法人税法の一部を改正する法律

法律第七十二号(昭二五・三・三一)

 法人税法(昭和二十二年法律第二十八号)の一部を次のように改正する。

 法人税法目次中「第五章 納付」を「第五章 納付及び還付」に、「第六章 課税標準の更正及び決定」を「第六章 更正及び決定」に改め、「第七章 同族会社に関する課税の特例」を削り、「第八章 審査、訴願及び訴訟」を「第七章 再調査、審査及び訴訟」に改め、第九章を第八章とし、第十章を第九章とする。

 第二条中「この法律の施行地に本店又は主たる事務所を有する法人」を「前条第一号に掲げる法人(以下内国法人という。)」に改め、「所得の全部」の下に「及び積立金」を加え、「この法律の施行地に本店又は主たる事務所を有しない法人でこの法律の施行地に資産又は事業を有するもの」を「同条第二号に掲げる法人(以下外国法人という。)」に改める。

 第三条中「合併後存続する法人又は合併に因り設立した法人」を「合併法人(合併後存続する法人又は合併に因り設立した法人をいう。以下同じ。)」に、「合併に因り消滅した法人」を「被合併法人(合併に因り消滅した法人をいう。以下同じ。)」に、「所得」を「前条の所得又は積立金」に改める。

 第四条及び第五条を次のように改める。

第四条 法人税は、左に掲げる法人には、これを課さない。

 一 都道府県、市町村及び命令で定めるその他の公共団体

 二 法令による公団、日本専売公社、日本国有鉄道、国民金融公庫及び復興金融金庫

 三 持株会社整理委員会、閉鎖機関整理委員会及び船舶運営会

 四 大日本育英会及び社会保険診療報酬支払基金

 五 国民健康保険組合及び同連合会並びに健康保険組合及び同連合会

第五条 左に掲げる法人の所得で収益事業から生じた所得以外の所得に対しては、各事業年度の所得に対する法人税は、これを課さない。

 一 民法第三十四条の規定により設立した法人、宗教法人並びに学校法人及び私立学校法第六十四条第四項の規定により設立した法人

 二 弁護士会及び日本弁護士連合会、弁理士会並びに税務代理士会

 三 法人たる労働組合及び国家公務員法に基く法人たる国家公務員の組合その他の団体

 四 漁船保険組合、農業共済組合及び同連合会並びに国家公務員共済組合及び同連合会

 五 牧野組合、住宅組合、海外移住組合及び同連合会並びに負債整理組合

 六 損害保険料率算出団体及び家畜登録協会

  前項各号に掲げる法人は、同項の収益事業から生ずる所得に関する経理は、収益事業以外の事業から生ずる所得に関する経理と区分して、これを行わなければならない。

  第一項の収益事業の範囲は、命令でこれを定める。

第五条の二 法人の清算中の各事業年度において生じた所得に対しては、各事業年度の所得に対する法人税は、これを課さない。

第五条の三 第五条第一項各号に掲げる法人の積立金に対しては、各事業年度の積立金に対する法人税は、これを課さない。

 第六条第一項中「(清算中の事業年度を除く。以下同じ。)」を削り、「普通所得」を「所得」に改め、同条第二項中「普通所得」を「所得」に改める。

 第七条第一項中「又は定款に定める事業年度」を「、定款、寄附行為、規則若しくは規約に定める事業年度その他これに準ずる期間又は第二項の規定により政府に申告し若しくは政府が指定した期間」に改め、同項の次に次の二項を加える。

  法令、定款、寄附行為、規則又は規約で事業年度その他これに準ずる期間を定めていない法人は、その設立の日又は外国法人となつた日から二箇月以内に、事業年度その他これに準ずる期間を定めて政府に申告しなければならない。その申告がないときは、政府は、その事業年度その他これに準ずる期間を指定し、これを通知する。

  事業年度の期間が一年をこえる場合においては、この法律の適用については、事業年度開始の日から一年ごとに区分した期間(最後に一年未満の期間を生じたときは、当該期間)を各々一事業年度とみなす。同条第二項中「期間を」を「期間及び解散の日の翌日からその事業年度の末日までの期間を各々」に改める。

 第一章中第七条の次に次の一条を加える。

第七条の二 この法律において同族会社とは、左の各号の一に該当する会社をいう。

 一 株主又は社員の一人及びその親族その他これと命令で定める特殊の関係のある個人(以下同族関係者という。)が有する株式又は出資の金額の合計額がその会社の株式金額又は出資金額の百分の三十以上に相当する会社

 二 株主又は社員の二人及びこれらの同族関係者が有する株式又は出資の金額の合計額がその会社の株式金額又は出資金額の百分の四十以上に相当する会社

 三 株主又は社員の三人及びこれらの同族関係者が有する株式又は出資の金額の合計額がその会社の株式金額又は出資金額の百分の五十以上に相当する会社

 四 株主又は社員の四人及びこれらの同族関係者が有する株式又は出資の金額の合計額がその会社の株式金額又は出資金額の百分の六十以上に相当する会社

 五 株主又は社員の五人及びこれらの同族関係者が有する株式又は出資の金額の合計額がその会社の株式金額又は出資金額の百分の七十以上に相当する会社

 同族会社であるかどうかの判定は、第十七条第一項第二号の規定の適用については当該事業年度開始の時の現況により、第三十一条の二の規定の適用については同条に規定する行為又は計算の事実のあつた時の現況による。

 第八条を次のように改める。

第八条 法人税の課税標準は、各事業年度の所得及び積立金の金額による。

 第九条第一項中「この法律の施行地に本店又は主たる事務所を有する法人」を「内国法人」に、「普通所得」を「所得」に改め、同条第二項中「法人税」を「法人税(第四十二条の規定による利子税額に相当する法人税を除く。)に、「普通所得」を「所得」に改め、「損金に算入しない。」の下に「所得税法第五十七条第四項若しくは第五十七条ノ二第四項又は通行税法第十一条ノ三第一項若しくは第十一条ノ四第一項の規定により徴収された又は徴収されるべき源泉徴収加算税額若しくは軽加算税額又は重加算税額に相当する所得税又は通行税についても、また、同様とする。」を加え、同条第三項中「普通所得」を「所得」に改め、同項の次に次の一項を加える。

  第五条第一項各号に掲げる法人が同項の収益事業に属する資産のうちから収益事業以外の事業のために支出した金額は、これを寄附金とみなして前項の規定を適用する。

 同条第四項中「法人」を「青色申告書を提出した法人」に、「一年」を「五年」に、「普通所得」を「所得」に改め、「損金に算入する。」の下に「但し、当該損金の生じた事業年度において青色申告書を提出し、且つ、その後において連続して青色申告書を提出している場合に限る。」を加え、同条第五項中「商工協同組合、」、「製造業会、道府県水産業会、中央水産業会、」及び「都道府県林業会、日本林業会、蚕糸協同組合、」を削り、「、商工組合中央金庫、塩業組合、塩業組合連合会及び塩業組合中央会」を「及び商工組合中央金庫」に、「第十八条乃至第二十二条の」を「第十八条の規定による」に、「普通所得」を「所得」に改め、同条第六項中「前四項」を「前五項及び第九条の二乃至第九条の八」に、「普通所得」を「所得」に改める。

 同条の次に次の七条を加える。

第九条の二 法人が額面をこえる価額で株式を発行した場合の額面をこえる金額から当該株式の発行のために要した費用の額を控除した金額は、前条第一項の所得の計算上、これを益金に算入しない。

第九条の三 第九条第六項に掲げる法人が新たにその出資者となる者から徴収した加入金は、同条第一項の所得の計算上、これを益金に算入しない。

第九条の四 法人の資本の減少に因り生じた益金は、第九条第一項の所得の計算上、これを益金に算入しない。

第九条の五 法人が合併した場合において、合併法人の合併に因り生じた益金(以下合併差益金という。)のうち、合併法人が被合併法人の株主、社員又は出資者に対し割り当てた株式の金額又はこれらの者の出資に引き当てた金額の合計額が被合併法人の合併の時における株式の払込金額又は出資金額に満たないため生じた益金(以下合併減資益金という。)から成る部分の金額及び被合併法人の積立金から成る部分の金額は、第九条第一項の所得の計算上、これを益金に算入しない。

  法人の合併差益金のうち、合併減資益金から成る部分、被合併法人の積立金から成る部分及びその他の益金から成る部分の金額の計算に関し必要な事項は、命令でこれを定める。

第九条の六 法人が各事業年度において内国法人から利益の配当又は剰余金の分配を受けた場合において、第十八条乃至第二十一条の規定による申告書に当該利益の配当又は剰余金の分配に因り受けた金額に関する申告の記載をなしたときは、当該利益の配当又は剰余金の分配に因り受けた金額(その元本たる株式又は出資を取得するために要した負債の利子があるときは、その利子の額を控除した金額)は、第九条第一項の所得の計算上、これを益金に算入しない。 

