国民年金法の一部を改正する法律

法律第九十六号(昭四二・七・二九)

 国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)の一部を次のように改正する。

 第四十七条第二項中「支給の停止は行わず、また、その母子年金又は準母子年金が第六十五条第三項から第五項までの規定によりその額の一部につき支給を停止されているときは、停止されていない部分の額(当該遺児年金の受給権者が二人以上であるときは、その額をその受給権者の数で除して得た額)の限度においてのみ、前項の規定による支給の停止を行うものとする」を「支給の停止を行なわない」に改め、同条に次の一項を加える。

3 第一項に規定する母子年金又は準母子年金が第六十一条又は第六十四条の三の規定により支給されるものであり、かつ、同項に規定する遺児年金の額がその母子年金又は準母子年金の額(その母子年金又は準母子年金が第六十五条第三項から第五項までの規定によりその額の一部につき支給を停止されているときは、停止されていない部分の額とし、当該遺児年金の受給権者が二人以上であるときは、これらの額をその受給権者の数で除して得た額とする。)をこえるときは、そのこえる部分については、第一項の規定による支給の停止を行なわない。

 第五十八条中「二万六千四百円」を「三万円」に改める。

 第六十二条中「二万四百円」を「二万四千円」に改める。

 第六十五条第三項から第五項までを次のように改める。

3 第一項に規定する福祉年金の額が、同項第一号に規定する給付の額(その給付が、その額の一部につき支給が停止されているときは、停止されていない部分の額)をこえるときは、そのこえる部分については、同項の規定にかかわらず、当該福祉年金の支給を停止しない。

4 第一項に規定する福祉年金の額及び同項第一号に規定する給付の額(その給付が、その額の一部につき支給を停止されているときは、停止されていない部分の額。次項において同じ。)が、いずれも十二万九千五百円未満であり、かつ、当該給付が、恩給法による増加恩給、同法第七十五条第一項第二号に規定する扶助料その他政令で定めるこれらに準ずる給付であつて、廃疾又は死亡を事由として政令で定める者に支給されるものであるときは、第一項及び前項の規定を適用しない。

5 前項の場合において、第一項に規定する福祉年金の額と同項第一号に規定する給付の額とを合算した額が十二万九千五百円をこえるときは、前項の規定にかかわらず、当該福祉年金のうちそのこえる額に相当する部分については、その支給を停止する。

 第六十五条第六項中「二十四万円」を「二十六万円」に、「四万円」を「六万円」に改める。

 第六十六条第一項第一号中「四十九万円」を「五十七万円」に改め、同項第二号中「四十九万円」を「五十七万円」に、「所得税法第七十七条第一項」を「所得税法第八十三条第一項」に改め、同項第三号中「四十九万円」を「五十七万円」に、「所得税法第七十七条第一項」を「所得税法第八十三条第一項」に、「所得税法第七十八条第一項」を「所得税法第八十四条第一項」に改める。

 第六十七条第二項第一号中「二十四万円」を「二十六万円」に、「四万円」を「六万円」に改める。

 第七十七条中「一万八千円」を「一万九千二百円」に改める。

 第七十九条の二第三項中「一万八千円」を「一万九千二百円」に改め、同条第六項中「第六十五条」を「第六十五条第一項、第二項及び第四項から第七項まで」に改め、同条に次の一項を加える。

7 老齢福祉年金の受給権者が第六十五条第一項第一号に該当する場合において、その者の受ける同号に規定する給付の額(その給付が、その額の一部につき支給を停止されているときは、停止されていない部分の額。この項において以下同じ。)が二万四千円未満であり、かつ、当該給付が同条第四項に規定する給付以外の給付であるときは、前項において準用する同条第一項の規定にかかわらず、当該老齢福祉年金の支給を停止しない。ただし、当該老齢福祉年金の額と当該給付の額とを合算した額が二万四千円をこえるときは、当該老齢福祉年金のうちそのこえる額に相当する部分については、この限りでない。


