輸出品デザイン法
法律第百六号(昭三四・四・六)
目次
第一章 総則(第一条・第二条)
第二章 デザインの登録(第三条―第十四条)
第三章 デザイン等の認定(第十五条―第十九条)
第四章 認定機関(第二十条―第三十四条)
第五章 雑則(第三十五条―第四十二条)
第六章 罰則(第四十三条―第四十八条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、輸出品のデザインの登録及び認定を行うとともに、あわせて輸出品に附される商標の認定を行うことにより、これらの模倣を防止し、もつて輸出貿易の健全な発達に寄与することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律で「デザイン」とは、物品の形状、模様若しくは色彩若しくはこれらの結合又は物品の有する機能に基いてこれらが変化する場合におけるこれらの変化の状態であつて、外観を通じて識別することができるものをいう。
2 この法律で「特定貨物」とは、輸出貿易上デザインの模倣を防止することが特に必要であり、かつ、輸出入取引法(昭和二十七年法律第二百九十九号)の規定による適法な共同行為をもつてしてはその目的を達成することが困難であると認められる貨物であつて、政令で定めるものをいう。
第二章 デザインの登録
(デザインの登録)
第三条 日本国内で特定貨物の製造、加工、集荷、販売又は輸出の事業を営む者は、通商産業省令で定める区分に従い、通商産業大臣が指定する者(以下「認定機関」という。)に申請して、その事業に係る特定貨物のデザインについて登録を受けることができる。
2 認定機関は、前項の申請(以下「登録申請」という。)に係るデザインが次の各号の一に該当するものであるときは、同項の登録をしてはならない。
一 登録申請前に日本国内で公然知られたデザイン(実用新案法(大正十年法律第九十七号)第一条の登録を受けている実用新案(以下「登録実用新案」という。)若しくは同法第二十六条において準用する特許法(大正十年法律第九十六号)第七十三条第三項に規定する権利に係る実用新案又は意匠法(大正十年法律第九十八号)第一条の登録を受けている意匠(以下「登録意匠」という。)と同一のデザイン、前項の登録を受けているデザイン及び特定の者が使用するものとして日本国内の需要者の間に広く認識されているデザインを除く。)又はこれに類似するデザイン
二 他人の登録実用新案又は登録意匠と同一又は類似のデザイン
三 当該デザインの使用が他人の商標権(標章権及び団体標章権を含む。)を侵害することとなるデザイン
四 前項の登録を受けている他人のデザイン又はこれに類似するデザイン
五 次条の規定により記録されているデザイン又はこれに類似するデザイン
六 特定の者が使用するものとして日本国内の需要者の間に広く認識されている他人のデザイン又はこれに類似するデザイン
(デザイン等の記録)
第四条 認定機関は、その業務に係る特定貨物について、次に掲げるデザイン及び商標を当該特定貨物が輸出されるべき仕向国別に記録しておくものとする。
一 仕向国の法令により保護される工業所有権を侵害すべきデザイン又は商標
二 外国における特定の者が使用するものとして仕向国内の需要者の間に広く認識されているデザイン又は商標
(登録申請の競合)
第五条 同一又は類似のデザインについて異なつた日に二以上の登録申請があつたときは、最先の登録申請者のみがそのデザインについて第三条第一項の登録(以下単に「登録」という。)を受けることができる。
2 同一又は類似のデザインについて同日に二以上の登録申請があつたときは、認定機関が行う公正な方法によるくじにより定めた一の登録申請者のみがそのデザインについて登録を受けることができる。
3 登録申請が取り下げられ、又は登録申請について第七条第一項の決定があつたときは、その登録申請は、前二項の規定の適用については、初めからなかつたものとみなす。
(登録及び通知)
第六条 認定機関は、登録申請が次の各号に該当すると認めるときは、その登録申請に係るデザインについて登録をしなければならない。
一 登録申請者が第三条第一項に規定する登録を受けることができる者の資格を有すること。
二 登録申請に係るデザインが第三条第二項に規定する登録拒絶理由に該当しないものであること。
三 登録申請が競合するときは、登録申請に係るデザインが前条の規定により登録を受けることができるものであること。
2 登録は、登録台帳に次に掲げる事項を記載することによつて行う。
一 登録申請者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては代表者の氏名
二 登録申請の年月日及び登録申請番号
三 登録の年月日及び登録番号
四 デザインの内容
3 認定機関は、登録をしたときは、その登録を受けた者に対し、その旨を通知しなければならない。
(登録拒絶の決定及び通知)
第七条 認定機関は、登録申請が前条第一項各号の一に該当しないと認めるときは、その旨を決定し、登録申請者に対し、理由を附して通知しなければならない。
2 認定機関は、前項の決定をしようとするときは、登録申請者に対し、理由を附してその旨を通知し、相当の期間を指定して、意見書を提出する機会を与えなければならない。
