新東京国際空港公団法

法律第百十五号(昭四〇・六・二)

目次

 第一章 総則(第一条―第八条)

 第二章 役員及び職員(第九条―第十九条)

 第三章 業務(第二十条―第二十四条)

 第四章 財務及び会計(第二十五条―第三十五条)

 第五章 監督(第三十六条・第三十七条)

 第六章 雑則(第三十八条―第四十条)

 第七章 罰則(第四十一条―第四十三条)

 附則

   第一章 総則


 (目的)

第一条 新東京国際空港公団は、新東京国際空港の設置及び管理を効率的に行なうこと等により、航空輸送の円滑化を図り、もつて航空の総合的な発達に資するとともに、わが国の国際的地位の向上に寄与することを目的とする。


 (新東京国際空港)

第二条 新東京国際空港は、次の要件を備える公共用飛行場として、東京都の周辺の地域で政令で定める位置に設置するものとする。

 一 長期にわたつての航空輸送需要に対応することができるものであること。

 二 将来における主要な国際航空路線の用に供することができるものであること。


 (法人格)

第三条 新東京国際空港公団(以下「公団」という。)は、法人とする。


 (事務所)

第四条 公団は、主たる事務所を東京都に置く。

2 公団は、運輸大臣の認可を受けて、必要な地に従たる事務所を置くことができる。


 (資本金)

第五条 公団の資本金は、五億円とし、政府がその全額を出資する。

2 政府は、必要があると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において、公団に追加して出資することができる。

3 公団は、前項の規定による政府の出資があつたときは、その出資額により資本金を増加するものとする。


 (登記)

第六条 公団は、政令で定めるところにより、登記しなければならない。

2 前項の規定により登記しなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。


 (名称の使用制限)

第七条 公団でない者は、新東京国際空港公団という名称を用いてはならない。


 (民法の準用)

第八条 民法(明治二十九年法律第八十九号)第四十四条(法人の不法行為能力)及び第五十条(法人の住所)の規定は、公団について準用する。

   第二章 役貝及び職員


 (役員)

第九条 公団に、役員として、総裁一人、副総裁一人、理事六人以内及び監事二人以内を置く。


 (役員の職務及び権限)

第十条 総裁は、公団を代表し、その業務を総理する。

2 副総裁は、公団を代表し、総裁の定めるところにより、総裁を補佐して公団の業務を掌理し、総裁に事故があるときはその職務を代理し、総裁が欠員のときはその職務を行なう。

3 理事は、総裁の定めるところにより、総裁及び副総裁を補佐して公団の業務を掌理し、総裁及び副総裁に事故があるときはその職務を代理し、総裁及び副総裁が欠員のときはその職務を行なう。

4 監事は、公団の業務を監査する。

5 監事は、監査の結果に基づき、必要があると認めるときは、総裁又は運輸大臣に意見を提出することができる。


 (役員の任命)

第十一条 総裁及び監事は、運輸大臣が任命する。

2 副総裁及び理事は、運輸大臣の認可を受けて、総裁が任命する。


 (役員の任期)

第十二条 役員の任期は、四年とする。ただし、補欠の役員の任期は、前任者の残任期間とする。

2 役員は、再任されることができる。


 (役員の欠格条項)

第十三条 次の各号の一に該当する者は、役員となることができない。

 一 政府又は地方公共団体の職員(非常勤の者を除く。)

 二 物品の製造若しくは販売若しくは工事の請負を業とする者であつて公団と取引上密接な利害関係を有するもの又はこれらの者が法人であるときはその役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)

 三 新東京国際空港に係る施設を使用して事業を営む者又はその者が法人であるときはその役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)

 四 前二号に掲げる事業者の団体の役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)


 (役員の解任)

第十四条 運輸大臣又は総裁は、それぞれその任命に係る役員が前条各号の一に該当するに至つたときは、その役員を解任しなければならない。

2 運輸大臣又は総裁は、それぞれその任命に係る役員が次の各号の一に該当するとき、その他役員たるに適しないと認めるときは、その役員を解任することができる。

 一 心身の故障のため職務の執行に堪えないと認められるとき。

 二 職務上の義務違反があるとき。

3 総裁は、前項の規定によりその任命に係る役員を解任しようとするときは、あらかじめ、運輸大臣の認可を受けなければならない。


 (役員の兼職禁止)

第十五条 役員は、営利を目的とする団体の役員となり、又は自ら営利事業に従事してはならない。


 (代表権の制限)

第十六条 公団と総裁又は副総裁との利益が相反する事項については、これらの者は、代表権を有しない。この場合には、監事が公団を代表する。


 (代理人の選任)

