中小企業団体の組織に関する法律
法律第百八十五号(昭三二・一一・二五)
目次
第一章 総則(第一条―第三条)
第二章 中小企業等協同組合(第四条)
第三章 商工組合及び商工組合連合会
第一節 総則(第五条―第十六条)
第二節 事業(第十七条―第三十三条)
第三節 組合員(第三十四条―第四十条)
第四節 設立、管理、解散及び清算(第四十一条―第四十七条)
第五節 登記(第四十八条―第五十四条)
第六節 加入命令及び事業活動の規制に関する命令(第五十五条―第六十六条)
第七節 監督(第六十七条―第七十一条)
第八節 中小企業安定審議会並びに中央中小企業調停審議会及び都道府県中小企業調停審議会(第七十二条―第八十八条)
第九節 雑則(第八十九条―第九十五条)
第四章 組織変更(第九十六条―第百条)
第五章 中小企業団体中央会(第百一条)
第六章 罰則(第百二条―第百十七条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、中小企業者その他の者が協同して経済事業を行うために必要な組織又は中小企業者が自主的に事業活動を調整するために必要な組織を設けることができるようにし、これらの者の公正な経済活動の機会を確保し、及びその経営の安定を図り、もつて国民経済の建全な発展に資することを目的とする。
(登記)
第二条 この法律の規定により登記を必要とする事項は、登記の後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。
(中小企業団体等の種類)
第三条 この法律による中小企業団体は、次に掲げるものとする。
一 事業協同組合
二 事業協同小組合
三 火災共済協同組合
四 信用協同組合
五 協同組合連合会
六 企業組合
七 商工組合
八 商工組合連合会
2 この法律による中小企業団体中央会は、次に掲げるものとする。
一 都道府県中小企業団体中央会
二 全国中小企業団体中央会
第二章 中小企業等協同組合
第四条 事業協同組合、事業協同小組合、火災共済協同組合、信用協同組合、協同組合連合会及び企業組合については、中小企業等協同組合法(昭和二十四年法律第百八十一号。以下「協同組合法」という。)の定めるところによる。
第三章 商工組合及び商工組合連合会
第一節 総則
(中小企業者の定義)
第五条 この章において「中小企業者」とは、次の各号の一に該当する者をいう。
一 常時使用する従業員の数が三百人以下の者であつて、工業、鉱業、運送業その他の業種(次号に掲げる業種及び第三号の政令で定める業種を除く。)に属する事業を主たる事業として営むもの
二 常時使用する従業員の数が三十人以下の者であつて、商業又はサービス業(次号の政令で定める業種を除く。)に属する事業を主たる事業として営むもの
三 常時使用する従業員の数がその業種ごとに政令で定める数以下の者であつて、その政令で定める業種に属する事業を主たる事業として営むもの
(人格及び住所)
第六条 商工組合及び商工組合連合会(以下「組合」という。)は、法人とする。
2 組合の住所は、その主たる事務所の所在地にあるものとする。
(基準及び原則)
第七条 組合は、この法律に別段の定のある場合のほか、次の要件を備えなければならない。
一 営利を目的としないこと。
二 組合員又は会員(以下「組合員」と総称する。)が任意に加入し、又は脱退することができること。
三 組合員の議決権及び選挙権は、平等であること。
2 組合は、特定の組合員の利益のみを目的としてその事業を行つてはならない。
3 組合は、特定の政党のために利用してはならない。
(名称)
第八条 組合は、その名称中に、次の文字を用いなければならない。
一 商工組合にあつては、商工組合
二 商工組合連合会にあつては、商工組合連合会
2 組合は、前項の規定にかかわらず、その名称中に、商工組合又は商工組合連合会という文字に代えて、その組合員(商工組合連合会にあつては、会員たる商工組合の組合員)の資格として定款で定められる事業(以下「資格事業」という。)が工業、鉱業(土石採取業を含む。)又は建設業に属するときは工業組合又は工業組合連合会という文字を、その他の業種に属するときは商業組合又は商業組合連合会という文字を用いることができる。
3 組合以外の者は、その名称中に、商工組合、工業組合若しくは商業組合又は商工組合連合会、工業組合連合会若しくは商業組合連合会という文字を用いてはならない。
4 組合の名称については、商法(明治三十二年法律第四十八号)第十九条から第二十一条まで(商号)の規定を準用する。
(設立)
第九条 商工組合は、一定の地域において一定の種類の事業を営む中小企業者の競争が正常の程度をこえて行われているため、その中小企業者の事業活動に関する取引の円滑な運行が阻害され、その相当部分の経営が著しく不安定となつており、又はなるおそれがある場合に限り、設立することができるものとする。
第十条 商工組合の地区は、資格事業の種類の全部又は一部が同一である他の商工組合の地区と重複するものであつてはならない。ただし、市街地における一定の地域を地区とし、その地区内において小売業又はサービス業に属する事業を営む中小企業者のすべてが加入することができることとなつており、かつ、これらの事業を営む者以外の者が加入することができないこととなつている商工組合(以下「商店街組合」という。)の地区と商店街組合以外の商工組合の地区とは、重複することを妨げない。
第十一条 商工組合の組合員たる資格を有する者は、その地区内において資格事業を営む中小企業者及び第九条に掲げる事態を克服するため必要がある場合において定款で定めたときは次に掲げる者とする。
一 その地区内において資格事業を営む者であつて、中小企業者以外のもの
二 事業協同組合、事業協同小組合、協同組合連合会、企業組合、商工組合、商工組合連合会、農業協同組合、農業協同組合連合会、水産業協同組合、森林組合又は森林組合連合会であつて、その地区内において資格事業を行うもの。ただし、その資格事業がこれらの団体の種類ごとに政令で定める業種に属する場合に限る。
第十二条 商工組合は、組合員たる資格を有する者の二分の一以上が組合員となるのでなければ、設立することができない。
2 中小企業者以外の者が加入することができる商工組合は、全国における事業活動の相当部分が中小企業者によつて行われている事業を資格事業とするものであり、その地区内における組合員たる資格を有する者の三分の二以上が中小企業者であり、かつ、総組合員の三分の二以上が中小企業者であるものでなければ、設立することができない。
(商工組合連合会の設立)
第十三条 商工組合連合会は、資格事業の種類の全部又は一部が同一である商工組合その他その行う第十七条第一項の事業の総合調整を行うのでなければ第九条に掲げる事態を克服することが困難であると認められる商工組合が、その同一である資格事業その他第十七条第一項の事業の総合調整を要する資格事業についてするのでなければ、設立することができない。
第十四条 商工組合連合会の地区は、全国とする。ただし、商業又はサービス業に属する事業を資格事業とするものの地区は、都道府県の区域によることができる。
第十五条 商工組合連合会の地区は、資格事業の種類の全部又は一部が同一である他の商工組合連合会の地区と重複するものであつてはならない。ただし、商店街組合をもつて組織する商工組合連合会の地区と商店街組合以外の商工組合をもつて組織する商工組合連合会の地区とは、重複することを妨げない。
第十六条 商工組合連合会は、会員たる資格を有する商工組合の三分の二以上が会員となるのでなければ、設立することができない。
第二節 事業
(商工組合の事業)
第十七条 商工組合は、次の事業の全部又は一部を行うものとする。
一 組合員が生産(加工を含む。以下この号において同じ。)をする資格事業に係る物の種類、生産、出荷その他の取扱の数量若しくは販売若しくは引渡の方法に関する制限、その物の生産の設備に関する制限又はその物の原材料の購買若しくは引取の数量若しくは方法に関する制限
二 前号に掲げる制限を実施した後において第九条に掲げる事態を克服することが著しく困難である場合におけるその物の販売価格若しくは加工賃の制限又はその物の原材料の購買価格の制限。ただし、前号に掲げる制限とともにする場合に限る。
三 組合員が販売をする資格事業に係る物の種類若しくは販売の数量若しくは方法に関する制限又はその物の購買の数量若しくは方法に関する制限
四 前号に掲げる制限を実施した後において第九条に掲げる事態を克服することが著しく困難である場合におけるその物の販売価格又は購買価格の制限。ただし、前号に掲げる制限とともにする場合に限る。
五 組合員が提供をする資格事業に係る役務の種類又は提供の数量若しくは方法に関する制限
