漁港法

法律第百三十七号(昭二五・五・二)

目次

 第一章 総則(第一条―第四条)

 第二章 漁港の指定(第五条・第六条)

 第三章 漁港審議会(第七条―第十六条)

 第四章 漁港修築事業(第十七条―第二十四条)

 第五章 漁港の維持管理(第二十五条―第三十九条)

 第六章 雑則(第四十条―第四十四条)

 第七章 罰則(第四十五条―第四十七条)

 附則

   第一章 総則

 (この法律の目的)

第一条 この法律は、水産業の発達を図り、これにより国民生活の安定と国民経済の発展とに寄与するために、漁港を整備し、及びその維持管理を適正にすることを目的とする。

 (漁港の意義)

第二条 この法律で「漁港」とは、天然又は人工の漁業根拠地となる水域及び陸域並びに施設の総合体であつて、第五条第一項の規定により指定されたものをいう。

 (漁港施設の意義)

第三条 この法律で「漁港施設」とは、左に掲げる施設であつて、漁港の区域内にあるものをいう。

 一 基本施設

  イ 外かく施設    防波堤、防砂堤、導流堤、水門、こう門及び護岸

  ロ けい留施設    岸壁、物揚場、けい船浮標、けい船くい、さん橋、

             浮さん橋及び船揚場

  ハ 水域施設     航路及び泊地

 二 機能施設

  イ 輸送施設     鉄道、軌道、道路、橋りよう及び運河

  ロ 航行補助施設   航路標識並びに漁船の入出港のための信号施設及び照明施設

  ハ 漁港施設用地   各種漁港施設の敷地

  ニ 漁船漁具保全施設 漁船修理場、漁船機関修理場及び漁具干場

  ホ 補給施設     漁船のための給水及び給油施設

  ヘ 漁獲物の処理、保 荷さばき所、荷役機械、

    蔵及び加工施設  水産倉庫、製氷、冷凍及び冷蔵施設並びに加工場

  ト 漁業用通信施設、 陸上無線電信、陸上無線電話及び気象信号所

  チ 漁船船員厚生施設 宿泊所、浴場、診療所及び漁船船員ホール

  リ 漁港管理施設   管理事務所及び監視所

 (漁港修築事業の意義)

第四条 この法律で「漁港修築事業」とは、第十七条第一項の漁港の整備計画に基いて行う漁港施設の新築、増築、改築、補修若しくは除却、漁港の区域内の土地の欠壊の防止又は漁港の区域内への土砂の流入の防止その他漁港の整備を図るための事業をいう。

   第二章 漁港の指定

 (漁港の指定)

第五条 農林大臣は、漁港審議会の議を経、且つ、関係都道府県知事の意見を徴して、漁港の名称、種類及び区域を定めて漁港の指定を行う。

2 農林大臣は、前項の規定により指定した漁港について、事情の変更その他特別の事由があると認める場合には、漁港審議会の議を経、且つ、関係都道府県知事の意見を徴して、当該指定の内容を変更し、又は当該指定を取り消すことができる。

3 農林大臣は、第一項の指定又は前項の変更をしようとする場合において、漁港の区域を定め、又は変更しようとするときは、当該漁港の区域について、運輸大臣に協議しなければならない。

4 農林大臣は、河川法(明治二十九年法律第七十一号)第二条第一項の規定による河川の区域について、第一項の指定又は第二項の変更をしようとするときは、当該漁港の区域について、当該河川を管理する地方行政庁に協議しなければならない。

5 第一項の指定及び第二項の変更又は取消は、告示でする。

 (漁港の種類)

第六条 漁港の種類は、左の通りとする。

 第一種漁港 その利用範囲が地元の漁業を主とするもの

 第二種漁港 その利用範囲が第一種漁港よりも広く、第三種漁港に属しないもの

 第三種漁港 その利用範囲が全国的なもの

 第四種漁港 離島その他辺すうの地にあつて漁場の開発又は漁船の避難上特に必要なもの

   第三章 漁港審議会

 (設置及び権限)

第七条 この法律の規定によりその権限に属せしめられた事項その他漁港に関する重要事項を調査審議するために、漁港審議会を置く。

2 漁港審議会は、漁港に関する事項につき、関係行政庁に対し意見を提出することができる。

3 漁港審議会は、常に、中央漁業調整審議会と密接な連絡を保つように努めなければならない。

4 漁港審議会は、農林大臣の監督に属する。

 (組織)