第十七条 総裁及び副総裁は、公団の理事及び職員のうちから、公団の主たる事務所又は従たる事務所の業務に関し一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する代理人を選任することができる。


 (職員の任命)

第十八条 公団の職員は、総裁が任命する。


 (役員及び職員の公務員たる性質)

第十九条 公団の役員及び職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

   第三章 業務


 (業務の範囲)

第二十条 公団は、第一条の目的を達成するため、次の業務を行なう。

 一 新東京国際空港の設置及び管理を行なうこと。

 二 新東京国際空港における航空機の離陸又は着陸の安全を確保するために必要な航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第二条第四項に規定する航空保安施設の設置及び管理を行なうこと。

 三 新東京国際空港の機能を確保するために必要な航空旅客及び航空貨物の取扱施設、航空機給油施設その他の施設で政令で定めるものの建設及び管理を行なうこと。

 四 前三号の業務に附帯する業務を行なうこと。

2 公団は、前項の業務の遂行に支障のない範囲内において、あらかじめ運輸大臣の認可を受けて、次の業務を行なうことができる。

 一 前項第三号に規定する施設以外の施設で、新東京国際空港を利用する者の利便を確保するために当該空港の敷地内に建設することが適当であると認められる事務所、店舗その他政令で定めるものの建設及び管理を行なうこと。

 二 委託に基づき、飛行場の工事並びに飛行場に関する調査、測量、設計、試験及び研究を行なうこと。


 (基本計画)

第二十一条 運輸大臣は、政令で定めるところにより、前条第一項第一号及び第二号の業務につき基本計画を定め、これを公団に指示するものとする。これを変更するときも、同様とする。


 (業務の実施)

第二十二条 公団は、第二十条第一項第一号及び第二号の業務については、前条の基本計画に従い、かつ、航空法で定めるところにより、これを行なわなければならない。

第二十三条 公団は、第二十条第一項第三号又は同条第二項第一号の業務を行なう場合においては、政令で定める基準に従つてしなければならない。


 (業務方法書)

第二十四条 公団は、業務開始の際、業務方法書を作成し、運輸大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

2 前項の業務方法書に記載すべき事項は、運輸省令で定める。

   第四章 財務及び会計


 (事業年度)

第二十五条 公団の事業年度は、毎年四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終わる。


 (事業計画等の認可)

第二十六条 公団は、毎事業年度、事業計画、予算及び資金計画を作成し、当該事業年度の開始前に、運輸大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。


 (財務諸表)

第二十七条 公団は、毎事業年度、財産目録、貸借対照表及び損益計算書(以下この条において「財務諸表」という。)を作成し、当該事業年度の終了後三月以内に運輸大臣に提出し、その承認を受けなければならない。

2 公団は、前項の規定により財務諸表を運輸大臣に提出するときは、これに当該事業年度の事業報告書及び予算の区分に従い作成した決算報告書を添え、並びに財務諸表及び決算報告書に関する監事の意見をつけなければならない。

3 公団は、第一項の規定による運輸大臣の承認を受けたときは、遅滞なく、財務諸表を官報に公告し、かつ、各事務所に備えて置かなければならない。


 (利益及び損失の処理並びに納付金)

第二十八条 公団は、毎事業年度、損益計算において利益を生じたときは、前事業年度から繰り越した損失をうめ、なお残余があるときは、その残余の額のうち、政令で定める基準により計算した額を積立金として積み立てなければならない。

2 公団は、毎事業年度、損益計算において損失を生じたときは、前項の規定による積立金を減額して整理し、なお不足があるときは、その不足額は、繰越欠損金として整理しなければならない。

3 公団は、第一項の規定による残余の額から同項の規定により積立金として積み立てた額を控除してなお残余があるときは、その残余の額を国庫に納付しなければならない。

4 前項の規定による納付金に関し、納付の手続その他必要な事項は、政令で定める。


 (借入金及び新東京国際空港債券)

第二十九条 公団は、運輸大臣の認可を受けて、長期借入金若しくは短期借入金をし、又は新東京国際空港債券(以下「債券」という。)を発行することができる。

2 前項の規定による短期借入金は、当該事業年度内に償還しなければならない。ただし、資金の不足のため償還することができないときは、その償還することができない金額に限り、運輸大臣の認可を受けて、これを借り換えることができる。