六 前号に掲げる制限を実施した後において第九条に掲げる事態を克服することが著しく困難である場合における役務の提供価格の制限。ただし、前号に掲げる制限とともにする場合に限る。
七 技術的理由により第一号、第三号又は第五号に掲げる制限を実施することが著しく困難である場合における資格事業に係る物若しくは役務の販売価格、加工賃若しくは提供価格の制限又はその物若しくはその物の原材料の購買価格の制限
八 前各号に掲げる制限に附帯する事業
2 商工組合は、前項の事業のほか、次の事業の全部又は一部を行うことができる。
一 生産、加工、販売、購買、保管、運送、検査その他組合員の事業に関する共同施設
二 組合員に対する事業資金の貸付(手形の割引を含む。)及び組合員のためにするその借入
三 組合員の福利厚生に関する施設
四 組合員の事業に関する経営及び技術の改善向上又は組合事業に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供に関する施設
五 前各号の事業に附帯する事業
3 商工組合は、組合員の利用に支障がない場合に限り、組合員以外の者に前項の事業を利用させることができる。ただし、一事業年度における組合員以外の者の同項の事業の利用分量の総額は、その事業年度における組合員の同項の事業の利用分量の総額の百分の二十をこえてはならない。
4 商工組合は、その事業に関し組合員のためにする組合協約を締結することができる。
5 商工組合の事業については、協同組合法第九条の二第二項、第四項から第八項まで及び第九条の三から第九条の七まで(事業協同組合の事業)の規定を準用する。
(調整規程の認可)
第十八条 商工組合は、その実施しようとする前条第一項の事業(以下「調整事業」という。)に関し次の事項を定めた規程(以下「調整規程」という。)を設定し、主務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
一 前条第一項第一号から第七号までに掲げる制限の種類及び方法並びにその制限を行う期間
二 前号の制限を実施するための検査の方法
三 手数料又は過怠金に関する事項
第十九条 主務大臣は、前条の認可の申請に係る調整規程が次の各号に適合すると認めるときでなければ、同条の認可をしてはならない。
一 第九条に掲げる事態を克服するため必要な最少限度をこえないこと。
二 不当に差別的でないこと。
三 一般消費者及び関連事業者の利益を不当に害するおそれがないこと。
第二十条 主務大臣は、第十八条の認可の申請を受理した日から二月以内に、認可又は不認可の通知を発しなければならない。
2 前項の期間内に同項の通知が発せられなかつたときは、その期間が満了した日に、第十八条の認可があつたものとみなす。この場合には、商工組合は、主務大臣に対し、認可に関する証明をすべきことを請求することができる。
3 主務大臣が第十八条の認可の申請に関し商工組合に報告を求め、又は関係行政機関に照会を発したときは、その日から主務大臣がその報告又は照会に対する回答を受理するまでの期間は、第一項の期間に算入しない。この場合において、主務大臣は、関係行政機関に照会を発したときは、遅滞なく、その旨をその商工組合に通知しなければならない。
(調整規程の変更命令及び認可の取消)
第二十一条 主務大臣は、調整規程の内容が第十九条各号に適合するものでなくなつたと認めるときは、その商工組合に対し、その調整規程を変更すべきことを命じ、又はその認可を取り消さなければならない。
(調整規程の廃止の届出)
第二十二条 商工組合は、調整規程を廃止したときは、遅滞なく、その旨を主務大臣に届け出なければならない。
(調整規程の設定等の議決)
第二十三条 調整規程の設定、変更及び廃止は、総会の議決を経なければならない。
2 前項の議決は、総組合員の二分の一以上が出席し、その議決権の三分の二以上の多数をもつてしなければならない。
3 調整規程の設定は、第一項の規定にかかわらず、創立総会の議決によつてすることができる。
(過怠金)
第二十四条 商工組合は、調整規程で定めるところにより、調整規程に違反した組合員に対し、過怠金を課することができる。
(監査員)
第二十五条 商工組合は、定款で定めるところにより、調整規程の実施に関する監査を行うため、監査員を置くことができる。
(従業員に対する配慮)
第二十六条 商工組合の組合員は、調整規程に従いその事業活動を制限するに当つては、その従業員に不利益を及ぼすことがないように努めなければならない。
第二十七条 商工組合の組合員は、調整規程の実施によりその従業員が離職するに至つた場合においては、その後の従業員の雇入についてその離職した者に優先権を与えるように努めなければならない。
(組合協約の認可)
第二十八条 商工組合がその行う調整事業に関し組合員たる資格を有する者と締結する第十七条第四項の組合協約は、主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 主務大臣は、前項の認可の申請に係る組合協約又はその変更が次の各号に適合すると認めるときでなければ、同項の認可をしてはならない。
一 第九条に掲げる事態を克服するため必要な最少限度をこえないこと。
二 一般消費者及び関連事業者の利益を不当に害するおそれがないこと。
三 その組合協約又はその変更後の組合協約の定によりその相手方が遵守すべきこととなる事項が組合員が調整規程の定により遵守すべき事項と同一であること。
3 第一項の組合協約については、第二十条から第二十二条までの規定を準用する。この場合において、第二十一条中「第十九条各号」とあるのは、「第二十八条第二項各号」と読み替えるものとする。
(組合交渉の応諾)
第二十九条 次の各号の一に該当する者は、商工組合の代表者(その商工組合が会員となつている商工組合連合会の代表者を含む。)が、政令で定めるところにより、調整規程又はその案を示してその調整規程による調整事業に関し第十七条第四項の組合協約を締結するため交渉をしたい旨を申し出たときは、正当な理由がない限りその交渉に応じなければならない。
一 商工組合の組合員と資格事業に関し取引関係のある事業者であつて、中小企業者以外のもの
二 商工組合の組合員と資格事業に関し取引関係のある事業者をもつて組織する第十一条第二号に掲げる団体又は輸出組合若しくは輸入組合
三 商工組合の組合員たる資格を有する者であつて、中小企業者以外のもの
四 地区内において資格事業を行う事業者(農業協同組合、水産業協同組合、消費生活協同組合及びこれらに類するもので政令で定めるもの並びに資格事業を営む者を除く。)であつて、商工組合の組合員たる資格を有しないもの(政令で定める者に限る。)
2 商工組合の代表者は、調整規程が設定又は変更される前にその案に係る調整事業に関し、前項の規定による申出をしようとするときは、その申出に係る組合協約の内容及びその申出の相手方につき総会の承認を得なければならない。
(勧告)
第三十条 主務大臣は、前条第一項の規定による申出が行われた場合において、その商工組合の組合員たる中小企業者の経営の安定のため特に必要があると認めるときは、その商工組合又はその交渉の相手方に対し、組合協約の締結に関し必要な勧告をすることができる。
(商工組合連合会の事業)
第三十一条 商工組合連合会は、会員たる商工組合が行う調整事業の全部又は一部についての総合調整及びこれに附帯する事業を行うものとする。
(総合調整規程の認可)
第三十二条 商工組合連合会は、その実施しようとする前条の事業に関し次の事項を定めた規程(以下「総合調整規程」という。)を設定し、主務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
一 会員たる商工組合が行う第十七条第一項第一号から第七号までに掲げる制限の種類及び方法並びにその制限を行う期間の総合調整
二 前号の制限を実施するための検査の方法の総合調整
三 手数料及び過怠金に関する事項の総合調整
(準用)
第三十三条 商工組合連合会の事業については、第十七条第二項から第五項まで、第十九条から第二十五条まで及び第二十八条から第三十条までの規定を準用する。この場合において、第十七条第二項第一号、第三号及び第四号、第三項並びに第四項中「組合員」とあるのは「会員たる商工組合及びその組合員」と、第二十八条第一項及び第二項第二号中「組合員」とあるのは「会員たる商工組合の組合員」と、第二十九条第一項及び第三十条中「商工組合の組合員」とあるのは「商工組合連合会の会員たる商工組合の組合員」と読み替えるものとする。
第三節 組合員
(出資)
第三十四条 第十七条第二項(前条において準用する場合を含む。)の事業を行う組合は、定款で定めるところにより、組合員に出資をさせることができる。
