租税特別措置法の一部を改正する法律

法律第六十二号(昭二六・三・三〇)

 租税特別措置法(昭和二十一年法律第十五号)の一部を次のように改正する。

 第一条中「所得税、」の下に「法人税、」を加え、「、砂糖消費税」を削る。

 第二条の次に次の一条を加える。

第二条の二 所得税法第一条第一項に規定する者が、同法の施行地において支払を受ける公債、社債若しくは銀行預金その他命令で定める預金の利子又は命令で定める合同運用信託の利益については、同法第九条第一項第一号及び第十三条の規定にかかわらず、命令で定める手続により納税義務者がした申告により、他の所得とこれを区分し、利子又は利益の支払の際、その利子又は利益の金額に対し、百分の五十の税率を適用して所得税を課することができる。

  前項の規定による所得税は、その利子又は利益の支払の際、支払者においてこれを徴収し、その徴収の日の属する月の翌月十日までに、政府に納付しなければならない。

  所得税法の適用については、前項の規定により徴収して納付すべき所得税は、同法第三十七条の規定により徴収して納付すべき所得税と、前項の納付の期限は、同法第三十七条に規定する納付の期限とみなし、同法第六十九条の二の規定並びに同法第七十二条及び第七十四条の規定(同法第六十九条の二の規定に係る部分に限る。)の適用については、前項の規定により徴収せらるべき所得税は、同法第三十七条の規定により徴収せらるべき所得税とみなす。

 第五条の四の次に次の四条を加える。

第五条の五 所得税法第二十六条の四第一項の規定による青色申告書を提出する個人が、昭和二十六年一月一日以後、日本経済の再建に資する機械その他の設備及び船舶で命令で定めるもの(以下本条中機械等という。)のうちその製作後事業の用に供されたことのないものを取得し、又は機械等を製作して、これを事業の用に供したときは、当該機械等については、その事業の用に供した日以後三年間、同法第十条第二項の規定にかかわらず、当該機械等について同法の規定により総収入金額から控除されるべき減価償却費の額で当該期間に係るものの百分の百五十に相当する金額を同法第九条第一項第三号又は第四号に規定する所得の計算上必要な経費に算入する。

  法人税法第二十五条第一項の規定による青色申告書を提出する法人が、昭和二十六年四月一日以後終了する事業年度開始の日以後、機械等でその製作後事業の用に供されたことのないものを取得し、又は機械等を製作して、これを事業の用に供した場合においては、当該機械等については、その事業の用に供した日以後三年間、同法第九条第七項及び同法第九条の八の規定にかかわらず、その事業の用に供した日以後三年内の日を含む各事業年度における当該機械等の償却額で当該期間に係るもののうち、同法に基く命令の規定により当該事業年度の所得の計算上損金に算入されるべき当該期間に係る償却額の百分の百五十に相当する金額は、当該事業年度の同法による所得の計算上、これを損金に算入する。

  前項の規定の適用を受ける法人の機械等を事業の用に供した日以後三年内の日を含む各事業年度における当該機械等の償却額(事業年度の終了の日が当該期間内に属さない事業年度の償却額にあつては、当該事業年度のうち当該期間に属さない期間に係る法人税法に基く命令の規定により当該事業年度の所得の計算上損金に算入されるべき償却額をこえる額に限る。)の合計額が同法に基く命令の規定により当該事業年度の所得の計算上損金に算入されるべき前項に規定する期間に係る当該機械等の償却額(以下本条中普通償却限度額という。)の百分の百五十に相当する金額(以下本条中特別償却限度額という。)に満たない場合において、当該機械等が事業の用に供された日以後三年を経過した日から二年内の日を含む各事業年度における当該機械等の償却額が同法に基く命令の規定により当該事業年度の所得の計算上損金に算入される償却額をこえる額の償却をしたときは、そのこえる償却額のうち当該不足金額又は当該機械等の特別償却限度額から普通償却限度額を控除した額のうちいずれか低い額の範囲内で命令で定める金額に相当する金額は、当該事業年度の同法による所得の計算上、これを損金に算入する。

  前三項の規定は、所得税法第二十一条、第二十二条、第二十六条、第二十六条の二若しくは第二十九条又は法人税法第十八条から第二十一条までの規定による申告書に前三項の規定により必要な経費又は損金に算入される金額についてのその算入に関する申告の記載がない場合には、これを適用しない。

第五条の六 法人税法第十七条第一項第二号に掲げるその他の法人に対しては、各事業年度の積立金に対する法人税を課さない。

第五条の七 法人税法第十七条第一項第二号に掲げる同族会社に対しては、同法第十七条の規定にかかわらず、各事業年度の積立金の金額のうち年五十万円をこえる金額について、百分の五の税率により、各事業年度の積立金に対する法人税を課する。

