農業災害補償法の一部を改正する法律

法律第九十五号(昭三〇・七・二九)

 農業災害補償法(昭和二十二年法律第百八十五号)の一部を次のように改正する。

 第十三条の二中「死亡廃用共済」を「死廃病傷共済」に、「最低の共済掛金」を「共済掛金の死亡(とさつによる死亡を除く。以下同じ。)及び廃用による損害に対応する部分」に改める。

 第四十五条の二第一項第一号中「役員又は」を削り、同項第二号及び第三号を次のように改める。

 二 清算人の選任

 三 解散の議決

 第八十三条第二項中「死亡廃用共済、疾病傷害共済」を「死廃病傷共済」に改める。

 第八十四条第一項中「死亡廃用共済にあつては第三号、疾病傷害共済にあつては第四号、生産共済にあつては第五号」を「死廃病傷共済にあつては第三号、生産共済にあつては第四号」に改め、同項第三号中「死亡(屠殺に因る死亡を除く。)及び廃用」を「死亡、廃用、疾病及び傷害」に改め、同項第四号を削り、同項第五号中「屠殺に因る死亡を除き、」を削り、同号を同項第四号とし、同条第二項中「第五号」を「第四号」に改める。

 第百十一条第一項中「死亡廃用共済」を「死廃病傷共済」に改める。

 第百十一条の二中「左の各号の一に該当する場合その他正当な理由がある場合」を「その申込が死廃病傷共済に付していない母畜の胎児についての生産共済の申込である場合(その申込と同時に当該母畜について死廃病傷共済の申込がある場合を除く。)及び省令で定める正当な理由がある場合」に改め、各号を削る。

 第百十二条第二項中「死亡廃用共済及び疾病傷害共済」を「死廃病傷共済」に改める。

 第百十三条第一項中「死亡廃用共済」を「死廃病傷共済」に改め、同条第二項中「死亡廃用共済関係」を「死廃病傷共済関係」に改める。

 第百十四条第一項第一号中「死亡廃用共済」を「死廃病傷共済」に改め、同項第二号を削り、同項第三号を同項第二号とする。

 第百十五条を次のように改める。

第百十五条 死廃病傷共済の共済掛金率は、共済目的の種類ごとに、左の各号の率を合計した率とする。

 一 死亡及び廃用による損害並びに疾病及び傷害による損害のうち次号の診療技術料等以外のものに対応する共済掛金標準率甲を下らない範囲内において定款で定める率

 二 疾病及び傷害による損害のうち診療に要する費用で省令で定めるもの(以下診療技術料等という。)に対応する共済掛金標準率乙を下らず、主務大臣の定める率をこえない範囲内において定款で定める率

  生産共済の共済掛金率は、共済目的の種類ごとに、共済事故による損害に対応する共済掛金標準率を下らない範囲内において定款で定める率とする。

  第一項第一号の共済掛金標準率甲、同項第二号の共済掛金標準率乙及び前項の共済掛金標準率は、共済目的の種類ごとに、省令で定める一定年間における地域別の被害率を基礎として、主務大臣が当該地域別に定める。

  前項の標準率は、四年ごとに一般に改訂する。

  死廃病傷共済に付した家畜で、その共済金額が主務大臣の定める金額をこえるもの及び主務大臣の定める区域内に住所を有する組合員が所有し、又は管理するものに係る共済掛金率については、第一項の規定にかかわらず、省令で定めるところにより、同項第一号の共済掛金標準率甲又は同項第二号の共済掛金標準率乙を下る率を、それぞれ同項第一号の率又は同項第二号の率として定めることができる。

 第百十六条第一号中「家畜共済」を「死廃病傷共済」に改め、同項第一号中「死亡廃用共済にあつては、共済事故」を「死亡又は廃用により支払うものにあつては、当該共済事故」に改め、同項第二号中「疾病傷害共済にあつては、共済事故」を「疾病又は傷害により支払うものにあつては、当該共済事故」に、「農業共済組合が、命令の定めるところにより、定款で定める支払割合を乗じて得た額」を「相当する金額」に改め、同項第三号を削り、同条に次の一項を加える。

