雇用促進事業団法

法律第百十六号(昭三六・六・六)

目次

 第一章 総則(第一条―第七条)

 第二章 役員及び職員(第八条―第十八条)

 第三章 業務(第十九条・第二十条)

 第四章 財務及び会計(第二十一条―第三十一条)

 第五章 監督(第三十二条・第三十三条)

 第六章 雑則(第三十四条―第三十八条)

 第七章 罰則(第三十九条―第四十一条)

 附則

   第一章 総則

 (目的)

第一条 雇用促進事業団は、労働者の技能の習得及び向上、地域間及び産業間の移動の円滑化その他就職の援助に関し必要な業務を行なうことにより、労働者の能力に適応する雇用を促進し、もつて労働者の福祉の増進と経済の発展に寄与することを目的とする。

 (法人格)

第二条 雇用促進事業団(以下「事業団」という。)は、法人とする。

 (事務所)

第三条 事業団は、主たる事務所を東京都に置く。

2 事業団は、労働大臣の認可を受けて、必要な地に従たる事務所を置くことができる。

 (資本金)

第四条 事業団の資本金は、附則第五条第一項の規定により政府及び地方公共団体から出資があつたものとされた額の合計額とする。

2 事業団は、必要があるときは、労働大臣の認可を受けて、その資本金を増加することができる。

3 政府は、前項の規定により事業団がその資本金を増加するときは、事業団に出資することができる。

4 政府は、前項の規定により事業団に出資するときは、土地、建物その他の土地の定着物又は物品(以下次項において「土地等」という。)を出資の目的とすることができる。

5 前項の規定により出資の目的とする土地等の価額は、出資の日現在における時価を基準として評価委員が評価した価額とする。

6 前項に規定する評価委員その他評価に関し必要な事項は、政令で定める。

 (登記)

第五条 事業団は、政令で定めるところにより、登記しなければならない。

2 前項の規定により登記しなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。

 (名称の使用制限)

第六条 事業団でない者は、雇用促進事業団という名称を用いてはならない。

 (民法の準用)

第七条 民法(明治二十九年法律第八十九号)第四十四条(法人の不法行為能力)及び第五十条(法人の住所)の規定は、事業団について準用する。

   第二章 役員及び職員

 (役員)

第八条 事業団に、役員として、理事長一人、副理事長一人、理事六人以内及び監事二人以内を置く。

 (役員の職務及び権限)

第九条 理事長は、事業団を代表し、その業務を総理する。

2 副理事長は、理事長を補佐して事業団の業務を掌理し、理事長に事故があるときはその職務を代理し、理事長が欠員のときはその職務を行なう。

3 理事は、理事長の定めるところにより、理事長及び副理事長を補佐して事業団の業務を掌理し、理事長及び副理事長に事故があるときはその職務を代理し、理事長及び副理事長が欠員のときはその職務を行なう。

4 監事は、事業団の業務を監査する。

 (役員の任命)

第十条 理事長、副理事長及び監事は、労働大臣が任命する。

2 理事は、理事長が労働大臣の認可を受けて任命する。

 (役員の任期)

第十一条 役員の任期は、四年とする。ただし、補欠の役員の任期は、前任者の残任期間とする。

2 役員は、再任されることができる。

 (役員の欠格条項)

第十二条 国会議員、国家公務員(審議会、協議会等の委員その他これに準ずる地位にある者であつて、非常勤のものを除く。)、地方公共団体の議会の議員又は地方公共団体の長若しくは常勤の職員は、役員となることができない。

 (役員の解任)

第十三条 労働大臣又は理事長は、それぞれその任命に係る役員が前条の規定により役員となることができない者に該当するに至つたときは、その役員を解任しなければならない。

2 労働大臣又は理事長は、それぞれその任命に係る役員が次の各号の一に該当するとき、その他役員たるに適しないと認めるときは、その役員を解任することができる。

 一 心身の故障のため職務の執行に堪えないと認められるとき。

 二 職務上の義務違反があるとき。

3 理事長は、前項の規定により理事を解任しようとするときは、労働大臣の認可を受けなければならない。

 (役員の兼職禁止)

