借地法等の一部を改正する法律

法律第九十三号(昭四一・六・三〇)

 (借地法の一部改正)

第一条 借地法(大正十年法律第四十九号)の一部を次のように改正する。

  第八条の次に次の一条を加える。

 第八条ノ二 防火地域ノ指定、附近ノ土地ノ利用状況ノ変化其ノ他ノ事情ノ変更ニ因リ現ニ借地権ヲ設定スルニ於テハ堅固ノ建物ノ所有ヲ目的トスルコトヲ相当トスルニ至リタリ場合ニ於テ堅固ノ建物以外ノ建物ヲ所有スル旨ノ借地条件ノ変更ニ付当事者間ニ協議調ハザルトキハ裁判所ハ当事者ノ申立ニ因リ其ノ借地条件ヲ変更スルコトヲ得

  増改築ヲ制限スル旨ノ借地条件ガ存スル場合ニ於テ土地ノ通常ノ利用上相当トスべキ増改築ニ付当事者間ニ協議調ハザルトキハ裁判所ハ借地権者ノ申立ニ因リ其ノ増改築ニ付テノ土地所有者又ハ賃貸人ノ承諾ニ代ハル許可ヲ与フルコトヲ得

  裁判所ハ前二項ノ裁判ヲ為ス場合ニ於テ当事者間ノ利益ノ衡平ヲ図ル為必要アルトキハ他ノ借地条件ヲ変更シ、財産上ノ給付ヲ命ジ其ノ他相当ノ処分ヲ為スコトヲ得

  裁判所ハ前三項ノ裁判ヲ為スニハ借地権ノ残存期間、土地ノ状況、借地ニ関スル従前ノ経過其ノ他一切ノ事情ヲ考慮スルコトヲ要ス

  借地権者ガ更ニ借地権ヲ設定シタル場合ニ於テ必要アルトキハ裁判所ハ後ノ借地権者ノ申立ニ因リ其ノ者ノ借地権及前ノ借地権者ノ借地権ニ付第一項乃至第三項ノ裁判ヲ為スコトヲ得

  裁判所ハ特ニ必要ナシト認ムル場合ヲ除クノ外第一項乃至第三項又ハ前項ノ裁判ヲ為ス前鑑定委員会ノ意見ヲ聴クコトヲ要ス

  第九条中「前七条」を「第二条乃至前条」に改め、同条の次に次の三条を加える。

 第九条ノ二 借地権者ガ賃借権ノ目的タル土地ノ上ニ存スル建物ヲ第三者ニ譲渡セントスル場合ニ於テ其ノ第三者ガ賃借権ヲ取得シ又ハ転借スルモ賃貸人ニ不利トナル虞ナキニ拘ラズ賃貸人ガ其ノ賃借権ノ譲渡又ハ転貸ヲ承諾セザルトキハ裁判所ハ借地権者ノ申立ニ因リ賃貸人ノ承諾ニ代ハル許可ヲ与フルコトヲ得此ノ場合ニ於テ当事者間ノ利益ノ衡平ヲ図ル為必要アルトキハ賃借権ノ譲渡若ハ転貸ヲ条件トスル借地条件ノ変更ヲ命ジ又ハ其ノ許可ヲ財産上ノ給付ニ係ラシムルコトヲ得

  裁判所ハ前項ノ裁判ヲ為スニハ賃借権ノ残存期間、借地ニ関スル従前ノ経過、賃借権ノ譲渡又ハ転貸ヲ必要トスル事情其ノ他一切ノ事情ヲ考慮スルコトヲ要ス

  第一項ノ申立アリタル場合ニ於テ裁判所ガ定ムル期間内ニ賃貸人ガ自ラ建物ノ譲渡及賃借権ノ譲渡又ハ転貸ヲ受クべキ旨ノ申立ヲ為シタルトキハ裁判所ハ同項ノ規定ニ拘ラズ相当ノ対価及転貸ノ条件ヲ定メテ之ヲ命ズルコトヲ得此ノ裁判ニ於テハ当事者双方ニ対シ其ノ義務ヲ同時ニ履行スべキコトヲ命ズルコトヲ得

  前項ノ申立ハ第一項ノ申立ノ取下アリタルトキ又ハ不適法トシテ同項ノ申立ノ却下アリタルトキハ其ノ効力ヲ失フ

  第三項ノ裁判アリタル後ハ第一項又ハ第三項ノ申立ハ当事者ノ合意アルニ非ザレバ之ヲ取下グルコトヲ得ズ

  裁判所ハ特ニ必要ナシト認ムル場合ヲ除クノ外第一項又ハ第三項ノ裁判ヲ為ス前鑑定委員会ノ意見ヲ聴クコトヲ要ス

 第九条ノ三 第三者ガ賃借権ノ目的タル土地ノ上ニ存スル建物ヲ競売又ハ公売ニ因リ取得シタル場合ニ於テ其ノ第三者ガ賃借権ヲ取得スルモ賃貸人ニ不利トナル虞ナキニ拘ラズ賃貸人ガ其ノ賃借権ノ譲渡ヲ承諾セザルトキハ裁判所ハ其ノ第三者ノ申立ニ因り賃貸人ノ承諾ニ代ハル許可ヲ与フルコトヲ得此ノ場合ニ於テ当事者間ノ利益ノ衡平ヲ図ル為必要アルトキハ借地条件ヲ変更シ又ハ財産上ノ給付ヲ命ズルコトヲ得