  生産共済に係る共済金は、胎児にあつては共済金額の全額、出生した牛及び馬にあつては第一項第一号の規定の例により算定した金額とする。

 第百十七条中「疾病傷害共済に係る共済事故」を「死廃病傷共済に付した家畜につき疾病又は傷害の共済事故」に改める。

 第百十九条中「屠殺したとき」を「とさつしたとき」に改める。

 第百二十四条中「共済掛金率」の下に「(次条第一項第二号ロの金額の保険金を支払うものについては、第百十五条第一項第一号の率)」を加える。

 第百二十五条第一項第二号を次のように改める。

 二 家畜共済のうち、死廃病傷共済にあつてはイ又はロの金額、生産共済にあつてはイの金額

  イ 組合員が支払うべき共済金に相当する金額

  ロ 死亡又は廃用により支払うものにあつては組合員が支払うべき共済金に相当する金額、疾病又は傷害により支払うものにあつては組合員が支払うべき共済金のうち省令で定めるところにより当該共済事故による損害で診療技術料等以外のものに応じて算定される金額

 第百二十五条第二項中「前項第二号」を「第一項第二号」に改め、同条第一項の次に次の一項を加える。

  死廃病傷共済に係る保険関係において、農業共済組合連合会が支払うべき保険金の額を前項第二号イの金額又は同号ロの金額のどちらの額とするかは、当該農業共済組合連合会と当該農業共済組合とが、その保険関係の成立の時までに協議して定めるものとし、その時までにその協議がととのわないときは、同号ロの金額をもつて当該農業共済組合連合会の支払うべき保険金の額とする。

 第百二十六条第一項中「疾病傷害共済に係る共済事故」を「死廃病傷共済に付した家畜につき疾病又は傷害の共済事故」に改める。

   附 則

1 この法律は、昭和三十年十月一日から施行する。ただし、第四十五条の二第一項の改正規定は、公布の日から施行する。

2 この法律の施行の際現に存する死亡廃用共済又は疾病傷害共済の共済関係、保険関係及び再保険関係については、この法律の施行の時の属する共済掛金期間の満了の時(疾病傷害共済の共済関係、保険関係及び再保険関係については、当該共済目的たる家畜に係る死亡廃用共済のこの法律の施行の時の属する共済掛金期間の満了の時)又は当該共済目的たる家畜について死廃病傷共済の共済責任が始まる時のどちらか早い時までは、なお従前の例による。

3 前項の死亡廃用共済又は疾病傷害共済の共済関係が死廃病傷共済の共済責任の開始により消滅したときは、そのまだ経過しない期間に対する共済掛金は、払いもどさなければならない。

4 前項の場合には、農業共済組合連合会又は政府は、まだ経過しない期間に対する保険料又は再保険料を、それぞれ当該農業共済組合又は当該農業共済組合連合会に払いもどさなければならない。

5 第三項又は前項の規定により払いもどすべき共済掛金、保険料又は再保険料は、改正後の農業災害補賞法の規定により払い込むべき共済掛金、保険料又は再保険料とそれぞれ相殺することができる。

6 農業災害補償法第百十三条第一項各号の一に該当するに至る時から起算して二年以上前から死亡廃用共済関係が継続している家畜(死亡廃用共済関係に引き続き農業災害補償法に基く家畜共済の臨時特例に関する法律(昭和二十八年法律第二百四十四号)に基く死廃病傷共済関係が継続している家畜を含む。)は、同項の規定にかかわらず、死廃病傷共済に付することができる。

7 農業災害補償法に基く家畜共済の臨時特例に関する法律の失効の際現に存する同法に基く死廃病傷共済の共済関係、保険関係及び再保険関係については、同法の失効の時の属する共済掛金期間の満了の時までは、なお従前の例による。

8 国庫は、当分の間、予算の範囲内で、政令で定めるところにより、第百十一条第一項の議決があつた農業共済組合に対し、その行う牛及び馬の死廃病傷共済の共済掛金率の基礎となつた被害率のうち死亡及び廃用による損害に対応する部分の率が、従前の一定年間における牛及び馬の死亡廃用共済の平均被害率に比して低下したときは、その低下した割合に応じて算出される金額の補助金を交付することができる。

9 前項の規定による補助金に相当する金額は、毎年度予算で定めるところにより、一般会計から農業共済再保険特別会計に繰り入れる。

10 農業共済再保険特別会計法(昭和十九年法律第十一号)の一部を次のように改正する。

  第二十一条中「農業災害補償法に基く家畜共済の臨時特例に関する法律(昭和二十八年法律第二百四十四号)第七条」を「農業災害補償法の一部を改正する法律(昭和三十年法律第九十五号)附則第八項」に改める。

(大蔵・農林・内閣総理大臣署名) 

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