第八条 漁港審議会は、委員九人をもつて組織する。

2 委員のうち一人は、水産庁長官をもつて充てる。

3 漁港審議会に会長を置き、委員の互選により選任する。

4 会長は、会務を総理する。

5 漁港審議会は、あらかじめ、委員の中から、会長に事故がある場合に会長の職務を代行する者を定めておかなければならない。

6 水産庁長官たる委員には、次条から第十二条までの規定は、適用しない。

 (委員の任命)

第九条 委員は、左に掲げる者の中から、内閣総理大臣が、両議院の同意を得て、任命する。

 一 漁港の整備について、充分な知識と経験を有する者

 二 漁港の修築に関する技術について、充分な知識と経験を有する者

 三 漁港の運営について、充分な知識と経験を有する者

 四 漁業に関し、充分な知識と経験を有する者

2 委員の任期が満了し、又は欠員を生じた場合において、国会の閉会又は衆議院の解散のため両議院の同意を得ることができないときは、内閣総理大臣は、前項の規定にかかわらず、両議院の同意を得ないで委員を任命することができる。この場合においては、任命後最初の国会において、両議院の同意を得なければならない。

 (委員の任期)

第十条 委員の任期は、三年とする。但し、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

2 委員は、再任されることができる。

3 漁港審議会の設置後最初に任命される委員の任期は、任命の際において内閣総理大臣の定めるところにより、そのうち二人は一年、三人は二年、三人は三年とする。

 (委員の退職)

第十一条 委員は、第九条第二項後段の規定による両議院の同意がなかつたときは、当然退職するものとする。

 (委員の罷免)

第十二条 内閣総理大臣は、委員が心身の故障のため職務を執行することができず、又は委員に職務上の義務違反その他委員たるに適しない非行があると認める場合においては、両議院の同意を得て、これを罷免することができる。

2 内閣総理大臣は、前項の規定により委員の罷免について両議院の同意を得ようとするときは、あらかじめ、当該委員に罷免の事由を文書をもつて通知し、当該委員又はその代理人が公開の聴問において弁明し、且つ、有利な証拠を提出する機会を与えなければならない。

 (議決方法及び調査等)

第十三条 漁港審議会は、委員の過半数の出席がなければ、議事を開き、議決をすることができない。

2 漁港審議会の議事は、出席した委員(会長たる委員を除く。)の過半数で決する。可否同数のときは、会長の決するところによる。

3 漁港審議会は、公務所、漁港関係者若しくはその組織する団体その他の関係者に対し、審議のために必要な報告若しくは資料の提出を求め、又は関係人の出頭を求めてその意見を徴することができる。

4 漁港審議会は、審議のために必要があると認める場合には、公務所、漁港関係者若しくはその組織する団体又は学識経験のある者に必要な調査を嘱託することができる。

5 第三項の規定により出頭を求められた者は、政令の定めるところにより、旅費及び手当を請求することができる。

 (公聴会)

第十四条 漁港審議会は、第十七条第一項の漁港の整備計画について意見を決定するとき、その他必要があると認めるときは、公聴会を開くことができ、又は農林大臣の指示若しくは漁港審議会の定める利害関係人の請求があつたときは、公聴会を開かなければならない。

 (委員の実費弁償)

第十五条 委員は、政令の定めるところにより、旅費、手当その他職務の遂行に伴う実費を受けるものとする。

 (委任規定)

第十六条 この法律に定めるものの外、漁港審議会の運営に関し必要な事項は、漁港審議会が定める。

   第四章 漁港修築事業

 (漁港の整備計画)

第十七条 農林大臣は、漁港審議会の意見を徴し、その意見を採択して漁港の整備計画を定め、閣議の決定を経なければならない。もし、農林大臣が、漁港審議会の意見を採択することができないときは、その定めた漁港の整備計画に当該漁港審議会の意見を添えて内閣に提出しなければならない。

2 内閣は、前項の規定により漁港の整備計画を決定したときは、これを国会に提出して、その承認を受けなければならない。この場合において、内閣が決定した漁港の整備計画が漁港審議会の意見と異なるときは、内閣は、漁港審議会の意見を添えて国会に提出しなければならない。

