住民登録法

法律第二百十八号(昭二六・六・八)

目次

第一章 総則(第一条・第二条)

第二章 住民票(第三条―第十条)

第三章 戸籍の附票(第十一条―第十八条)

第四章 届出(第十九条―第二十五条)

第五章 雑則(第二十六条―第三十三条)

 附則

   第一章 総則

 (目的)

第一条 この法律は、市町村においてその住民を登録することによつて、住民の居住関係を公証し、その日常生活の利便を図るとともに、常時人口の状況を明らかにし、各種行政事務の適正で簡易な処理に資することを目的とする。

 (登録事務の処理)

第二条 市町村は、住民登録に関する事務を処理する。

第二章 住民票

 (作製)

第三条 住民票は、市町村の区域内に住所を有する者について、世帯を単位として作製するものとする。

 (記載事項)

第四条 住民票には、左の事項を記載する。

一 氏名

二 出生の年月日

三 男女の別

四 世帯主についてはその旨、世帯主でない者については世帯主との続柄

五 戸籍の表示。但し、本籍のない者及び本籍の明らかでない者については、その旨

六 住所

七 住所を定めた年月日

八 一の市町村の区域から他の市町村の区域に住所を変更した者については、従前の住所

 (記載等の原由)

第五条 住民票の記載若しくは削除又はその記載の更正は、届出によつてし、届出がない場合及び届出を要しない場合には、職権でする。

 (記載)

第六条 市町村の区域内で世帯を設けた者があるときは、その世帯の住民票を作製しなければならない。

2 一の世帯について住民票を作製した後にその世帯に入つた者があるときは、その住民票にその者に関する記載をしなければならない。

3 住所地の変更があつたときは、新住所地の市町村は、前二項の規定による手続をした後遅滞なくその旨を従前の住所地の市町村に通知しなければならない。

 (削除)

第七条 一の世帯に属する者の全部又は一部が住所地を変更したとき、死亡したとき、その他世帯に属する者の全部又は一部を住民票から除くべき事由があるときは、その住民票の全部又は一部を削除しなければならない。

2 住所地の変更があつた場合には、前項の規定による手続は、前条第三項の通知を受けた後にしなければならない。

 (更正)

第八条 住民票に記載した事項に変更を生じたとき又は住民票の記載に錯誤若しくは遺漏があるときは、その記載を更正しなければならない。

 (戸籍の届出等に基く通知)

第九条 住所地以外の市町村長は、戸籍に関する届書、申請書その他の書類を受理し、又は職権で戸籍の記載をした場合に、住所地において住民票の記載若しくは削除又はその記載の更正をすべきときは、遅滞なく当該事項を住所地の市町村に通知しなければならない。

 (閲覧、謄本、抄本、証明)

第十条 何人でも、住民票の閲覧又はその謄本若しくは抄本の交付を請求することができる。謄本若しくは抄本の記載事項に変更がないことの証明又は住民票に記載した事項に関する証明についても、同様である。

2 謄本は、特別の請求がない限り、住民票から除かれた者に関する記載の謄写を省略して作ることができる。

第三章 戸籍の附票

 (作製)

第十一条 戸籍の附票は、市町村の区域内に本籍を有する者について、その戸籍を単位として作製するものとする。

 (記載事項)

第十二条 附票には、戸籍の表示の外、左の事項を記載する。

一 氏名

二 住所

三 住所を定めた年月日

 (記載等の原由)

第十三条 附票の記載、若しくは削除又はその記載の更正は、職権でする。

 (記載)

第十四条 あらたに戸籍が編製されたときは、その戸籍の附票を作製しなければならない。

2 一の戸籍の附票を作製した後にその戸籍に入つた者があるときは、その附票にその者に関する記載をしなければならない。

 (削除)

第十五条 一の戸籍に在る者の全部又は一部がその戸籍から除かれたときは、その戸籍の附票の全部又は一部を削除しなければならない。

 (住民票の記載等に基く通知)

第十六条 住所地の市町村は、住民票の記載又はその記載の更正をした場合に、本籍地において附票の記載を更正すべきときは、遅滞なく当該事項を本籍地の市町村に通知しなければならない。