  左に掲げる金額は、前項の規定の適用については、これを利益の配当又は剰余金の分配に因り受けた金額とみなす。

 一 株式の消却若しくは資本の減少に因り取得する金銭の額及び金銭以外の財産の価額(株式又は出資については、その払込金額。以下本条において同じ。)の合計額又は退社、脱退若しくは出資の減少に因り持分の払戻として取得する金銭の額及び金銭以外の財産の価額の合計額がその金銭又は財産を取得する法人が当該株式又は出資を取得するために要した金額をこえる場合におけるそのこえる金額のうち、その金銭又は金銭以外の財産の支払又は交付をなした法人の積立金額から成る部分に対応する金額

 二 法人の解散に因り残余財産の分配として株主、社員又は出資者たる法人が取得する金銭の額及び金銭以外の財産の価額の合計額がその株主、社員又は出資者たる法人が当該残余財産の分配をなした法人の株式又は出資を取得するために要した金額をこえる場合におけるそのこえる金額のうち、当該残余財産の分配をなした法人の解散の時における積立金額(残余財産の分配として他の法人の株式又は出資を取得する場合には、当該積立金額のうち、当該他の法人に引き継がれなかつた部分の金額に限るものとし、清算中の各事業年度において当該積立金に対して課せられた法人税がある場合には、当該税額を控除した金額とするものとする。)から成る部分に対応する金額

 三 法人が合併した場合において被合併法人の株主、社員又は出資者たる法人が合併法人から合併に因り取得する株式又は出資の払込金額及び金銭の額の合計額がその株主、社員又は出資者たる法人が被合併法人の株式又は出資を取得するために要した金額をこえる場合におけるそのこえる金額のうち、被合併法人の積立金額で合併法人に引き継がれなかつたものから成る部分に対応する金額

  前項各号の場合において、株主、社員又は出資者たる法人が株式の消却、資本の減少、退社、脱退、出資の減少、解散又は合併に因り金銭及び金銭以外の財産を取得するときは、同項の規定により利益の配当又は剰余金の分配に因り受けた金額とみなす金額のうち、金銭から成る部分及び金銭以外の財産から成る部分の額は、まず当該財産の価額(その取得した財産が株式又は出資である場合には、その払込金額のうち当該財産取得の基因となつた株式又は出資を取得するために要した金額をこえる金額)をもつてこれに充て、なお残額があるときは、当該金銭の額をもつてこれに充てて計算する。

  第一項第一号又は第二号に規定する場合において、法人が金銭又は金銭以外の財産を数回にわたつて取得したときは、同項の規定の適用については、これらの金銭の額及び金銭以外の財産の価額の合計額が、当該各号に規定する株式又は出資を取得するために要した金額をこえるに至つた場合におけるそのこえる金額について、まず当該各号に掲げる積立金から成る部分からこれらの金銭若しくは金銭以外の財産の支払若しくは交付又は残余財産の分配がなされたものとみなす。

第九条の七 法人は、第九条第一項の所得の計算に関し必要な商品、原材料、製品、半製品、仕掛品その他たな卸をなすべき資産の評価については、命令で定める事業の種類ごとに、命令で定める方法のうちいずれか一を選定し、その方法によらなければならない。

  新たに設立した内国法人若しくは新たに外国法人となつた法人又は新たに他の種類の事業を開始し若しくは事業の種類を変更した法人は、その設立後若しくは新たに外国法人となつた後又はその事業を開始し若しくは事業の種類を変更した後最初に第十八条乃至第二十一条の規定による申告書を提出すべき期限までに、前項の評価の方法のうちそのよるべき方法を選定して、これを政府に届け出なければならない。その届出をしなかつた法人は、前項の評価の方法のうち命令で定めるものによらなければならない。

  法人は、前項の規定により届け出た評価の方法又は命令で定めたそのよるべき評価の方法を変更しようとするときは、政府の承認を受けなければならない。

  前項の規定による政府の承認を受けようとする法人は、その新たな評価の方法を採用しようとする事業年度開始の日の前日までに、その旨及び変更しようとする理由を記載した申請書を政府に提出しなければならない。

  政府は、前項の申請書の提出があつた場合において、当該法人が現によつている評価の方法を採用してから相当期間を経過していないとき又は変更しようとする評価の方法によつては所得の計算が正確に行われ難いと認めるときは、当該申請を却下することができる。

  第四項の申請書の提出があつた場合において、当該事業年度終了の日(当該事業年度について第十九条又は第二十条の規定の適用を受ける法人については、当該事業年度開始の日から六箇月を経過した日の前日)までに、当該申請の承認又は却下がなかつたときは、当該申請の承認があつたものとみなす。

  政府は、第四項の申請書の提出があつた場合において、当該申請の承認又は却下をなしたときは、当該申請をなした法人に、これを通知する。

第九条の八 法人は、第九条第一項の所得の計算上損金に算入すべき固定資産の償却額の計算については、命令で定める方法によらなければならない。

  新たに設立した内国法人若しくは新たに外国法人となつた法人又は現に採用している償却の方法以外の方法によるべき固定資産を取得した法人は、その有する固定資産又は取得した固定資産について前項の命令により二以上の償却の方法が定められている場合においては、その設立後若しくは新たに外国法人となつた後又は当該資産の取得後最初に第十八条乃至第二十一条の規定による申告書を提出すべき期限までに、前項の償却の方法のうちそのよるべき方法を選定して、これを政府に届け出なければならない。その届出をしなかつた法人は、前項の償却の方法のうち命令で定めるものによらなければならない。

  前条第三項乃至第七項の規定は、法人が償却の方法を変更する場合について、これを準用する。

 第十条第一項中「普通所得及び超過所得」を「所得」に改め、同条第二項中「普通所得」を「所得」に改め、同条第三項を削る。

 第十一条中「この法律の施行地に本店又は主たる事務所を有しない法人でこの法律の施行地に資産又は事業を有するもの」を「外国法人」に、「普通所得」を「所得」に、「第九条」を「第九条乃至第九条の八」に改める。

 第十二条第二項中「普通所得」を「所得」に改める。

 第十三条から第十六条までを次のように改める。

第十三条 法人の各事業年度の積立金は、当該事業年度開始の時における積立金額から、昭和二十五年四月一日の直前に終了した事業年度の末日における積立金額を控除した金額(この控除すべき積立金額を控除積立金額という。)に当該事業年度の月数を乗じたものを十二分して計算した金額による。

  昭和二十五年四月一日を含む事業年度が六箇月をこえる法人(第五条第一項各号及び第九条第六項に掲げる法人を除く。)について当該事業年度開始の日から六箇月の期間が同日前に終了している場合においては、当該法人の控除積立金額は、前項の規定にかかわらず、当該事業年度開始の時における積立金額と当該期間に生じた所得金額から当該所得に対する法人税額を控除した金額との合計金額による。

  第一項の月数は、暦に従いこれを計算し、一月に満たない端数を生じたときは、これを切り捨てる。

第十四条 法人が昭和二十五年四月一日以後に合併した場合においては、被合併法人の控除積立金額は、前条第一項の規定の適用については、合併法人の控除積立金額とみなす。

  法人が昭和二十五年四月一日前に合併した場合において、その合併法人の合併後最初の事業年度が同日以後に終了するときは、被合併法人の同日直前に終了した事業年度の末日における積立金額は、前条第一項の規定の適用については、当該合併法人の控除積立金額とみなす。

第十五条 法人が昭和二十五年四月一日以後に合併した場合において、当該合併が合併後存続する法人の事業年度の中途においてなされ、且つ、合併後存続する法人が被合併法人の積立金を引き継いだときは、その合併後存続する法人の当該合併の日を含む事業年度の積立金は、第十三条及び前条第一項の規定にかかわらず、合併後存続する法人の当該事業年度開始の時における積立金額から控除積立金額を控除した金額と、合併後存続する法人が被合併法人から引き継いだ積立金額から被合併法人の控除積立金願を控除した金額に合併後存続する法人の当該事業年度の合併の日以後の月数を乗じたものを当該事業年度の月数で除した金額との合計金額に合併後存続する法人の当該事業年度の月数を乗じたものを十二分して計算した金額による。

  第十三条第三項の規定は、前項の月数の計算について、これを準用する。

第十六条 この法律において積立金額とは、積立金、準備金その他名義の何たるを問わず、法人の各事業年度の所得(第五条の二の規定により法人税を課さない所得、第六条の規定により法人税を免除する所得及び第九条の六の規定により益金に算入しない金額を含む。)のうち、その留保した金額をいう。

  法人税として納付すべき金額(第四十二条の規定による利子税額に相当する金額を除く。)は、前項の留保した金額には、これを算入しない。

 第十七条を次のように改める。

第十七条 法人税は、左の税率により、これを課する。

 一 各事業年度の所得                  所得金額の百分の三十五

 二 各事業年度の積立金

  同族会社

   積立金額のうち年五十万円以下の金額                百分の二

   積立金額のうち年五十万円をこえる金額               百分の七

  その他の法人                       積立金額の百分の二

  前項第二号の場合において、事業年度が一年に満たない法人については、同号中年五十万円とあるのは、五十万円に当該事業年度の月数を乗じたものを十二分して計算した金額とする。第十三条第三項の規定は、この場合の月数の計算について、これを準用する。

