旅行あつ旋業法の一部を改正する法律
法律第五十九号(昭四六・五・一〇)
旅行あつ旋業法(昭和二十七年法律第二百三十九号)の一部を次のように改正する。
題名を次のように改める。
旅行業法
題名の次に次の目次を附する。
目次
第一章 総則(第一条・第二条)
第二章 旅行業(第三条―第二十二条)
第三章 旅行業協会(第二十二条の二―第二十二条の二十四)
第四章 雑則(第二十三条―第二十七条)
第五章 罰則(第二十八条―第三十二条)
附則
第六条第一項第一号及び第三号、第六条の二、第六条の三第一項、第七条第二項から第五項まで、第十二条第二項、第十二条の四から第十五条まで、第十六条第一項及び第四項、第十七条第一項、第十八条第一項、第十九条第一項、第二十条、第二十一条第一項、第二十六条第一項及び第二項並びに第二十八条第四号中「旅行あつ旋業」を「旅行業」に、「旅行あつ旋」を「旅行業務」に、「旅行あつ旋業者」及び「旅行あつ旋業を営む者」を「旅行業者」に改める。
第一条の前に次の章名を附する。
第一章 総則
第一条及び第二条を次のように改める。
(目的)
第一条 この法律は、旅行業を営む者について登録制度を実施するとともに、その組織する団体の適正な活動を促進することにより、旅行業を営む者の行なう取引の公正を確保し、もつて旅行の安全の確保及び旅行者の利便の増進に資することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律で「旅行業」とは、報酬を得て、次に掲げる行為を行なう事業(もつぱら運送サービスを提供する者のため、旅行者に対する運送サービスの提供について、代理して契約を締結する行為を行なうものを除く。)をいう。
一 旅行者のため、運送又は宿泊のサービスの提供を受けることについて、代理して契約を締結し、媒介をし、又は取次をする行為
二 運送又は宿泊のサービスを提供する者のため、旅行者に対するこれらのサービスの提供について、代理して契約を締結し、又は媒介をする行為
三 他人の経営する運送機関又は宿泊施設を利用して、旅行者に対して運送又は宿泊のサービスを提供する行為
四 前三号に掲げる行為に附随して、旅行者のため、運送及び宿泊のサービス以外の旅行に関するサービスの提供を受けることについて、代理して契約を締結し、媒介をし、又は取次をする行為
五 第一号から第三号までに掲げる行為に附随して、運送及び宿泊のサービス以外の旅行に関するサービスを提供する者のため、旅行者に対するこれらのサービスの提供について、代理して契約を締結し、又は媒介をする行為
六 第一号から第三号までに掲げる行為に附随して、旅行者の案内、旅券の受給のための行政庁等に対する手続の代行その他旅行者の便宜となるサービスを提供する行為
七 旅行に関する相談に応ずる行為
八 第一号から第六号までに掲げる行為について代理して契約を締結する行為
2 この法律で「旅行業務」とは、旅行業を営む者が取り扱う前項各号に掲げる行為をいう。
第二条の次に次の章名を附する。
第二章 旅行業
第三条を次のように改める。
(登録)
第三条 旅行業を営もうとする者は、運輸大臣の行なう登録を受けなければならない。
第四条第一項第一号及び第二号を次のように改める。
一 営もうとする旅行業の種別
二 主たる営業所その他の営業所の名称及び所在地並びに一般旅行業又は旅行業代理店業を営もうとする者の営業所にあつては、本邦内の旅行のみについて旅行業務を取り扱うものであるかどうかの別
第四条第一項に次の二号を加える。
六 旅行業代理店業を営む者に旅行業務を取り扱わせるときは、その者の氏名又は名称及び住所並びに当該旅行業務を取り扱う営業所の名称及び所在地
七 旅行業代理店業を営もうとする者にあつては、その代理する旅行業を営む者の氏名又は名称及び住所
第四条に次の一項を加える。
3 旅行業の種別は、次のとおりとする。
一 一般旅行業(第二条第一項第一号から第七号までに掲げる旅行業務を取り扱う旅行業で国内旅行業以外のもの)
二 国内旅行業(本邦内の旅行のみについて第二条第一項第一号から第七号までに掲げる旅行業務を取り扱う旅行業)
三 旅行業代理店業(他の旅行業を営む者のため第二条第一項第八号に掲げる旅行業務を取り扱う旅行業)
第五条第一項中「旅行あつ旋業者登録簿」を「旅行業者登録簿」に改める。
第六条第一項第三号中「登録の申請前」を「最近」に改め、同項第七号を次のように改める。
七 営業所ごとに第十一条の三の規定による旅行業務取扱主任者を確実に選任すると認められない者
第六条の三の次に次の一条を加える。
(登録事項の変更の届出)
第六条の四 旅行業の登録を受けた者(以下「旅行業者」という。)は、第四条第一項第二号から第七号までに掲げる事項について変更があつたときは、その日から三十日以内に、その旨を運輸大臣に届け出なければならない。
2 運輸大臣は、前項の規定による届出を受理したときは、第十九条第一項の規定により登録を取り消す場合を除き、届出があつた事項を旅行業者登録簿に登録しなければならない。ただし、その届出があつた事項が新たな営業所の設置に係るものである場合において、第八条第二項において準用する次条第二項の規定による届出がないときは、その登録をしないものとする。
第七条の見出しを「(営業保証金の供託)」に改め、同条第一項中「旅行あつ旋業の登録を受けた者(以下「旅行あつ旋業者」という。)」を「一般旅行業の登録を受けた者(以下「一般旅行業者」という。)又は国内旅行業の登録を受けた者(以下「国内旅行業者」という。)」に改める。
第八条から第十一条までを次のように改める。
第八条 一般旅行業者又は国内旅行業者は、事業の開始後、新たに営業所を設置したときは、営業保証金を追加して供託しなければならない。
2 前条第二項及び第三項の規定は、前項の規定により営業保証金を供託する場合に準用する。
第九条 国内旅行業者が一般旅行業の登録を受け、その者が第七条第一項の規定により一般旅行業に係る営業保証金を供託する場合においては、現に供託している営業保証金は、一般旅行業に係る営業保証金の一部として供託したものとみなす。