第十四条 役員は、営利を目的とする団体の役員となり、又は自ら営利事業に従事してはならない。

 (代表権の制限)

第十五条 事業団と理事長との利益が相反する事項については、理事長は、代表権を有しない。この場合には、監事が事業団を代表する。

 (代理人の選任)

第十六条 理事長は、副理事長、理事又は事業団の職員のうちから、事業団の従たる事務所の業務に関し一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する代理人を選任することができる。

 (職員の任命)

第十七条 事業団の職員は、理事長が任命する。

 (役員及び職員の公務員たる性質)

第十八条 役員及び職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

   第三章 業務

 (業務の範囲)

第十九条 事業団は、第一条の目的を達成するため、次の業務を行なう。

 一 総合職業訓練所及び中央職業訓練所の設置及び運営並びに事業内職業訓練の援助を行なうこと。

 二 公共職業安定所の指示により公共職業訓練を受ける者に対して手当を支給すること。

 三 公共職業安定所の指示により公共職業訓練を受ける者のための宿泊施設の設置及び運営を行なうこと。

 四 広域職業紹介活動に係る公共職業安定所の紹介により就職する者(以下「移転就職者」という。)のための宿舎の設置及び運営を行なうこと。

 五 労働者のための簡易宿泊施設、託児施設、給食施設その他の福祉施設の設置及び運営を行なうこと。

 六 移転就職者に対して移転に要する費用を支給すること。

 七 再就職しようとする者に対して、必要な知識及び技能を習得させるための講習を行なうこと。

 八 求職者が公共職業安定所の紹介により就職する場合において、必要な資金を貸し付け、及び身元保証をすること。

 九 労働者の職業に対する適応性その他職業の安定に関する調査、研究及び資料の整備を行なうこと。

 十 前各号の業務に附帯する業務を行なうこと。

2 前項に規定する業務(同項第二号及び第六号に掲げる業務並びにこれらに附帯する業務を除く。)は、失業保険法(昭和二十二年法律第百四十六号)第二十七条の二第一項の規定による福祉施設として行なうものとする。

3 事業団は、第一項に規定する業務の遂行に支障のない範囲内で、国又は地方公共団体の委託を受けて、同項第一号又は第五号に掲げる施設を利用して、職業訓練法(昭和三十三年法律第百三十三号)第二十八条の規定による技能検定の試験の実施その他労働者の福祉を増進するため必要な業務を行なうことができる。

 (業務方法書)

第二十条 事業団は、前条第一項に規定する業務について、当該業務の開始前に、業務方法書を作成し、労働大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

2 前項の業務方法書に記載すべき事項は、労働省令で定める。

3 労働大臣は、第一項の認可をしたときは、労働省令で定めるところにより、その旨を告示しなければならない。

   第四章 財務及び会計


 (事業年度)

第二十一条 事業団の事業年度は、毎年四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終わる。


 (予算等の認可)

第二十二条 事業団は、毎事業年度、予算、事業計画及び資金計画を作成し、当該年度の開始前に、労働大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

2 事業団は、前項の規定による労働大臣の認可を受けたときは、労働省令で定めるところにより、その旨を事業団に出資した地方公共団体に通知しなければならない。


 (決算)

第二十三条 事業団は、毎事業年度の決算を翌年度の七月三十一日までに完結しなければならない。


 (財務諸表)

第二十四条 事業団は、毎事業年度、財産目録、貸借対照表及び損益計算書(以下次項において「財務諸表」という。)を作成し、決算完結後二月以内に労働大臣に提出し、その承認を受けなければならない。

2 事業団は、前項の規定により財務諸表を労働大臣に提出するときは、予算の区分に従い作成した当該事業年度の決算報告書並びに財務諸表及び決算報告書に関する監事の意見書を添附しなければならない。