 第十八条第一項中「第二十一条」を「第十九条又は第二十条」に、「普通所得金額及び超過所得金額」を「課税標準たる所得金額及び積立金額並びに当該所得及び積立金に対する法人税額」に、「提出しなければならない。」を「提出しなければならない。但し、災害その他やむを得ない事由に因り決算が確定しないため、その提出期限までに申告書を提出できない場合においては、政府の承認を受け、その決算確定の日から二十日以内に、これを提出することができる。」に改め、同項の次に次の四項を加える。

  前項但書の承認を受けようとする法人は、当該事業年度終了の日から四十五日以内に、同項但書の規定の適用を受けたい旨並びに申告書の提出期限までに決算が確定しない理由及び決算確定の予定日を記載した申請書を政府に提出しなければならない。

  政府は、前項の申請書の提出があつた場合において、当該申請に係るその理由が相当でないと認めるときは、当該申請を却下することができる。

  第二項の申請書の提出があつた場合において、当該事業年度終了の日から二箇月以内に、当該申請の承認又は却下がなかつたときは、当該申請の承認があつたものとみなす。

  政府は、第二項の申請書の提出があつた場合において、当該申請の承認又は却下をなしたときは、当該申請をなした法人に、これを通知する。

 同条第二項中「前項」を「第一項」に、「、第九条、第十一条乃至第十三条及び第十五条」を「及び第九条乃至第十五条」に、「普通所得金額及び超過所得金額」を「所得金額及び積立金額」に「当該所得に対する法人税の税額」を「当該所得及び積立金に対する法人税額」に改め、同条第三項及び第四項を次のように改める。

  外国法人及び第五条第一項各号に掲げる法人は、前項の書類の外、それぞれこの法律の施行地にある資産若しくは事業に係る財産目録、貸借対照表及び損益計算書又は第五条第一項の収益事業に係る財産目録、貸借対照表及び損益計算書を添附しなければならない。

 同条第五項中「法人税を課すべき各事業年度の普通所得又は超過所得」を「各事業年度について納付すべき法人税」に改める。

 第十九条から第二十五条までを次のように改める。

第十九条 法人の事業年度が六箇月をこえる場合においては、第二十条の規定に該当する場合を除く外、当該事業年度開始の日から七箇月を経過した日の前日までに前事業年度の法人税として納付した税額又は納付すべきことが確定した税額がある法人は、当該事業年度開始の日から六箇月を経過した日から二箇月以内に、その前事業年度の法人税として納付した税額及び納付すべきことが確定した税額の合計額(当該法人税に係る第四十二条乃至第四十三条の二の規定による利子税額、過少申告加算税額、無申告加算税額及び重加算税額に相当する法人税額は、これを含まない。)に六を乗じて前事業年度の月数で除して計算した金額に相当する法人税額を記載した申告書を政府に提出しなければならない。但し、当該法人は、当該事業年度開始の日から六箇月の期間を一事業年度とみなして第六条及び第九条乃至第十五条の規定により当該期間の課税標準たる所得金額及び積立金額を計算したときは、当該申告書の提出に代え、当該申告書の提出期限内に、当該期間の所得金額及び積立金額並びに当該所得及び積立金に対する法人税額(これらの金額又は税額がない場合には、その旨)を記載した申告書を政府に提出することができる。

  前項本文の場合において、政府が物価変動の状況等により必要があると認めて、別に法律で定めるところにより、前事業年度の法人税額に乗ずべき調整比率を定めたときは、同項本文の申告書に記載すべき法人税額は、同項本文の規定により計算した金額に当該調整比率を乗じて計算した金額による。

  第一項本文の規定による申告書には、命令の定めるところにより、同項本文に規定する前事業年度の法人税額、当該法人税額計算の基礎となつた前事業年度の所得金額及び積立金額並びに前事業年度の期間を記載した書類を添附しなければならない。

  第一項但書の規定による申告書には、命令の定めるところにより、同項但書に規定する期間終了の日における貸借対照表及び当該期間の損益計算書(外国法人にあつては、この法律の施行地にある資産又は事業に係る貸借対照表及び損益計算書とする。)、当該期間の所得金額及び積立金額の計算に関する明細書並びに当該所得及び積立金に対する法人税額の計算に関する明細書を添附しなければならない。

  第一項の規定による申告書を提出すべき法人が同項に規定する申告書の提出期限までに、同項の規定による申告書を提出しなかつた場合においては、当該法人については、当該申告書の提出期限を経過した時において政府に対し同項本文の規定による申告書の提出があつたものとみなす。

  第十三条第三項の規定は、第一項の月数の計算について、これを準用する。

  第一項乃至前項の規定は、法人に第一項本文に規定する前事業年度の法人税額のない場合について、これを準用する。

  第一項乃至前項の規定は、第五条第一項各号及び第九条第六項に掲げる法人については、これを適用しない。

第二十条 新たに設立した内国法人若しくは新たに外国法人となつた法人のその設立後若しくはその外国法人となつた後最初の事業年度が六箇月をこえる場合又は合併後存続する内国法人のその合併の日を含む事業年度に続く事業年度が六箇月をこえる場合(その合併が合併の日を含む事業年度開始の日においてなされたものである場合を除く。)若しくは合併後存続する内国法人の六箇月をこえる事業年度開始の日から六箇月の期間内にその合併があつた場合においては、その新たに設立した内国法人若しくは新たに外国法人となつた法人又はその合併後存続する内国法人は、その六箇月をこえる事業年度については、当該事業年度開始の日から六箇月の期間を一事業年度とみなして第六条及び第九条乃至第十五条の規定により当該期間の課税標準たる所得金額及び積立金額を計算し、当該期間の法人税として納付すべき税額があるときは、当該期間終了の日から二箇月以内に、当該期間の所得金額及び積立金額並びに当該所得及び積立金に対する法人税額を記載した申告書を政府に提出しなければならない。

  前条第四預の規定は、前項の規定による申告書を提出する場合について、これを準用する。 

  前二項の規定は、法人に第一項の期間について納付すべき法人税のない場合について、これを準用する。

  前三項の規定は、第五条第一項各号及び第九条第六項に掲げる法人については、これを適用しない。

第二十一条 納税義務がある法人は、第十九条又は前条の規定に該当する場合においては、当該事業年度終了の日から二箇月以内に、その確定した決算に基き当該事業年度の課税標準たる所得金額及び積立金額並びに当該所得及び積立金に対する法人税額を記載した申告書を政府に提出しなければならない。但し、災害その他やむを得ない事由に因り決算が確定しないため、その提出期限までに申告書を提出できない場合においては、政府の承認を受け、その決算確定の日から二十日以内に、これを提出することができる。

  第十八条第二項乃至第五項の規定は、前項但書の場合について、これを準用する。

  第十八条第六項及び第七項の規定は、第一項の規定による申告書を提出する場合について、これを準用する。

  前三項の規定は、法人に第一項の事業年度について納付すべき法人税のない場合について、これを準用する。

第二十二条 納税義務がある清算中の法人は、その清算中に終了した各事業年度の法人税については、前四条の規定にかかわらず、当該事業年度終了の日から二箇月以内に、当該事業年度の課税標準たる積立金額及び当該積立金に対する法人税額を記載した申告書を政府に提出しなければならない。

  前項の規定による申告書には、命令の定めるところにより、前事業年度及び当該事業年度終了の日における財産目録及び貸借対照表、当該事業年度の収支の計算に関する明細書、当該事業年度の積立金額の計算に関する明細書並びに当該積立金に対する法人税額の計算に関する明細書を添附しなければならない。

  前二項の規定は、清算中の法人に清算中の各事業年度について納付すべき法人税のない場合について、これを準用する。

第二十三条 第十八条第一項、第二十条第一項、第二十一条第一項又は前条第一項の規定による申告書を提出すべき法人は、当該各項に規定する申告書の提出期限後においても、第三十二条の規定による決定の通知があるまでは、当該各項に規定する事項を記載した申告書を政府に提出することができる。

  前項の申告書には、それぞれ当該各条に規定する申告書の添附書類を添附しなければならない。

  前二項の規定は、第十八条第八項、第二十条第三項、第二十一条第四項又は第二十二条第三項の規定による申告書を提出すべき法人について、これを準用する。

第二十四条 第十八条乃至前条の規定による申告書を提出した法人は、当該申告書に記載した所得金額若しくは積立金額又は法人税額について不足額がある場合(納付すべき法人税のない旨の申告書を提出した法人にあつては、納付すべき法人税がある場合)においては、第三十二条の規定による更正又は決定の通知があるまでは、先に提出した申告書に記載した事項のうち修正すべき事項その他命令で定める事項を記載した申告書を政府に提出することができる。