2 第七条第三項の規定にかかわらず、前項の者は、同条第二項の規定による届出をするまでの間において、国内旅行業を営むことができる。
第十条 一般旅行業者が国内旅行業の登録を受け、その者が第七条第一項の規定により国内旅行業に係る営業保証金を供託する場合においては、現に供託している営業保証金をもつてこれに充てるものとし、その者は、国内旅行業に係る営業保証金の額をこえる額の営業保証金を取りもどすことができる。
2 第二十一条第二項及び第三項の規定は、前項の規定により営業保証金を取りもどす場合に準用する。
(営業保証金の額等)
第十一条 営業保証金の額は、主たる営業所及びその他の営業所ごとにつき、一般旅行業及び国内旅行業の別に、旅行業務に関する取引に係る債務の額及び弁済の状況その他旅行業務に関する取引の実情並びに旅行業務に関する取引の相手方の保護を考慮して、運輸省令で定める額とする。
2 一般旅行業者又は国内旅行業者は、前項の運輸省令の制定又は改正があつた場合において、その施行の際に供託している営業保証金の額が当該運輸省令の制定又は改正により供託すべきこととなる営業保証金の額に不足することとなるときは、その不足額を追加して供託しなければならない。
3 第七条第二項、第四項及び第五項の規定は、前項の規定により営業保証金を供託する場合に準用する。この場合において、同条第四項中「旅行業の登録をした場合において、登録の通知を受けた日から十四日以内」とあるのは「第十一条第一項の運輸省令の制定又は改正があつた場合において、その施行の日から三箇月以内」と読み替える。
4 一般旅行業者又は国内旅行業者は、第一項の運輸省令の制定又は改正があつた場合において、その施行の際に供託している営業保証金の額が当該運輸省令の制定又は改正により供託すべきこととなる営業保証金の額をこえることとなるときは、そのこえる額の営業保証金を取りもどすことができる。
5 第二十一条第三項の規定は、前項の規定により営業保証金を取りもどす場合に準用する。
6 営業保証金は、運輸省令で定めるところにより、国債証券、地方債証券その他運輸省令で定める有価証券をもつて、これに充てることができる。
7 営業保証金の供託は、一般旅行業者又は国内旅行業者の主たる営業所のもよりの供託所にしなければならない。
第十一条の次に次の三条を加える。
(旅行業代理店業者の営業所)
第十一条の二 この法律の規定による営業保証金の供託については、旅行業代理店業の登録を受けた者(以下「旅行業代理店業者」という。)の営業所は、その代理する旅行業者の営業所とみなす。
(旅行業務取扱主任者の選任)
第十一条の三 旅行業者は、営業所ごとに、一人以上の第四項の規定に適合する旅行業務取扱主任者を選任して、当該営業所における旅行業務に関し、その取引に係る旅行に関するサービスの提供の確実性、取引条件の明確性その他取引の公正を確保するため必要な管理及び監督に関する事務を行なわせなければならない。ただし、次の各号に掲げる事由が生じたときは、その日から十四日間は、旅行業務取扱主任者を選任しておかなくてもよい。
一 当該営業所の旅行業務取扱主任者として選任した者のすべてが第六条第一項第一号から第五号までの一に該当するに至つたとき。
二 当該営業所の旅行業務取扱主任者として選任した者のすべてが欠けるに至つたとき。
2 前項の規定は、旅行業務を取り扱う者が一人である営業所についても適用があるものとする。
3 旅行業務取扱主任者は、他の営業所の旅行業務取扱主任者となることができない。
4 旅行業務取扱主任者は、第六条第一項第一号から第五号までの一に該当しない者で、次に掲げるものでなければならない。
一 本邦内の旅行のみについて旅行業務を取り扱う営業所にあつては、次に揚げる者
イ 次条の規定による一般旅行業務取扱主任者試験又は国内旅行業務取扱主任者試験に合格した者
ロ イに揚げる者と同等以上の知識及び能力を有すると運輸大臣が認定した者
二 前号の営業所以外の営業所にあつては、次に揚げる者
イ 次条の規定による一般旅行業務取扱主任者試験に合格した者
ロ イに掲げる者と同等以上の知識及び能力を有すると運輸大臣が認定した者
(旅行業務取扱主任者試験)
第十一条の四 旅行業務取扱主任者試験は、旅行業務取扱主任者の職務に関し必要な知識及び能力について運輸大臣が行なう。
2 旅行業務取扱主任者試験は、一般旅行業務取扱主任者試験及び国内旅行業務取扱主任者試験の二種類とする。
3 運輸大臣は、運輸大臣の指定する者が第一項の知識及び能力に関して実施する講習会の課程を修了した者又は運輸省令で定める資格を有する者について、旅行業務取扱主任者試験の一部を免除することができる。
第十二条第一項を次のように改める。
一般旅行業者又は国内旅行業者は、旅行業務の取扱いの料金を定め、その実施前に運輸大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
第十二条の二及び第十二条の三を次のように改める。
(旅行業約款)
第十二条の二 一般旅行業者又は国内旅行業者は、旅行業務に関する契約(旅行に関するサービスを提供する者のため代理して締結する契約を除く。)に関し、旅行業約款を定め、運輸大臣の認可を受けなければならない。運輸省令で定める軽微な変更をしようとする場合を除き、これを変更しようとするときも、同様とする。
2 運輸大臣は、前項の認可をしようとするときは、次の基準によつてしなければならない。
一 旅行者の正当な利益を害するおそれがないものであること。
二 少なくとも旅行業務の取扱いの料金その他の旅行者との取引に係る金銭の収受及び払いもどしに関する事項並びに旅行業者の責任に関する事項が明確に定められているものであること。
3 運輸大臣は、第一項の規定により認可をした旅行業約款が旅行者の正当な利益を害するおそれがあると認められるに至つたときは、旅行業者に対し、その変更を命ずることができる。