  前条第二項乃至第六項ノ規定ハ前項ノ申立アリタル場合ニ之ヲ準用ス

  第一項ノ申立ハ建物ノ代金ヲ支払ヒタル後二月内ニ限リ之ヲ為スコトヲ得民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)第十九条ノ規定ハ同条ニ規定スル期間内ニ第一項ノ申立ヲ為シタル場合ニ之ヲ準用ス

 第九条ノ四 第九条ノ二ノ規定ハ土地ノ転借人卜賃貸人トノ間ニ、前条ノ規定ハ土地ノ転借人ヨリ競売又ハ公売ニ因リ建物ヲ取得シタル第三者ト賃貸人トノ間ニ之ヲ準用ス但シ賃貸人ガ第九条ノ二第三項(前条第二項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ申立ヲ為スニハ転貸人ノ承諾ヲ得ルコトヲ要ス

  第十一条中「第八条」を「第八条ノ二、第九条ノ二第九条ノ四ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)」に改める。

  第十二条に次の二項を加える。

  地代又ハ借賃ノ増額ニ付当事者間ニ協議調ハザルトキハ其ノ請求ヲ受ケタル者ハ増額ヲ正当トスル裁判ガ確定スルニ至ルマデハ相当ト認ムル地代又ハ借賃ヲ支払フヲ以テ足ル但シ其ノ裁判ガ確定シタル場合ニ於テ既ニ支払ヒタル額ニ不足アルトキハ不足額ニ年一割ノ割合ニ依ル支払期後ノ利息ヲ附シテ之ヲ支払フコトヲ要ス

  地代又ハ借賃ノ減額ニ付当事者間ニ協議調ハザルトキハ其ノ請求ヲ受ケタル者ハ減額ヲ正当トスル裁判ガ確定スルニ至ルマデハ相当卜認ムル地代又ハ借賃ノ支払ヲ請求スルコトヲ得但シ其ノ裁判ガ確定シタル場合ニ於テ既ニ支払ヲ受ケタル額ガ正当トセラレタル地代又ハ借賃ヲ超ユルトキハ超過額ニ年一割ノ割合ニ依ル受領ノ時ヨリノ利息ヲ附シテ之ヲ返還スルコトヲ要ス

  本則中第十四条の次に次の十五条を加える。

 第十四条ノ二 第八条ノ二第一項、第二項若ハ第五項、第九条ノ二第一項(第九条ノ四ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)若ハ第三項(第九条ノ三第二項及第九条ノ四ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)又ハ第九条ノ三第一項(第九条ノ四ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ニ定メタル事件ハ借地権ノ目的タル土地ノ所在地ノ地方裁判所ノ管轄トス但シ当事者ノ合意アリタルトキハ其ノ所在地ノ簡易裁判所之ヲ管轄スルコトヲ妨ゲズ

 第十四条ノ三 特別ノ定アル場合ヲ除キ前条ノ事件ニ関シテハ非訟事件手続法(明治三十一年法律第十四号)第一編ノ規定ヲ準用ス但シ同法第六条、第七条、第十五条及第三十二条ノ規定ハ此ノ限ニ在ラズ

  本法ニ定ムルモノノ外前条ノ事件ニ関シ必要ナル事項ハ最高裁判所之ヲ定ム

 第十四条ノ四 裁判所職員ノ除斥、忌避及回避ニ関スル民事訴訟法(昭和二十三年法律第二十九号)ノ規定ハ第十四条ノ二ノ事件ニ之ヲ準用ス

 第十四条ノ五 鑑定委員会ハ三人以上ノ委員ヲ以テ之ヲ組繊ス

  鑑定委員ハ左ノ者ノ中ヨリ各事件ニ付裁判所之ヲ指定ス但シ特ニ必要アルトキハ其ノ他ノ者ニ就キ之ヲ指定スルコトヲ得

  一 地方裁判所ガ特別ノ知識経験アル者其ノ他適当ナル者ノ中ヨリ毎年予メ選任シタル者

  二 当事者ガ合意ニ依リ選定シタル者

  鑑定委員ニハ最高裁判所ノ定ムル旅費、日当及宿泊料ヲ支給ス

 第十四条ノ六 裁判所ハ審問期日ヲ開キ当事者ノ陳述ヲ聴クコトヲ要ス

  当事者ハ他ノ当事者ノ審問ニ立会フコトヲ得

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 第十四条ノ七 裁判所ハ職権ヲ以テ事実ノ探知ヲ為シ及職権ヲ以テ又ハ申出ニ因リ必要卜認ムル証拠調ヲ為スべシ