3 第二十二条第二項の規定は、第一項の規定による労働大臣の承認を受けたときについて準用する。


 (利益及び損失の処理)

第二十五条 事業団は、毎事業年度、損益計算において利益を生じたときは、前年度から繰り越した損失をうめ、なお残余があるときは、その残余の額は、積立金として整理しなければならない。

2 事業団は、毎事業年度、損益計算において損失を生じたときは、前項の規定による積立金を減額して整理し、なお不足があるときは、その不足額は、繰越欠損金として整理しなければならない。


 (短期借入金)

第二十六条 事業団は、労働大臣の認可を受けて、短期借入金をすることができる。

2 前項の規定による短期借入金は、当該事業年度内に償還しなければならない。ただし、資金の不足のため償還することができない金額に限り、労働大臣の認可を受けて、これを借り換えることができる。

3 前項ただし書の規定により借り換えた短期借入金は、一年以内に償還しなければならない。


 (交付金)

第二十七条 政府は、予算の範囲内において、事業団に対し、第十九条第一項に規定する業務に要する費用の一部に相当する金額を交付することができる。


 (余裕金の運用)

第二十八条 事業団は、次の方法によるほか、業務上の余裕金を運用してはならない。

 一 国債、地方債その他労働大臣の指定する有価証券の取得

 二 銀行その他労働大臣の指定する金融機関への預金又は郵便貯金


 (財産の処分等の制限)

第二十九条 事業団は、労働省令で定める財産を貸し付け、譲渡し、交換し、又は担保に供しようとするときは、労働省令で定める場合を除き、労働大臣の認可を受けなければならない。


 (給与及び退職手当の支給基準)

第三十条 事業団は、役員及び職員に対する給与及び退職手当の支給の基準を定め、又は変更しようとするときは、労働大臣の承認を受けなければならない。


 (労働省令への委任)

第三十一条 この法律に規定するもののほか、事業団の財務及び会計に関し必要な事項は、労働省令で定める。

   第五章 監督


 (監督)

第三十二条 事業団は、労働大臣が監督する。

2 労働大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、事業団に対し、その業務に関し監督上必要な命令をすることができる。


 (報告及び検査)

第三十三条 労働大臣は、必要があると認めるときは、事業団に対して業務若しくは資産の状況に関し報告をさせ、又はその職員に事業団の事務所若しくは事業場に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。

2 前項の規定により職員が立入検査をする場合においては、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。

3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

   第六章 雑則


 (連絡等)

第三十四条 事業団は、その業務の運営については、公共職業安定所及び地方公共団体と密接に連絡するものとする。

2 公共職業安定所及び地方公共団体は、事業団に対し、その業務の運営について協力するように努めるものとする。

3 事業団は、その業務の内容についての広報その他適切な措置をとることにより、求職者その他の利用者の便益を増進するように努めなければならない。


 (譲渡等の禁止)

第三十五条 第十九条第一項第二号の手当又は同項第六号の移転に要する費用の支給を受けることとなつた者の当該支給を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。ただし、国税滞納処分(その例による処分を含む。)により差し押さえる場合は、この限りでない。


 (解散)

第三十六条 事業団の解散については、別に法律で定める。


 (協議等)

第三十七条 労働大臣は、次の場合には、大蔵大臣と協議しなければならない。

 一 第四条第二項、第二十条第一項、第二十二条第一項、第二十六条第一項若しくは第二項ただし書又は第二十九条の認可をしようとするとき。

 二 第二十条第二項、第二十九条又は第三十一条の労働省令を定めようとするとき。

 三 第二十四条第一項又は第三十条の承認をしようとするとき。

 四 第二十八条第一号又は第二号の規定による指定をしようとするとき。

2 労働大臣は、第十九条第一項第四号に掲げる業務に関し、第二十条第一項又は第二十二条第一項の認可をしようとする場合には、建設大臣と協議しなければならない。

3 建設大臣は、事業団の業務の円滑な運営に資するため、移転就職者について、産業労働者住宅その他適当な住宅の確保に関し必要な措置をとるように努めるものとする。


 (他の法令の準用)

