電気事業会社の米国対日援助見返資金等の借入金の担保に関する法律
法律第百四十五号(昭二五・五・四)
第一条 国は、電気事業会社に対する米国対日援助見返資金の運用による貸付金については、当該会社の財産につき他の債権者に先だつて自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
2 復興金融金庫は、電気事業会社に対する貸付金については、当該会社の財産につき他の債権者に先だつて自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
3 前二項の先取特権の順位は、民法(明治二十九年法律第八十九号)の規定による一般の先取特権に次ぐものとする。
第二条 前条第一項又は第二項の貸付金を借り入れた電気事業会社は、二週間以内に、通商産業省令で定める手続に従い、左に掲げる事項を公告しなければならない。
一 電気事業会杜の名称及び住所
二 借入先及び借入金額
三 借入金の利率
四 借入金の償還の方法及び期限
五 利息の支払の方法及び期限
2 前条第一項又は第二項の貸付金を借り入れた電気事業会社は、商法(明治三十二年法律第四十八号)第二百八十三条第二項の規定により公告する貸借対照表に、当該借入先及び借入金額を附記しなければならない。
第三条 会社の業務を執行する取締役その他の役員は、左の場合においては、十万円以下の過料に処する。
一 前条第一項の規定による公告をせず、又は虚偽の公告をしたとき。
二 前条第二項の規定による附記をせず、又は虚偽の附記をしたとき。
附 則
1 この法律は、公布の日から施行する。
2 この法律は、電気事業会杜がこの法律の施行前に借り入れた第一条第一項又は第二項の貸付金についても、適用する。但し、第二条第一項の期間は、この法律の施行の日から起算する。
3 この法律の施行前に電気事業会仕が借り入れた第一条第一項の貸付金について物上担保を附することを約した契約の条項は、この法律の施行の日に効力を失うものとする。
(法務総裁・大蔵・通商産業・内閣総理大臣署名)