(登録の有効期間)
第八条 登録の有効期間は、その登録をした日から三年とする。
2 前項の登録の有効期間は、申請により更新することができる。ただし、その登録をした日から十五年をこえて更新することは、できない。
(登録の効力の承継)
第九条 登録を受けた者について相続又は合併があつたときは、相続人又は合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人は、その登録を受けたデザインについて、その登録を受けた者の地位を承継する。
(登録台帳の記載の変更等)
第十条 登録を受けた者は、第六条第二項第一号に掲げる事項に変更があつたときは、十日以内に、その旨を認定機関に届け出なければならない。
2 前条の規定により登録を受けた者の地位を承継した者は、十日以内に、その事実を証する書面を添えて、その旨を認定機関に届け出なければならない。
3 認定機関は、前二項の規定による届出があつたときは、登録台帳の記載を変更しなければならない。
(登録の取消)
第十一条 認定機関は、次の各号の一に該当する場合には、当該登録を取り消すことができる。
一 登録が第三条又は第五条の規定に違反してされたことが明らかになつたとき。
二 登録を受けたデザインが第三条第二項第一号から第三号まで又は第五号に該当するに至つたとき。
三 登録を受けた者が第三条第一項に規定する登録を受けることができる者の資格を失うに至つたとき。
四 登録を受けた者が第四十二条第二項に規定する期間内に同項の規定による納付をしないとき。
五 登録を受けたデザインがその者の登録実用新案又は登録意匠と同一又は類似のデザインである場合において、当該実用新案権又は意匠権の存続期間が満了したとき。
2 認定機関は、前項の規定により登録を取り消そうとするときは、その登録を受けている者に対し、理由を附してその旨を通知し、相当の期間を指定して、意見書を提出する機会を与えなければならない。
3 認定機関は、第一項の規定により登録を取り消したときは、その登録を取り消した者に対し、理由を附してその旨を通知しなければならない。
第十二条 何人も、登録を受けたデザイン又は登録を受けた者について前条第一項第二号又は第三号に規定する取消の理由があると認めるときは、認定機関に対し、理由を附してその登録の取消を請求することができる。
2 認定機関は、前項の請求があつたときは、その登録を取り消すかどうかを決定し、請求人に対し、理由を附してその旨を通知しなければならない。
(登録の消除)
第十三条 認定機関は、登録がその効力を失つたとき、又は登録を受けた者からその登録の消除の請求があつたときは、当該登録を消除しなければならない。
(通商産業省令への委任)
第十四条 この章に定めるもののほか、登録申請の手続、登録台帳の様式その他登録に関し必要な手続的事項は、通商産業省令で定める。
第三章 デザイン等の認定
(認定)
第十五条 一の貨物が特定貨物として定められた場合においては、当該貨物は、その特定貨物として定められた日から起算して二月を経過した後は、そのデザイン及びそれに附される商標(当該特定貨物の包装に附される商標を含む。以下第二十二条第七号、第三十五条第一項及び第三十七条第一項において同じ。)について、第三条第一項の通商産業省令で定める区分に従い、認定機関の認定を受けた後でなければ、輸出してはならない。
(認定の基準)
第十六条 認定機関は、前条の認定(以下単に「認定」という。)の申請が次の各号に該当すると認めるときは、その申請に係るデザイン及び商標について認定をしなければならない。
一 当該デザインが次の一に該当すること。
イ 当該デザインが登録実用新案又は登録意匠と同一のデザインであり、かつ、当該デザインに係る特定貨物が当該実用新案権者(当該実用新案権についての実施権者を含む。)又は意匠権者(当該意匠権についての実施権者を含む。)の製造、加工、販売その他の行為(当該実用新案権又は意匠権についての実施権者にあつては、当該実施権の範囲内における行為に限る。)に係るものであること。
ロ 当該デザインが登録をされているデザインであり、かつ、当該デザインに係る特定貨物が当該デザインについて登録を受けている者(その者から当該デザインに係る特定貨物を輸出するため製造、加工、販売その他の行為をすることについて承諾を得ている者を含む。)の製造、加工、販売その他の行為(当該デザインについて登録を受けている者から当該デザインに係る特定貨物を輸出するため製造、加工、販売その他の行為をすることについて承諾を得ている者にあつては、当該承諾の範囲内における行為に限る。)に係るものであること。
ハ 当該デザインが特定の者が使用するものとして日本国内の需要者の間に広く認識されているデザインであり、かつ、当該デザインに係る特定貨物がその特定の者(その者から当該デザインに係る特定貨物を輸出するため製造、加工、販売その他の行為をすることについて承諾を得ている者を含む。)の製造、加工、販売その他の行為(その特定の者から当該デザインに係る特定貨物を輸出するため製造、加工、販売その他の行為をすることについて承諾を得ている者にあつては、当該承諾の範囲内における行為に限る。)に係るものであること。
