に改める。

 第百四十条第一項中「組合」を「個人施行者(法人である個人施行者にあつては、その役員又は職員)、組合」に改め、「審査委員」の下に「(以下「個人施行者等」と総称する。)」を加え、同条第二項及び第三項中「組合の役員、総代若しくは職員又は審査委員」を「個人施行者等」に改める。

 第百四十一条第一項中「二十五万円」を「三十万円」に改め、同条の次に次の一条を加える。

第百四十一条の二 次の各号の一に該当する者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。

 一 第七条の五第一項の規定による都道府県知事の命令に違反した者

 二 第六十六条第四項の規定による都道府県知事の命令に違反して、土地の原状回復をせず、又は建築物その他の工作物若しくは物件を移転せず、若しくは除却しなかつた者

 第百四十二条中「三万円」を「十万円」に改め、同条第四号を削る。

 第百四十三条中「第六十四条第二項」の下に「(第百十八条の二十八において準用する場合を含む。)」を加え、「同条第一項」を「第六十四条第一項(第百十八条の二十八において準用する場合を含む。)」に、「三万円」を「五万円」に改め、同条の次に次の一条を加える。

第百四十三条の二 個人施行者が次の各号の一に該当する場合においては、その行為をした個人施行者(法人である個人施行者を除く。)又は法人である個人施行者の役員若しくは職員を五万円以下の罰金に処する。

 一 第百二十四条第一項の規定による報告又は資料の提出を求められて、報告若しくは資料の提出をせず、又は偽虚の報告若しくは資料の提出をしたとき。

 二 第百二十四条第二項又は第百二十四条の二第一項の規定による都道府県知事の命令に違反したとき。

 三 第百二十四条の二第一項の規定による都道府県知事の検査を拒み、又は妨げたとき。

 第百四十四条中「一万円」を「五万円」に改める。

 第百四十五条中「第百四十二条」を「第百四十一条の二、第百四十二条、第百四十三条の二」に改め、同条の次に次の一条を加える。

第百四十五条の二 個人施行者が次の各号の一に該当する場合においては、その行為をした個人施行者(法人である個人施行者を除く。)又は法人である個人施行者の役員若しくは清算人を三万円以下の過料に処する。

 一 第七条の十六第三項の規定に違反したとき。

 二 この法律の規定による公告をせず、又は不実の公告をしたとき。

 第百四十六条第一号中「市街地再開発事業」を「第一種市街地再開発事業」に改め、同条中第五号を第六号とし、第二号から第四号までを一号ずつ繰り下げ、第一号の次に次の一号を加える。

 二 第三十八条第二項において準用する第七条の十六第三項又は第四十五条第二項の規定に違反したとき。

 第百四十六条の次に次の一条を加える。

第百四十六条の二 個人施行者が次の各号の一に該当する場合においては、その行為をした個人施行者(法人である個人施行者を除く。)又は法人である個人施行者の役員若しくは清算人を一万円以下の過料に処する。

 一 第百三十四条第一項の規定に違反して簿書を備えず、又はその簿書に記載すべき事項を記載せず、若しくは不実の記載をしたとき。

 二 第百三十四条第二項の規定に違反して簿書の閲覧を拒んだとき。


   附 則


 (施行期日)

1 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。


 (市街地再開発事業に関する経過措置)

2 この法律の施行の際現に施行中の市街地再開発事業は、この法律による改正後の都市再開発法の規定による第一種市街地再開発事業とみなす。

3 この法律による改正前の都市再開発法の規定により市街地再開発事業に関してした手続、処分その他の行為は、この法律による改正後の都市再開発法の規定により第一種市街地再開発事業に関してした手続、処分その他の行為とみなす。


 (都市計画法の一部改正)

4 都市計画法(昭和四十三年法律第百号)の一部を次のように改正する。

  第八条第二項第二号ホ中「最低限度及び建築物の建築面積の最低限度」を「最高限度及び最低限度、建築物の建築面積の敷地面積に対する割合の最高限度、建築物の建築面積の最低限度並びに壁面の位置の制限(壁面の位置の制限にあつては、敷地内に道路(都市計画において定められた計画道路を含む。以下この号において同じ。)に接して有効な空間を確保して市街地の環境の向上を図るため必要な場合における当該道路に面する壁面の位置に限る。次条第十一項において同じ。)」に改める。