   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、第五十八条、第六十二条、第六十五条第三項から第五項まで、第七十七条並びに第七十九条の二第三項及び第六項の改正規定並びに同条に第七項を加える改正規定は、昭和四十三年一月一日から施行する。

 (遺児年金の支給停止に関する経過措置)

第二条 この法律による改正後の第四十七条第三項の規定は、昭和四十二年一月以降の月分の遺児年金について適用する。

 (福祉年金の額の改定)

第三条 昭和四十三年一月一日前に障害福祉年金、母子福祉年金、準母子福祉年金又は老齢福祉年金(以下「福祉年金」という。)の受給権を取得し、同日まで引き続きその受給権を有する者については、同月から、その額をこの法律による改正後の第五十八条、第六十二条(第六十四条の四において準用する場合を含む。)又は第七十九条の二第三項の規定を適用して計算して得た額に、それぞれ改定する。

 (福祉年金の額に関する経過措置)

第四条 昭和四十二年十二月以前の月分の福祉年金の額については、なお従前の例による。

 (福祉年金の支給停止に関する経過措置)

第五条 この法律による改正後の第六十五条第三項から第五項まで(第七十九条の二第六項において準用する場合を含む。)及び第七十九条の二第七項の規定は、昭和四十三年一月以降の月分の福祉年金について適用し、昭和四十二年十二月以前の月分の福祉年金についての第六十五条第一項第一号に規定する給付を受けることができることによる支給の停止については、なお従前の例による。

2 この法律による改正後の第六十五条第六項、第六十六条第一項(同条第二項の規定を適用する場合を含む。)及び第六十七条第二項(第七十九条の二第六項においてこれらの規定を準用する場合を含む。)の規定は、昭和四十一年以降の年の所得による福祉年金の支給の停止について適用し、昭和四十年以前の年の所得による福祉年金の支給の停止については、なお従前の例による。

3 前項の場合において、当該所得が昭和四十一年の所得であるときは、この法律による改正後の第六十六条第一項(同条第二項の規定を適用する場合、第六十七条第二項において例による場合及び第七十九条の二第六項において準用する場合を含む。)中「所得税法第八十三条第一項」とあるのは「所得税法の一部を改正する法律(昭和四十二年法律第二十号)による改正前の所得税法第七十七条第一項」と、「所得税法第八十四条第一項に規定する控除額に相当する額」とあるのは「五万八千七百五十円」と、それぞれ読み替えるものとする。

 (支給停止の解除)

第六条 労働者災害補償保険法の一部を改正する法律(昭和四十年法律第百三十号。以下この条において「法律第百三十号」という。)附則第三十二条第一項の規定により同法第三条の規定の施行後も引き続き従前の例によりその支給を停止すべきこととされた障害年金(障害福祉年金を除く。)又は母子年金(母子福祉年金を除く。)若しくは準母子年金(準母子福祉年金を除く。)で、この法律の公布の際まだその支給が停止されるべき期間が経過していないものについては、同項の規定にかかわらず、この法律の公布の日の属する月の翌月分(公布の日が月の初日であるときは、公布の日の属する月分)以降、支給の停止を行なわない。

2 前項の規定により支給停止が解除される月分の同項の年金については、その裁定された額の三分の二に相当する額をもつて当該年金の額とする。

3 前二項の規定は、法律第百三十号附則第十八条第一項又は第二十六条第一項の規定により同法第三条の規定の施行後も引き続き従前の例によりその支給を停止すべきこととされた船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)による障害年金又は遺族年金及び厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)による障害年金又は遺族年金について準用する。この場合において、前項中「三分の二」とあるのは、「十分の八」と読み替えるものとする。

4 前項において準用する第一項の規定により支給停止が解除される月分の前項の年金については、船員保険法第五十八条第一項及び厚生年金保険法第八十条第一項の規定を適用しない。

(厚生・内閣総理大臣署名) 

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