2 組合員に出資をさせる組合(以下「出資組合」という。)の組合員は、出資一口以上を有しなければならない。ただし、事業の規模が著しく小さい者その他やむを得ない理由がある者であつて、組合の承諾を得たものは、この限りでない。
3 出資組合の組合員の責任は、第四十条において準用する協同組合法第十二条第一項の規定による経費の負担のほか、その出資額を限度とする。
4 出資については、協同組合法第十条第二項、第三項及び第五項(出資一口の金額等)の規定を準用する。
(非出資組合の組合員の責任)
第三十五条 出資組合以外の組合(以下「非出資組合」という。)の組合員の責任は、第四十条において準用する協同組合法第十二条第一項の規定による経費の負担を限度とする。
(議決権及び選挙権)
第三十六条 組合員は、各々一個の議決権及び役員又は総代の選挙権を有する。ただし、商工組合連合会の会員に対しては、その組合員の数に応じて、政令で定める基準に従い、定款で定めるところにより、二個以上の議決権又は選挙権を与えることができる。
2 議決権及び選挙権については、協同組合法第十一条第二項から第五項まで(議決権等の行使)の規定を準用する。
(加入)
第三十七条 出資組合に加入しようとする者は、定款で定めるところにより加入につき組合の承諾を得て、引受出資口数に応ずる金額の払込及び組合が加入金を徴収することを定めた場合にはその支払を了した時又は組合員の持分の全部若しくは一部を承継した時(第三十四条第二項ただし書の承諾を得た者にあつては、定款で定めるところにより加入につき組合の承諾を得た時)に組合員となる。
2 非出資組合に加入しようとする者は、定款で定めるところにより加入につき組合の承諾を得た時に組合員となる。
(脱退)
第三十八条 非出資組合の組合員は、三十日前までに予告して脱退することができる。
2 前項の予告期間は、定款で延長することができる。ただし、その期間は、九十日をこえてはならない。
3 組合員の脱退については、協同組合法第十九条(法定脱退)の規定を、出資組合の組合員の脱退については、協同組合法第十八条(自由脱退)及び第二十条から第二十二条まで(持分の払戻)の規定を準用する。
(持分の払戻の特例)
第三十九条 出資組合の組合員が第三十四条第二項ただし書の承諾を得た場合については、協同組合法第二十条から第二十二条まで(持分の払戻)の規定を準用する。
(準用)
第四十条 組合員については、協同組合法第十二条(経費の賦課)、第十三条(使用料及び手数料)及び第十四条(加入の自由)の規定を、出資組合の組合員については、同法第十六条(相続による加入)、第十七条(持分の譲渡)及び第二十三条(出資口数の減少)の規定を準用する。
第四節 設立、管理、解散及び清算
(発起人)
第四十一条 商工組合を設立するには、その組合員になろうとする四人以上の中小企業者が、商工組合連合会を設立するには、その会員になろうとする二以上の商工組合が発起人となることを要する。
(設立の認可)
第四十二条 発起人は、創立総会の終了後遅滞なく、定款並びに事業計画、役員の氏名及び住所その他必要な事項を記載した書面を主務大臣に提出して、設立の認可を受けなければならない。
2 主務大臣は、前項の認可の申請が次の各号(商工組合連合会にあつては、第一号を除く。)に適合していると認めるときは、認可をしなければならない。
一 資格事業について第九条に掲げる事態が生じていること。
二 商工組合にあつては第十二条の、商工組合連合会にあつては第十六条の要件を備えていること。
三 設立の手続又は定款若しくは事業計画の内容が法令に違反していないこと。
四 地区、資格事業の種類その他の構成がその事業を行うのに適当であること。
五 第十七条第二項(第三十三条において準用する場合を含む。)の事業を行う組合にあつては、その事業を行うために必要な経営的基礎を有すること。
3 主務大臣は、前項第一号に適合しているかどうかについて中小企業安定審議会に諮問して定める判定の基準に従わなければならない。
4 第一項の認可については、第二十条の規定を準用する。
(定款)
第四十三条 組合の定款には、次の事項(非出資組合にあつては、第七号、第九号及び第十号の事項を除く。)を記載しなければならない。
一 事業
二 名称
三 地区
四 事務所の所在地
五 組合員たる資格に関する規定
六 組合員の加入及び脱退に関する規定
七 出資一口の金額及びその払込の方法
八 経費の分担に関する規定
九 剰余金の処分及び損失の処理に関する規定
十 準備金の額及びその積立の方法
十一 役員の定数及びその選挙に関する規定
十二 事業年度
十三 公告の方法
2 組合の定款には、前項の事項のほか、組合の存立時期又は解散の原因を定めたときは、その時期又はその原因を記載しなければならない。
3 出資組合の定款には、前二項の事項のほか、現物出資をする者を定めたときはその者の氏名、出資の目的たる財産及びその価格並びにこれに対して与える出資口数を、組合の成立後に譲り受けることを約した財産があるときはその財産、その価格及び譲渡人の氏名を記載しなければならない。
(規約)
第四十四条 次の事項は、定款で定めなければならない事項を除いて、規約で定めることができる。
一 総会又は総代会に関する規定
二 業務の執行及び会計に関する規定
三 役員に関する規定
四 組合員に関する規定
五 その他必要な事項
(移行)
第四十五条 非出資組合であつて、第十七条第二項(第三十三条において準用する場合を含む。)の事業を行うものは、定款を変更して、出資組合に移行することができる。
2 理事は、前項の規定による出資組合への移行に関する定款の変更につき第四十七条第二項において準用する協同組合法第五十一条第二項の認可があつたときは、遅滞なく、出資の第一回の払込をさせなければならない。
3 総代会においては、第四十七条第二項において準用する協同組合法第五十五条第六項の規定にかかわらず、第一項の規定による出資組合への移行に関する定款の変更について議決することができない。
4 第一項の規定による出資組合への移行は、主たる事務所の所在地において第四十九条の規定による登記をすることによつてその効力を生ずる。
5 第一項の規定による出資組合への移行については、協同組合法第二十九条第二項及び第三項(出資の第一回の払込の金額及び現物出資の給付)の規定を準用する。
第四十六条 出資組合は、定款を変更して、非出資組合に移行することができる。
2 前項の規定による非出資組合への移行については、前条第三項及び第四項並びに協同組合法第二十条から第二十二条まで(持分の払戻)、第五十六条及び第五十七条(出資一口の金額の減少)の規定を準用する。この場合において、前条第四項中「第四十九条」とあるのは、「第五十条」と読み替えるものとする。
(準用)
第四十七条 組合の設立については、協同組合法第二十七条(創立総会)、第二十八条(理事への事務引継)及び第三十条から第三十二条まで(成立の時期等)の規定を、出資組合の設立については、同法第二十九条第一項から第三項まで(出資の第一回の払込)の規定を準用する。この場合において、同法第三十一条中「行政庁」とあるのは、「主務大臣」と読み替えるものとする。
2 組合の管理については、協同組合法第三十五条から第五十五条まで(役員、総会、総代会等)の規定を、出資組合の管理については、同法第五十六条、第五十七条(出資一口の金額の減少)、第五十八条第一項から第三項まで(準備金及び繰越金)、第五十九条第一項及び第二項、第六十条(剰余金の配当)並びに第六十一条(組合の持分取得の禁止)の規定を準用する。この場合において、同法第三十五条の二、第四十八条及び第五十一条第二項中「行政庁」とあるのは「主務大臣」と、同法第三十九条第一項中「規約」とあるのは「規約、調整規程又は総合調整規程」と、同法第四十条の二及び第四十五条第一項中「総組合員の十分の一以上」とあるのは「総組合員の十分の一以上(商工組合連合会にあつては、議決権の総数の十分の一以上に当る議決権を有する会員)」と、同法第四十一条第一項、第四十七条第二項及び第四十八条中「総組合員の五分の一以上」とあるのは「総組合員の五分の一以上(商工組合連合会にあつては、議決権の総数の五分の一以上に当る議決権を有する会員)」と、同法第四十一条第一項中「出席者の過半数」とあるのは「出席者の過半数(商工組合連合会にあつては、出席した会員の議決権の過半数の議決権を有する会員)」と、同条第二項ただし書中「規約」とあるのは「規約若しくは調整規程若しくは総合調整規程」と、同法第五十一条第三項中「第二十七条の二第四項から第六項まで」とあるのは「中小企業団体の組織に関する法律第四十二条第二項」と、同法第五十三条中「総組合員の半数以上」とあるのは「総組合員の半数以上(商工組合連合会にあつては、議決権の総数の半数以上に当る議決権を有する会員)」と読み替えるものとする。