4 旅行業者は、第一項の規定により認可を受けた旅行業約款(旅行業代理店業者にあつては、その代理する旅行業者が同項の規定により認可を受けた旅行業約款)を営業所において旅行者の見やすいように掲示しなければならない。
(取引態様の明示)
第十二条の三 旅行業者は、旅行業務に関し旅行者と取引をしようとするときは、運輸省令で定める場合を除き、当該取引に係る旅行に関するサービスの提供に関し、代理して契約を締結するのか、媒介して契約を成立させるのか、取次をするのか、又は自ら提供するのかの別を明らかにしなければならない。
第十二条の四を第十二条の八とし、第十二条の三の次に次の四条を加える。
(取引条件の説明)
第十二条の四 旅行業者は、旅行業務に関し旅行者と契約を締結しようとするときは、旅行者が依頼しようとする旅行業務の内容を確認したうえ、その取引の条件について旅行者に説明しなければならない。
(書面の交付)
第十二条の五 旅行業者は、旅行に関するサービスの提供に関し、当事者の一方を代理して契約を締結し、当事者間を媒介して契約を成立させ、取次をし、又は自ら提供をする契約を締結したときは、運輸省令で定める場合を除き、遅滞なく、旅行者に対し、当該提供すべき旅行に関するサービスの内容その他運輸省令で定める事項を記載した書面又は当該旅行に関するサービスの提供を受ける権利を表示した書面を交付しなければならない。
(外務員の証明書携帯等)
第十二条の六 旅行業者は、勧誘員、販売員、外交員その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、その役員又は使用人のうち、その営業所以外の場所でその旅行業者のために旅行業務について取引を行なう者(以下「外務員」という。)に、運輸省令で定める様式による証明書を携帯させなければ、その者を外務員としての業務に従事させてはならない。
2 外務員は、その業務を行なうときは、前項の証明書を提示しなければならない。
3 外務員は、その所属する旅行業者に代わつて、旅行者との旅行業務に関する取引についての一切の裁判外の行為を行なう権限を有するものとみなす。ただし、旅行者が悪意であつたときは、この限りでない。
(誇大広告の禁止)
第十二条の七 旅行業者は、旅行業務について広告をするときは、広告された旅行に関するサービスの内容その他の取引の条件について、著しく事実に相違する表示をし、又は実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示をしてはならない。
第十六条第一項中「第七条第一項、第十条第一項及び第十八条第一項の規定により」を削る。
第十七条第一項中「第七条第一項、第十条第一項及び次条第一項の規定により供託された」を「当該旅行業者が供託している」に改め、同条第二項中「省令」を「法務省令、運輸省令」に改める。
第十八条第一項中「第九条第一項に規定する額」を「第十一条第一項の運輸省令で定める額」に改め、同条第二項中「並びに第九条第二項及び第三項」を削り、「第七条第四項」を「同条第四項」に、「省令」を「法務省令、運輸省令」に改め、同条の次に次の一条を加える。
(営業保証金の保管替え等)
第十八条の二 一般旅行業者又は国内旅行業者は、金銭のみをもつて営業保証金を供託している場合において、主たる営業所を移転したためそのもよりの供託所が変更したときは、遅滞なく、法務省令、運輸省令で定めるところにより、営業保証金を供託している供託所に対し、費用を予納して、移転後の主たる営業所のもよりの供託所への営業保証金の保管替えを請求しなければならない。
2 一般旅行業者又は国内旅行業者は、第十一条第六項に規定する有価証券又はその有価証券及び金銭をもつて営業保証金を供託している場合において、主たる営業所を移転したためそのもよりの供託所が変更したときは、遅滞なく、新たに当該営業保証金と同額の営業保証金を移転後の主たる営業所のもよりの供託所に供託しなければならない。その供託をしたときは、法務省令、運輸省令で定めるところにより、移転前の主たる営業所のもよりの供託所に供託した営業保証金を取りもどすことができる。
3 第七条第二項の規定は、第一項及び前項前段の場合に準用する。
第十九条第一項中「業務」の下に「の全部若しくは一部」を加える。
第二十条中「第十条第二項」を「第十一条第三項」に改める。
第二十一条第一項中「第九条第一項に規定する額」を「第十一条第一項の運輸省令で定める額」に改め、同条第三項中「省令」を「法務省令、運輸省令」に改める。
第二十一条の二中「登録簿」及び「旅行あつ旋業者登録簿」を「旅行業者登録簿」に改める。
第二十二条の見出し中「登録の」を削り、同条中「又は第八条第一項の規定による変更の登録の申請をする者は、二千円以下の範囲内において政令」を「をする者、第十一条の三第四項の規定による認定を受けようとする者又は第十一条の四第一項の旅行業務取扱主任者試験を受けようとする者は、実費を勘案して運輸省令」に改め、同条の次に次の一章を加える。
第三章 旅行業協会
(指定)
第二十二条の二 運輸大臣は、次の各号に掲げる要件を備える者の申請があつた場合において、その者が次条各号に掲げる業務の全部について適正な計画を有し、かつ、確実にその業務を行なうことができると認められるときは、この章に定めるところにより同条各号に掲げる業務を行なう者として、指定することができる。
一 申請者が民法(明治二十九年法律第八十九号)第三十四条の規定により設立された社団法人であること。
二 申請者が旅行業者のみを社員とするものであること。
三 申請者の定款が社員の資格の得喪に関し第二十二条の四の規定に適合するものであること。
四 申請者が第二十二条の二十一第一項の規定により指定を取り消され、その取消しの日から五年を経過していない者でないこと。
五 申請者の役員のうちに第六条第一項第一号から第三号まで又は第五号の一に該当する者がないこと。