3 前項ただし書の規定により借り換えた短期借入金は、一年以内に償還しなければならない。

4 第一項の規定による債券の債権者は、公団の財産について他の債権者に先だつて自己の債権の弁済を受ける権利を有する。

5 前項の先取特権の順位は、民法の規定による一般の先取特権に次ぐものとする。

6 公団は、運輸大臣の認可を受けて、債券の発行に関する事務の全部又は一部を銀行又は信託会社に委託することができる。

7 商法(明治三十二年法律第四十八号)第三百九条から第三百十一条まで(受託会社の権限及び義務)の規定は、前項の規定により委託を受けた銀行又は信託会社について準用する。

8 第一項及び第四項から前項までに定めるもののほか、債券に関し必要な事項は、政令で定める。


 (債務保証)

第三十条 政府は、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律(昭和二十一年法律第二十四号)第三条の規定にかかわらず、国会の議決を経た金額の範囲内において、公団の長期借入金又は債券に係る債務(国際復興開発銀行等からの外資の受入に関する特別措置に関する法律(昭和二十八年法律第五十一号)第二条の規定に基づき政府が保証契約をすることができる債務を除く。)について保証することができる。


 (償還計画)

第三十一条 公団は、毎事業年度、長期借入金及び債券の償還計画をたてて、運輸大臣の認可を受けなければならない。


 (余裕金の運用)

第三十二条 公団は、次の方法による場合を除くほか、業務上の余裕金を運用してはならない。

 一 国債その他運輸大臣の指定する有価証券の取得

 二 銀行への預金又は郵便貯金


 (財産の処分等の制限)

第三十三条 公団は、運輸省令で定める重要な財産を譲渡し、交換し、又は担保に供しようとするときは、運輸大臣の認可を受けなければならない。


 (給与及び退職手当の支給の基準)

第三十四条 公団は、その役員及び職員に対する給与及び退職手当の支給の基準を定めようとするときは、運輸大臣の承認を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。


 (運輸省令への委任)

第三十五条 この法律及びこれに基づく政令に規定するもののほか、公団の財務及び会計に関し必要な事項は、運輸省令で定める。

   第五章 監督


 (監督)

第三十六条 公団は、運輸大臣が監督する。

2 運輸大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、公団に対して、その業務に関し監督上必要な命令をすることができる。


 (報告及び検査)

第三十七条 運輸大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、公団に対してその業務及び資産の状況に関し報告をさせ、又はその職員に、公団の事務所その他の事業所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の必要な物件を検査させることができる。

2 前項の規定により職員が立入検査をする場合においては、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。

3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

   第六章 雑則


 (解散)

第三十八条 公団の解散については、別に法律で定める。


 (大蔵大臣との協議)

第三十九条 運輸大臣は、次の場合には、あらかじめ、大蔵大臣に協議しなければならない。

 一 第二十一条の基本計画を定め、又は変更しようとするとき。

 二 第二十四条第一項、第二十六条、第二十九条第一項、第二項ただし書若しくは第六項、第三十一条又は第三十三条の規定による認可をしようとするとき。

 三 第二十四条第二項又は第三十五条の規定により運輸省令を定めようとするとき。

 四 第二十七条第一項又は第三十四条の規定による承認をしようとするとき。

 五 第三十二条第一号の規定による指定をしようとするとき。


 (他の法令の準用)

第四十条 不動産登記法(明治三十二年法律第二十四号)及び政令で定めるその他の法令については、政令で定めるところにより、公団を国の行政機関とみなして、これらの法令を準用する。

   第七章 罰則


 (罰則)

第四十一条 第三十七条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合には、その違反行為をした公団の役員又は職員は、三万円以下の罰金に処する。

第四十二条 次の各号の一に該当する場合には、その違反行為をした公団の役員は、三万円以下の過料に処する。

 一 この法律により運輸大臣の認可又は承認を受けなければならない場合において、その認可又は承認を受けなかつたとき。

 二 第六条第一項の政令の規定に違反して登記することを怠つたとき。

 三 第二十条に規定する業務以外の業務を行なつたとき。

 四 第三十二条の規定に違反して業務上の余裕金を運用したとき。

 五 第三十六条第二項の規定による運輸大臣の命令に違反したとき。

第四十三条 第七条の規定に違反した者は、一万円以下の過料に処する。


   附 則


 (施行期日)

第一条 この法律中第二条の規定は公布の日から、その他の規定は同条の政令の公布の日後において政令で定める日から施行する。


 (公団の設立)