第三十八条 建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)その他政令で定める法令については、政令で定めるところにより、事業団を国とみなして、これらの法令を準用する。

   第七章 罰則

第三十九条 第三十三条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合には、その違反行為をした事業団の役員又は職員は、三万円以下の罰金に処する。

第四十条 次の各号の一に該当する場合には、その違反行為をした事業団の役員又は職員は、三万円以下の過料に処する。

 一 この法律の規定により労働大臣の認可又は承認を受けなければならない場合において、その認可又は承認を受けなかつたとき。

 二 第五条第一項の規定による政令に違反して、登記することを怠つたとき。

 三 第十九条に規定する業務以外の業務を行なつたとき。

 四 第二十八条の規定に違反して業務上の余裕金を運用したとき。

 五 第三十二条第二項の規定による労働大臣の命令に違反したとき。

第四十一条 第六条の規定に違反して雇用促進事業団という名称を用いた者は、一万円以下の過料に処する。


   附 則


 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、附則第十八条から第三十四条までの規定は、同日から起算して六月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。


 (事業団の設立)

第二条 労働大臣は、事業団の理事長、副理事長又は監事となるべき者を指名する。

2 前項の規定により指名された理事長、副理事長又は監事となるべき者は、事業団の成立の時において、この法律の規定によりそれぞれ理事長、副理事長又は監事に任命されたものとする。

第三条 労働大臣は、設立委員を命じて、事業団の設立に関する事務を処理させる。

2 設立委員は、事業団の設立の準備を完了したときは、その旨を労働大臣に届け出るとともに、その事務を前条第一項の規定により指名された理事長となるべき者に引き継がなければならない。

第四条 附則第二条第一項の規定により指名された理事長となるべき者は、前条第二項の規定による事務の引継ぎを受けたときは、政令で定めるところにより、設立の登記をしなければならない。

2 事業団は、設立の登記をすることによつて成立する。


 (出資等)

第五条 事業団の成立の時までに政府の失業保険特別会計及び地方公共団体から労働福祉事業団に対して出資された額は、その成立の時において、それぞれ政府及び地方公共団体から事業団に対して出資されたものとする。

2 労働福祉事業団は、事業団の成立の時において、前項の規定により事業団に対して出資されたものとされた額によりその資本金を減少するものとする。


 (地方公共団体の出資)

第六条 地方公共団体は、当分の間、第四条第二項の規定により事業団がその資本金を増加するときは、自治大臣の承認を受けて、事業団に出資することができる。

2 第四条第四項から第六項までの規定は、前項の規定による地方公共団体の出資について準用する。


 (労働福祉事業団からの事務の引継ぎ等)

第七条 労働福祉事業団は、事業団の成立の際に、この法律の規定により事業団が行なうこととされる業務であつて、改正前の労働福祉事業団法(昭和三十二年法律第百二十六号)の規定により従前労働福祉事業団が行なうこととされていたものに関する事務を事業団に引き継ぐものとする。

2 事業団の成立前に、前項に規定する業務に関し、改正前の労働福祉事業団法又は改正前の職業訓練法の規定により労働福祉事業団に対してした処分その他の行為又は労働福祉事業団がした手続その他の行為は、この法律又は改正後の職業訓練法の相当規定により事業団に対してした処分その他の行為又は事業団がした手続その他の行為とみなす。


 (労働福祉事業団からの財産の承継等)

第八条 事業団の成立の際現に労働福祉事業団に属する土地、建物、物品その他の財産のうち、事業団が前条第一項に規定する業務を行なうのに必要と認められるものは、その成立の時において事業団が承継するものとし、その範囲は、労働大臣が定める。