3 組合の解散及び清算については、協同組合法第六十二条第一項及び第二項、第六十三条第一項、第三項及び第四項、第六十四条から第六十六条まで、第六十八条第一項並びに第六十九条(解散及び清算)の規定を、出資組合の合併については、同法第六十三条第二項(合併の手続)の規定を準用する。この場合において、同法第六十二条第一項第五号中「第百六条第二項」とあるのは「中小企業団体の組織に関する法律第六十九条第一項から第三項まで」と、同条第二項及び同法第六十三条第三項中「行政庁」とあるのは「主務大臣」と、同条第四項中「第二十七条の二第四項から第六項まで」とあるのは「中小企業団体の組織に関する法律第四十二条第二項」と、同法第六十九条中「総組合員ノ五分ノ一以上」とあるのは「総組合員ノ五分ノ一以上(商工組合連合会ニ在リテハ議決権ノ総数ノ五分ノ一以上ニ当ル議決権ヲ有スル会員)」と読み替えるものとする。
第五節 登記
(設立の登記)
第四十八条 組合は、第四十二条第一項の設立の認可(出資組合にあつては、前条第一項において準用する協同組合法第二十九条第一項から第三項までの規定による出資の払込)があつた日から二週間以内に、主たる事務所の所在地において設立の登記をしなければならない。
2 組合の設立の登記には、次の事項(非出資組合にあつては、第五号の事項を除く。)を掲げなければならない。
一 事業
二 名称
三 地区
四 事務所
五 出資一口の金額及びその払込の方法並びに出資の総口数及び払込済出資総額
六 存立時期又は解散の原因を定めたときは、その時期又は原因
七 役員の氏名及び住所
八 組合を代表すべき理事の氏名
九 数人の理事が共同して組合を代表すべきことを定めたときは、その規定
十 公告の方法
3 組合は、設立の登記をした後二週間以内に、従たる事務所の所在地において、前項の事項を登記しなければならない。
(移行の登記)
第四十九条 非出資組合は、第四十五条第二項に規定する出資の第一回の払込があつた日から、主たる事務所の所在地においては二週間以内に、従たる事務所の所在地においては三週間以内に、出資組合への移行に関する定款の変更の登記をしなければならない。
第五十条 出資組合は、第四十六条第一項の規定による非出資組合への移行に関する定款の変更につき第四十七条第二項において準用する協同組合法第五十一条第二項の認可があつた日から、主たる事務所の所在地においては二週間以内に、従たる事務所の所在地においては三週間以内に、非出資組合への移行に関する定款の変更の登記をしなければならない。
(設立の登記の申請)
第五十一条 組合の設立の登記は、役員の全員の申請によつてする。
2 前項の登記の申請書には、定款及び役員たることを証する書面並びに出資組合にあつては出資の総口数及び第四十七条第一項において準用する協同組合法第二十九条第一項から第三項までの規定による出資の払込があつたことを証する書面を添附しなければならない。
3 合併による出資組合の設立の登記の申請書には、前項の書面のほか、第四十七条第三項において準用する協同組合法第六十三条第二項において準用する同法第五十六条第二項の規定による公告及び催告をしたこと並びに異議を述べた債権者があるときはこれに対し弁済し若しくは担保を供し又は財産を信託したことを証する書面を添附しなければならない。
(移行の登記の申請)
第五十二条 第四十九条の規定による登記は、代表理事の申請によつてする。
2 前項の登記の申請書には、移行を証する書面並びに出資の総口数及び第四十五条第二項に規定する出資の第一回の払込があつたことを証する書面を添附しなければならない。
第五十三条 第五十条の規定による登記は、代表理事の申請によつてする。
2 前項の登記の申請書には、移行を証する書面並びに第四十六条第二項において準用する協同組合法第五十六条第二項の規定による公告及び催告をしたこと並びに異議を述べた債権者があるときはこれに対し弁済し若しくは担保を供し又は財産を信託したことを証する書面を添附しなければならない。
(準用)
第五十四条 組合の登記については、協同組合法第八十四条、第八十五条、第八十六条第一項、第八十七条から第九十二条まで、第九十四条、第九十五条第一項及び第二項並びに第九十六条から第百三条まで(登記)の規定を、出資組合の登記については、同法第八十六条第二項及び第九十五条第三項(変更の登記等)の規定を準用する。この場合において、同法第八十四条第一項中「前条第二項」とあり、同法第八十五条第一項、第八十六条第一項、第八十九条並びに第九十五条第一項及び第二項中「第八十三条第二項」とあり、同法第八十五条第一項中「同条第二項」とあるのは「中小企業団体の組織に関する法律第四十八条第二項」と、同法第八十六条第二項中「第八十三条第二項第五号」とあるのは「中小企業団体の組織に関する法律第四十八条第二項第五号」と、同法第九十二条第二項中「事業協同組合登記簿、事業協同小組合登記簿、火災共済協同組合登記簿、信用協同組合登記簿、中小企業等協同組合連合会登記簿、企業組合登記簿及び中小企業団体中央会登記簿」とあるのは「商工組合登記簿及び商工組合連合会登記簿」と、同法第九十四条中「第八十三条第五項」とあるのは「中小企業団体の組織に関する法律第四十八条第三項」と、同法第九十七条第三項中「行政庁」とあるのは「主務大臣」と、同法第九十八条第二項中「第九十三条第三項及び前条第二項」とあるのは「前条第二項及び合併によつて消滅する組合が中小企業団体の組織に関する法律第三十四条第二項に規定する出資組合であるときは同法第五十一条第三項」と読み替えるものとする。
第六節 加入命令及び事業活動の規制に関する命令
(加入命令)
第五十五条 主務大臣は、次の各号に掲げる要件を備える商工組合の地区内において資格事業を営む中小企業者であつて組合員以外のものの事業活動が第九条に掲げる事態の克服を阻害しており、このような状態が継続することは、その地区内において資格事業を営む中小企業者の経営の安定に重大な悪影響を及ぼし、国民経済の健全な発展に著しい支障を生ずるおそれがあると認められる場合において、その商工組合がその地区内において資格事業を営むすべての中小企業者の事業活動を自主的に調整することによつて同条に掲げる事態を克服することができ、かつ、その方法によることがその事態を克服するのに最も適当であると認められるときは、政令で定めるところにより、その地区内において資格事業を営む中小企業者であつて組合員以外のものに対し、その商工組合に加入すべきことを命ずることができる。
一 その地区内において資格事業を営む中小企業者の四分の三以上が組合員となつていること。
二 その地区内において資格事業を営む者及びその地区内において資格事業を行う第十一条第二号に掲げる団体(その資格事業がその団体について同号の政令で定める業種に属する場合に限る。以下同じ。)の総数の四分の三以上が中小企業者であること。
三 その地区内における資格事業の事業活動の相当部分が中小企業者によつて行われていること。
2 前項の規定による命令があつたときは、その実施の日におけるその商工組合の地区内においてその実施の日における資格事業たる事業を営む中小企業者であつて組合員以外のもの(第四項の規定により認証を受けた者を除く。)は、その実施の日から二十日を経過した日(その日以後その地区内においてその事業を営む中小企業者となつた者にあつては、その事業を営む中小企業者となつた日)に、その商工組合の組合員となる。
3 前項の規定により出資組合たる商工組合の組合員となる者は、第三十四条第二項ただし書の承諾を得たものとみなす。非出資組合たる商工組合が出資組合に移行した場合において、その商工組合が非出資組合であつた間に前項の規定によりその組合員となつた者についても、同様とする。
4 第一項の規定による命令があつたときは、その命令の対象となつた中小企業者のうちその商工組合に加入することに支障がある者は、その命令があつた日から起算して二週間以内に行政庁にその旨の認証を求めることができる。この場合において当該行政庁は、その認証を第一項の規定による命令の実施の日から二十日以内にしなければならない。
5 前項の規定により認証を受けた者は、その商工組合の行う調整事業に係る制限に従わなければならない。
6 商工組合は、前項の規定の適用を受ける者に対し、その商工組合の調整規程で定める例に従い、その調整事業に係る制限を実施するため必要な限度において、検査を行い、手数料、経費及び過怠金を課することができる。
7 第一項の規定による命令に係る商工組合は、その命令があつた日から九十日以内に、その商工組合の実施している調整規程を変更するかどうかについて、総会の議決を経なければならない。