  第二十九条乃至第三十一条の規定による更正又は決定を受けた法人は、当該更正又は決定に係る所得金額若しくは積立金額又は法人税額について不足額がある場合(欠損金額の更正を受けた法人にあつては、納付すべき法人税がある場合)においては、当該更正又は決定に係る所得金額、積立金額若しくは法人税額又は欠損金額について修正すべき事項その他命令で定める事項を記載した申告書を政府に提出することができる。

  前二項の規定は、第二十六条の三第一項の規定による法人税額の還付の請求をなした法人の当該請求の基礎となつた欠損金額又は当該欠損金額について第二十九条第二項若しくは第三十一条第二項の規定による更正があつた場合における当該更正に係る欠損金額が過大である場合について、これを準用する。

  前三項の規定による申告書(以下修正申告書という。)には、命令の定めるところにより、修正に関する明細書を添附しなければならない。

第二十五条 法人は、政府の承認を受けた場合においては、第十八条乃至前条の規定により提出する申告書は、青色の申告書によることができる。(この申告書を青色申告書という。)

  前項の政府の承認を受けようとする法人は、その各事業年度の所得及び積立金の計算に関して備え付ける帳簿書類について、命令の定めるところによらなければならない。

  第一項の政府の承認を受けようとする法人は、青色申告書を提出しようとする事業年度開始の日の前日まで(当該事業年度が内国法人の設立後又は外国法人の新たに外国法人となつた後最初の事業年度である場合には、当該事業年度開始の日から二十日以内)に、命令で定める事項を記載した申請書を政府に提出しなければならない。

  政府は、前項の申請に対し承認をなす場合において、必要があると認めるときは、その法人の備え付ける第二項の帳簿書類について必要な指示をなすことができる。

  政府は、第三項の申請書の提出があつた場合において、当該法人の備え付ける帳簿書類が第二項の規定による命令の規定の準拠していないと認められるとき若しくはその帳簿書類に不実の記載があると認められる相当の事由があるとき又はその申請書が第八項の規定による取消の通知を受けた日から一年以内に提出されたものであるときは、当該申請を却下することができる。

  第三項の申請書の提出があつた場合において、当該事業年度終了の日(当該事業年度について第十九条又は第二十条の規定の適用を受ける法人については、当該事業年度開始の日から六箇月を経過した日の前日)までに、当該申請の承認又は却下がなかつたときは、当該申請の承認があつたものとみなす。

  政府は、青色申告書を提出することについて政府の承認を受けた法人について、左に掲げる事実があると認める場合においては、その事実があつたと認められる時までさかのぼつてその承認を取り消すことができる。この場合においては、、その事実があつたと認められる時以後に提出した青色申告書は、青色申告書以外の申告書とみなす。

 一 当該法人の備え付ける帳簿書類が第二項の規定による命令の規定に準拠していないこと。

 二 当該法人がその備え付ける帳簿書類について第四項の規定による指示に従わなかつたこと。

 三 当該法人の備え付ける帳簿書類に取引の全部又は一部を隠ぺいし又は仮装して記載する等当該帳簿書類の記載事項の全体について、その真実性を疑うに足りる不実の記載があること。

 四 第十八条乃至第二十二条の規定による申告書をその提出期限内に提出しなかつたこと。

 五 第九条の七第三項(第九条の八第三項において準用する場合を含む。)の規定による政府の承認を受けないでそのよるべき方法を変更したこと。

  政府は、第三項の申請書の提出があつた場合において当該申請の承認又は却下をなしたとき又は前項の規定による承認の取消をなしたときは、当該法人に、これを通知する。

第二十五条の二 第十八条乃至第二十四条の規定による申告書には、法人の代表者(二人以上の者が共同して法人を代表する場合には、その全員)が自署し、自己の印を押さなければならない。但し、法人の代表者が二人以上ある場合(二人以上の者が共同して法人を代表する場合を除く。)においては、これらの者のうち社長、理事長、専務取締役、常務取締役その他の者で申告書の作成の時において法人の業務を主宰しているものが自署し、自己の印を押さなければならない。

  前項の申告書には、同項の代表者の外、法人の役員及び職員のうち申告書の作成の時において当該法人の経理に関する事務の上席の責任者である者が自署し、自己の印を押さなければならない。この場合において、その申告書の記載が自己の意見に反するときは、その旨を申告書に記載しなければならない。

  前二項の規定により申告書に自署し自己の印を押すべき者は、外国法人にあつては、この法律の施行地にある資産又は事業の管理又は経営の責任者及び当該資産又は事業に係る経理に関する事務の上席の責任者とする。この場合においては、前項後段の規定は、当該資産又は事業の管理又は経営の責任者に対しても適用があるものとする。

  前三項の規定による自署押印の有無は、第十八条乃至第二十四条の規定による申告書の提出に因る申告の効力に影響を及ぼすものではない。

 「第五章 納付」を「第五章 納付及び還付」に改める。

 第二十六条を次のように改める。

第二十六条 第十八条第一項、第二十条第一項又は第二十二条第一項の規定による申告書を提出した法人は、当該各項に規定する申告書の提出期限内に、当該申告書に記載した法人税額に相当する税額の法人税を政府に納付しなければならない。

  第十九条の規定による申告書を提出すべき法人(同条の規定により納付すべき法人税のない旨の申告書を提出した法人を除く。)は、同条に規定する申告書の提出期限内に、同条の規定により提出した申告書に記載した法人税額又は同条第五項の規定により提出があつたものとみなされる申告書に係る法人税額に相当する税額の法人税を政府に納付しなければならない。

  第二十一条第一項の規定による申告書を提出した法人は、同項に規定する申告書の提出期限内に、当該申告書に記載した法人税額から第十九条若しくは第二十条第一項の規定により提出した申告書(第二十三条の規定により提出した申告書で第二十条第一項に規定する事項を記載したものを含む。)に記載した法人税額(以下本項において中間申告法人税額という。)又は第十九条第五項の規定により提出があつたものとみなされる申告書に係る法人税額を控除した金額に相当する税額の法人税を政府に納付しなければならない。但し、左の各号の一に該当する場合においては、第二十一条第一項の規定による申告書に記載した法人税額から控除すべき法人税額は、当該各号に掲げる法人税額とする。

 一 中間申告法人税額の申告があつた場合において、第二十一条第一項の規定による申告書を提出する日までに、第二十四条第一項若しくは第二項の規定による修正申告書の提出があつたとき又は第二十九条第一項若しくは第三十一条第一項の規定による更正があつたときは、当該中間申告法人税額、当該修正申告に因り増加した法人税額及び当該更正に係る第三十三条第一項の追徴税額の合計額

 二 中間申告法人税額の申告がなかつた場合において、第二十一条第一項の規定による申告書を提出する日までに、第三十条若しくは第三十一条第一項の規定による決定若しくは更正があつたとき又は第二十四条第二項の規定による修正申告書の提出があつたときは、当該決定若しくは更正に係る第三十三条第一項の追徴税額と当該修正申告に因り増加した法人税額との合計額

第二十六条の二 第二十三条第一項の規定による申告書を提出した法人は、当該申告書の提出の日に、当該申告書に記載した法人税額(当該申告書が第二十一条第一項に規定する事項を記載したものである場合には、前条第三項の規定に準じて計算した法人税額)に相当する税額の法人税を政府に納付しなければならない。

  第二十四条第一項又は第二項の規定による修正申告書を提出した法人は、当該申告書の提出の日に、当該修正申告に因り増加した法人税額に相当する税額の法人税を政府に納付しなければならない。

  第二十六条の三第四項の規定による金額の還付を受けた法人が、当該還付金額の基礎となつた欠損金額について第二十四条の規定による修正申告書を提出した場合においては、当該法人は、当該申告書の提出の日に、その還付を受けた金額のうち当該修正申告に因り過大となつた金額(第二十六条の三第六項の規定により加算された金額のうちその過大となつた金額に対応する部分の金額を含む。)に相当する税額の法人税を政府に納付しなければならない。

第二十六条の三 青色申告書を提出する法人は、各事業年度の第九条第一項の所得の計算上総損金が総益金をこえる場合においては、当該事業年度の第十八条第八項又は第二十一条第四項の規定による申告書の提出と同時に、命令の定めるところにより、政府に対し、当該事業年度開始の日前一年以内に開始した事業年度の所得に対する法人税額とその事業年度においてその所得金額からそのこえる損金の額(以下欠損金額という。)の全部又は一部を控除して計算した場合におけるその所得に対する法人税額との差額に相当する法人税額の還付の請求をなすことができる。但し、その事業年度の所得金額からその損金の額の控除を受けようとする事業年度(以下本条において還付事業年度という。)において青色申告書を提出し、且つ、その後において連続して青色申告書を提出している場合に限る。

  前項の規定による法人税額の還付の請求をなす場合において、還付事業年度の法人税額のうち既に第四項の規定により還付を受けた金額(前条第三項の規定により納付した若しくは納付すべき又は第三十三条第二項の規定により徴収された若しくは徴収されるべき税額がある場合には、当該金額から、当該税額(第六項の規定により加算された金額に係る部分の税額を除く。)に相当する金額を控除した金額)があるときは、前項の規定の適用については、当該還付事業年度の所得金額は、当該還付金額の基礎となつた欠損金額だけ減額されたものとみなす。