3 内閣は、毎年度、国の財政の許す範囲内において、前項の漁港の整備計画を実施するために、必要な経費を予算に計上しなければならない。

 (施行者)

第十八条 漁港修築事業は、国、漁港の所在地の地方公共団体又は漁港を地区内に有する水産業協同組合でなければ、施行することができない。

 (施行の許可)

第十九条 国以外の者が漁港修築事業を施行しようとする場合には、第十七条第一項の漁港の整備計画に基いて漁港修築計画を定めた上、農林大臣の許可を受けなければならない。

2 農林大臣は、前項の許可をするについては、あらかじめ漁港審議会の議を経て定めた基準によらなければならない。

3 国が漁港修築事業を施行する場合には、農林大臣は、第十七条第一項の漁港の整備計画に基いて漁港修築計画を定めなければならない。

4 第一項又は前項の規定により漁港修築計画を定める場合においては、その漁港に漁港管理者があるときには、当該漁港管理者の意見を徴し、その意見を尊重して、これをしなければならない。

5 第一項又は第三項の場合において、漁港修築事業を施行しようとする者は、漁港修築計画を定めるために必要があるときには、五日前にその所有者又は占有者に通知して、他人の土地又は水面に立ち入り、測量又は検査をすることができる。この場合において、国以外の者の施行に係るときには、立ち入るべき土地又は水面の区域を定めて、あらかじめ、農林大臣の許可を受けなければならない。

6 前項の規定による立入、測量又は検査をする者は、その身分を示す証票を携帯しなければならない。

7 第五項の場合には、当該施行者たるべき者は、遅滞なく、同項の立入、測量又は検査により現に生じた損害を補償しなければならない。

 (費用の負担及び補助)

第二十条 国が漁港修築事業を施行する場合には、国は、政令で定める基準に従い、その費用の一部を当該漁港の漁港管理者の同意を得て、これに負担させることができる。

2 国以外の者が第三種漁港又は第四種漁港について漁港修築事業を施行する場合には、第三条第一号の基本施設の修築に要する費用は、左の区分に従い、各々その定める割合を国において負担する。

  区  分    比       率

  第三種漁港  北海道にあつては百分の六十、その他の地域にあつては百分の五十

  第四種漁港  北海道にあつては百分の八十、その他の地域にあつては百分の七十

         五又は百分の六十

3 国以外の者が第一種漁港又は第二種漁港について漁港修築事業を施行する場合には、第三条第一号の基本施設の修築に要する費用は、左の区分に従い、各々その定める割合をもつて、国は、当該漁港修築事業の施行者に補助する。

  区  分    比      率

  第一種漁港  北海道にあつては百分の六十、その他の地域にあつては百分の四十

  第二種漁港  北海道にあつては百分の六十、その他の地域にあつては百分の四十

4 国以外の者が漁港修築事業を施行する場合において、特に必要があると認めるときは、国は、前二項に規定するものの外、政令で定める基準に従い、予算の範囲内で当該漁港修築事業に要する費用の一部を当該漁港修築事業の施行者に補助することができる。

5 農林大臣は、前条第一項の許可をするについては、第二項又は第三項の規定により国が負担し、又は補助することとなる金額が、国会の議決を経た予算の金額をこえない範囲内で、これをしなければならない。

 (漁港修築事業の施行の許可に係る権利の譲渡及び漁港修築事業の施行の委託)

第二十一条 漁港修築事業の施行の許可に係る権利の譲渡は、農林大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

2 漁港修築事業の施行者は、農林大臣の許可を受けて、漁港修築事業の施行を委託することができる。

3 第一項の認可及び前項の許可をするについては、第十九条第二項の規定を準用する。

 (漁港修築計画の変更、漁港修築事業の廃止その他)

第二十二条 国以外の漁港修築事業の施行者は、事情の変更その他の事由がある場合において農林大臣の許可を受けた後でなければ、漁港修築計画を変更し、又は漁港修築事業の全部若しくは一部を廃止し、若しくはその施行を停止してはならない。

2 農林大臣は、前項の許可をする場合において、その漁港に漁港管理者があるときは、当該漁港管理者の意見を徴し、その意見を尊重して、これをしなければならない。但し、急速を要する場合及び軽微な事項である場合には、この限りでない。