2 運輸大臣は、前項の指定をしたときは、その指定した者(以下「旅行業協会」という。)の名称、住所及び事務所の所在地並びに第二十二条の九第一項の運輸大臣の指定する弁済業務開始日を官報で公示しなければならない。
3 旅行業協会は、その名称、住所又は事務所の所在地を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を運輸大臣に届け出なければならない。
4 運輸大臣は、前項の規定による届出があつたときは、その旨を官報で公示しなければならない。
(業務)
第二十二条の三 旅行業協会は、次の各号に掲げる業務をこの章に定めるところにより適正かつ確実に実施しなければならない。
一 旅行者及び旅行に関するサービスを提供する者からの社員の取り扱つた旅行業務に対する苦情の解決
二 旅行業務の取扱いに従事する者に対する研修
三 旅行業務に関し社員と取引をした者に対しその取引によつて生じた債権に関し弁済をする業務(以下「弁済業務」という。)
(社員の資格及び加入)
第二十二条の四 旅行業協会は、社員の資格について、第四条第三項に規定する旅行業の種別以外の制限を加えてはならない。
2 旅行業協会は、社員としての資格を有する旅行業者が旅行業協会に加入しようとするときは、正当な理由がないのに、その加入を拒み、又はその加入につき現在の社員が加入の際に附されたよりも困難な条件を附してはならない。
(社員の加入及び脱退の報告)
第二十二条の五 旅行業協会は、新たに社員が加入し、又は社員がその地位を失つたときは、直ちに、その旨を運輸大臣に報告しなければならない。
(苦情の解決)
第二十二条の六 旅行業協会は、旅行者又は旅行に関するサービスを提供する者から社員が取り扱つた旅行業務に関する苦情について解決の申出があつたときは、その相談に応じ、申出人に必要な助言をし、当該苦情に係る事情を調査するとともに、当該社員に対し当該苦情の内容を通知してその迅速な処理を求めなければならない。
2 旅行業協会は、前項の申出に係る苦情の解決について必要があると認めるときは、当該社員に対し、文書若しくは口頭による説明を求め、又は資料の提出を求めることができる。
3 社員は、旅行業協会から前項の規定による求めがあつたときは、正当な理由がないのに、これを拒んではならない。
4 旅行業協会は、第一項の申出、当該苦情に係る事情及びその解決の結果について社員に周知させなければならない。
(旅行業務の研修)
第二十二条の七 旅行業協会は、その組織する社員の旅行業の種別に応じ、一定の課程を定め、旅行業務取扱主任者の職務に関し必要な知識及び能力についての研修その他旅行業者の従業者に対する旅行業務の取扱いについての研修を実施しなければならない。
2 前項の研修は、社員以外の旅行業者の従業者も受けることができるようにしなければならない。
(弁済業務保証金の供託)
第二十二条の八 旅行業協会は、第二十二条の十第一項から第三項までの規定により弁済業務保証金分担金の納付を受けたときは、その日から七日以内に、法務省令、運輸省令で定めるところにより、その納付を受けた額に相当する額の弁済業務保証金を供託しなければならない。
2 弁済業務保証金の供託は、旅行業協会の住所のもよりの供託所にしなければならない。
3 第七条第二項及び第十一条第六項の規定は、第一項の規定により弁済業務保証金を供託する場合に準用する。
(弁済業務保証金の還付)
第二十二条の九 保証社員(次条第一項の規定により弁済業務保証金分担金を納付した社員で第三条の登録を受けた日から一年を経過した者をいう。以下同じ。)と旅行業務に関し取引をした者は、運輸大臣の指定する弁済業務開始日以後、その取引によつて生じた債権に関し、当該保証社員について弁済業務規約で定める弁済限度額の範囲内(当該保証社員について既に次項の認証をした債権があるときはその額を控除し、第二十二条の十一第二項の規定により納付を受けた額があるときはその額を加えた額の範囲内)において、旅行業協会が供託している弁済業務保証金から弁済を受ける権利を有する。
2 前項の権利を実行しようとする者は、その債権について旅行業協会の認証を受けなければならない。
3 旅行業協会は、第一項の権利の実行があつた場合においては、その日から二十一日以内に、当該還付額に相当する額の弁済業務保証金を供託しなければならない。
4 第七条第二項及び第十一条第六項の規定は、前項の規定により弁済業務保証金を供託する場合に準用する。
5 第一項の弁済限度額は、第二十二条の十四の規定の適用がないとしたならば当該保証社員である旅行業者が供託すべきこととなる営業保証金の額を下ることができない。
6 第一項の権利の実行に関し必要な事項は法務省令、運輸省令で、第二項の認証に関し必要な事項は運輸省令で定める。
(弁済業務保証金分担金の納付等)
第二十二条の十 次の各号に掲げる者は、当該各号に掲げる日までに、弁済業務保証金に充てるため、弁済業務規約で定める額の弁済業務保証金分担金を旅行業協会に納付しなければならない。
一 第三条の登録を受けた日から一年を経過しない一般旅行業者又は国内旅行業者である社員 同条の登録を受けた日から一年を経過する日
二 第三条の登録を受けた日から一年を経過した一般旅行業者又は国内旅行業者で旅行業協会に加入しようとする者 その加入しようとする日
三 第三条の登録を受けた日から一年を経過した一般旅行業者又は国内旅行業者で第二十二条の二第一項の指定の日に旅行業協会の社員である者 前条第一項の運輸大臣の指定する弁済業務開始日の一箇月前の日
2 保証社員は、新たに営業所(その者を代理して旅行業務を取り扱う旅行業代理店業者の営業所を含む。以下この章において同じ。)を設置したときは、その日から十四日以内に、弁済業務規約で定める額の弁済業務保証金分担金を旅行業協会に納付しなければならない。
3 保証社員は、弁済業務規約の変更により弁済業務保証金分担金の額が増額されたときは、弁済業務規約で定める期日までに、その増額分の弁済業務保証金分担金を旅行業協会に納付しなければならない。