  第一項の規定による法人税額の還付の請求をなす法人は、還付事業年度の所得金額及び当該所得に対する法人税額並びに当該所得金額から控除を受けようとする欠損金額その他命令で定める事項を記載した書類を政府に提出しなければならない。

  政府は、第一項の規定による法人税額の還付の請求があつた場合においては、当該請求の基礎となつた欠損金額その他必要な事項について調査し(当該調査に基き必要があると認める場合には、第二十九条乃至第三十一条の規定による更正又は決定をなし)、当該請求をなした法人に対し、当該請求に係る法人税額の全部又は一部に相当する金額を還付し又は請求の理由がない旨を通知する。

  前項の規定による金額(第六項の規定により加算すべき金額を含む。)の還付をなす場合において、未納の国税、督促手数料、延滞加算金及び滞納処分費があるときは、当該金額をこれに充当する。

  政府は、第四項の規定による金額の還付をなす場合においては、当該金額に係る還付の請求と同時に提出された申告書の提出期限の翌日から五箇月を経過した日から、その還付すべき金額の支出をなし又は前項の規定による充当をなす日までの期間に応じ、当該金額に第四十二条の規定による利子税額の計算に準じて計算した金額を加算しなければならない。

 第二十七条中「普通所得若しくは超過所得又は清算所得」を「所得又は積立金」に改める。

 第二十八条中「第二十六条第一項」を「第二十六条」に、「同条第二項」を「第二十六条の二」に改め、「申告書」の下に「又は修正申告書」を加え、「又は修正」を削る。

 「第六章 課税標準の更正及び決定」を「第六章 更正及び決定」に改める。

 第二十九条を次のように改める。

第二十九条 第十八条乃至第二十四条の規定による申告書又は修正申告書が提出された場合において、当該申告又は修正申告に係る課税標準又は法人税額が政府において調査したところと異なるときは、政府は、その調査により、課税標準又は法人税額を更正する。

  第二十六条の三第一項の規定による法人税額の還付の請求がなされた場合において、当該請求の基礎となつた欠損金額(第二十四条第三項の規定による修正申告書が提出された場合には、当該修正申告に係る欠損金額)が政府において調査したところと異なるときは、政府は、第三十条の規定に該当する場合を除く外、その調査により、欠損金額を更正する。

 第三十条中「提出しなかつた場合」の下に「(第十九条第五項の規定の適用を受ける場合を除く。)」を加え、「法人税を課すべき所得又は資本」を「又は納付すべき法人税」に、「課税標準」を「課税標準及び法人税額」に改める。

 第三十一条中「前二条」を「第二十九条第一項、前条又は本項」に、「課税標準」を「課税標準又は法人税額」に、「脱漏があることを発見したときは、」を「不足額があることを知つたときは、」に改め、同条に次の一項を加える。

  政府は、第二十九条第二項又は本項の規定による欠損金額の更正後、更正した欠損金額が過大であることを知つたときは、前条の規定に該当する場合を除く外、政府の調査により、欠損金額を更正する。

 第三十一条の次に次の二条を加える。

第三十一条の二 政府は、前三条の規定により課税標準若しくは欠損金額又は法人税額の更正又は決定をなす場合において、同族会社の行為又は計算で、これを容認した場合においては法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるものがあるときは、その行為又は計算にかかわらず、政府の認めるところにより、当該法人の課税標準又は欠損金額を計算することができる。

第三十一条の三 政府は、青色申告書を提出することができる法人の青色申告書を提出した事業年度分について、第二十九条乃至第三十一条の規定による課税標準若しくは欠損金額又は法人税額の更正又は決定をなす場合においては、当該事業年度分の申告書につき第二十五条第七項後段の規定の適用があつた場合を除く外、その帳簿書類を調査し、その調査により課税標準又は欠損金額の計算に誤があると認められる場合に限り、これをなすことができる。但し、第十八条乃至第二十四条の規定により提出された申告書及びこれに添附された書類の調査によりその申告又は修正申告に係る課税標準若しくは欠損金額又は法人税額の計算が第六条及び第九条乃至第十五条の規定に従つていないことが明らかである場合又は第十九条第一項本文の規定により提出された申告書に記載された法人税額の計算に誤がある場合においては、当該事項につき第二十九条乃至第三十一条の規定による課税標準若しくは欠損金額又は法人税額の更正又は決定をなすことを妨げない。

  政府は、前項の規定の適用を受けない法人の事業年度分について、第二十九条乃至第三十一条の規定による課税標準又は法人税額の更正又は決定をなす場合においては、当該法人の財産若しくは債務の増減の状況、収入若しくは支出の状況又は生産量、販売量その他の取扱量、従業員数その他事業の規模により各事業年度の所得金額又は積立金額を推計してこれをなすことができる。

 第三十二条中「前三条の規定により、課税標準」を「第二十九条乃至第三十一条の規定により課税標準若しくは欠損金額又は法人税額」に、「納税義務がある法人」を「当該法人」に、「通知する。」を「通知する。この場合において、当該更正又は決定が青色申告書を提出した事業年度分についてなされたものであるときは、通知の書面にその理由を附記しなければならない。」に改める。

 第三十三条中「第二十九条乃至第三十一条」を「政府は、第二十九条第一項、第三十条又は第三十一条第一項」に改め、「課税標準」の下に「又は法人税額」を加え、同条に次の一項を加える。

  政府は、第二十九条第二項若しくは第三十一条第二項の規定により欠損金額を更正し又は第三十条の規定により欠損の申告をなした事業年度について課税標準及び法人税額を決定した場合においては、前条の通知をなした日から一箇月後を納期限として、第二十六条の三第四項の規定により還付した金額のうち当該更正又は決定に因り過大となつた金額(第二十六条の三第六項の規定により加算された金額のうちその過大となつた金額に対応する部分の金額を含む。)に相当する税額の法人税を徴収する。

  第七章及び第八章を次のように改める。

   第七章 再調査、審査及び訴訟

第三十四条 第三十二条又は第四十四条の規定による通知を受けた法人は、その通知を受けた課税標準、欠損金額若しくは法人税額又は過少申告加算税額、無申告加算税額若しくは重加算税額に対して異議があるときは、これらの通知を受けた日から一箇月以内に、命令の定めるところにより、不服の事由を記載した書面をもつて、当該通知をなした税務署長に対し、再調査の請求をなすことができる。但し、当該通知に係る事項に関する調査が国税庁又は国税局の収税官吏によつてなされた旨の記載がある書面により当該通知を受けた者については、この限りでない。

  前項の請求があつた場合においても、税務署長は、税金の徴収を猶予しない。但し、税務署長において相当の理由があると認めるときは、税金の全部又は一部の徴収を猶予することができる。

  第一項の規定は、第七条第二項、第九条の七第七項(第九条の八第三項において準用する場合を含む。)、第十八条第五項(第二十一条第二項において準用する場合を含む。)、第二十五条第八項又は第四十六条の三第四項の規定による通知を受けた法人が当該通知に係る事項に対して異議がある場合について、これを準用する。

  前項の請求があつた場合においても、当該請求は、その請求の目的となつた処分の効力に影響を及ぼさない。

  税務署長は、第一項(第三項において準用する場合を含む。)の規定による再調査の請求(以下再調査の請求という。)があつた場合において、当該請求の方式又は手続に欠陥があるときは、相当の期間を定めて、その欠陥を補正させることができる。

  税務署長は、再調査の請求があつた場合において、左の各号の一に該当するときは、当該各号に定める決定をなし、その理由を附記した書面により、これを当該請求をなした法人に通知しなければならない。

 一 再調査の請求が第一項の期間経過後になされたとき又は前項の規定により欠陥の補正を求めた場合においてその欠陥が補正されなかつたときは、当該請求を却下する決定

 二 再調査の請求の全部についてその理由がないと認めるときは、当該請求を棄却する決定

 三 再調査の請求の全部又は一部についてその理由があると認めるときは、再調査の請求の目的となつた処分の全部又は一部を取り消す決定

第三十五条 前条第一項但書(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定に該当する法人又は同条第六項の規定による通知を受けた法人は、同条第一項若しくは第三項に規定する通知に係る事項又は同条第六項の規定による決定(以下再調査の決定という。)に対して異議があるときは、同条第一項若しくは第三項に規定する通知又は同条第六項の規定による通知を受けた日から一箇月以内に、命令の定めるところにより、不服の事由を記載した書面をもつて、当該通知をなした税務署長を経由し、国税庁長官又は国税局長に対し、審査の請求をなすことができる。この場合において、当該審査の請求が再調査の決定に対するものであるときは、当該再調査の目的となつた処分に対する審査の請求があわせてなされたものとみなす。