 (施行者に対する指示及び命令並びに許可の取消)

第二十三条 農林大臣は、国以外の漁港修築事業の施行者に対し、工事の施行の順序その他漁港修築事業の施行方法に関する必要な事項を指示することができる。

2 農林大臣は、地形の変化その他の事由により必要があると認める場合には、国以外の漁港修築事業の施行者に対し、漁港修築計画の変更又は漁港修築事業の全部若しくは一部の廃止若しくはその施行の停止を命ずることができる。

3 農林大臣は、国以外の漁港修築事業の施行者がする事業の施行が、この法律、この法律に基く命令若しくはこれらの法令に基いてする行政庁の処分に違反し、若しくはしゆん功の見込がないと認めるとき、又は当該施行者が漁港修築計画において定められた期限までに工事に着手しないときは、当該漁港修築事業の施行の許可を取り消すことができる。

 (土地、水面等の使用及び収用)

第二十四条 漁港修築事業の施行者は、第三条第一号の基本施設を修築するために必要がある場合には、必要な土地若しくはこれに定着する物件又はこれらに関する権利を土地収用法(明治三十三年法律第二十九号)により、収用又は使用することができる。

2 漁港修築事業の施行者は、漁港修築事業の施行のために必要がある場合には、五日前にその所有者又は占有者に通知して、他人の土地若しくは水面に立ち入り、又はこれらを一時材料置場として使用することができる。この場合において、国以外の者の施行に係るときには、立ち入り、若しくは使用すべき土地若しくは水面の区域又は使用の期間を定めて、あらかじめ、農林大臣の許可を受けなければならない。

3 前項の規定による立入をする者は、その身分を示す証票を携帯しなければならない。

4 第二項の場合には、漁港修築事業の施行者は、遅滞なく、同項の立入若しくは使用により現に生じた損害を補償し、又は相当の使用料を支払わなければならない。

   第五章 漁港の維持管理

 (漁港管理者の指定)

第二十五条 漁港の維持、保全及び運営その他漁港の維持管理の適正を図るために、農林大臣は、漁港審議会の議を経て定める基準に従い、且つ、関係都道府県知事の意見を徴し、当該漁港の所在地の地方公共団体又は当該漁港を地区内に有する水産業協同組合を漁港管理者に指定する。

2 前項の規定により指定された地方公共団体又は水産業協同組合は、正当の事由がない限り、当該指定を拒むことができない。

3 農林大臣は、漁港管理者が、漁港の維持管理を適正に行わず、又は漁港管理者として適当でないと認める場合には、第一項の規定による漁港管理者の指定を取り消すことができる。

4 農林大臣は、第一項の規定により漁港管理者の指定をしようとするとき、又は前項の規定により漁港管理者の指定を取り消そうとするときは、公聴会を開かなければならない。

5 第一項の指定及び第三項の取消は、告示でする。

 (漁港管理者の職責)

第二十六条 漁港管理者は、漁港管理計画及びこれを実施するために必要な漁港管理規程を定め、これに従い漁港の維持管理をする責に任ずる。

 (漁港管理会の設置及び権限)

第二十七条 漁港管理者は、漁港の維持管理に関する重要事項を調査審議させるために、漁港に、漁港管理会を置かなければならない。但し、第一種漁港、水産業協同組合が漁港管理者たる漁港及び農林大臣が漁港審議会の議を経て指定した漁港については、この限りでない。

2 漁港管理者は、漁港管理会を設置したときは、遅滞なく、その旨を農林大臣に届け出なければならない。

3 漁港管理者は、漁港管理計画の設定、漁港管理規程の制定その他漁港の維持管理に関する重要事項については、漁港管理会の意見を徴し、その意見を尊重しなければならない。

 (漁港管理会の組織)

第二十八条 漁港管理会は、会長及び委員をもつて組織する。

2 会長は、漁港管理者である地方公共団体の長又は水産業協同組合の代表者(代表者が数人ある場合には、その数人のうち漁港管理者の指定する者)をもつて充てる。

3 会長は、会務を総理する。

4 委員は、左に掲げる者をもつて充てる。

 一 当該漁港の所在地の市町村の区域内に住所又は事業場を有する者であつて、一年に九十日以上、漁船を使用する漁業を営み、又は漁業者のために漁船を使用して行う水産動植物の採捕若しくは養殖に従事する者の中から互選せられた者七人