第五条の八 金融機関が銀行等の債券発行等に関する法律第十三条第一項又は第十四条第一項の規定(第十七条第二項において準用する場合を含む。)により利益又は剰余金から優先株式又は優先出資に対する配当をしたときは、当該配当の金額は、法人税法による当該利益又は剰余金の生じた事業年度の所得の計算上、これを損金に算入する。

 第十一条を削り、第十二条を第十一条とする。

   附 則

1 この法律は、昭和二十六年四月一日から施行する。

2 改正後の租税特別措置法(以下「法」という。)第二条の二の規定は、昭和二十六年四月一日以後に支払を受くべき利子(無記名の公債及び社債の利子については、同日以後に支払を受けた金額)及び利益について適用する。

3 法第五条の五第一項及び第四項(所得税に関する部分に限る。)の規定は、個人の昭和二十六年分の所得税から適用する。

4 法第五条の五第二項から第四項まで(法人税に関する部分に限る。)の規定は、法人の昭和二十六年四月一日以後終了する事業年度分の所得に対する法人税から、法第五条の六及び第五条の七の規定は、法人の昭和二十六年四月二日以後開始する事業年度分の積立金に対する法人税から、法第五条の八の規定は、法人の昭和二十六年三月三十一日以後終了する事業年度分の所得に対する法人税から適用する。

5 この法律施行後法第五条の六の規定の適用を受ける法人が法人税法(昭和二十二年法律第二十八号)第十九条の規定による申告書を政府に提出する場合において、同条に規定する前事業年度の法人税額のうちに各事業年度の積立金に対する法人税額があるときは、前事業年度の法人税額から当該各事業年度の積立金に対する法人税額を控除した税額をもつて前事業年度の法人税額とする。

6 この法律施行の際、砂糖、糖蜜又は糖水(砂糖消費税法(明治三十四年法律第十三号)第三条各号に掲げる砂糖、糖蜜又は糖水をいう。以下同じ。)の製造場及び保税地域以外の場所において、同一人が、この法律施行前に輸入(関税法(明治三十二年法律第六十一号)第百四条の規定により外国とみなす地域からの輸入を含む。)した砂糖又はこれを原料として製造した砂糖、糖蜜若しくは糖水で改正前の租税特別措置法第十一条第一項又は第二項の規定により砂糖消費税を課せられなかつたもの(以下「輸入砂糖等」という。)を各種類を通じて合計二百斤以上所持する場合においては、その者が、この法律施行の日にこれを製造場から引き取つたものとみなして、砂糖消費税を課する。この場合においては、その税額が一万円以下のときは、昭和二十六年四月三十日限り、一万円をこえるときは、左の区分によりその税額を各月に等分して、その月末限り徴収する。

税額一万円をこえるとき

昭和二十六年四月及び五月

税額五万円をこえるとき

同年四月から六月まで

税額十万円をこえるとき

同年四月から七月まで

7 前項の規定に該当する者は、その所持する輸入砂糖等の種類、種別、数量及び貯蔵の場所を、この法律施行後一月以内に、その貯蔵場所の所轄税務署長(以下「所轄税務署長」という。)に申告しなければならない。

8 油糧砂糖配給公団が第六項の規定に該当する者である場合において所轄税務署長の承認を受けたときは、同項の規定にかかわらず、同公団が所持する輸入砂糖等の貯蔵の場所からその輸入砂糖等を引き取るときに当該引取人からその砂糖消費税を徴収することができる。

9 油糧砂糖配給公団は、前項の承認を受けようとするときは、この法律施行後一月以内に、その旨並びにその所持する輸入砂糖等の種類、種別、数量及び貯蔵の場所を記載した申請書を所轄税務署長に提出しなければならない。

10 第八項の規定により所轄税務署長の承認を受けた輸入砂糖等を貯蔵の場所から引き取ろうとする者は、その引き取ろうとする輸入砂糖等の引取の日時、種類、種別、数量及び貯蔵の場所を記載した引取申告書を所轄税務署長に提出しなければならない。

11 第六項の規定に該当する者で、輸入砂糖等を砂糖消費税法第五条第一項に規定する目的のため又は同法第十一条第一項に規定する用に供するため所持するものが所轄税務署長の承認を受けた場合においては、その輸入砂糖等は、第六項の規定にかかわらず、当該承認を受けた時において同法第五条第一項又は第十一条第一項の規定による承認を受けて引き取つたものとみなす。

12 前項の承認を受けようとする者は、この法律施行後一月以内に、その旨並びにその所持する輸入砂糖等の種類、種別、数量、用途及び貯蔵の場所を記載した申請書を所轄税務署長に提出しなければならない。

(大蔵・内閣総理大臣署名) 

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