  前条第二項及び第四項の規定は、前項の場合について、これを準用する。

  再調査の請求があつた場合において、左の各号の一に該当するときは、各々当該各号に規定する日において、当該各号に規定する税務署長の管轄区域を所轄する国税局長に対し、第一項の規定による審査の請求(以下審査の請求という。)があつたものとみなす。

 一 税務署長において再調査の請求を審査の請求として取り扱うことを適当と認め、且つ、再調査の請求をなした法人がこれに同意したときは、当該同意のあつた日

 二 再調査の請求があつた日から三箇月以内に前条第六項の規定による通知がなされず、且つ、再調査の請求をなした法人が当該請求を審査の請求として取り扱うことを税務署長に申し出たときは、当該申出のあつた日

  前条第五項の規定は、審査の請求があつた場合について、これを準用する。

  国税庁長官又は国税局長は、審査の請求があつた場合において、左の各号の一に該当するときは、当該各号に定める決定をなし、その理由を附記した書面により、これを当該請求をなした法人(第三項の再調査の請求をなした法人を含む。)に通知しなければならない。この場合において、第一項後段の規定により再調査の目的となつた処分に対する審査の請求があわせてなされたものとみなされる場合には、第二号又は第三号の規定による決定は、その各々の請求についてなさなければならない。

 一 審査の請求が第一項の期間経過後になされたとき又は前項において準用する前条第五項の規定により欠陥の補正を求めた場合においてその欠陥が補正されなかつたときは、当該請求を却下する決定

 二 審査の請求の全部についてその理由がないと認めるときは、当該請求を棄却する決定

 三 審査の請求の全部又は一部についてその理由があると認めるときは、審査の請求の目的となつた処分の全部又は一部を取り消す決定

  国税庁長官又は国税局長が、前条第六項第一号の規定による再調査の決定に対する審査の請求について前項第二号の規定による決定をなしたときは、同項後段の規定にかかわらず、第一項後段の規定によりあわせてなされたものとみなされた再調査の目的となつた処分に対する審査の請求は、棄却されたものとみなす。

  国税庁長官又は国税局長が、前条第一項に規定する事項について第五項第二号又は第三号の規定による決定をなす場合においては、国税庁又は国税局に所属する協議団の協議を経なければならない。

  前項の協議団に関し必要な事項は、政令でこれを定める。

第三十六条 再調査の請求又は審査の請求の目的となる処分に関する事件については、訴願法の規定は、これを適用しない。

第三十七条 再調査の請求又は審査の請求の目的となる処分の取消又は変更を求める訴は、第三十五条第五項の規定による決定(以下審査の決定という。)を経た後でなければ、これを提起することができない。但し、再調査の請求があつた日から六箇月を経過してなお再調査の決定の通知がないとき、審査の請求があつた日から三箇月を経過したとき又は再調査の決定若しくは審査の決定を経ることに因り著しい損害を生ずる虞のあるときその他正当な事由があるときは、再調査の決定又は審査の決定を経ないで、訴を提起することができる。

  再調査の請求若しくは審査の請求の目的とする処分又は審査の決定の取消又は変更を求める訴は、前項但書の場合を除く外、行政事件訴訟特例法第五条第一項又は第四項の規定にかかわらず、審査の決定の通知を受けた日から三箇月以内に、これを提起しなければならない。

  第一項但書の規定により再調査の請求があつた日から六箇月を経過した後に当該再調査の目的となつた処分の取消又は変更を求める訴を提起する場合においては、当該再調査の請求があつた日から九箇月以内に、当該訴を提起しなければならない。

  前二項の期間は、これを不変期間とする。

  第二項に規定する訴が提起された場合においては、国税庁又は国税局の職員は、国の利害に関係のある訴訟についての法務総裁の権限等に関する法律第五条第一項の規定の適用については、これを当事者又は参加人となつた税務署長又は国税局長の所部の職員とみなす。

  第一項但書の規定により訴が提起された場合においても、再調査の請求又は審査の請求がなされている場合には、これらの請求に対して決定をなすことを妨げない。

第三十八条 前条第二項に規定する訴においては、裁判所が相手方当事者となつた国税庁長官、国税局長又は税務署長の主張を合理的と認めたときは、当該訴を提起した者がまず証拠の申出をなし、その後に相手方当事者が証拠の申出をなすものとする。

  相手方当事者は、前項の規定にかかわらず、随時証拠の申出をなすことができる。

第九章を第八章とする。

第三十九条を次のように改める。

第三十九条 政府は、申告書(第十九条第一項本文の規定による申告書を除く。)又は修正申告書に記載された所得金額が百万円(第二十一条第一項の規定による申告書若しくは同項に規定する事項を記載した第二十三条第一項の規定による申告書又はこれらの申告書に係る修正申告書の場合には、二百万円)をこえる法人の名称、第四十六条の三に規定する納税地、代表者(外国法人にあつては第四十六条の四第二項に規定する責任者)の氏名、その申告書に記載された所得金額及びその事業年度又は第十九条第一項但書(同条第七項において準用する場合を含む。)若しくは第二十条第一項に規定する期間を、当該申告書提出の日から二箇月以内に、少くとも一箇月間公示しなければならない。

 第四十条第一項中「課税標準」の下に「又は法人税額」を加え、「脱漏」を「不足額」に、「二十万円」を「五十万円」に改め、同条第二項を次のように改める。

  前項の規定は、その報告が不法の行為に因り知り得た事実又は国若しくは地方公共団体の職員がその職務の遂行に伴い知り得た事実に基くものであるときは、これを適用しない。

 第四十二条及び第四十三条を次のように改める。

第四十二条 納税義務がある法人は、左の各号の一に該当する場合においては、当該各号に掲げる法人税額については、当該各号に掲げる期間に応じ、当該税額百円について一日四銭の割合を乗じて計算した金額に相当する利子税額をあわせて納付しなければならない。

 一 法人が第二十六条の規定により納付すべき法人税(第十八条第一項但書又は第二十一条第一項但書の規定による申告書の提出に因り納付すべき法人税を除く。)をその納期限内に完納しなかつた場合においては、その未納に係る法人税額について、当該納期限の翌日から当該法人税を納付する日までの期間

 二 法人が第十八条第一項但書又は第二十一条第一項但書の規定による申告書を提出した場合においては、第二十六条第一項又は第三項の規定により納付すべき法人税額について、第十八条第一項本文又は第二十一条第一項本文に規定する申告書の提出期限の翌日から当該法人税を納付する日までの期間

 三 法人が第二十三条第一項の規定による申告書又は第二十四条第一項若しくは第二項の規定による修正申告書を提出した場合においては、第二十六条の二第一項又は第二項の規定により納付すべき法人税額について、第十八条第一項本文、第二十条第一項、第二十一条第一項本文又は第二十二条第一項に規定する申告書の提出期限の翌日から当該法人税額を納付する日までの期間

 四 第二十六条の三第四項の規定による金額の還付を受けた法人が、当該還付金額の基礎となつた欠損金額について第二十四条の規定による修正申告書を提出した場合においては、第二十六条の二第三項の規定により納付すべき法人税額について、第二十六条の三第四項の規定による還付のための支出があつた日から当該法人税を納付する日までの期間

  前項の場合において、法人が同項各号に掲げる法人税額の一部を納付したときは、その納付の日の翌日以後の期間に係る利子税額計算の基礎となる法人税額は、同項各号に掲げる法人税額からその一部納付に係る法人税額を控除した税額による。

  第一項の規定は、同項の利子税額計算の基礎となる税額が千円未満であるときは、これを適用しない。当該税額に千円未満の端数があるときは、これを切り捨てて計算する。

  前三項の規定により計算した利子税額が百円未満であるときは、これを納付することを要しない。

  第一項第二号から第四号までの規定に該当する場合で当該各号に規定する申告書又は修正申告書を提出した法人が第二十六条第一項若しくは第三項に規定する納期限までに又は第二十六条の二に規定する納付の期日に利子税額を完納しなかつた場合及び第一項第一号の規定に該当する場合においては、政府は、国税徴収法第九条の規定により、その納付すべき利子税額の納付を督促する。

  政府は、第三十三条第一項の追徴税額又は同条第二項の規定により徴収すべき法人税額を徴収する場合においては、第一項第三号又は第四号及び、第二項乃至第四項の規定に準じて計算した利子税額をあわせて徴収する。

  法人が第一項の規定により利子税額をあわせて納付すべき場合又は前項の規定により利子税額をあわせて徴収される場合において、当該法人が納付した法人税額が第二十六条若しくは第二十六条の二の規定により納付すべき法人税額又は第三十三条の規定により徴収される税額に達するまでは、その納付した法人税額は、これらの規定により納付すべき法人税額又は徴収される税額に充てられたものとする。但し、国税徴収法第二十八条の規定の適用を妨げない。