2 前項に規定するもののほか、事業団の成立の際現に労働福祉事業団に属する権利及び義務のうち、その成立の時までの間において前条第一項に規定する業務の遂行に伴い、労働福祉事業団に属するに至つたものは、その成立の時において事業団が承継するものとし、その範囲は、労働大臣が定める。

3 労働福祉事業団は、労働大臣が定めるところにより、第一項又は前項の規定により事業団が承継することとなつた財産並びに権利及び義務の範囲を公示しなければならない。


 (炭鉱離職者援護会からの事務の引継ぎ等)

第九条 事業団の成立の際現に炭鉱離職者援護会の理事長である者は、その成立の際に、改正前の炭鉱離職者臨時措置法(昭和三十四年法律第百九十九号)の規定により従前炭鉱離職者援護会が行なうこととされていた業務に関する事務を事業団に引き継がなければならない。

2 事業団の成立前に、前項に規定する業務に関し、改正前の炭鉱離職者臨時措置法の規定により炭鉱離職者援護会に対してした処分その他の行為又は炭鉱離職者援護会がした手続その他の行為は、この法律又は改正後の炭鉱離職者臨持措置法の相当規定により事業団に対してした処分その他の行為又は事業団がした手続その他の行為とみなす。


 (炭鉱離職者援護会の解散)

第十条 炭鉱離職者援護会は、事業団の成立の時において解散するものとし、その一切の権利及び義務は、その時において事業団が承継する。

2 附則第四条第一項の規定により事業団の設立の登記がされたときは、登記官吏は、職権で、炭鉱離職者援護会の解散の登記をしなければならない。


 (非課税)

第十一条 附則第八条第一項若しくは第二項又は前条第一項の規定により事業団が財産又は権利を承継する場合において、当該承継に伴う登記若しくは登録又は当該承継に係る不動産の取得については、登録税又は不動産取得税を課することができない。


 (職員の身分の承継)

第十二条 事業団の成立の際現に次の各号の一に該当する者は、その成立の日において、引き続き事業団の職員となるものとする。

 一 もつぱら附則第七条第一項に規定する業務に従事する労働福祉事業団の職員

 二 労働福祉事業団の事務所に勤務する職員であつて、あらかじめ労働福祉事業団の理事長が指名するもの

 三 炭鉱離職者援護会の職員


 (恩給の特例)

第十三条 労働福祉事業団の成立の際現に公務員又は公務員とみなされる者として在職し、引き続いて労働福祉事業団の役員又は職員として在職する者(労働福祉事業団の成立の際現に公務員又は公務員とみなされる者として在職し、引き続いて公務員又は公務員とみなされる者として在職し、更に引き続いて労働福祉事業団の役員又は職員として在職する者を含む。)が、事業団の成立に際して引き続いて事業団の役員又は職員となつた場合においては、その者の事業団の役員又は職員としての在職を労働福祉事業団の役員又は職員としての在職とみなして、労働福祉事業団法第三十五条の規定を適用する。

2 事業団は、政令で定めるところにより、前項の規定の適用を受ける事業団の役員若しくは職員であつた者又はこれらの遺族の恩給の支払に充てる金額を、国庫又は地方公共団体に納付するものとする。


 (名称の使用制限に関する経過措置)

第十四条 この法律の施行の際現に雇用促進事業団という名称を使用している者については、第六条の規定は、この法律の施行後六月間は、適用しない。


 (最初の事業年度の特例)

第十五条 事業団の最初の事業年度は、第二十一条の規定にかかわらず、その成立の日に始まり、昭和三十七年三月三十一日に終わるものとする。

第十六条 事業団の最初の事業年度の予算、事業計画及び資金計画については、第二十二条第一項中「当該年度の開始前に」とあるのは、「事業団の成立後遅滞なく」とする。


 (罰則に関する経過措置)

第十七条 附則第三十四条の規定の施行前にした改正前の炭鉱離職者臨時措置法の規定に違反する行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。


