下請代金支払遅延等防止法の一部を改正する法律
法律第百二十五号(昭四〇・六・一〇)
下請代金支払遅延等防止法(昭和三十一年法律第百二十号)の一部を次のように改正する。
第二条中第五項を第六項とし、第四項の次に次の一項を加える。
5 資本の額又は出資の総額が一千万円をこえる法人たる事業者から役員の任免、業務の執行又は存立について支配を受け、かつ、その事業者から製造委託又は修理委託を受ける法人たる事業者が、その製造委託又は修理委託に係る製造又は修理の行為の全部又は相当部分について再委託をする場合(第三項第一号又は第二号に該当する者がそれぞれ前項第一号又は第二号に該当する者に対し製造委託又は修理委託をする場合を除く。)において、再委託を受ける事業者が、役員の任免、業務の執行又は存立について支配をし、かつ、製造委託又は修理委託をする当該事業者から直接製造委託又は修理委託を受けるものとすれば前項各号の一に該当することとなる事業者であるときは、この法律の適用については、再委託をする事業者は親事業者と、再委託を受ける事業者は下請事業者とみなす。
第二条の二第一項中「支払期日は」の下に「、親事業者が下請事業者の給付の内容について検査をするかどうかを問わず」を加える。
第三条中「直ちに、」の下に「公正取引委員会規則で定めるところにより」を加え、「内容並びに」を「内容、」に、「及び支払期日」を「、支払期日及び支払方法その他の事項」に改める。
第四条第七号中「又は第三号」を「若しくは第三号」に改め、「行為をした場合」の下に「又は親事業者について次項各号の一に該当する事実があると認められる場合」を加え、同条に次の一項を加える。
2 親事業者は、下請事業者に対し製造委託又は修理委託をした場合は、次の各号に掲げる行為をすることによつて、下請事業者の利益を不当に害してはならない。
一 自己に対する給付に必要な半製品、部品、附属品又は原材料(以下「原材料等」という。)を自己から購入させた場合に、下請事業者の責に帰すべき理由がないのに、当該原材料等を用いる給付に対する下請代金の支払期日より早い時期に、支払うべき下請代金の額から当該原材料等の対価の全部若しくは一部を控除し、又は当該原材料等の対価の全部若しくは一部を支払わせること。
二 下請代金の支払につき、当該下請代金の支払期日までに一般の金融機関(預金又は貯金の受入れ及び資金の融通を業とする者をいう。)による割引を受けることが困難であると認められる手形を交付すること。
第六条中「第四条第一号」を「第四条第一項第一号」に、「又は同条第三号」を「若しくは同項第三号」に改め、「行為をしたかどうか」の下に「又は親事業者について同条第二項各号の一に該当する事実があるかどうか」を加える。
第七条第一項中「第四条第一号」を「第四条第一項第一号」に改め、「、その下請代金」の下に「若しくはその下請代金及び第四条の二の規定による遅延利息」を加え、「勧告することができる」を「勧告するものとする」に改め、同条第二項中「第四条第三号」を「第四条第一項第三号」に、「勧告することができる」を「勧告するものとする」に改め、同条第三項中「前二項」を「前三項」に、「公表することができる」を「公表するものとする」に改め、同項を同条第四項とし、同条第二項の次に次の一項を加える。
3 公正取引委員会は、親事業者について第四条第二項各号の一に該当する事実があると認めるときは、その親事業者に対し、すみやかにその下請事業者の利益を保護するため必要な措置をとるべきことを勧告するものとする。
第八条を次のように改める。
(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律との関係)
第八条 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号)第四十八条、第四十九条、第五十三条の三及び第五十四条の規定は、公正取引委員会が前条第一項から第三項までの規定による勧告をした場合において、親事業者がその勧告に従つたときに限り、親事業者のその勧告に係る行為については、適用しない。
第十条を次のように改める。
(罰則)
第十条 次の各号の一に該当する場合には、その違反行為をした親事業者の代表者、代理人、使用人その他の従業者は、三万円以下の罰金に処する。
一 第三条の規定による書面を交付しなかつたとき。
二 第五条の規定による書類を作成せず、若しくは保存せず、又は虚偽の書類を作成したとき。
附 則
1 この法律は、公布の日から起算して三十日を経過した日から施行する。
2 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(内閣総理・大蔵・厚生・農林・通商産業・運輸大臣署名)