第四十三条 第十八条、第十九条第一項但書(同条第七項において準用する場合を含む。)又は第二十条乃至第二十二条の規定による申告書の提出があつた場合において、第二十九条乃至第三十一条の規定による更正若しくは決定があつたとき又は第二十四条の規定による修正申告書の提出があつたときは、政府は、当該更正若しくは決定又は修正申告前の申告若しくは修正申告に係る法人税額(納付すべき法人税のない旨の申告書を提出した場合には、その旨の申告)に誤があつたことについて正当な事由がないと認める場合には、当該更正若しくは決定に係る第三十三条第一項の追徴税額若しくは同条第二項の規定により徴収すべき法人税額又は当該修正申告書の提出に因り第二十六条の二第二項若しくは第三項の規定により納付すべき法人税額に百分の五の割合を乗じて計算した金額に相当する過少申告加算税額を徴収する。

  左の各号の一に該当する場合においては、政府は、第一号及び第三号の場合にあつては第十八条又は第二十条乃至第二十二条の規定により申告書の提出がなかつたことについて、第二号及び第四号の場合にあつては更正又は修正申告前の申告又は修正申告に係る法人税額(納付すべき法人税のない旨の申告書を提出した場合には、その旨の申告)に誤があつたことについて正当な事由がないと認める場合には、当該各号に掲げる法人税額に、当該各号に掲げる期間に応じ、当該期間が一箇月以内のときは百分の十の割合、一箇月をこえ二箇月以内のときは百分の十五の割合、二箇月をこえ三箇月以内のときは百分の二十の割合、三箇月をこえるときは百分の二十五の割合を乗じて計算した金額に相当する無申告加算税額を徴収する。

 一 第二十三条の規定による申告書の提出があつた場合においては当該申告書の提出に因り第二十六条の二第一項の規定により納付すべき法人税額について、第十八条又は第二十条乃至第二十二条に規定する申告書の提出期限の翌日から当該申告書を提出した日までの期間

 二 前号の規定に該当する場合において、第二十九条乃至第三十一条の規定による更正若しくは決定があつたとき又は第二十四条第一項若しくは第二項の規定による修正申告書の提出があつたときは、当該更正若しくは決定に係る第三十三条第一項の追徴税額又は当該修正申告書の提出に因り第二十六条の二第二項の規定により納付すべき法人税額について、前号に掲げる期間

 三 第十八条又は第二十条乃至第二十二条の規定による申告書の提出がなかつた場合において、第三十条の規定による決定があつたときは、当該決定に係る第三十三条第一項の追徴税額について、第十八条又は第二十条乃至第二十二条に規定する申告書の提出期限の翌日から当該決定に係る第三十二条の通知をなした日までの期間

 四 前号の規定に該当する場合において、第二十九条第一項若しくは第三十一条第一項の規定による更正があつたとき又は第二十四条第二項の規定による修正申告書の提出があつたときは、当該更正に係る第三十三条第一項の追徴税額又は当該修正申告書の提出に因り第二十六条の二第二項の規定により納付すべき法人税額について、第十八条又は第二十条乃至第二十二条に規定する申告書の提出期限の翌日から当該更正に係る第三十二条の通知をなした日又は当該修正申告書を提出した日までの期間

  第二十三条第一項の規定による申告書又は第二十四条の規定による修正申告書の提出があつた場合において、その提出が当該申告書又は修正申告書を提出した法人に係る政府の調査に因り第二十九条乃至第三十一条の規定による更正又は決定があるべきことを予知してなされたものでなかつたときは、政府は、当該修正申告書の提出に因り第二十六条の二第二項若しくは第三項の規定により納付すべき法人税に係る過少申告加算税額又は当該申告書若しくは修正申告書の提出に因り同条第一項若しくは第二項の規定により納付すべき法人税額に百分の五の割合を乗じて計算した金額に相当する無申告加算税額を徴収しない。

  前条第三項及び第四項の規定は、第一項又は第二項の規定により過少申告加算税額又は無申告加算税額を徴収する場合について、これを準用する。

第四十三条の二 前条第一項の規定に該当する場合において、法人が課税標準又は欠損金額の計算の基礎となるべき事実を隠ぺいし又は仮装し、その隠ぺいし又は仮装したところに基いて第十八条、第十九条第一項但書(同条第七項において準用する場合を含む。)若しくは第二十条乃至第二十二条の規定による申告書又は第二十四条の規定による修正申告書を提出していたときは、政府は、前条第一項の過少申告加算税額に代え、過少申告加算税額計算の基礎となるべき第三十三条第一項の追徴税額若しくは同条第二項の規定により徴収すべき法人税額又は第二十六条の二第二項若しくは第三項の規定により納付すべき法人税額に百分の五十の割合を乗じて計算した金額に相当する重加算税額を徴収する。

  前条第二項の規定に該当する場合において、左の各号の一に該当する事由があるときは、政府は、無申告加算税額の外、同項各号に掲げる法人税額又は第三十三条第一項の追徴税額に百分の五十の割合を乗じて計算した金額に相当する重加算税額を徴収する。

 一 前条第二項第一号又は第三号の規定に該当する場合においては、法人が課税標準の計算の基礎となるべき事実を隠ぺいし又は仮装し、その隠ぺいし又は仮装したところに基いて第十八条又は第二十条乃至第二十二条の規定による申告書を提出しなかつたこと。

 二 前条第二項第二号の規定に該当する場合においては、法人が課税標準の計算の基礎となるべき事実を隠ぺいし又は仮装し、その隠ぺいし又は仮装したところに基いて第二十三条の規定による申告書又は第二十四条第一項若しくは第二項の規定による修正申告書を提出したこと。

 三 前条第二項第四号の規定に該当する場合においては、法人が課税標準の計算の基礎となるべき事実を隠ぺいし又は仮装し、その隠ぺいし又は仮装したところに基いて第十八条若しくは第二十条乃至第二十二条の規定による申告書を提出せず、又は第二十四条第二項の規定による修正申告書を提出したこと。

  前二項の規定に該当する場合において、第二十三条第一項の規定による申告書又は第二十四条の規定による修正申告書の提出について前条第三項に規定する事由があるときは、政府は、当該申告書又は修正申告書の提出に因り第二十六条の二の規定により納付すべき法人税額に係る重加算税額を徴収しない。

  第四十二条第三項及び第四項の規定は、第一項又は第二項の規定により重加算税額を徴収する場合について、これを準用する。

 第四十四条中「前条」を「前二条」に、「追徴する税額」を「徴収する過少申告加算税額若しくは無申告加算税額又は重加算税額」に改める。

 第四十五条から第四十六条の二までの中「納税義務がある法人又は納税義務があると認められる法人」を「法人」に改める。

 第四十六条の二中「又は財務局」を「又は国税局」に改める。

 第四十六条の三第一項中「納税義務がある法人の」を「内国法人については、その」に改め、同条第二項中「この法律の施行地に本店又は主なる事務所を有しない法人でこの法律の施行地に資産又は事業を有するもの」を「外国法人」に改め、同条に次の一項を加える。

  政府は、前二項の規定により納税地を指定したときは、これを当該法人に通知する。

 第四十六条の三の次に次の二条を加える。

第四十六条の四 新たに設立した内国法人(第四条に掲げる法人及び他の法令の規定により法人税を課せられない法人を除く。)は、設立の日から二箇月以内に、その設立の日、名称、事業目的、代表者の氏名及び本店又は主たる事務所の所在地を政府に申告しなければならない。

  新たに外国法人となつた法人は、その外国法人となつた日から二箇月以内に、その外国法人となつた日、名称、この法律の施行地における事業の目的、この法律の施行地における資産又は事業の管理又は経営の責任者の氏名及び本店又は主たる事務所の所在地を政府に申告しなければならない。

  第五条第一項各号に掲げる法人は、新たに同項の収益事業を開始した場合においては、その開始した日から二箇月以内に、その開始の日及び収益事業の種類を政府に申告しなければならない。

  法人は、前三項の規定による申告をなす場合においては、その申告書に命令で定める書類を添附しなければならない。

第四十六条の五 内国法人の清算が結了したときは、当該法人の清算人は、その旨及び清算結了の日を記載した申告書を政府に提出しなければならない。

  外国法人が外国法人でなくなつたときは、当該法人のこの法律の施行地における資産又は事業の管理又は経営の責任者は、その旨及び外国法人でなくなつた日を記載した申告書を政府に提出しなければならない。

 第十章を第九章とする。

 第四十八条を次のように改める。

第四十八条 詐偽その他不正の行為により、第十八条第一項、第二十一条第一項若しくは第二十二条第一項の規定により申告をなすべき法人税を免れ又は第二十六条の三第四項の規定による金額の還付を受けた場合においては、法人の代表者、代理人、使用人その他の従業者でその違反行為をなした者は、これを三年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

  前項の免れた法人税額又は還付を受けた金額が五百万円をこえるときは、情状に因り、同項の罰金は、五百万円をこえその免れた法人税額又は還付を受けた金額に相当する金額以下となすことができる。

  第一項の場合においては、政府は、直ちに、その免れた法人税額又は還付を受けた金額(第二十六条の三第六項の規定により加算された金額のうち当該金額に対応する部分の金額を含む。)に相当する税額の法人税を徴収する。