 (登録税法の改正)

第十八条 登録税法(明治二十九年法律第二十七号)の一部を次のように改正する。

  第十九条第七号中「炭鉱離職者援護会」を「雇用促進事業団」に、「炭鉱離職者臨時措置法」を「雇用促進事業団法」に改め、同条第十八号中「労働福祉事業団」の下に「、雇用促進事業団」を加え、同条第二十七号ノ三を次のように改める。

  二十七ノ三 雇用促進事業団ガ雇用促進事業団法第十九条第一項又ハ炭鉱離職者臨時措置法第二十三条第一項第三号ノ業務ノ用ニ供スル建物又ハ土地ノ権利ノ取得又ハ所有権ノ保存ノ登記


 (印紙税法の改正)

第十九条 印紙税法(明治三十二年法律第五十四号)の一部を次のように改正する。

  第五条第六号ノ十一ノ五を次のように改める。

  六ノ十一ノ五 雇用促進事業団ガ雇用促進事業団法第十九条第一項又ハ炭鉱離職者臨時措置法第二十三条第一項第一号乃至第九号ノ業務ニ関シ発スル証書、帳簿


 (所得税法の改正)

第二十条 所得税法(昭和二十二年法律第二十七号)の一部を次のように改正する。

  第三条第一項第四号の八を次のように改め、同項第十号中「、炭鉱離職者援護会」を削る。

  四の八 労働福祉事業団及び雇用促進事業団


 (法人税法の改正)

第二十一条 法人税法(昭和二十二年法律第二十八号)の一部を次のように改正する。

  第四条第二号中「労働福祉事業団」の下に「、雇用促進事業団」を加え、第五条第一項第六号中「、炭鉱離職者援護会」を削る。


 (地方税法の改正)

第二十二条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。

  第七十二条の四第一項第二号中「労働福祉事業団」の下に「、雇用促進事業団」を加え、第七十二条の五第一項第六号中「、炭鉱離職者援護会」を削り、第七十三条の四第一項第十号中「及び第二号」を削り、同項第十二号を次のように改める。

  十二 雇用促進事業団が雇用促進事業団法(昭和三十六年法律第百十六号)第十九条第一項第一号、第三号若しくは第五号又は炭鉱離職者臨時措置法(昭和三十四年法律第百九十九号)第二十三条第一項第三号に規定する業務の用に供する不動産で政令で定めるもの

  第三百四十八条第二項第十七号中「及び第二号」を削り、同項第十九号を次のように改める。

  十九 雇用促進事業団が雇用促進事業団法第十九条第一項第一号、第三号若しくは第五号又は炭鉱離職者臨時措置法第二十三条第一項第三号に規定する業務の用に供する固定資産で政令で定めるもの


 (失業保険法の改正)

第二十三条 失業保険法の一部を次のように改正する。

  第二十七条の二第三項を次のように改める。

   政府は、雇用促進事業団法(昭和三十六年法律第百十六号)の定めるところにより、第一項の施設の一部を雇用促進事業団に行なわせるものとする。


 (失業保険特別会計法の改正)

第二十四条 失業保険特別会計法(昭和二十二年法律第百五十七号)の一部を次のように改正する。

  第三条中「労働福祉事業団」を「雇用促進事業団」に改める。


 (行政管理庁設置法の改正)

第二十五条 行政管理庁設置法(昭和二十三年法律第七十七号)の一部を次のように改正する。

  第二条第十二号中「及び労働福祉事業団を「、労働福祉事業団及び雇用促進事業団」に改める。


 (建設省設置法の改正)

第二十六条 建設省設置法(昭和二十三年法律第百十三号)の一部を次のように改正する。

  第三条第二十六号の二中「労働福祉事業団」の下に「、雇用促進事業団」を加える。


 (労働省設置法の改正)