 二 漁港に関し充分な知識と経験を有する者の中から当該漁港の所在地の市町村長が推薦した者について、漁港管理者が任命した者二人

 三 漁港に関し充分な知識と経験を有する者の中から当該漁港の所在地の都道府県知事が推薦した者について、漁港管理者が任命した者二人(第一種漁港における漁港管理会については一人)

 四 漁港に関し充分な知識と経験を有する者の中から農林大臣が推薦した者について、漁港管理者が任命した者一人(第三種漁港及び第四種漁港における漁港管理会に限る。)

5 漁港の所在地が二以上の市町村又は二以上の都道府県にわたる場合には、各市町村又は各都道府県ごとに前項第一号から第三号までに規定する員数の委員を互選し、又は任命する。

6 農林大臣は、漁港の所在地が二以上の市町村又は二以上の都道府県にわたる場合その他特別の事由がある場合には、漁港審議会の議を経て、第四項各号の委員の定数を変更することができる。

7 同一市町村の区域内に二以上の漁港がある場合その他特別の事由がある場合には、農林大臣は、漁港審議会の議を経て、漁港ごとに漁港関係区域を定めることができる。この場合には、第四項第一号中「市町村の区域」とあるのは「漁港関係区域」と読み替えるものとする。

8 第六項の規定による委員の定数の変更及び前項の規定による漁港関係区域の定は、告示でする。

9 第四項第一号の委員の選挙に関し必要な事項は、条例で定める。

 (委員の任期)

第二十九条 漁港管理会の委員の任期は、二年とする。但し、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

 (委員の改選の請求と罷免)

第三十条 第二十八条第四項第一号の委員の選挙権を有する者は、条例の定めるところにより、その市町村の区域又は漁港関係区域におけるその総数の二分の一以上の者の連署をもつて、その代表者から、当該区域に属する者の中から選挙された委員の改選を請求することができる。

2 前項の場合には、漁業法(昭和二十四年法律第二百六十七号)第九十九条第二項から第四項までの規定(委員の解職の請求に関する規定)を準用する、この場合において、同条第二項中「三分の一」とあるのは「二分の一」と読み替えるものとする。

3 漁港管理者は、第二十八条第四項第一号の委員以外の委員が心身の故障のため職務を執行することができず、又はその委員に職務上の義務違反その他委員たるに適しない非行があると認める場合においては、漁港管理会の意見を徴し、その意見を尊重してこれを罷免することができる。

4 漁港管理者は、前項の規定により委員の罷免について漁港管理会の意見を徴しようとするときは、あらかじめ、当該委員に罷免の事由を文書をもつて通知し、当該委員又はその代理人が公開の聴問において弁明し、且つ、有利な証拠を提出する機会を与えなければならない。

 (都に関する特例)

第三十一条 第二十八条及び前条中「市町村」又は「市町村長」とあるのは、都の区のある区域においては、「都」又は「都知事」とする。

2 第二十八条第四項第三号の規定は、都の区のある区域にある漁港における漁港管理会については、適用しない。

 (議決方法)

第三十二条 漁港管理会は、委員の過半数及び会長の出席がなければ、議事を開き、議決をすることができない。

2 漁港管理会の議事は、出席した委員の過半数で決する。可否同数のときは、会長の決するところによる。

 (委員の実費弁償)

第三十三条 漁港管理会の委員は、漁港管理規程の定めるところにより、旅費、手当その他職務の遂行に件う実費を受けることができる。

 (漁港管理計画及び漁港管理規程の制定及び変更)

第三十四条 漁港管理者が漁港の維持管理をする場合においては、漁港管理計画又は漁港管理規程の設定若しくは制定又は変更は、農林大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

2 漁港管理計画においては、施行中の漁港修築事業に属するものを除き、左の各号に掲げる事項の基本について、必要な計画を定めなければならない。

 一 漁港施設の維持、保全及び運営その他漁港施設の維持管理に関する事項

 二 漁港の維持管理のための収支に関する事項

 三 前各号に掲げるものの外、漁港の維持管理に関し必要な事項 

3 漁港管理計画及び漁港管理規程は、公示しなければならない。

4 農林大臣は、漁港審議会の議を経て、模範漁港管理計画例及び模範漁港管理規程例を定めることができる。

 (利用の対価の徴収)