4 社員は、第一項第一号若しくは第三号又は前二項に規定する期日までにこれらの規定による弁済業務保証金分担金を納付しないときは、旅行業協会の社員の地位を失う。
5 第一項又は第二項の弁済業務規約で定める弁済業務保証金分担金の額は、第二十二条の十四の規定の適用がないとしたならば当該社員である旅行業者が供託すべきこととなる営業保証金の額の五分の一を下ることができない。
6 第十一条第一項の運輸省令が改正された場合において、弁済業務規約で定める弁済業務保証金分担金の額が前項に規定するその最低額を下ることとなるときは、弁済業務規約が変更され、弁済業務保証金分担金の額が同項に規定する最低額に増額されたものとみなす。この場合において、第三項の規定の適用については、同項中「弁済業務規約で定める期日」とあるのは「当該増額に係る第十一条第一項の運輸省令の施行の日から三箇月を経過した日」とする。
(還付充当金の納付等)
第二十二条の十一 旅行業協会は、第二十二条の九第一項の規定により弁済業務保証金の還付があつたときは、当該還付に係る保証社員又は保証社員であつた者に対し、当該還付額に相当する額の還付充当金を旅行業協会に納付すべきことを通知しなければならない。
2 前項の通知を受けた保証社員又は保証社員であつた者は、その通知を受けた日から十四日以内に、その通知された額の還付充当金を旅行業協会に納付しなければならない。
3 保証社員は、前項に規定する期日までに第一項の還付充当金を納付しないときは、旅行業協会の社員の地位を失う。
(弁済業務保証金の取りもどし等)
第二十二条の十二 旅行業協会は、保証社員が旅行業協会の社員の地位を失つたときは、当該保証社員であつた者が第二十二条の十の規定により納付した弁済業務保証金分担金の額に相当する額の弁済業務保証金を、保証社員がその営業所を廃止したため当該保証社員に係る同条の弁済業務保証金分担金の額が減少することとなるときは、その減少することとなる額に相当する額の弁済業務保証金を取りもどすことができる。
2 旅行業協会は、弁済業務規約の変更により弁済業務保証金分担金の額が減額されたときは、すべての保証社員の減額分に相当する額の弁済業務保証金を取りもどすことができる。
3 旅行業協会は、前二項の規定により弁済業務保証金を取りもどしたときは、当該保証社員であつた者又は保証社員に対し、その取りもどした額に相当する額の弁済業務保証金分担金を返還する。
4 前項の場合において、当該保証社員が社員の地位を失つたときは次項に規定する期間が経過した後、旅行業協会が当該保証社員であつた者又は保証社員に対して債権を有するときはその債権に関し弁済が完了した後、旅行業協会が当該保証社員であつた者又は保証社員に関し第二十二条の九第二項の認証をした債権があるときは当該債権に関して生ずることとなる前条第一項の還付充当金の債権に関し弁済が完了した後、前項の弁済業務保証金分担金を返還する。
5 旅行業協会は、保証社員が社員の地位を失つたときは、当該保証社員であつた者との旅行業務に関する取引でその者が保証社員であつた期間におけるものによつて生じた債権に関し第二十二条の九第一項の権利を有する者に対し、六箇月を下らない一定期間内に同条第二項の認証を受けるため申し出るべき旨を公告しなければならない。
6 旅行業協会は、前項の期間内に申出のなかつた同項の債権に関しては、第二十二条の九第二項の認証をすることができない。
7 第二十一条第三項の規定は、第一項及び第二項の規定により弁済業務保証金を取りもどす場合に準用する。
(弁済業務保証金準備金)
第二十二条の十三 旅行業協会は、第二十二条の九第三項の規定により弁済業務保証金を供託する場合において還付充当金の納付がなかつたときの弁済業務保証金の供託に充てるため、弁済業務保証金準備金を積み立てなければならない。
2 旅行業協会は、弁済業務保証金(第二十二条の八第三項において準用する第十一条第六項の規定により供託された有価証券を含む。)から生ずる利息又は配当金を弁済業務保証金準備金に繰り入れなければならない。
3 旅行業協会は、第二十二条の九第三項の規定により弁済業務保証金を供託する場合において、第一項の弁済業務保証金準備金をこれに充ててなお不足するときは、その不足額に充てるため、保証社員に対し、弁済業務規約で定める額の特別弁済業務保証金分担金を旅行業協会に納付すべきことを通知しなければならない。
4 前項の通知を受けた保証社員は、その通知を受けた日から一箇月以内に、その通知された額の特別弁済業務保証金分担金を旅行業協会に納付しなければならない。
5 第二十二条の十一第三項の規定は、前項の場合に準用する。
6 旅行業協会は、弁済業務保証金準備金を第二十二条の九第三項の規定による弁済業務保証金の供託に充てた後において、第二十二条の十一第二項の規定により当該弁済業務保証金の供託に係る還付充当金の納付を受けたときは、その還付充当金を弁済業務保証金準備金に繰り入れなければならない。
7 旅行業協会は、弁済業務保証金準備金の額が運輸省令で定める額をこえることとなるときは、運輸大臣の認可を受けて、第二十二条の三各号に掲げる業務の実施に要する費用に充てるため、そのこえることとなる額の弁済業務保証金準備金を取りくずすことができる。
(営業保証金の供託の免除)
第二十二条の十四 保証社員は、第二十二条の九第一項の運輸大臣の指定する弁済業務開始日以後、この法律の規定による営業保証金を供託することを要しない。
(保証社員となつた場合の営業保証金の取りもどし等)
第二十二条の十五 旅行業者は、旅行業協会の保証社員となつたときは、供託した営業保証金を取りもどすことができる。
2 第二十一条第二項及び第三項の規定は、前項の規定により営業保証金を取りもどす場合に準用する。
3 旅行業者は、保証社員でなくなつたときは、直ちに、営業保証金を供託しなければならない。
4 第七条第二項及び第五項の規定は、前項の規定により営業保証金を供託する場合に準用する。この場合において、同条第五項中「前項の催告をした場合において、同項の規定により定めた期間内に旅行業者が」とあるのは「旅行業者が保証社員でなくなつた日から七日以内に」と読み替える。