2 前項の規定により通知を受けた事項が戸籍の記載と合わないときは、本籍地の市町村は、遅滞なくその旨を住所他の市町村に通知しなければならない。

 (本籍転属の場合の通知)

第十七条 本籍が一の市町村から他の市町村に転属したときは、原籍地の市町村は、附票の記載事項を新本籍地の市町村に通知しなければならない。

 (住民票の規定の準用)

第十八条 第八条及び第十条の規定は、附票に準用する。

第四章 届出

 (届出人)

第十九条 届出は、世帯主がしなければならない。

2 世帯主が届出をすることができないときは、これに代つて世帯を管理する者が届出をしなければならない。

3 前二項の規定による届出義務者が届出をすることができないときは、本人が届出をしなければならない。

 (届出地)

第二十条 届出は、本人の住所地でしなければならない。

 (届書の記載事項)

第二十一条 届書には、本人の氏名及び届出の年月日を記載し、届出人又はその代理人がこれに署名し、印を押さなければならない。

 (転入届)

第二十二条 あらたに市町村の区域内に住所を定めた者については、住所を定めた日から十四日内に転入届をしなければならない。但し、出生の場合は、この限りでない。

2 届書には、第四条に規定する事項を記載しなければならない。

 (転居届)

第二十三条 一の市町村の区域内で住所を変更した者については、新住所を定めた日から十四日内に転居届をしなければならない。

2 届書には、新住所の外従前の住所及び新住所を定めた年月日を記載しなければならない。

 (変更届)

第二十四条 前二条の場合を除く外、住民票に記載した事項に変更を生じたときは、その日から十四日内に変更届をしなければならない。但し戸籍に関する届書、申請書その他の書類の受理又は職権による戸籍の記載に基いて住民票の削除又はその記載の更正をすべき場合及び行政区画、土地の名称又は地番号に変更があつた場合は、この限りでない。

2 届書には、変更した事項及び変更の年月日を記載しなければならない。

 (国外移住届)

第二十五条 国外に移住する目的で住所を去る者については、あらかじめ国外移住届をしなければならない。

2 届書には、移住先を記載しなけれはならない。

   第五章 雑則

 (特別市等の特例)

第二十六条 この法律の適用に関しては、特別市又は地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第百五十五条第二項の市の区の区域は、市の区域とみなし、その区域内における住民登録に関する事務は、区長が掌理する。

 (適用の除外)

第二十七条 この法律は、外国人登録令(昭和二十二年勅令第二百七号)により登録すべき者その他政令で定める者については、適用しない。

 (勧告又は助言)

第二十八条 法務総裁は、市町村に対し、住民登録事務の取扱に関して必要な勧告をし、又は助言をすることができる。

 (報告)

第二十九条 国の行政機関は、都道府県知事又は市町村に対し、都道府県知事は、市町村に対し、それぞれその所掌事務について必要があるときは、住民票の記載事項に関して報告を求めることができる。

 (事実の調査)

第三十条 市町村の当該吏員は、住民登録の正確な実施を図るため、第四条に規定する事項について、事実に反することを疑うに足りる相当な理由があるときは、事実の調査をすることができる。

2 前項の調査のため、必要があるときは、当該吏員は、関係人に対し質問をし、又は文書の呈示を求めることができる。

3 市町村の事務所外で前項の行為をするときは、当該吏員は、その身分を示す証票を携帯し、関係人に呈示しなければならない。

 (罰則)

第三十一条 正当な理由がなくて期間内にすべき届出をしない者は、五百円以下の過料に処する。

2 過料の裁判は、簡易裁判所がする。

第三十二条 第三十条第二項の規定による質問に対し陣述を拒み、忌避し、若しくは虚偽の陳述をし、又は文書の呈示を拒み、妨げ、忌避し、若しくは虚偽の文書を呈示した者は、五万円以下の罰金に処する。

 (政令への委仕)

第三十三条 この法律に定めるものの外、住民登録事務の処理に関し必要な事項は、政令で定める。

   附 則

 この法律の施行期日は、昭和二十七年七月一日までの間において、政令で定める。

(内閣総理大臣・法務総裁署名) 

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