 第九条第十一項中「最低限度及び建築物の建築面積の最低限度」を「最高限度及び最低限度、建築物の建築面積の敷地面積に対する割合の最高限度、建築物の建築面積の最低限度並びに壁面の位置の制限」に改める。

 第十条の次に次の一条を加える。


 (市街地再開発促進区域)

第十条の二 都市計画には、当該都市計画区域について必要があるときは、都市再開発法(昭和四十四年法律第三十八号)第七条第一項の規定による市街地再開発促進区域を定めるものとする。

2 市街地再開発促進区域については、名称、位置及び区域その他政令で定める事項のほか、別に法律で定める事項を都市計画に定めるものとする。

3 市街地再開発促進区域内における建築物の建築に関する制限については、別に法律で定める。

 第十二条第一項第四号中「(昭和四十四年法律第三十八号)」を削る。

 第十三条第一項第六号を同項第七号とし、同項第五号中「第三号前段」を「第四号前段」に改め、同号を同項第六号とし、同項中第四号を第五号とし、第三号を第四号とし、第二号の次に次の一号を加える。

 三 市街地再開発促進区域は、高度利用地区内において、関係権利者による市街地の計画的な再開発の実施を図ることが適切であると認められる土地の区域について定めること。

 第十三条第三項中「地域地区」の下に「、市街地再開発促進区域」を加える。

 第十四条第二項中「地域地区の区域」の下に「、市街地再開発促進区域の区域」を加える。

 第二十一条第一項中「第五号」を「第七号」に、「行なう」を「行う」に改める。

 第二十九条中第九号を第十号とし、第八号を第九号とし、第七号を第八号とし、第六号の次に次の一号を加える。

 七 市街地再開発事業の施行として行う開発行為第三十三条に次の一項を加える。

4 市街地再開発促進区域内における開発許可に関する基準については、第一項に定めるもののほか、別に法律で定める。

 第四十三条第一項第五号中「第七号」を「第八号」に、「行なわれた」を「行われた」に、「行なう」を「行う」に改める。


 (都市計画法の一部改正に伴う経過措置)

5 この法律の施行の際現に前項の規定による改正前の都市計画法(以下「改正前の都市計画法」という。)の規定により定められている高度利用地区に関する都市計画については、この法律の施行の日から起算して一年を経過する日までの間に、同項の規定による改正後の都市計画法(以下「改正後の都市計画法」という。)第八条第二項第二号ホに定める事項が定められないときは、当該高度利用地区に関する都市計画は、その日の翌日から将来に向かつて、その効力を失う。

6 前項に規定する高度利用地区に関する都市計画については、改正前の都市計画法第八条第二項第二号ホ及び第九条第十一項の規定は、この法律の施行の日から起算して一年を経過する日(その日前に当該高度利用地区に関する都市計画について改正後の都市計画法第八条第二項第二号ホに規定する事項を定める都市計画の変更がされたときは、当該都市計画の変更についての同法第二十一条第二項において準用する同法第二十条第一項に規定する告示の日)までの間は、なおその効力を有する。

7 改正前の都市計画法の規定により定められた市街地再開発事業に関する都市計画は、改正後の都市計画法の規定により定められた第一種市街地再開発事業に関する都市計画とみなす。

8 改正前の都市計画法の規定により市街地再開発事業に関する都市計画に関してした手続、処分その他の行為は、改正後の都市計画法の規定により第一種市街地再開発事業に関する都市計画に関してした手続、処分その他の行為とみなす。


 (建築基準法の一部改正)

9 建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)の一部を次のように改正する。

  第五十九条第一項中「割合」の下に「、建築物の建築面積の敷地面積に対する割合」を加え、同条中第三項を第五項とし、第二項を第四項とし、第一項の次に次の二項を加える。

 2 高度利用地区内においては、建築物の壁又はこれに代わる柱は、建築物の地盤面下の部分及び建設大臣が指定する歩廊の柱その他これに類するものを除き、高度利用地区に関する都市計画において定められた壁面の位置の制限に反して建築してはならない。ただし、前項各号の一に該当する建築物については、この限りでない。