第四十八条の二 正当の事由がなくて第十八条第一項、第二十一条第一項又は第二十二条第一項の規定による申告書を当該各号に規定する申告書の提出期限内に提出しなかつた場合においては、法人の代表者、代理人、使用人その他の従業者でその違反行為をなした者は、これを一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。但し、情状に因り、その刑を免除することができる。

第四十八条の三 第二十五条の二第一項乃至第三項の規定に違反した者又はこれらの規定に違反する申告書の提出があつた場合においてその行為をなした者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。但し、情状に因り、その刑を免除することができる。

 第四十九条第一号から第四号までを同条第二号から第五号までとし、同条に次の一号を加える。

 一 第十九条第一項但書(同条第七項において準用する場合を含む。)又は第二十条第一項の規定による申告書(第二十三条第一項の規定による申告書で第二十条第一項に規定する事項を記載したものを含む。)に虚偽の記載をなして政府に提出した場合において、法人の代表者、代理人、使用人その他の従業者でその違反行為をなした者

 第五十条中「二万円」を「三万円」に改める。

 第五十一条中「第四十八条」の下に「、第四十八条の二」を加える。

 第五十三条を次のように改める。

第五十三条 第四十八条第一項の罪を犯した者には、刑法第四十八条第二項、第六十三条及び第六十六条の規定は、これを適用しない。但し、懲役刑に処する場合又は懲役及び罰金を併科する場合における懲役刑については、この限りでない。

 附則第七条及び第八条を削る。

   附 則

1 この法律は、昭和二十五年四月一日から施行する。但し、法人税法第三十五条第七項の改正規定は、同年七月一日から施行する。

2 この附則において、「新法」とは、この法律による改正後の法人税法の規定をいい、「旧法」とは、この法律による改正前の法人税法の規定をいう。

3 新法の規定は、特別の定があるものを除く外、法人の昭和二十五年四月一日以後に終了する事業年度分の法人税から適用する。但し、新法第五条第一項各号に掲げる法人(宗教法人及び法人たる労働組合を除く。)については、昭和二十五年四月一日以後に開始する事業年度分の法人税から適用する。

4 法人の昭和二十五年四月一日前に終了した事業年度(旧法第二十一条の規定により一事業年度とみなされた期間を含む。)分の法人税及び同日前の解散又は合併に因る清算所得に対する法人税については、特別の定があるものを除く外、なお従前の例による。この場合において、旧法第二十一条第一項の規定の適用を受ける法人の昭和二十五年四月一日を含む事業年度について、同項の規定により一事業年度とみなされた期間が同日前に終了している場合における当該期間に係る当該法人の超過所得に対する法人税については、当該法人税額が当該期間を含む事業年度について旧法の規定により計算した超過所得に対する法人税額をこえる場合においては、税務署長は、当該法人の申請により、これを調査し、その超過額を還付する。新法第二十六条の二第三項、第三十三条第二項及び第四十二条の規定は、当該事業年度分の法人税に係る新法第二十四条第一項又は第二項の規定による修正申告書の提出、第三十三条第一項の規定による追徴税額の徴収等に因り当該還付金額が過大となつた場合について、準用する。

5 新法第五条第一項各号に掲げる法人(宗教法人及び法人たる労働組合を除く。)の昭和二十五年三月三十一日を含む事業年度分の法人税については、なお従前の例による。

6 新法第二十五条、第三十一条の三及び第三十二条後段の規定は、法人の昭和二十五年一月一日以後に開始する事業年度分の法人税から適用する。

7 会社経理応急措置法(昭和二十一年法律第七号)第一条に規定する特別経理会社については、新法第九条の四の規定は、企業再建整備法(昭和二十一年法律第四十号)の規定による旧勘定及び新勘定の併合の日を含む事業年度後の事業年度分の法人税から適用する。

8 新法第三十四条から第三十八条までの規定は、昭和二十五年四月一日以後になされた新法第三十四条第一項又は第三項に規定する通知に係る事項から適用する。同日以後になされた旧法第三十六条に規定する通知に係る事項については、これを新法第三十四条第一項に規定する通知に係る事項とみなして、新法第三十四条から第三十八条までの規定を適用する。

9 新法第四十条の規定は、昭和二十五年四月一日以後に報告のあつた分から適用し、同日前に報告のあつた分については、なお従前の例による。

10 法人の昭和二十五年四月一日前に終了した事業年度分の法人税に係る旧法第四十二条の規定により納付し、又は徴収すべき税額でこの法律施行前の期間に対応するものについては、なお従前の例による。

11 旧法第二十六条又は第三十三条の規定により納付し、又は徴収すべき法人税でこの法律施行の際において未納であるもの及びこの法律施行後においてこれらの規定により納付し、又は徴収すべき法人税については、この法律施行後(当該法人税に係る旧法第二十六条第一項の納期限がこの法律施行後である場合には、当該納期限以後)当該法人税を納付し、又は徴収する日までの期間に応じて、新法第四十二条の規定を適用する。

12 新法第九条の六の規定は、昭和二十五年四月一日前になされた法人の解散又は合併に因り法人が取得した金銭の額及び金銭以外の財産の価額で同条第二項の規定により利益の配当又は剰余金の分配に因り受けた金額とみなされるものについては、適用しない。

13 旧法第九条第四項の規定は、法人の昭和二十四年十二月三十一日を含む事業年度以前の事業年度において生じた損金について、なおその効力を有する。

14 附則第四項に規定する法人税に係る旧法第三十九条に規定する事項については、同条の例によらない。

15 旧法第二十一条第一項の規定の適用を受ける法人の昭和二十五年四月一日を含む事業年度について、同項の規定により一事業年度とみなされた期間が同日前に終了している場合における当該期間に係る当該法人の普通所得及び当該普通所得に対する法人税並びに当該法人税に係る旧法第四十二条又は第四十三条の規定による税額は、新法第十九条第一項本文(同条第七項において準用する場合を含む。以下同じ。)又は第二十六条第三項若しくは第二十六条の二第一項の規定の適用については、それぞれ当該法人の当該期間に係る所得及び当該所得に対する法人税並びに新法第四十二条又は第四十三条の規定による利子税額及び過少申告加算税額又は無申告加算税額とみなす。

16 法人の昭和二十五年四月一日以後に終了する事業年度分の法人税について新法第十九条第一項本文の規定の適用がある場合において、同項本文に規定する前事業年度が同日前に終了しているときは、その前事業年度の法人税は、同項本文の規定による申告書を提出すべき事業年度開始の日から七月を経過した日の前日までに、その前事業年度の普通所得に対する法人税として納付した税額及び納付すべきことが確定した税額の合計額(当該法人税に係る旧法第三十五条第一項、第四十二条又は第四十三条の規定による税額及び新法第四十二条の規定による利子税額に相当する法人税額は、これを含まない。)とする。

17 所得税法の臨時特例等に関する法律(昭和二十四年法律第二百六十九号)第二条の規定による届出をした法人は、新法第二十五条第三項の規定による申請書を提出したものとみなす。

18 新法第四十八条から第四十八条の三まで及び第四十九条第一号の規定、新法第四十八条、第四十八条の二又は第四十九条第一号の違反行為に係る第五十一条の規定及び新法第五十三条の規定は、法人の昭和二十五年四月一日以後に終了する事業年度分の法人税から適用する。

19 新法第五十条の規定は、この法律施行後にした違反行為から適用し、この法律施行前にした違反行為については、なお従前の例による。

20 前項の規定に該当する場合を除く外、法人の昭和二十五年四月一日前に終了した事業年度分の法人税に係る違反行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

21 この法律施行の際現に存する法人で新法第七条第二項の規定の適用を受けるものは、この法律施行後二月以内に、事業年度その他これに準ずる期間を定めて、納税地の所轄税務署長に申告しなければならない。

22 この法律施行の際現に存する法人で新法第九条の七第一項又は第九条の八第一項の規定の適用を受けるものは、この法律施行後新法第十八条乃至第二十一条の規定により最初に申告書を提出すべき期限までに、新法第九条の七第一項又は第九条の八第一項の方法のうち、そのよるべき方法を選定して、これを納税地の所轄税務署長に届け出なければならない。その届出をしなかつた法人については、新法第九条の七第二項又は第九条の八第二項の規定を適用する。

23 昭和二十五年一月一日以後同年五月三十一日以前に開始する事業年度分の法人税について新法第二十五条第一項の規定による青色申告書を提出しようとする法人(附則第十七項の規定の適用を受ける法人を除く。)は、この法律施行後二月以内に、同条第三項の規定による申請書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。

24 この法律施行の際現に存する新法第五条第一項各号に掲げる法人は、この法律施行後二月以内に、その設立の日、名称、事業目的、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地を納税地の所轄税務署長に申告しなければならない。この場合においては、当該法人は、その申告書に定款、寄附行為、規則又は規約の写、事業の詳細を示す書類その他命令で定める書類を添附しなければならない。

           (大蔵・内閣総理大臣署名) 

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