ニ イからハまでに掲げる場合のほか、当該デザインが第三条第二項第二号から第四号まで及び第六号に掲げるデザインに該当しないものであること。
二 当該商標の使用が他人の商標権(標章権及び団体標章権を含む。)を侵害することとならないこと。
2 認定機関は、申請に係るデザイン又は商標が、当該特定貨物が輸出されるべき仕向国について、第四条の規定により記録されているデザイン若しくは商標又はこれらに類似するデザイン若しくは商標であるときは、前項の規定にかかわらず、当該デザイン及び商標については、認定をしてはならない。ただし、当該特定貨物を当該仕向国に輸出することについて、第四条第一号に規定する工業所有権についての権利者又は同条第二号に規定する特定の者から承諾を得ているときは、この限りでない。
(認定の有効期間)
第十七条 認定の有効期間は、その認定をした日から六月をこえない範囲内において特定貨物の品目ごとに政令で定める期間とする。
(適用除外)
第十八条 第十五条の規定は、一時的に出国する者が本人の使用に供することを目的とする特定貨物であつて必要と認められるものを携帯して輸出する場合その他通商産業省令で定める場合は、適用しない。
(通商産業省令への委任)
第十九条 この章に定めるもののほか、認定の申請の手続その他認定に関し必要な手続的事項は、通商産業省令で定める。
第四章 認定機関
(指定)
第二十条 第三条第一項の指定は、通商産業省令で定める区分ごとに、登録及び認定を行おうとする者の申請により行う。
(欠格条項)
第二十一条 次の各号の一に該当する者は、第三条第一項の指定を受けることができない。
一 この法律又は外国為替及び外国貿易管理法(昭和二十四年法律第二百二十八号)、輸出入取引法若しくは輸出検査法(昭和三十二年法律第九十七号)に規定する罪を犯し、刑に処せられ、その執行を終り、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者
二 第三十一条第一項の規定により指定を取り消され、取消の日から二年を経過しない者
三 その業務を行う役員のうちに第一号に該当する者がある者
(指定基準)
第二十二条 通商産業大臣は、第三条第一項の指定の申請が次の各号に適合していると認めるときでなければ、その指定をしてはならない。
一 登録及び認定に必要な資料を有すること。
二 通商産業省令で定める条件に適合する知識経験を有する者がデザイン又は商標の審査を実施し、その数が通商産業省令で定める数以上であること。
三 登録又は認定を行うため通商産業省令で定める地域ごとに一以上の事業所を有すること。
四 民法(明治二十九年法律第八十九号)第三十四条の規定により設立された法人であつて、その役員又は社員の構成が登録及び認定の公正な実施に支障を及ぼすおそれがないものであること。
五 登録及び認定の業務以外の業務を行つている場合には、その業務を行うことによつて登録及び認定が不公正になるおそれがないものであること。
六 登録及び認定の業務を適確かつ円滑に行うに必要な経理的基礎を有するものであること。
七 その指定をすることによつて申請に係る特定貨物のデザインの登録及び認定並びにその特定貨物に附される商標の認定の適確かつ円滑な実施を阻害することとならないこと。
(指定の公示等)
第二十三条 通商産業大臣は、第三条第一項の指定をしたときは、その認定機関の名称、住所、同項の通商産業省令で定める区分並びに登録及び認定の業務を行う事業所の所在地を官報に公示しなければならない。
2 認定機関は、登録及び認定の業務を行う事業所の所在地を変更しようとするときは、通商産業大臣の認可を受けなければならない。
3 認定機関は、その名称又は住所を変更したときは、遅滞なく、その旨を通商産業大臣に届け出なければならない。
4 通商産業大臣は、第二項の認可をし、又は前項の規定による届出があつたときは、その旨を官報に公示しなければならない。
(審査の義務)
第二十四条 認定機関は、登録又は認定を行うべきことを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、遅滞なく、その審査をしなければならない。
2 前項の審査は、第二十二条第二号に規定する者にさせなければならない。
(業務規定)
第二十五条 認定機関は、登録及び認定の業務に関する規定(以下「業務規定」という。)を定め、通商産業大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 業務規定で定めるべき事項は、通商産業省令で定める。
3 通商産業大臣は、第一項の認可をした業務規定が登録及び認定の公正な実施上不適当となつたと認めるときは、その業務規定を変更すべきことを命ずることができる。
(業務の休廃止)
第二十六条 認定機関は、通商産業大臣の許可を受けなければ、登録及び認定の業務の全部又は一部を休止し、又は廃止してはならない。
2 通商産業大臣は、前項の許可をしたときは、その旨を官報に公示しなければならない。
(事業計画等)