第二条 運輸大臣は、公団の総裁又は監事となるべき者を指名する。

2 前項の規定により指名された総裁又は監事となるべき者は、公団の成立の時において、この法律の規定により、それぞれ総裁又は監事に任命されたものとする。

第三条 運輸大臣は、設立委員を命じて、公団の設立に関する事務を処理させる。

2 設立委員は、設立の準備を完了したときは、遅滞なく、政府に対し、出資金の払込みの請求をしなければならない。

3 設立委員は、出資金の払込みがあつた日において、その事務を前条第一項の規定により指名された総裁となるべき者に引き継がなければならない。

第四条 附則第二条第一項の規定により指名された総裁となるべき者は、前条第三項の事務の引継ぎを受けたときは、遅滞なく、政令で定めるところにより、設立の登記をしなければならない。

第五条 公団は、設立の登記をすることによつて成立する。


 (日本国有鉄道から公団に転出した復帰希望職員に関する公共企業体職員等共済組合法の特例)

第六条 公団の成立の際現に日本国有鉄道の職員である国鉄共済組合の組合員(公共企業体職員等共済組合法(昭和三十一年法律第百三十四号。以下この条において「法」という。)の長期給付に関する規定の適用を受けない者を除く。以下この条において「組合員」という。)が任命権者又はその委任を受けた者の要請に応じ、引き続いて公団に使用される者(役員及び常時勤務に服することを要しない者を除く。以下この条において「公団職員」という。)となるため退職した場合において、その者が、公団職員となつた日から六十日以内に、国鉄共済組合の運営規則で定めるところにより、その引き続く公団職員としての在職期間を、これに引き続き再び組合員の資格を取得したとき(以下この条において「復帰したとき」という。)の法第十五条の規定による組合員期間の計算上組合員期間とみなされることを希望する旨を国鉄共済組合に申し出たときは、当該退職(以下この条において「転出」という。)に係る長期給付は、その申出をした者(以下この条において「復帰希望職員」という。)が引き続き公団職員として在職する間、その支払を差し止める。

2 復帰希望職員が引き続き公団職員として在職し、引き続き復帰したとき(その後六月以内に退職したときを除く。第四項において同じ。)は、法の長期給付に関する規定(第六章の規定を除く。)の適用については、その者は、転出の時に退職しなかつたものとみなし、当該公団職員であつた期間引き続き組合員であつたものとみなす。ただし、当該公団職員であつた期間内に発した疾病又は負傷に係る廃疾給付については、この限りでない。

3 復帰希望職員及び公団については、当該復帰希望職員の転出の時にさかのぼつて、法第六章(第六十六条第一項第一号及び第三号に掲げる金額に係る部分を除く。)の規定を準用する。この場合において、第六十四条第一項中「給付及び福祉事業」とあるのは「長期給付」と、第六十五条第一項中「組合員(前条第二項の運営規則で定める組合員を除く。以下この項において同じ。)」とあるのは「組合員」と、第六十六条第一項中「公共企業体は、次に掲げる金額を」とあるのは「公団は第二号に掲げる金額を、公共企業体は第四号に掲げる金額をそれぞれ」と、同条第四項中「公共企業体」とあるのは「公団若しくは公共企業体」と読み替えるものとする。

4 復帰希望職員が引き続き公団職員として在職しなくなつたとき(引き続き日本国有鉄道に復帰したときを除く。)は、国鉄共済組合は、運輸省令で定めるところにより、当該復帰希望職員及び公団に対し、これらの者が負担した掛金又は負担金を返還しなければならない。


 (経過規定)

第七条 この法律の施行の際現に新東京国際空港公団という名称を使用している者については、第七条の規定は、この法律の施行後六月間は、適用しない。

第八条 公団の最初の事業年度は、第二十五条の規定にかかわらず、その成立の日に始まり、昭和四十一年三月三十一日に終わるものとする。

第九条 公団の最初の事業年度の事業計画、予算及び資金計画については、第二十六条中「当該事業年度の開始前に」とあるのは、「公団の成立後遅滞なく」とする。


 (航空法の一部改正)

第十条 航空法の一部を次のように改正する。

  第三十八条第一項中「運輸大臣以外の者」を「運輸大臣及び新東京国際空港公団以外の者」に改める。

  第五十六条を第五十五条の二とし、同条の次に次の二条を加える。

 (新東京国際空港等の設置又は管理)

 第五十五条の三 新東京国際空港公団は、新東京国際空港若しくは新東京国際空港公団法(昭和四十年法律第百十五号)第二十条第一項第二号の航空保安施設を設置し、又は当該空港若しくは航空保安施設に運輸省令で定める重要な変更を加えようとするときは、運輸省令で定めるところにより、同法第二十一条の基本計画に基づいて工事実施計画を作成し、運輸大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