第二十七条 労働省設置法(昭和二十四年法律第百六十二号)の一部を次のように改正する。

  第四条第十三号の二を次のように改める。

  十三の二 雇用促進事業団法(昭和三十六年法律第百十六号)又は炭鉱離職者臨時措置法(昭和三十四年法律第百九十九号)に基づいて、雇用促進事業団に対し、認可、承認その他監督を行なうこと。

  第四条第三十二号の四の次に次の一号を加える。

  三十二の五 労働福祉事業団法(昭和三十二年法律第百二十六号)に基づいて、労働福祉事業団に対し、認可、承認その他監督を行なうこと。

  第四条第四十一号の二を次のように改める。

  四十一の二 炭鉱離職者臨時措置法に基づいて、炭鉱離職者緊急就労対策事業に関する計画を作成すること。

  第五条の二第三項及び第四項中「労働福祉事業団監理官」を「雇用促進事業団監理官」に改める。

  第六条第一項第十一号の三を次のように改める。

  十一の三 雇用促進事業団の業務の監督その他雇用促進事業団法及び炭鉱離職者臨時措置法(第三章の規定に限る。)の施行に関すること。

  第八条第一項中第六号の三を第六号の四とし、第六号の二を第六号の三とし、第六号の次に次の一号を加える。

  六の二 労働福祉事業団の監督に関すること。

  第八条第一項第十一号中「及び最低賃金法」を「、最低賃金法及び労働福祉事業団法」に改め、同条第二項中「第六号」を「第六号の二」に改め、「労働者災害補償保険法」の下に「及び労働福祉事業団法」を加える。

  第十条第一項第四号の三を削り、同項第八号中「第五条」の下に「及び第三章」を加える。


 (北海道開発法の改正)

第二十八条 北海道開発法(昭和二十五年法律第百二十六号)の一部を次のように改正する。

  第十二条第一項第二号中「労働福祉事業団」の下に「、雇用促進事業団」を加える。


 (土地収用法の改正)

第二十九条 土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)の一部を次のように改正する。

  第三条第二十三号中「職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)による公共職業補導所」を「職業訓練法(昭和三十三年法律第百三十三号)による一般職業訓練所、総合職業訓練所、中央職業訓練所又は身体障害者職業訓練所」に改める。


 (石炭鉱業合理化臨時措置法の改正)

第三十条 石炭鉱業合理化臨時措置法(昭和三十年法律第百五十六号)の一部を次のように改正する。

  第二十五条第一項第六号中「炭鉱離職者援護会(以下「援護会」という。)」を「雇用促進事業団」に改め、第二十六条第二項第六号及び第三十六条の二(見出しを含む。)中「援護会」を「雇用促進事業団」に改め、同条中「その業務」を「炭鉱離職者臨時措置法(昭和三十四年法律第百九十九号)の規定により行なう業務」に改める。


 (地方財政再建促進特別措置法の改正)

第三十一条 地方財政再建促進特別措置法(昭和三十年法律第百九十五号)の一部を次のように改正する。

  第二十四条第二項本文中「労働福祉事業団」の下に「、雇用促進事業団」を加える。


 (労働福祉事業団法の改正)

第三十二条 労働福祉事業団法の一部を次のように改正する。

  第一条中「及び失業保険の福祉施設」を削り、第十九条第一項第二号を削り、同項第三号中「前二号」を「前号」に改め、同号を同項第二号とし、同条第二項中「又は第二号」を削り、第二十四条第三項を削り、第二十七条中「及び第二号」を削り、附則第十条第一項中「当分の間」を「雇用促進事業団の成立の時までの間」に改める。


 (職業訓練法の改正)

第三十三条 職業訓練法の一部を次のように改正する。

  本則中「労働福祉事業団」を「雇用促進事業団」に改める。


 (炭鉱離職者臨時措置法の改正)

第三十四条 炭鉱離職者臨時措置法の一部を次のように改正する。

  目次中

第三章 炭鉱離職者援護会

 第一節 総則(第七条−第十二条)