(保証社員の旅行業約款の記載事項)
第二十二条の十六 保証社員は、その旅行業約款に次に掲げる事項を明示しておかなければならない。
一 その所属する旅行業協会の名称及び所在地
二 保証社員と旅行業務に関し取引をした者は、その取引によつて生じた債権に関し、その所属する旅行業協会が供託している弁済業務保証金から弁済を受けることができること。
三 当該保証社員に係る弁済業務保証金からの弁済限度額
四 営業保証金を供託していないこと。
(弁済業務規約の認可)
第二十二条の十七 旅行業協会は、次に掲げる事項に関し弁済業務規約を定め、運輸大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
一 弁済業務保証金分担金の額及び納付の方法に関する事項
二 弁済限度額及び債権の認証に関する事項
三 還付充当金の納付の方法に関する事項
四 弁済業務保証金の取りもどし及び取りもどし金の管理に関する事項
五 弁済業務保証金分担金の返還に関する事項
六 弁済業務保証金準備金の管理の方法並びに特別弁済業務保証金分担金の額及び納付の方法に関する事項
七 前各号に掲げるもののほか、弁済業務の実施に関し必要な事項
2 運輸大臣は、前項の規定により認可をした弁済業務規約が弁済業務の適正かつ確実な実施上不適当なものとなつたと認めるときは、旅行業協会に対し、その変更を命ずることができる。
(事業計画等)
第二十二条の十八 旅行業協会は、毎事業年度開始前に(第二十二条の二第一項の指定を受けた日の属する事業年度にあつては、その指定を受けた後すみやかに)、事業計画及び収支予算を作成し、運輸大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 旅行業協会は、毎事業年度経過後三箇月以内に、事業報告書、貸借対照表、収支決算書及び財産目録を作成し、運輸大臣に提出しなければならない。
(役員の選任及び解任)
第二十二条の十九 旅行業協会の役員の選任及び解任は、運輸大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
2 運輸大臣は、旅行業協会の役員が、この法律、この法律に基づく命令若しくは処分若しくは第二十二条の十七第一項の規定により認可を受けた弁済業務規約に違反する行為をしたとき、又はその在任により旅行業協会が第二十二条の二第一項第五号に掲げる要件に適合しなくなるときは、旅行業協会に対し、その役員を解任すべきことを命ずることができる。
(監督命令)
第二十二条の二十 運輸大臣は、この章の規定を施行するため必要があると認めるときは、旅行業協会に対し、監督上必要な命令をすることができる。
(指定の取消し)
第二十二条の二十一 運輸大臣は、旅行業協会が次の各号の一に該当するときは、第二十二条の二第一項の指定を取り消すことができる。
一 第二十二条の三各号に掲げる業務を適正かつ確実に実施することができないと認められるとき。
二 この法律、この法律に基づく命令又は第二十二条の十七第一項の規定により認可を受けた弁済業務規約に違反したとき。
三 第二十二条の十七第二項、第二十二条の十九第二項又は前条の規定による処分に違反したとき。
2 運輸大臣は、第二十二条の二第一項の指定を取り消したときは、その旨を官報で公示しなければならない。
(指定の取消し等の場合の営業保証金の供託)
第二十二条の二十二 旅行業協会が第二十二条の二第一項の指定を取り消され、又は解散した場合においては、当該旅行業協会の保証社員であつた旅行業者は、営業保証金を供託しなければならない。
2 第七条第二項及び第五項の規定は、前項の規定により営業保証金を供託する場合に準用する。この場合において、同条第五項中「前項の催告をした場合において、同項の規定により定めた期間内」とあるのは「旅行業協会が第二十二条の二第一項の指定を取り消され、又は解散した日から二十一日以内」と読み替える。
(指定の取消し等の場合の弁済業務)
第二十二条の二十三 運輸大臣は、第二十二条の二第一項の指定を取り消され、又は解散した旅行業協会(以下「旧協会」という。)の保証社員であつた旅行業者のうち前条第二項において準用する第七条第五項の規定により登録を取り消した者を旧協会に通知する。
2 旧協会は、前項の通知を受けたときは、供託した弁済業務保証金を取りもどすことができる。ただし、同項の通知に係る保証社員であつた者の弁済限度額の合計額及びその他の保証社員であつた者に係る第二十二条の九第二項の認証をした債権で同条第一項の権利が実行されていないものの合計額に相当する額の弁済業務保証金については、この限りでない。
3 旧協会は、第一項の通知を受けたときは、同項の通知に係る保証社員であつた者との旅行業務に開する取引でその者が保証社員であつた期間におけるものによつて生じた債権に関し第二十二条の九第一項の権利を有する者に対し、六箇月を下らない一定期間内に同条第二項の認証を受けるため申し出るべき旨を公告しなければならない。
4 旧協会は、前項の規定による公告をした後においては、当該公告に定める期間内に申出のあつた同項に規定する債権について、なお第二十二条の九第二項の規定による認証の事務を行なうものとする。
5 旧協会は、第三項の公告に定める期間内に申出のあつた同項に規定する債権に関する認証の事務が終了した後は、その時において供託されている弁済業務保証金のうちその時までに第二十二条の九第二項の認証をした債権で同条第一項の権利が実行されていないものの合計額を控除した額の弁済業務保証金を取りもどすことができる。
6 旧協会は、第三項の公告に定める期間の後六箇月を経過した日以後は、その時においてなお供託されている弁済業務保証金を取りもどすことができる。
7 第二十一条第二項及び第三項の規定は第三項の規定により公告をする場合に、同条第三項の規定は第二項及び前二項の規定により弁済業務保証金を取りもどす場合に準用する。