 3 高度利用地区内の建築物については、当該高度利用地区に関する都市計画において定められた建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合の最高限度を第五十二条第一項各号に掲げる数値とみなして、同条の規定を適用する。

  第八十六条の三中「第五十九条第一項」の下に「(建築物の建築面積の敷地面積に対する割合に係る部分を除く。)」を加える。

  第九十九条第一項第五号中「第五十九条第一項」の下に「若しくは第二項」を加える。


 (建設省設置法の一部改正)

10 建設省設置法(昭和二十三年法律第百十三号)の一部を次のように改正する。

  第四条第七項中「前条第五号の九に規定する事務のうち」の下に「個人施行者、」を加える。


 (住宅金融公庫法の一部改正)

11 住宅金融公庫法(昭和二十五年法律第百五十六号)の一部を次のように改正する。

  第十七条第十項中「施設建築物」の下に「(次項において「施設建築物」という。)」を加え、同条第十一項中「公庫は、」の下に「新たに建設された相当の住宅部分を有する施設建築物又は」を加え、「施設建築物等又は」を「施設建築物等(相当の住宅部分を有する施設建築物を除く。)若しくは」に改める。


 (地方税法の一部改正)

12 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。

  第七十三条の十四第七項中「第二号」の下に「又は第百十八条の七第一項第二号」を加え、「同項第三号」を「同法第七十三条第一項第三号又は第百十八条の七第一項第三号」に、「同項第四号」を「同法第七十三条第一項第四号又は第百十八条の七第一項第三号」に、「又は施設建築物の一部等」を「若しくは施設建築物の一部等又は建築施設の部分」に改め、「第百三条第一項」の下に「又は第百十八条の二十三第一項」を、「定められ」の下に「、又は同法第百十八条の二十三第一項の規定により確定し」を加える。

  附則第十六条第二項中「以下次項まで」の下に「及び第五項」を加え、「次項の規定」を「次項又は第五項の規定」に改め、同条に次の一項を加える。

 5 市町村は、昭和五十五年一月一日までの間に新築された都市再開発法第二条第六号に規定する施設建築物に該当する家屋の一部である同条第八号に規定する施設建築物の一部が同法による市街地再開発事業の施行に伴い同法第七十三条第一項第三号又は第百十八条の七第一項第三号に規定する宅地、借地権又は建築物に対応して同法第七十三条第一項第二号又は第百十八条の七第一項第二号に掲げる者(以下「従前の権利者」という。)に与えられた場合における当該家屋に対して課する固定資産税については、第三項の規定の適用がある場合を除き、当該家屋に対して新たに固定資産税が課されることとなつた年度から十年度分の固定資産税に限り、当該家屋が住宅で政令で定めるものである場合には、当該家屋のうち従前の権利者が所有し、かつ、人の居住の用に供する部分に係る税額として従前の権利者ごとに政令で定めるところにより算定した額の合算額の三分の二に相当する額及び従前の権利者が所有し、かつ、人の居住の用に供しない部分に係る税額として従前の権利者ごとに政令で定めるところにより算定した額の合算額の三分の一に相当する額を当該家屋に係る固定資産税額から減額し、当該家屋が住宅で政令で定めるもの以外の家屋である場合には、当該家屋のうち従前の権利者が所有する部分に係る税額として従前の権利者ごとに政令で定めるところにより算定した額の合算額の三分の一に相当する額を当該家屋に係る固定資産税額から減額するものとする。


 (改正後の地方税法の適用)

13 前項の規定による改正後の地方税法附則第十六条第二項及び第五項の規定は、この法律の施行の日以後において新築された同項に規定する家屋について、昭和五十一年度分の固定資産税から適用する。


 (罰則に関する経過措置)

14 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(大蔵・建設・自治・内閣総理大臣署名) 

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