 2 第三十八条第三項、第三十九条(第一項第三号及び第四号に係るものを除く。)及び第四十条の規定は、前項の工事実施計画の認可について準用する。ただし、第三十八条第三項、第三十九条第二項及び第四十条の規定は、新東京国際空港を設置しようとする場合における前項前段の規定による工事実施計画の認可以外の工事実施計画の認可については、当該認可に係る工事実施計画の実施により新東京国際空港の範囲、進入表面、転移表面又は水平表面に変更を生ずることとなる場合に限り準用する。

 3 前項の場合において、第四十条中「第四十三条第一項」とあるのは、「第五十五条の三第一項」と読み替えるものとする。

 第五十六条 第四十二条、第四十四条(供用の休止に関する部分に限る。)、第四十五条、第四十六条、第四十七条第一項、第四十九条、第五十条、第五十一条第二項、第四項及び第五項、第五十四条並びに第五十四条の二の規定は、新東京国際空港公団が設置する新東京国際空港又は前条第一項の航空保安施設について準用する。この場合において、第五十条第一項中「第四十三条第一項」とあるのは、「第五十五条の三第一項」と読み替えるものとする。

  第百五十条第二号中「第五十六条第二項」を「第五十五条の二第二項又は第五十六条」に改める。


 (空港整備法の一部改正)

第十一条 空港整備法(昭和三十一年法律第八十号)の一部を次のように改正する。

  第二条第一項第一号中「国際航空路線」を「新東京国際空港及び国際航空路線」に、「、政令」を「政令」に改める。

  第三条に次の一項を加える。

 2 前項の規定にかかわらず、新東京国際空港は、新東京国際空港公団が設置し、及び管理する。

  第十二条中「運輸大臣」の下に「、新東京国際空港公団」を加える。


 (公職選拳法の一部改正)

第十二条 公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)の一部を次のように改正する。

  第百三十六条の二第一項第二号中「日本鉄道建設公団」の下に「、新東京国際空港公団」を加える。


 (地方財政再建促進特別措置法の一部改正)

第十三条 地方財政再建促進特別措置法(昭和三十年法律第百九十五号)の一部を次のように改正する。

  第二十四条第二項中「日本鉄道建設公団」の下に「、新東京国際空港公団」を加える。


 (登録税法の一部改正)

第十四条 登録税法(明治二十九年法律第二十七号)の一部を次のように改正する。

  第十九条第一号ノ十の次に次の一号を加える。

  一ノ十一 新東京国際空港公団自己ノ為ニスル登記又ハ登録


 (印紙税法の一部改正)

第十五条 印紙税法(明治三十二年法律第五十四号)の一部を次のように改正する。

  第五条第六号ノ五ノ七の次に次の一号を加える。

  六ノ五ノ八 新東京国際空港公団ノ発スル証書、帳簿


 (所得税法の一部改正)

第十六条 所得税法(昭和四十年法律第三十三号)の一部を次のように改正する。

  別表第一第一号の表中新技術開発事業団の項の次に次のように加える。

新東京国際空港公団

新東京国際空港公団法(昭和四十年法律第百十五号)


 (法人税法の一部改正)

第十七条 法人税法(昭和四十年法律第三十四号)の一部を次のように改正する。

  別表第一第一号の表中新技術開発事業団の項の次に次のように加える。

新東京国際空港公団

新東京国際空港公団法(昭和四十年法律第百十五号)


 (地方税法の一部改正)

第十八条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。

  第七十二条の四第一項第二号中「日本鉄道建設公団」の下に「、新東京国際空港公団」を加える。

  第七十三条の四第一項第一号中「日本鉄道建設公団」の下に「、新東京国際空港公団」を加える。

  第三百四十九条の三に次の一項を加える。

 19 新東京国際空港公団が所有し、かつ、直接その本来の事業の用に供する固定資産で政令で定めるものに対して課する固定資産税の課税標準は、前二条の規定にかかわらず、当該固定資産に係る固定資産税の課税標準となるべき価格の二分の一の額とする。


 (行政管理庁設置法の一部改正)

第十九条 行政管理庁設置法(昭和二十三年法律第七十七号)の一部を次のように改正する。

  第二条第十二号中「日本鉄道建設公団」の下に「、新東京国際空港公団」を加える。


 (運輸省設置法の一部改正)

第二十条 運輸省設置法の一部を次のように改正する。

  第四条第一項第四十四号の七の二の次に次の一号を加える。

  四十四の七の三 新東京国際空港公団を監督すること。

  第二十八条の二第一項第十号の二の次に次の一号を加える。

  十の三 新東京国際空港公団に関すること。

  第八十三条の表中「一五、〇八五人」を「一五、〇六一人」に、「三二、七三四人」を「三二、七一○人」に改める。

(内閣総理・法務・大蔵・運輸・自治大臣署名) 

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