  証拠調ハ民事訴訟ノ例ニ依リ之ヲ為ス

 第十四条ノ八 裁判所ハ審理ヲ終結スルトキハ審問期日ニ於テ其ノ旨ヲ宣言スべシ

 第十四条ノ九 第八条ノ二第一項乃至第三項若ハ第五項、第九条ノ二第一項(第九条ノ四ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)若ハ第三項(第九条ノ三第二項及第九条ノ四ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)又ハ第九条ノ三第一項(第九条ノ四ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ裁判ニ対シテハ即時抗告ヲ為スコトヲ得其ノ期間ハ之ヲ二週間トス

  前項ノ裁判ハ確定スルニ非ザレバ其ノ効力ヲ生ゼズ

 第十四条ノ十 前条第一項ノ裁判ハ当事者又ハ最終ノ審問期日後裁判確定前ノ承継人ニ対シ其ノ効力ヲ有ス

 第十四条ノ十一 第八条ノ二第三項若ハ第五項、第九条ノ二第三項(第九条ノ三第二項及第九条ノ四ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)又ハ第九条ノ三第一項(第九条ノ四ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ裁判ニシテ給付ヲ命ズルモノハ強制執行ニ関シテハ裁判上ノ和解卜同一ノ効力ヲ有ス

 第十四条ノ十二 第九条ノ二第一項(第九条ノ四ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ裁判ハ其ノ効力ヲ生ジタル後六月内ニ借地権者ガ建物ノ譲渡ヲ為サザルトキハ其ノ効力ヲ失フ但シ此ノ期間ハ其ノ裁判ニ於テ之ヲ伸長シ又ハ短縮スルコトヲ得

 第十四条ノ十三 民事訴訟法第百三十六条及第二百三条(和解ニ関スル部分ニ限ル)並ニ民事調停法第二十条ノ規定ハ第十四条ノ二ノ事件ニ之ヲ準用ス

 第十四条ノ十四 当事者及利害関係ヲ疎明シタル第三者ハ第十四条ノ二ノ事件ノ記録ノ閲覧ヲ裁判所書記官ニ請求スルコトヲ得但シ記録ノ保存又ハ裁判所ノ執務ニ支障アルトキハ此ノ限ニ在ラズ

  民事訴訟法第百五十一条第三項及第四項ノ規定ハ前項ノ記録ニ之ヲ準用ス

 第十四条ノ十五 第十四条ノ二ノ事件ノ申立ヲ為スニハ最高裁判所ノ定ムル所ニ依リ手数料ヲ納ムルコトヲ要ス第十四条ノ九第一項ノ裁判ニ対スル抗告及抗告裁判所ノ裁判ニ対スル抗告に付亦同ジ

  前項ノ手数料ノ額ハ借地権ノ目的タル土地ノ価額一万円ニ付同項前段ノ手数料ニ依リテハ五十円、同項後段ノ手数料ニ在リテハ七十円ヲ超ユルコトヲ得ズ

 第十四条ノ十六 民事訴訟法第百四条(第二項中同法第八十九条乃至第九十四条ノ規定ヲ準用スル部分ヲ除ク)ノ規定ハ第九条ノ二第四項(第九条ノ三第二項及第九条ノ四ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ場合ニ之ヲ準用ス


 (借家法の一部改正)

第二条 借家法(大正十年法律第五十号)の一部を次のように改正する。

  第七条に次の二項を加える。

  借賃ノ増額ニ付当事者間ニ協議調ハザルトキハ其ノ請求ヲ受ケタル者ハ増額ヲ正当トスル裁判ガ確定スルニ至ルマデハ相当卜認ムル借賃ヲ支払フヲ以テ足ル但シ其ノ裁判ガ確定シタル場合ニ於テ既ニ支払ヒタル額ニ不足アルトキハ不足額ニ年一割ノ割合ニ依ル支払期後ノ利息ヲ附シテ之ヲ支払フコトヲ要ス

  借賃ノ減額ニ付当事者間ニ協議調ハザルトキハ其ノ請求ヲ受ケタル者ハ減額ヲ正当トスル裁判ガ確定スルニ至ルマデハ相当ト認ムル借賃ノ支払ヲ請求スルコトヲ得但シ其ノ裁判ガ確定シタル場合ニ於テ既ニ支払ヲ受ケタル額ガ正当トセラレタル借賃ヲ超ユルトキハ超過額ニ年一割ノ割合ニ依ル受領ノ時ヨリノ利息ヲ附シテ之ヲ返還スルコトヲ要ス