第二十七条 認定機関は、毎事業年度開始前に、その事業年度の事業計画及び収支予算を作成し、通商産業大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 認定機関は、毎事業年度経過後三月以内に、その事業年度の事業報告書及び収支決算書を作成し、通商産業大臣に提出しなければならない。
(役員等の選任及び解任)
第二十八条 認定機関の役員又はデザイン若しくは商標の審査を行う者の選任及び解任は、通商産業大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
(秘密保持義務等)
第二十九条 認定機関の役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者は、登録又は認定の業務に関して知得した秘密を漏らし、又は盗用してはならない。
2 登録又は認定の業務に従事する認定機関の役員及び職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
(監督命令)
第三十条 通商産業大臣は、この法律の施行に必要な限度において、認定機関に対し、その業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
(指定の取消等)
第三十一条 通商産業大臣は、認定機関が次の各号の一に該当するときは、第三条第一項の指定を取り消し、又は一年以内の期間を定めて登録及び認定の業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
一 この法律の規定に違反したとき。
二 第二十五条第一項の認可を受けた業務規定によらないで登録又は認定をしたとき。
三 第二十五条第三項又は前条の規定による命令に違反したとき。
四 不正の手段により指定を受けたとき。
2 通商産業大臣は、前項の規定により指定を取り消し、又は登録及び認定の業務の停止を命じたときは、その旨を官報に公示しなければならない。
(帳簿の記載)
第三十二条 認定磯関は、帳簿を備え、登録及び認定に関し通商産業省令で定める事項を記載しなければならない。
(検査機関との連係)
第三十三条 認定機関は、その認定をする特定貨物が輸出検査法第二条第一項に規定する指定貨物であるときは、当該特定貨物の輸出検査を行う政府機関又は同法第七条に規定する指定検査機関と緊密に連係し、その業務の円滑な運営を図らなければならない。
(国の援助)
第三十四条 国は、認定機関の登録及び認定の業務の円滑な運営を図るため必要があると認めるときは、その資料の確保、審査の指導その他の援助に努めるものとする。
第五章 雑則
(通商産業大臣の行う登録及び認定)
第三十五条 通商産業大臣は、次に掲げる場合には、当該特定貨物のデザイン及びそれに附される商標について、登録及び認定を行う。ただし、第二号又は第三号に掲げる場合には、当該業務の休止若しくは廃止又は当該業務の停止の範囲内における登録及び認定に限るものとする。
一 一の貨物が特定貨物として定められた場合において、当該特定貨物について第二十条の申請がないか、又はその申請のいずれについても第三条第一項の指定をすることができないとき。
二 認定機関が第二十六条第一項の許可を受けて登録及び認定の業務を休止し、又は廃止したとき。
三 認定機関が第三十一条第一項の規定による指定の取消又は登録及び認定の業務の停止の命令を受けたとき。
2 前項の規定により通商産業大臣が登録及び認定を行う場合における第二章及び第三章並びに第四十二条第一項の規定の適用については、第三条第一項中「通商産業大臣が指定する者(以下「認定機関」という。)」とあり、又は同条第二項、第四条、第五条第二項、第六条第一項若しくは第三項、第七条、第十条から第十三条まで、第十五条、第十六条若しくは第四十二条第一項中「認定機関」とあるのは、「通商産業大臣」とする。
3 通商産業大臣は、第一項第二号又は第三号の規定により登録及び認定を行うときは、その旨を官報に公示しなければならない。
4 第一項第二号又は第三号の規定により通商産業大臣が登録及び認定を行う場合における必要な経過的措置は、政令で定める。
(輸出入取引審議会への諮間)
第三十六条 通商産業大臣は、第二条第二項の政令の制定又は改廃の立案をしようとするときは、輸出入取引審議会に諮問しなければならない。
(報告の徴収)
第三十七条 通商産業大臣は、この法律の施行に必要な限度において、登録若しくは認定を受ける者又は特定貨物の輸出業者に対し、その特定貨物の品目、デザイン、数量、仕向地、所在の場所若しくは輸出の時期又はその特定貨物に附される商標に関し報告をさせることができる。
2 通商産業大臣は、この法律の施行に必要な限度において、認定機関に対し、その業務又は経理の状況に関し報告をさせることができる。
(立入検査)
第三十八条 通商産業大臣は、この法律の施行に必要な限度において、その職員に、認定を受ける者又は特定貨物の輸出業者の事務所、事業所若しくは倉庫又はこれらの者の所有する特定貨物の保管の場所に立ち入り、特定貨物、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