8 前項の議決については、第二十三条第二項の規定を準用する。
(事業活動の規制に関する命令)
第五十六条 主務大臣は、次の各号に掲げる要件を備える商工組合の組合員たる資格を有する者であつて組合員以外のもの(中小企業者を除く。)の事業活動が第九条に掲げる事態の克服を阻害しており、又はその商工組合の組合員たる資格を有する者の事業活動を自主的に調整することによつては同条に掲げる事態を克服することができず、若しくはその方法によることがその事態を克服するのに適当でないと認められる場合において、このような状態が継続することは、その地区内において資格事業を営む中小企業者の経営の安定に重大な悪影響を及ぼし、国民経済の健全な発展に著しい支障を生ずるおそれがあると認められるときは、政令で定めるところにより、その調整規程の内容を参酌して、その資格事業に係る第十七条第一項第一号から第七号までに掲げる制限を定め、その組合員たる資格を有する者に対し、これに従うべきことを命ずることができる。
一 その地区内において資格事業を営む者であつて中小企業者以外のもの及びその地区内において資格事業を行う第十一条第二号に掲げる団体が加入することができること。
二 組合員たる資格を有する者の三分の二以上が組合員となつていること。
三 前条第一項第三号の要件を備えていること。
第五十七条 主務大臣は、次に掲げる要件を備える商工組合連合会の地区内において資格事業を営む者であつてその会員たる商工組合の組合員以外のもの(その会員たる商工組合の地区内の中小企業者を除く。)若しくはその地区内において資格事業を行う第十一条第二号に掲げる団体であつてその会員たる商工組合の組合員以外のものの事業活動がその地区の全部若しくは大部分について第九条に掲げる事態の克服を阻害しており、又はその商工組合連合会の会員たる商工組合の全部若しくは大部分が組合員たる資格を有する者の事業活動を自主的に調整することによつては同条に掲げる事態を克服することができず、若しくはその方法によることがその事態を克服するのに適当でないと認められる場合において、このような状態が継続することは、資格事業を営む中小企業者の経営の安定に重大な悪影響を及ぼし、国民経済の健全な発展に著しい支障を生ずるおそれがあると認められるときは、政令で定めるところにより、その総合調整規程の内容を参酌して、その資格事業に係る第十七条第一項第一号から第七号までに掲げる制限を定め、その地区内において資格事業を営む者及びその地区内において資格事業を行う第十一条第二号に掲げる団体に対し、これに従うべきことを命ずることができる。
一 会員たる商工組合のすべてが前条第一号の要件を備えていること。
二 その地区内において資格事業を営む者及びその地区内において資格事業を行う第十一条第二号に掲げる団体の総数の三分の二以上が会員たる商工組合の組合員となつていること。
(設備新設の制限命令)
第五十八条 主務大臣は、政令で定める資格事業につき、第五十六条又は第五十七条の規定により生産の設備の制限に関する命令をするに際し、又は命令をした後において、特に必要があると認めるときは、その命令の有効期間中に限り、政令で定めるところにより、その命令に係る地区内における当該資格事業に係る物の生産の設備の新設の制限又は禁止を命ずることができる。
(命令の決定及び形式)
第五十九条 第五十五条第一項、第五十六条又は第五十七条の規定による命令は、その組合が総会の議決を経て申し出た場合でなければ、することができない。
2 主務大臣は、前項の規定による申出があつたときは、遅滞なく、第五十五条第一項、第五十六条又は第五十七条の規定による命令をするかどうかを決定し、その申出をした組合にその結果を通知しなければならない。
3 第一項の議決については、第二十三条第二項の規定を準用する。
4 第五十五条第一項、第五十六条、第五十七条又は前条の規定による命令は、省令をもつてするものとする。
(聴聞)
第六十条 主務大臣は、第五十五条第一項又は第五十六条から第五十八条までの規定による命令をしようとするときは、聴聞を行い、広く一般の意見をきかなければならない。
(調整規程等の変更命令)
第六十一条 主務大臣は、第五十五条第一項、第五十六条若しくは第五十七条の規定による命令をしようとするとき、又はその命令をした後において、特に必要があると認めるときは、その命令に係る商工組合又は商工組合連合会若しくはその会員たる商工組合に対し、その調整規程又は総合調整規程を変更すべきことを命ずることができる。
(命令の変更又は取消)
第六十二条 主務大臣は、第五十五条第一項又は第五十六条から第五十八条までの規定による命令をした後において、これらの規定によりその命令をする要件となつた事実が変更し、又は消滅したと認めるときは、その命令を変更し、又は取り消さなければならない。
(脱退の特例)
第六十三条 第五十五条第一項の命令に係る商工組合の組合員であつて中小企業者であるものは、その命令が効力を失うまでは、第三十八条第三項において準用する協同組合法第十九条第一項第一号又は第二号に掲げる理由による場合を除き、脱退することができない。
2 第五十五条第一項の命令に係る商工組合の組合員であつて中小企業者であるものは、その命令が効力を失つたときは、第三十八条の規定にかかわらず、予告しないで脱退することができる。ただし、その命令が効力を失つた日から三十日を経過した後は、この限りでない。
(事務の処理)
第六十四条 主務大臣は、第五十六条又は第五十七条の規定による命令をする場合において、その命令の円滑な実施を図るため特に必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、その命令に係る事務の一部はその命令に係る商工組合又は商工組合連合会若しくはその会員たる商工組合が処理すべき旨を定めることができる。
(手数料)
第六十五条 第五十六条又は第五十七条の規定による命令に基く登録、割当、検査その他の処分を受ける者は、省令で定めるところにより、その処分をするのに直接必要となる費用の額をこえない範囲内において省令で定める額の手数料を納付しなければならない。
(秘密保持義務)
第六十六条 次に掲げる者は、その職務に関して知得した秘密を漏らし、又は盗用してはならない。
一 第五十五条第一項の規定による命令に係る商工組合の役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者
二 第六十四条の規定により第五十六条若しくは第五十七条の規定による命令に係る事務を処理する組合の役員若しくは職員であつてその事務に従事するもの又はこれらの職にあつた者
第七節 監督
(主務大臣の命令)
第六十七条 主務大臣は、組合の業務若しくは会計が法令、定款、規約若しくは調整規程若しくは総合調整規程に違反し、若しくは組合の運営が著しく不当であると認めるとき、又は組合が正当な理由がないのに成立の日から一年以内に事業を開始せず、若しくは引き続き一年以上その事業を停止していると認めるときは、その組合に対し、期間を定めて必要な措置を採るべきことを命ずることができる。
(役員等の解任)
第六十八条 主務大臣は、第五十五条第一項の規定による命令に係る商工組合の役員若しくは監査員が法令、定款、規約若しくは調整規程に違反し、若しくは役員若しくは監査員たるに適しない非行をしたと認めるとき、又は第六十四条の規定により第五十六条若しくは第五十七条の規定による命令に係る事務を処理する組合の役員若しくは監査員であつてその事務に従事するものがその事務を不当に処理し、若しくは役員若しくは監査員たるに適しない非行をしたと認めるときは、これを解任することができる。
(商工組合等に対する解散の命令)
第六十九条 主務大臣は、商工組合が第九条又は第十二条に掲げる要件を欠くに至つたと認めるときは、その商工組合に対し、解散を命ずることができる。
2 主務大臣は、商工組合連合会が第十六条に掲げる要件を欠くに至つたと認めるとき、又はその会員たる商工組合が一となつたときは、その商工組合連合会に対し、解散を命ずることができる。
3 主務大臣は、組合が第六十七条の規定による命令に違反したとき、又は組合の地区、資格事業の種類その他の構成がその事業を行うのに適当でなくなつたと認めるときは、その組合に対し、解散を命ずることができる。
4 前三項の規定による解散の命令には、協同組合法第百六条の二(弁明の機会の供与)の規定を準用する。
(不服の申立)
第七十条 第五十五条第一項、第五十六条、第五十七条又は第五十八条の規定による命令又は第五十五条第一項の規定による命令に係る商工組合の調整規程に不服のある者は、その旨を記載した書面をもつて主務大臣に不服の申立をすることができる。