  第七条の次に次の一条を加える。

 第七条ノ二 居住ノ用に供スル建物ノ賃借人ガ相続人ナクシテ死亡シタル場合ニ於テ其ノ当時婚姻又は縁組ノ届出ヲ為サザルモ賃借人卜事実上夫婦又ハ養親子卜同様ノ関係ニ在リタル同居者アルトキハ其ノ者ハ賃借人ノ権利義務ヲ承継ス但シ相続人ナクシテ死亡シタルコトヲ知リタル後一月内ニ賃貸人ニ対シ反対ノ意思ヲ表示シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ前項本文ノ場合ニ於テハ建物ノ賃貸借関係ニ基キ生ジタル債権又ハ債務ハ同項ノ規定ニ依リ賃借人ノ権利義務ヲ承継シタル者ニ帰属ス


 (建物保護に関する法律の一部改正)

第三条 建物保護に関する法律(明治四十二年法律第四十号)の一部を次のように改正する。

  第一条第二項を削る。

  第二条中「前条第一項」を「前条」に改める。


 (民法の一部改正)

第四条 民法(明治二十九年法律第八十九号)の一部を次のように改正する。

  第二編第四章中第二百六十九条の次に次の一条を加える。

 第二百六十九条ノ二 地下又ハ空間ハ上下ノ範囲ヲ定メ工作物ヲ所有スル為メ之ヲ地上権ノ目的卜為スコトヲ得此場合ニ於テハ設定行為ヲ以テ地上権ノ行使ノ為メニ土地ノ使用ニ制限ヲ加フルコトヲ得

  前項ノ地上権ハ第三者ガ土地ノ使用又ハ収益ヲ為ス権利ヲ有スル場合ニ於テモ其権利又ハ之ヲ目的トスル権利ヲ有スル総テノ者ノ承諾アルトキハ之ヲ設定スルコトヲ得此場合ニ於テハ土地ノ使用又ハ収益ヲ為ス権利ヲ有スル者ハ其地上権ノ行使ヲ妨グルコトヲ得ズ


   附 則


 (施行期日)

1 この法律は、昭和四十一年七月一日から施行する。ただし、第一条(借地法第十二条の改正規定を除く。)並びに附則第二項、第三項及び第十項の規定は、この法律の公布の日から起算して一年をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。


 (防火地域内借地権処理法の廃止)

2 防火地域内借地権処理法(昭和二年法律第四十号)は、廃止する。


 (罹災都市借地借家臨時処理法の一部改正)

3 罹災都市借地借家臨時処理法(昭和二十一年法律第十三号)の一部を次のように改正する。

  第二十二条中「政令で」を「最高裁判所が」に改める。


 (採石法の一部改正)

4 採石法(昭和二十五年法律第二百九十一号)の一部を次のように改正する。

  第四条第三項中「地上権に関する規定」の下に「(民法(明治二十九年法律第八十九号)第二百六十九条ノ二(地下又は空間の地上権)の規定を除く。)」を加える。

  第八条第二項中「(明治二十九年法律第八十九号)」を削る。


 (不動産登記法の一部改正)

5 不動産登記法(明治三十二年法律第二十四号)の一部を次のように改正する。

  第百十一条に次の一項を加える。

  民法第二百六十九条ノ二第一項ノ地上権ニ付キ前項ノ登記ヲ申請スル場合ニ於テハ申請書ニ同項ニ掲ゲタル事項ノ外地上権ノ目的タル地下又ハ空間ノ上下ノ範囲ヲ記載シ若シ登記原因ニ同条第一項後段ノ定アルトキハ之ヲ記載スルコトヲ要ス


 (経過措置等)

6 この法律による改正後の規定は、各改正規定の施行前に生じた事項にも通用する。ただし、改正前の規定により生じた効力を妨げない。

7 この法律による改正後の借地法第十二条第二項及び第三項並びに借家法第七条第二項及び第三項の規定は、当該改正規定の施行前に地代又は借賃の増減の請求があつた場合には、通用しない。

8 この法律による改正後の借地法第十二条第二項又は借家法第七条第二項の規定は、地代家賃統制令(昭和二十一年勅令第四百四十三号)の適用がある地代又は家賃については、請求に係る増加額のうち、同令による停止統制額又は認可統制額をこえる部分に限り適用する。

9 この法律による改正後の借家法第七条ノ二の規定は、附則第六項の規定にかかわらず、当該改正規定の施行前に賃借人が死亡し、その施行後に相続人の全員が相続の放棄をした場合にも適用する。

10 旧防火地域内借地権処理法第二条第一項の申立てがあつた事件については、なお従前の例による。

(法務・通商産業・内閣総理大臣署名) 

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