2 通商産業大臣は、この法律の施行に必要な限度において、その職員に、認定機関の事務所又は事業所に立ち入り、業務の状況又は帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
3 前二項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
4 第一項又は第二項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
(輸出停止命令)
第三十九条 通商産業大臣は、第十五条の規定に違反して特定貨物を輸出した者に対し、一年以内の期間を限り、特定貨物の品目を定め、その輸出の停止を命ずることができる。
(聴聞)
第四十条 通商産業大臣は、第三十一条第一項の規定による処分をしようとするときはその処分に係る認定機関に対し、前条の規定による処分をしようとするときはその処分に係る者に対し、相当な期間をおいて予告をした上、公開による聴聞を行わなければならない。
2 前項の予告においては、期日、場所及び事案の内容を示さなければならない。
3 聴聞に際しては、その処分に係る者及び利害関係人に対し、その事案について証拠を提示し、意見を述べる機会を与えなければならない。
(異議の申立)
第四十一条 この法律の規定による通商産業大臣又は認定機関の処分に対し不服のある者は、その旨を記載した書面をもつて、通商産業大臣に異議の申立をすることができる。この場合において、認定機関の処分に対する異議の申立は、その処分をした認定機関を経由してしなければならない。
2 通商産業大臣は、異議の申立を受理したときは、前条の例により公関による聴聞を行つた後、文書をもつて決定をし、その写を異議の申立をした者に送付しなければならない。
(手数料)
第四十二条 次の表の上欄に掲げる者は、それぞれ同表の下欄に掲げる金額の範囲内において特定貨物の品目ごとに政令で定める額の手数料を認定機関に納付しなければならない。
納付しなければならない者 |
金額 |
一 登録申請をする者 |
一件につき 五百円 |
二 登録を受けた者 |
一件につき 六千円 |
三 登録の有効期間の更新の申請をする者 |
一件につき 三千円 |
四 認定の申請をする者 |
当該認定に係る特定貨物の輸出価格の千分の三 |
2 登録を受けた者が納付すべき手数料は、第六条第三項の通知を受けた日から十五日以内に納付しなければならない。
第六章 罰則
第四十三条 第三十九条の規定による命令に違反して特定貨物を輸出した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
2 前項の未遂罪は、罰する。
第四十四条 第三十一条第一項の規定による登録及び認定の業務の停止の命令に違反した場合には、その違反行為をした認定機関の役員又は職員は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
第四十五条 第二十九条第一項の規定に違反して、その職務に関して知得した秘密を漏らし、又は盗用した者は、一年以下の懲役又は三万円以下の罰金に処する。
第四十六条 次の各号の一に該当する者は、三万円以下の罰金に処する。
一 第三十七条第一項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
二 第三十八条第一項の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
第四十七条 次の各号の一に掲げる違反があつた場合には、その違反行為をした認定機関の役員又は職員は、三万円以下の罰金に処する。
一 第二十六条第一項の許可を受けないで登録及び認定の業務の全部を廃止したとき。
二 第三十二条の規定による記載をせず、又は虚偽の記載をしたとき。
三 第三十七条第二項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。
四 第三十八条第二項の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避したとき。
第四十八条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第四十三条又は第四十六条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から起算して六月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第三十六条の規定は、公布の日から施行する。
(通商産業省設置法の一部改正)
2 通商産業省設置法(昭和二十七年法律第二百七十五号)の一部を次のように改正する。
第四条第一項第二十四号の二の次に次の一号を加える。
二十四の三 輸出品デザイン法(昭和三十四年法律第百六号)の規定に基き、認定機関を指定し、及び監督すること。
第八条第一項第十三号の二中「意匠」を「デザイン」に改める。
第二十五条第一項の表中「意匠奨励審議会」を「デザイン奨励審議会」に、「意匠」を「デザイン」に改める。
(大蔵・通商産業・内閣総理大臣署名)