 第二節 役員及び職員(第十三条−第二十二条)

 第三節 業務(第二十三条−第二十五条)

 第四節 財務及び会計(第二十六条−第三十五条)

 第五節 監督(第三十六条・第三十七条)

 第六節 補則(第三十八条・第三十九条)

 を「第三章 雇用促進事業団の援護業務(第七条−第三十九条)」に、「第四十九条」を「第四十七条」に改める。

  第三章の章名を次のように改める。

    第三章 雇用促進事業団の援護業務

  第三章第一節及び第二節を次のように改め、同章第三節の節名を削る。

 第七条から第二十二条まで 削除

  第二十三条の見出しを「(援護業務)」に改め、同条第一項各号列記以外の部分を次のように改め、同項第十号中「第七条の目的を達成するため」を「炭鉱離職者の再就職の促進及びその生活の安定に関し」に改め、同条第三項中「援護会」を「事業団」に改める。

   雇用促進事業団(以下「事業団」という。)は、雇用促進事業団法(昭和三十六年法律第百十六号)第十九条に規定する業務のほか、当該業務の遂行のみによつては炭鉱離職者の職業及び生活の安定に関する措置がなお不十分であると認められる現状に対処するため、次の業務を行なう。

  第二十四条の見出し中「業務」を「援護業務」に改め、同条第一項中「援護会」を「事業団」に、「業務」を「前条第一項に規定する業務(以下「援護業務」という。」に改め、同条第二項中「援護会の業務」を「援護業務」に改める。

  第二十五条第一項中「援護会は、業務開始の際」を「事業団は、援護業務について、当該業務の開始前に」に改め、同条第二項第四号中「労働者用」を「炭鉱離職者を雇い入れる事業主に対して貸与する労働者用」に改める。

  第三章第四節の節名を削り、第二十六条から第三十二条までを次のように改める。

 第二十六条から第三十一条まで 削除

  (区分経理)

 第三十二条 事業団は、援護業務に係る経理については、その他の業務に係る経理と区分し、特別の会計を設けて、これを行なわなければならない。

  第三十三条中「援護会に対し、その業務」を「事業団に対し、援護業務」に改める。

  第三十四条の見出し中「援護会」を「援護業務」に改め、同条中「援護会」を「事業団」に、「その業務」を「援護業務」に改める。

  第三十五条を次のように改める。

  (大蔵大臣との協議)

 第三十五条 労働大臣及び通商産業大臣は、第二十三条第三項若しくは第二十五条第一項の認可をしようとするとき、又は同条第二項第五号の通商産業省令、労働省令を定めようとするときは、大蔵大臣と協議しなければならない。

  第三章第五節及び第六節を次のように改める。

  (雇用促進事業団法の特例等)

 第三十六条 援護業務及び第三十二条の規定による特別の会計に関しては、雇用促進事業団法第二十二条第一項、第二十四条第一項及び第二項、第二十六条第一項及び第二項ただし書、第二十八条、第二十九条、第三十二条、第三十三条第一項、第三十七条第一項(同法第四条第二項、第二十条第一項及び第二項並びに第三十条に係る部分を除く。)並びに第四十条第一号及び第五号中「労働大臣」とあるのは「労働大臣及び通商産業大臣」と、同法第二十九条及び第三十一条中「労働省令」とあるのは「通商産業省令、労働省令」とする。

 2 雇用促進事業団法第二十二条第二項及び第二十四条第三項の規定は、援護業務及び第三十二条の規定による特別の会計については、適用しない。

 3 援護業務は、雇用促進事業団法第四十条第三号の規定の適用については、同法第十九条に規定する業務とみなす。

 第三十七条から第三十九条まで 削除

  第四十一条中「援護会」を「事業団」に改める。

  第四十五条を次のように改め、第四十八条及び第四十九条を削る。

 第四十五条 削除

(内閣総理・法務・大蔵・通商産業・労働・建設・自治大臣署名) 

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