船員保険法の一部を改正する法律

法律第十九号(昭三五・三・三一)

 船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)の一部を次のように改正する。

 第三十五条中「百五十分ノ一」を「千分ノ八」に改める。

 第五十八条第一項中「三分ノ一」を「四分ノ一」に改め、同条第二項中「前項」を「前二項」に改め、同条第一項の次に次の一項を加える。

 国庫ハ毎会計年度ニ於テ支給シタル失業保険金ノ総額ノ四分ノ三ニ相当スル額ガ徴収シタル保険料ノ総額ノ中失業保険金ノ支給ニ要スル費用ニ充テラルべキ額ヲ起ユル場合ニハ当該超過額ニ付前項但書ノ規定ニ依ル国庫ノ負担額ヲ加へ国庫ノ負担ガ当該会計年度ニ於テ支給シタル失業保険金ノ総額ノ三分ノ一ニ相当スル額ニ達スル額迄ヲ負担スルモノトシ徴収シタル保険料ノ総額ノ中失業保険金ノ支給ニ要スル費用ニ充テラルべキ額ノ計算方法ハ政令ヲ以テ之ヲ定ム

 第五十九条第五項を次のように改める。

 前項ノ規定ニ拘ラズ当分ノ間保険料率ハ左ノ通リトス

 一 第十七条ノ規定ニ依ル被保険者ニシテ第三十三条ノ三第二項各号ニ該当セザルニ因リ失業保険金ノ支給ヲ受クルコトヲ得ルモノニ付テハ千分ノ百六十九

 二 第十七条ノ規定ニ依ル被保険者ニシテ第三十三条ノ三第二項各号ノ一ニ該当スルニ因リ失業保険金ノ支給ヲ受クルコトナキモノニ付テハ千分ノ百五十八

 三 第二十条ノ規定ニ依ル被保険者ニ付テハ千分ノ四十二

 第六十条第一項第一号中「百六十六分ノ五十一・五」を「百六十九分ノ五十二・五」に、「百六十六分ノ百十四・五」を「百六十九分ノ百十六・五」に、同項第二号中「百五十分ノ四十三・五」を「百五十八分ノ四十七」に、「百五十分ノ百六・五」を「百五十八分ノ百十一」に改める。


   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して三箇月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、船員保険法第五十八条の改正規定は、公布の日から施行し、この法律による改正後の同法同条の規定は、昭和三十四年度以降の費用について適用する。


 (経過措置)

第二条 この法律の施行の日において現に老齢年金を受ける権利を有する者に支給する当該老齢年金については、次の各号の区別に従い、それぞれその額(加給金の額を除く。)を当該各号に規定する額とする。ただし、第三号に掲げる老齢年金については、その受給権者が六十歳(厚生年金保険及び船員保険交渉法(昭和二十九年法律第百十七号。以下この条及び次条において「交渉法」という。)附則第七項の規定により同法第十三条中「六十歳」とあるのが読み替えられる者に関しては、同法附則第七項の規定により読み替えられた年齢)に達するまでの間とする。

 一 次号及び第三号に掲げる老齢年金以外の老齢年金 この法律による改正後の船員保険法第三十五条の規定により計算した額

 二 その額が交渉法第十二条の規定により計算された老齢年金 厚生年金保険法の一部を改正する法律(昭和三十五年法律第十七号)による改正後の厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)による基本年金額(この基本年金額を計算する場合には、同法第三十四条第二項の規定を適用しないものとする。)と厚生年金保険の被保険者であつた期間を除外してこの法律による改正後の船員保険法第三十五条の規定により計算した額から二万四千円を控除した額とを合算した額

 三 その額が交渉法第十三条の規定により計算された老齢年金 船員保険の被保険者であつた期間とみなされる厚生年金保険の第一種被保険者又は第四種被保険者であつた期間を除外してこの法律による改正後の船員保険法第三十五条の規定により計算した額

2 この法律の施行の日において現に船員保険法の一部を改正する法律(昭和二十九年法律第百十六号)附則第七条の規定によつて支給する従前の養老年金の例による保険給付を受ける権利を有する者の当該保険給付については、その額(加給金の額を除く。)を同法附則第三条及びこの法律による改正後の船員保険法第三十五条の規定に準じて計算した額とする。

第三条 この法律の施行の日において現に船員保険法第五十条第一号の規定による遺族年金を受ける権利を有する者に支給する当該遺族年金(その者が失権し、又は所在不明となつた場合に同法第五十条ノ四又は第五十条ノ五第二項の規定により支給する遺族年金を含む。)については、次の各号の区別に従い、それぞれその額(加給金の額を除く。)を当該各号に規定する額とする。

 一 次号及び第三号に掲げる遺族年金以外の遺族年金 前条第一項第一号に規定する額の二分の一に相当する額(この額が一万四千八百八十円に満たないときは、一万四千八百八十円とする。)

 二 その額が交渉法第十二条の規定により計算された老齢年金の額の二分の一に相当する遺族年金 前条第一項第二号に規定する額の二分の一に相当する額

 三 その額が交渉法第二十六条の規定により計算された遺族年金 二万四千円に平均標準報酬月額の千分の六に相当する額に二百四十を乗じて得た額を加算した額の二分の一に相当する額

第四条 この法律の施行の日において現に障害年金を受ける権利を有する者に支給する当該障害年金については、その額(加給金の額を除く。)が、二万円に満たないときは、これを二万円とする。

2 この法律の施行の日において現に寡婦年金、鰥夫年金又は遺児年金を受ける権利を有する者に支給する当該寡婦年金、鰥夫年金又は遺児年金については、その額(加給金又は増額金の額を除く。)が、一万円に満たないときは、これを一万円とする。

3 この法律の施行の日において現に船員保険法第五十条第二号の規定による遺族年金を受ける権利を有する者に支給する当該遺族年金については、その額(加給金の額を除く。)が、一万二千五百円に満たないときは、これを一万二千五百円とする。

4 前三項の規定は、この法律の施行の日以後において、障害年金、寡婦年金、鰥夫年金若しくは遺児年金又は船員保険法第五十条第二号の規定による遺族年金を受ける権利を有するに至つた者の当該保険給付について準用する。

5 この法律の施行の日において現に船員保険法第五十条第三号の規定による遺族年金を受ける権利を有する者に支給する当該遺族年金(その者が失権し、又は所在不明となつた場合に同法第五十条ノ四又は第五十条ノ五第二項の規定により支給する遺族年金を含む。)については、その額(加給金の額を除く。)が、一万四千八百八十円に満たないときは、これを一万四千八百八十円とする。

第五条 前三条に規定する保険給付のうちこの法律の施行の日の属する月の前月以前の月に係る分であつて、この法律の施行の日においてまだ支給していないものについては、なお従前の例による。

第六条 この法律による改正後の船員保険法第五十八条第一項ただし書及び第二項に定める国庫負担の割合及びその額の算定方法は、昭和三十四年度から昭和三十六年度までの収支の実績に照らして検討され、その結果に基いて、おそくとも昭和三十八年三月三十一日までに所要の改正が行われるべきものとする。

第七条 この法律による改正後の船員保険法第五十九条第五項に定める保険料率は、同条第四項の規定により昭和三十九年四月三十日までに行われるべき再計算の結果に基き、改定されるべきものとする。

第八条 この法律の施行の日の属する月の前月以前の月に係る保険料については、なお従前の保険料率による。

第九条 船員保険法の一部を改正する法律(昭和三十二年法律第四十四号)の一部を次のように改正する。

  附則第十条を次のように改める。

 第十条 削除

(大蔵・厚生・内閣総理大臣署名) 

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