2 第五十五条第一項の規定による命令に係る商工組合が調整規程の実施のためにした行為又は第六十四条の規定により第五十六条若しくは第五十七条の規定による命令に係る事務を処理する組合がその事務の処理としてした行為に不服のある者は、その行為のあつたことを知つた日から三十日以内に、その旨を記載した書面をもつて主務大臣に不服の申立をすることができる。ただし、行為の日から六十日を経過したときは、不服の申立をすることができない。
(準用)
第七十一条 組合の監督については、協同組合法第百四条から第百五条の二まで(不服の申出等)の規定を準用する。この場合において、「行政庁」とあるのは「主務大臣」と、同法第百五条第一項中「総数の十分の一以上」とあるのは「総数の十分の一以上(商工組合連合会にあつては、議決権の総数の十分の一以上に当る議決権を有する会員)」と読み替えるものとする。
第八節 中小企業安定審議会並びに中央中小企業調停審議会及び都道府県中小企業調停審議会
(中小企業安定審議会)
第七十二条 通商産業省に、中小企業安定審議会を置く。
第七十三条 中小企業安定審議会(以下「安定審議会」という。)は、関係各大臣の諮問に応じ、組合の調整事業に関する重要事項を調査審議する。
2 主務大臣は、次の各号の一に該当する場合には、安定審議会に諮問しなければならない。
一 第十八条の規定により第五十五条第一項の規定による命令に係る商工組合の調整規程の変更の認可をしようとするとき。
二 第五十五条第一項、第五十六条、第五十七条又は第五十八条の規定による命令をしようとするとき。
第七十四条 安定審議会は、委員三十五人以内で組織する。
2 専門の事項を調査させるため、安定審議会に、専門委員を置くことができる。
第七十五条 安定審議会の委員及び専門委員は、関係行政機関の職員及び学識経験のある者のうちから、通商産業大臣が任命する。
第七十六条 安定審議会の委員の任期は、二年とする。ただし、欠員を生じた場合の補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
第七十七条 安定審議会に、会長を置く。
2 会長は、委員のうちから互選する。
3 会長は、会務を総理する。
第七十八条 安定審議会の委員及び専門委員は、非常勤とする。
第七十九条 安定審議会に、部会を置くことができる。
2 部会に部会長を置き、会長の指名する委員がこれに当る。
3 部会に属すべき委員は、会長が指名する。
4 安定審議会は、その定めるところにより、部会の決議をもつて安定審議会の決議とすることができる。
第八十条 前数条に定めるもののほか、安定審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、通商産業大臣が定める。
(中小企業調停審議会)
第八十一条 通商産業省に、中央中小企業調停審議会を置く。
2 都道府県は、第九十五条の政令で第三十条の規定による主務大臣の勧告の権限の全部又は一部が都道府県知事に委任されたときは、都道府県中小企業調停審議会を置くことができる。
第八十二条 中央中小企業調停審議会は関係各大臣の、都道府県中小企業調停審議会は都道府県知事の諮問に応じ、組合協約に関する重要事項を調査審議する。
第八十三条 中央中小企業調停審議会は会長一人及び委員九人以内で、都道府県中小企業調停審議会は会長一人及び委員六人以内で組織する。
第八十四条 中央中小企業調停審議会又は都道府県中小企業調停審議会(以下「調停審議会」と総称する。)の会長及び委員は、学識経験のある者のうちから、通商産業大臣又は都道府県知事が任命する。
第八十五条 調停審議会の会長及び委員の任期は、二年とする。ただし、欠員を生じた場合の補欠の会長又は委員の任期は、前任者の残任期間とする。
第八十六条 調停審議会の会長及び委員は、非常勤とする。
第八十七条 調停審議会の会長は、会務を総理する。
第八十八条 前数条に定めるもののほか、調停審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、通商産業大臣又は都道府県知事が定める。
第九節 雑則
(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の適用除外)
第八十九条 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号)の規定は、第十八条若しくは第三十二条の認可を受けた調整規程若しくは総合調整規程又は第二十八条第一項(第三十三条において準用する場合を含む。)の認可を受けた組合協約及びこれらに基いてする行為には、適用しない。ただし、次の各号の一に該当するときは、この限りでない。
一 不公正な取引方法を用いるとき、又は組合員に不公正な取引方法に該当する行為をさせるようにするとき。
二 次条第五項の規定による公示があつた後一月を経過したとき。(同条第四項の請求に応じ、主務大臣が第二十一条(第二十八条第三項(第三十三条において準用する場合を含む。)又は第三十三条において準用する場合を含む。)の規定による処分をした場合を除く。)
2 次条第四項の規定による請求が調整規程又は総合調整規程の定の一部について行われたときは、前項第二号の規定にかかわらず、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の規定は、その調整規程又は総合調整規程の定のうちその請求に係る部分以外の部分及びこれに基いてする行為には、適用しない。
3 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の規定は、組合が第十七条第二項(第三十三条において準用する場合を含む。)の規定に基いてする行為には、適用しない。ただし、不公正な取引方法を用いるとき、又は一定の取引分野における競争を実質的に制限することにより不当に対価を引き上げることとなるときは、この限りでない。
(公正取引委員会との関係)
第九十条 主務大臣は、第十七条第一項第二号、第四号、第六号若しくは第七号に掲げる制限に係る調整規程若しくは総合調整規程について第十八条若しくは第三十二条の認可をしようとするとき、又はその調整規程若しくは総合調整規程に係る組合協約について第二十八条第一項(第三十三条において準用する場合を含む。)の認可をしようとするときは、公正取引委員会の同意を得なければならない。
2 主務大臣は、第十八条、第二十八条第一項(第三十三条において準用する場合を含む。)若しくは第三十二条の認可をしようとするとき(前項に規定する場合を除く。)、又は第五十五条第一項、第五十六条若しくは第五十七条の規定による命令をしようとするときは、公正取引委員会に協議しなければならない。
3 主務大臣は、第二十一条(第二十八条第三項(第三十三条において準用する場合を含む。)又は第三十三条において準用する場合を含む。)又は第六十一条の規定による処分をしたときは、遅滞なく、その旨を公正取引委員会に通知しなければならない。
4 公正取引委員会は、組合が第十八条若しくは第三十二条の認可を受けた調整規程若しくは総合調整規程の内容が第十九条各号(第三十三条において準用する場合を含む。)に適合するものでなくなつたと認めるとき、又は組合が第二十八条第一項(第三十三条において準用する場合を含む。)の認可を受けた組合協約の内容が第二十八条第二項各号(第三十三条において準用する場合を含む。)に適合するものでなくなつたと認めるときは、主務大臣に対し、第二十一条(第二十八条第三項(第三十三条において準用する場合を含む。)又は第三十三条において準用する場合を含む。)の規定による処分をすべきことを請求することができる。
5 公正取引委員会は、前項の規定による請求をしたときは、その旨を官報に公示しなければならない。
(排除措置)
第九十一条 公正取引委員会は、商工組合の組合員又は商工組合連合会の会員たる商工組合の組合員であつて中小企業者以外のものが第十七条第二項(第三十三条において準用する場合を含む。)の事業を利用することが公共の利益に反して一定の取引分野における競争を実質的に制限し、又は制限するおそれがあると認めるときは、その組合員に対し、その事業の利用を禁止することができる。
2 前項の場合については、協同組合法第百八条及び第百九条(排除措置の手続等)の規定を準用する。
(報告の徴収)
第九十二条 主務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、政令で定めるところにより、組合、組合員たる資格を有する者、第二十九条第一項各号に掲げる者であつて同項の規定による申出を受けたもの又は第五十八条の規定による命令に係る生産の設備を設置している者に対し、その業務又は経理の状況に関し報告をさせることができる。