(指定の取消し等の場合の弁済業務保証金等の交付)
第二十二条の二十四 旧協会は、前条第二項、第五項及び第六項の規定により取りもどした弁済業務保証金、第二十二条の二第一項の指定を取り消され、又は解散した日(以下「指定取消し等の日」という。)以後において第二十二条の十一第二項の規定により納付された還付充当金並びに弁済業務保証金準備金(指定取消し等の日以後において第二十二条の十三第四項の規定により納付された特別弁済業務保証金分担金を含む。)を、指定取消し等の日に保証社員であつた者に対し、これらの者に係る弁済業務保証金分担金の額に応じ、政令で定めるところにより、交付する。
第二十三条中「第十二条の二第二項」を「第十二条の二第三項」に改め、同条の前に次の章名を附する。
第四章 雑則
第二十五条を次のように改める。
(旅行業者の団体の届出)
第二十五条 旅行業務に関する取引の公正の確保又は旅行業の健全な発達を図ることを目的として旅行業者が組繊する団体は、その成立の日から三十日以内に、運輸省令で定める事項を運輸大臣に届け出なければならない。
第二十五条の次に次の一条を加える。
(試験事務の代行)
第二十五条の二 運輸大臣は、申請により、旅行業協会に第十一条の四の規定による旅行業務取扱主任者試験の事務(以下「試験事務」という。)を行なわせることができる。
2 旅行業協会は、前項の規定により試験事務を行なおうとするときは、試験事務の実施に関する規程(以下「試験事務規程」という。)を定め、運輸大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
3 前項の試験事務規程で定めるべき事項は、運輸省令で定める。
4 試験事務に従事する旅行業協会の役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者は、試験事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
5 前項に規定する旅行業協会の役員及び職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
6 運輸大臣は、旅行業協会の役員が第二項の規定により認可を受けた試験事務規程に違反する行為をしたときは、旅行業協会に対し、その役員を解任すベきことを命ずることができる。
7 旅行業協会が試験事務を行なうときは、第二十二条の規定による手数料は、旅行業協会に納付するものとする。この場合において、納付された手数料は、旅行業協会の収入とする。
8 第二十二条の十七第二項の規定は試験事務規程について、第二十二条の二十の規定は旅行業協会が試験事務を行なう場合に準用する。
第二十六条第一項中「又は」の下に「旅行業協会その他の」を加え、同条第二項中「、事務所又は代理店」を「若しくは事務所若しくは旅行業協会の事務所」に改め、同条の次に次の一条を加える。
(運輸省令への委任)
第二十六条の二 この法律に規定するもののほか、この法律の実施のため必要な事項は、運輸省令で定める。
第二十七条の次に次の章名を附する。
第五章 罰則
第二十八条第一号中「一般旅行あつ旋業」を「旅行業」に改め、同条第三号を削り、同条第二号中「第十条第二項」を「第八条第二項」に、「一般旅行あつ旋業者」を「者」に改め、同号を同条第三号とし、同条第一号の次に次の一号を加える。
二 第六条の四第一項の規定による変更の届出をしないで新たに設置した営業所においてその事業を開始した者
第二十八条第四号中「一般旅行あつ旋業者」を「者」に改める。
第二十九条を次のように改める。
第二十九条 第十九条第一項の規定による業務の停止の命令に違反した者は、十万円以下の罰金に処する。
第二十九条の二中第二号を第三号とし、第一号を第二号とし、同号の前に次の一号を加える。
一 第十一条の三第一項の規定に違反した者
第二十九条の二に次の三号を加える。
四 第十二条の二第一項の規定により認可を受けてしなければならない事項を認可を受けないでした者
五 第十二条の二第三項の規定による命令に違反した者
六 第二十五条の二第四項の規定に違反してその職務に関して知り得た秘密を漏らした者
第三十条第一号を次のように改める。
一 第六条の四第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
第三十条中第三号を第四号とし、第二号を第三号とし、第一号の次に次の一号を加える。
二 第十二条の六第一項の規定に違反して外務員としての業務を行なわせた者
第三十二条第一号を次のように改める。
一 第十二条の二第四項の規定に違反して旅行業約款を掲示しなかつた者
第三十二条第二号を削り、同条第三号中「第十二条の四」を「第十二条の八」に改め、同条中同号を第二号とし、第四号を第三号とする。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を経過した日から施行する。
(経過措置)
第二条 この法律の施行の際現に改正前の旅行あつ旋業法(以下「旧法」という。)第三条又は第六条の三第一項の規定による一般旅行あつ旋業又は邦人旅行あつ旋業の登録を受けている者は、改正後の旅行業法(以下「新法」という。)第三条又は第六条の三第一項の規定による一般旅行業又は国内旅行業の登録を受けた者とみなす。
2 前項の規定により一般旅行業又は国内旅行業の登録を受けた者とみなされるものについての新法第六条の二の規定の適用については、その者が旧法第三条又は第六条の三第一項の規定により登録を受けた日を新法第六条の二の登録の日とみなす。
3 旧法の規定による旅行あつ旋業者登録簿は、新法の規定による旅行業者登録簿とみなす。