(立入検査)
第九十三条 主務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、その職員に、組合員たる資格を有する者又は第五十八条の規定による命令に係る生産の設備を設置している者の工場、事業場、事務所又は倉庫に立ち入り、業務若しくは経理の状況又は設備、製品若しくは原材料を検査させることができる。
2 主務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、その職員に、組合の事務所に立ち入り、業務又は経理の状況を検査させることができる。
3 前二項の規定により職員が立ち入るときは、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
4 第一項又は第二項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(主務大臣等)
第九十四条 この法律における主務大臣は、組合の資格事業を所管する大臣とする。ただし、第三十条の規定による勧告に関しては、その交渉の相手方の行う事業を所管する大臣(その交渉の相手方が特別の法律によつて設立された組合又はその連合会であるときは、その交渉の相手方の行う事業を所管する大臣及びその組合又は連合会を所管する大臣)及び組合の資格事業を所管する大臣とする。
2 第五十五条第四項に規定する行政庁は、都道府県知事とする。
3 主務大臣は、この法律の規定による命令、認可若しくはその取消又は勧告をしようとするときは、通商産業大臣に協議しなければならない。
(権限の委任)
第九十五条 この法律により主務大臣の権限に属する事項は、政令で定めるところにより、地方支分部局の長又は都道府県知事に行わせることができる。
第四章 組織変更
(事業協同組合への組織変更)
第九十六条 次の各号に適合する商工組合は、総会の議決を経て、その組織を変更し、事業協同組合になることができる。
一 第十七条第二項の事業を行つていること。
二 協同組合法第七条第一項又は第二項に掲げる小規模の事業者のみが組合員となつていること。
三 組合員の全部に出資をさせていること。
四 その商工組合について第五十五条第一項若しくは第五十六条の規定による命令がされ、又はその商工組合が会員となつている商工組合連合会について第五十七条の規定による命令がされていないこと。
2 前項の議決は、組合員の議決権の三分の二以上の多数をもつてしなければならない。
3 第一項の総会においては、定款及び事業計画の変更その他組織変更に必要な事項を定めなければならない。
4 総代会においては、第四十七条第二項において準用する協同組合法第五十五条第六項の規定にかかわらず、第一項の規定による組織変更について議決することができない。
5 理事は、第一項の総会の終了後遅滞なく、定款並びに事業計画、役員の氏名及び住所その他必要な事項を記載した書面を行政庁に提出して、組織変更の認可を受けなければならない。
6 前項の認可については、協同組合法第二十七条の二第四項(設立認可の基準)及び第百十一条(所管行政庁)の規定を準用する。
7 第一項の規定による組織変更は、主たる事務所の所在地において第九十九条第一項の規定による登記をすることによつてその効力を生ずる。
8 商工組合は、第一項の規定による組織変更をしたときは、遅滞なく、その旨を主務大臣に届け出なければならない。
(商工組合への組織変更)
第九十七条 次の各号に適合する事業協同組合は、総会の議決を経て、その組織を変更し、出資組合たる商工組合になることができる。
一 資格事業について第九条に掲げる事態が生じていること。
二 その地区が資格事業の種類の全部又は一部が同一である商工組合の地区と重複するものでないこと。(商店街組合になる事業協同組合の地区と商店街組合以外の商工組合の地区とが重複する場合及び商店街組合以外の商工組合になる事業協同組合の地区と商店街組合の地区とが重複する場合を除く。)
三 第十二条の要件を備えていること。
2 前項の規定による組織変更については、前条第二項から第八項までの規定を準用する。この場合において、同条第五項中「行政庁」とあるのは「主務大臣」と、同条第六項中「協同組合法第二十七条の二第四項」とあるのは「第四十二条第二項」と、同条第七項中「第九十九条第一項」とあるのは「第百条第一項」と、同条第八項中「主務大臣」とあるのは「行政庁」と読み替えるものとする。
(役員の改選)
第九十八条 商工組合が第九十六条第一項の規定により事業協同組合になつたとき、又は事業協同組合が前条第一項の規定により商工組合になつたときは、次条第一項又は第百条第一項の規定による登記をした日から九十日以内に、役員の全部の改選をしなければならない。
(組織変更の登記)
第九十九条 商工組合は、第九十六条第五項の認可があつた日から、主たる事務所の所在地においては二週間以内に、従たる事務所の所在地においては三週間以内に、商工組合については第五十四条において準用する協同組合法第八十八条の登記を、事業協同組合については協同組合法第八十三条第二項に規定する登記をしなければならない。
2 前項の場合において、商工組合についてする登記については、協同組合法第九十七条第一項及び第二項(解散の登記の申請)の規定を、事業協同組合についてする登記については、同法第九十三条第一項及び第二項並びに第九十四条(設立の登記の申請)の規定を準用する。
第百条 事業協同組合は、第九十七条第二項において準用する第九十六条第五項の認可があつた日から、主たる事務所の所在地においては二週間以内に、従たる事務所の所在地においては三週間以内に、事業協同組合については協同組合法第八十八条の登記を、商工組合については第四十八条第二項に規定する登記をしなければならない。
2 前項の場合において、事業協同組合についてする登記については、協同組合法第九十七条第一項及び第二項(解散の登記の申請)の規定を、商工組合についてする登記については、第五十一条第一項及び第二項並びに協同組合法第九十四条(従たる事務所の所在地における設立の登記の申請)の規定を準用する。
第五章 中小企業団体中央会
第百一条 中小企業団体中央会については、協同組合法の定めるところによる。
第六章 罰則
第百二条 組合の役員がいかなる名義をもつてするかを問わず、組合の事業の範囲外において、貸付をし、手形の割引をし、又は投機取引のために組合の財産を処分したときは、三年以下の懲役若しくは二十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。ただし、刑法(明治四十年法律第四十五号)に正条がある場合は、同法による。
第百三条 次の各号に掲げる者がその職務に関しわいろを収受し、又は要求し、若しくは約束したときは、三年以下の懲役に処する。よつて不正の行為をし、又は相当の行為をしないときは、七年以下の懲役に処する。
一 第五十五条第一項の規定による命令に係る商工組合の役員又は職員
二 第六十四条の規定により第五十六条又は第五十七条の規定による命令に係る事務を処理する組合の役員又は職員であつて、その事務に従事するもの
第百四条 前条各号に掲げる役員又は職員になろうとする者がその担当すべき職務に関し請託を受けてわいろを収受し、又は要求し、若しくは約束したときは、同条各号に掲げる役員又は職員となつた場合において、二年以下の懲役に処する。
2 前条各号に掲げる役員又は職員であつた者がその在職中に請託を受けて職務上不正の行為をし、又は相当の行為をしなかつたことに関しわいろを収受し、又は要求し、若しくは約束したときも、前項と同様とする。
第百五条 前二条の場合において、収受したわいろは、没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。
第百六条 第百三条又は第百四条に規定するわいろを供与し、又はその申込若しくは約束をした者は、三年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
2 前項の罪を犯した者が自首したときは、その刑を減軽し、又は免除することができる。
第百七条 第六十六条の規定に違反して、その職務に関して知得した秘密を漏らし、又は盗用した者は、一年以下の懲役又は三万円以下の罰金に処する。
第百八条 第五十六条、第五十七条又は第五十八条の規定による命令に違反した者は、三十万円以下の罰金に処する。
第百九条 第十八条又は第三十二条の認可を受けないで調整規程又は総合調整規程を実施した組合の理事は、十万円以下の罰金に処する。
第百十条 次の各号の一に該当する者は、三万円以下の罰金に処する。
一 第八条第三項の規定に違反した者
二 第十七条第五項(第三十三条において準用する場合を含む。)において準用する協同組合法第九条の三第四項において準用する倉庫業法第二十七条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
三 第二十二条(第二十八条第三項(第三十三条において準用する場合を含む。)又は第三十三条において準用する場合を含む。)の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
四 第七十一条において準用する協同組合法第百五条第二項の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
五 第九十二条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
六 第九十三条第一項又は第二項の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
第百十一条 第六十一条又は第六十七条の規定による命令に違反した組合の理事は、三万円以下の罰金に処する。
第百十二条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第百八条又は第百十条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その人又は法人に対して各本条の刑を科する。
第百十三条 次の各号に掲げる違反があつた場合は、その行為をした組合又は事業協同組合の役員又は清算人は、一万円以下の過料に処する。
一 この法律に定める登記を怠つたとき。
二 第九十六条第八項(第九十七条第二項において準用する場合を含む。)の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。
第百十四条 次の各号に掲げる違反があつた場合は、その行為をした組合の理事は、一万円以下の過料に処する。
一 この法律の規定に基いて組合が行うことができる事業以外の事業を行つたとき。
二 第十七条第三項(第三十三条において準用する場合を含む。)の規定に違反したとき。
第百十五条 不正の競争の目的で、登記された組合の名称と同一又は類似の名称を使用した者は、一万円以下の過料に処する。第八条第四項において準用する商法第二十一条第一項の規定に違反した者も、同様とする。
第百十六条 組合については、協同組合法第百十五条第三号から第十一号まで及び第十五号から第十八号までの規定を、出資組合については、同条第十二号から第十四号までの規定を準用し、これらの規定に掲げる違反については、組合の発起人、役員又は清算人は、一万円以下の過料に処する。
第百十七条 第九十一条第二項において準用する協同組合法第百八条において私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第四十条及び第四十六条の規定を準用する場合の違反については、同法第九十四条及び第九十四条の二の規定を準用する。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律(以下「新法」という。)は、公布の日から起算して六月をこえない範囲内で政令で定める日から施行する。
(中小企業安定法の廃止)
第二条 中小企業安定法(昭和二十七年法律第二百九十四号。以下「旧安定法」という。)は、廃止する。
(商工組合等への移行)
第三条 旧安定法による調整組合又は調整組合連合会であつて、新法の施行の際現に存するものは、新法の施行の日においてそれぞれ新法による商工組合又は商工組合連合会になつたものとみなす。
第四条 旧安定法による調整組合又は調整組合連合会の役員であつて、新法の施行の際現にその職にあるものは、新法の施行の日においてそれぞれ新法による商工組合又は商工組合連合会の役員となつたものとみなす。
2 前項の規定により新法による商工組合又は商工組合連合会の役員となつたものとみなされた者の任期は、それぞれその者が旧安定法による調整組合又は調整組合連合会の役員となつた日から起算する。
第五条 附則第三条の規定により新法による商工組合又は商工組合連合会になつたものとみなされた調整組合又は調整組合連合会は、新法の施行の日から三月以内に必要な定款の変更につき第四十七条第二項において準用する協同組合法第五十一条第二項の認可の申請をしなければならない。
2 主務大臣は、前項の調整組合又は調整組合連合会が同項の期間内に同項の申請をしなかつたときは、その調整組合又は調整組合連合会に対し、解散を命じなければならない。
3 第一項の調整組合又は調整組合連合会は、前項の規定による解散の命令によつて解散する。
4 前項の場合については、協同組合法第八十八条(解散の登記)及び第九十七条第三項(解散の登記の嘱託)の規定を準用する。この場合において、同項中「行政庁」とあるのは、「主務大臣」と読み替えるものとする。
5 第一項の調整組合又は調整組合連合会については、第八条第一項の規定は、第一項の定款の変更につき第四十七条第二項において準用する協同組合法第五十一条第二項の認可があるまでは、適用しない。
第六条 新法の施行前に前条第一項の調整組合又は調整組合連合会について旧安定法により調整組合登記簿又は調整組合連合会登記簿に登記された事項は、新法の施行の日においてそれぞれ新法により商工組合登記簿又は商工組合連合会登記簿に登記されたものとみなす。
(名称)
第七条 新法の施行の際現にその名称中に商工組合、工業組合若しくは商業組合又は商工組合連合会、工業組合連合会若しくは商業組合連合会という文字を用いている者は、新法の施行後三月以内にその名称を変更しなければならない。
2 第八条第三項の規定は、前項の期間内は、同項に規定する者には、適用しない。
(処分等の効力)
第八条 新法の施行前に旧安定法の規定によつてした処分、手続その他の行為は、新法中これに相当する規定があるときは、新法の規定によつてしたものとみなす。
(旧安定法の効力に関する経過規定)
第九条 旧安定法第二十九条第一項若しくは第二項又は第二十九条の二の規定による命令については、同法は、附則第三条の規定にかかわらず、新法の施行の日から一月間は、なおその効力を有する。
第十条 繊維工業設備臨時措置法(昭和三十一年法律第百三十号)第三十条第三項及び第三十一条第二項の適用については、旧安定法は、新法の施行後も、なおその効力を有する。
(協同組合法の改正)
第十一条 協同組合法の一部を次のように改正する。
目次中「中小企業等協同組合中央会」を「中小企業団体中央会」に改める。
第三章の章名を次のように改める。
第三章 中小企業団体中央会
第七十条を次のように改める。
(種類)
第七十条 中小企業団体中央会(以下「中央会」という。)は、都道府県中小企業団体中央会(以下「都道府県中央会」という。)及び全国中小企業団体中央会(以下「全国中央会」という。)とする。
第七十二条第一項第一号中「中小企業等協同組合中央会」を「中小企業団体中央会」に改め、同項第二号中「全国中小企業等協同組合中央会」を「全国中小企業団体中央会」に改める。
第七十四条第一項第一号中「組合」の下に「、商工組合及び商工組合連合会(以下「組合等」という。)」を、「指導」の下に「並びに連絡」を加え、同項第二号から第四号までの規定中「組合」を「組合等」に改め、同項第五号中「組合」を「組合等及び中小企業」に改め、同条第二項中「組合及び中央会」を「組合等、中央会及び中小企業」に改める。
第七十五条第一項第一号の次に次の一号を加える。
一の二 組合等の連絡
第七十五条第一項第二号及び第三号中「組合」を「組合等」に改め、同項第四号中「組合及び都道府県中央会」を「組合等、都道府県中央会及び中小企業」に改める。
第七十六条第一項第一号及び第二項第二号中「組合」を「組合等」に改める。
第八十一条第二項及び第八十二条の十二中「組合」を「組合等」に改める。
第九十二条第二項中「中小企業等協同組合中央会登記簿」を「中小企業団体中央会登記簿」に改める。
第十二条 協同組合法による中小企業等協同組合中央会であつて、新法の施行の際現に存するものは、新法の施行の日において改正後の協同組合法による中小企業団体中央会になつたものとみなす。
2 前項の場合については、附則第四条から第六条までの規定を準用する。
(罰則の経過規定)
第十三条 新法の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
2 附則第九条の規定により旧安定法がなおその効力を有する間にした行為に対する罰則の適用については、同法は、同条に規定する期間の経過後も、なおその効力を有する。
(内閣総理・法務・大蔵・厚生・農林・通商産業・運輸・建設大臣署名)