第三条 この法律の施行の際現に日本人の本邦内の旅行のみを対象として旧法第二条第一項第二号の行為を行なう事業を営んでいる旧法第三条ただし書に規定する者(以下「旧法届出業者」という。)及び新法第四条第三項第三号の旅行業代理店業に該当する事業を営んでいる者(以下「旧法代理店業者」という。)は、この法律の施行の日から二月間は、新法第三条の登録を受けないで、当該事業を引き続き営むことができる。その者がその期間内に同条の登録の申請をした場合において、登録又は登録の拒否の処分があるまでの間についても、同様とする。
2 前項に規定する期間内においては、新法第四条第一項第六号、第十一条の二、第十二条の三から第十二条の七まで、第十三条、第十四条及び第二十六条の規定並びにこれらの規定に違反する行為に対する罰則の規定の適用については、旧法届出業者を国内旅行業者と、旧法代理店業者を旅行業代理店業者と、旧法代理店業者の営業所を旅行業代理店業者の営業所とみなす。
3 第一項に規定する期間内においては、旧法第十二条の二及び第三十二条(第一号及び第二号に係る部分に限る。)の規定は旧法届出業者について、旧法第十一条(旧法第十二条の四に係る部分に限る。)、第十二条の四及び第三十二条(第三号に係る部分に限る。)の規定は旧法代理店業者の営業所について、なおその効力を有する。
4 新法第六条の四の規定は、一般旅行業者又は国内旅行業者(前条第一項の規定により一般旅行業又は国内旅行業の登録を受けた者とみなされるものを含む。)が、第一項に規定する期間が経過した際同項の規定の適用を受けていた旧法代理店業者にその期間の経過後も引き続きその旅行業務について代理させる場合についても、適用があるものとする。
第四条 新法第十一条の三第四項の規定は、この法律の施行の日から一年間は、適用しない。
2 前項の期間内における新法第六条第一項第七号の規定の適用については、旧法第六条第一項第七号に掲げる事項を新法第六条第一項第七号に掲げる事項とみなす。
第五条 附則第二条第一項の規定により一般旅行業又は国内旅行業の登録を受けた者とみなされるものに係る旅行業約款については、この法律の施行の日から一年間は、新法第十二条の二の規定を適用せず、なお従前の例による。
第六条 新法第十八条の二の規定は、附則第二条第一項の規定により一般旅行業又は国内旅行業の登録を受けた者とみなされるものがこの法律の施行の際現に営業保証金を供託している供託所がその者の主たる営業所のもよりの供託所と異なる場合について準用する。この場合において、新法第十八条の二第一項及び第二項中「主たる営業所を移転したためそのもよりの供託所が変更したときは、遅滞なく」とあるのは「その供託所が主たる営業所のもよりの供託所でないときは、この法律の施行の日から六月以内に」と、「移転後の主たる営業所のもよりの供託所」とあるのは「主たる営業所のもよりの供託所」と、同条第二項中「移転前の主たる営業所のもよりの供託所」とあるのは「従前の供託所」と読み替えるものとする。
第七条 この法律の施行の際現に新法第二十五条に規定する事項を目的として旅行業者が組織している団体は、この法律の施行の日から三十日以内に、同条の運輸省令で定める事項を運輸大臣に届け出なければならない。
第八条 この法律の施行前に旧法及びこれに基づく命令の規定によつてした処分、手続その他の行為は、新法及びこれに基づく命令の相当規定によつてした処分、手続その他の行為とみなす。
第九条 この法律の施行前にした行為及び附則第五条の規定により従前の例によることとされる旅行業約款に係るこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(運輸省設置法の一部改正)
第十条 運輸省設置法(昭和二十七年法律第百五十七号)の一部を次のように改正する。
第四条第一項第十四号の十六を次のように改める。
十四の十六 旅行業に関し、登録し、認可し、又は必要な処分をすること。
第四条第一項第十四号の十六の次に次の一号を加える。
十四の十六の二 旅行業者の組織する団体に関し、指定し、認可し、又は必要な処分をすること。
第二十二条第一項第二十三号中「旅行あつせん業及び」を削り、同号を同項第二十三号の二とし、同項第二十二号の次に次の一号を加える。
二十三 旅行業及び旅行業者の組織する団体に関すること。
(租税特別措置法の一部改正)
第十一条 租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)の一部を次のように改正する。
第十三条の三第四項第八号を次のように改める。
八 対外支払手段を対価として行なう旅行業法(昭和二十七年法律第二百三十九号)第二条第二項に規定する旅行業務(同法第六条の四第一項に規定する旅行業者である個人の行なうものに限る。)
第十三条の三第七項第八号中「旅行あつせん業者」を「旅行業者」に、「旅行あつせん」を「旅行業務」に改め、同条第八項第一号中「旅行あつせん」を「旅行業務」に改める。
第四十六条の二第三項第八号を次のように改める。
八 対外支払手段を対価として行なう旅行業法第二条第二項に規定する旅行業務(同法第六条の四第一項に規定する旅行業者である法人の行なうものに限る。)
第四十六条の二第六項第八号中「旅行あつせん業者」を「旅行業者」に、「旅行あつせん」を「旅行業務」に改め、同条第七項第一号中「旅行あつせん」を「旅行業務」に改める。
(登録免許税法の一部改正)
第十二条 登録免許税法(昭和四十二年法律第三十五号)の一部を次のように改正する。
別表第一第四十三号を次のように改める。
四十三 旅行業の登録 |
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旅行業法(昭和二十七年法律第二百三十九号)第三条(登録)の規定による旅行業の登録 |
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(一) 一般旅行業の登録 |
登録件数 |
一件につき三万円 |
(二) 国内旅行業の登録 |
登録件数 |
一件につき一万円 |
(三) 旅行業代理店業の登録 |
登録件数 |
一件につき五千円 |
(法務・運輸・内閣総理大臣署名)