第三十五条 漁港管理者は、漁港の維持管理に要する費用に充てるために、漁港管理規程の定めるところにより、漁港の利用者から、利用料、使用料、手数料、占用料等その利用の対価を徴収することができる。

 (土地、水面等の使用及び収用)

第三十六条 第二十四条の規定は、漁港の維持管理のために必要がある場合に準用する。

2 漁港管理者は、非常災害のために急迫の必要がある場合には、その現場にある者を復旧、危害防止その他の業務に協力させ、又は前項の規定によらないで左に掲げる処分をすることができる。

 一 必要な土地、水面、船舶又は工作物を使用すること。

 二 土石、竹木その他の物件(前号に掲げる物を除く。)を使用し、又は収用すること。

3 第二十四条第四項の規定は、前項の処分をした場合に準用する。

 (漁港施設の処分の制限)

第三十七条 漁港施設の所有者又は占有者は、農林大臣の許可を受けなければ、当該施設の形質若しくは所在の場所の変更、譲渡、賃貸又は収去その他の処分をしてはならない。但し、漁港修築計画又は漁港管理計画若しくは漁港管理規程によつてする場合には、この限りでない。

2 農林大臣は、漁港の保全上必要があると認める場合には、第一項の規定に違反した者に対し、原状回復を命ずることができる。

3 前項の規定による原状回復に要する費用は、当該違反者の負担とする。

 (漁港施設の利用)

第三十八条 国及び漁港管理者以外の者が基本施設である漁港施設を他人に利用させ、又はこれらの施設の使用料を徴収しようとするときは、利用方法及び料率を定めて、農林大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様である。

2 農林大臣は、前項の認可をしようとする場合において、当該漁港に漁港管理者があるときは、当該漁港管理者の意見を徴し、その意見を尊重してこれをしなければならない。

 (漁港の保全)

第三十九条 漁港の区域内の水域において、工作物の建設、土砂の採取、汚水の放流若しくは汚物の放棄又は水面の一部の占用(公有水面の埋立による場合を除く。)をしようとする者は、農林大臣の許可を受けなければならない。但し、漁港修築計画又は漁港管理計画若しくは漁港管理規程によつてする場合には、この限りでない。

2 農林大臣は、前項の建設、採取、放流、放棄又は占用が漁港修築事業の施行又は漁港の利用を著しく阻害し、その他漁港の保全に著しく支障を与えるものでない限り、同項の許可をしなければならない。

3 農林大臣は、漁港の保全上必要があると認める場合には、第一項の規定に違反した者に対し、同項の規定に違反して建設された工作物の除却その他原状回復を命ずることができる。

4 漁港の区域内における公有水面の埋立については、都道府県知事は、農林大臣の認可を受けなければならない。但し、第一種漁港の区域内の埋立であつて当該漁港の利用を著しく阻害しないものについては、この限りでない。

5 農林大臣は、漁港区域内の土地、竹木又は工作物の所有者又は占有者に対し、土地の欠壊、土砂又は汚水の流出その他土地、竹木又は工作物が漁港に及ぼす虞のある危害を防止するために必要な施設をすべきことを命ずることができる。この場合においては、あらかじめ、当該所有者又は占有者の意見を聞かなければならない。

6 第三項の規定による除却その他原状回復に要する費用は、当該違反者の負担とし、前項の規定による施設に要する費用は、当該所有者又は占有者の負担とする。

   第六章 雑則 

 (漁港施設とみなされる施設)

第四十条 農林大臣は、第三条に掲げる施設であつて、漁港の区域内にないものについても、漁港審議会の議を経て、これを漁港施設とみなすことができる。この場合には、遅滞なく、その旨を当該施設の所有者又は占有者に通知する。

 (農林大臣の調査、測量及び検査)

第四十一条 農林大臣は、第五条の規定により漁港の区域を定め、又はこれを変更するために必要があると認める場合には、漁港関係者若しくはその組織する団体に対し必要な報告若しくは資料の提出を求め、又は五日前にその所有者若しくは占有者に通知して、他人の土地若しくは水面に立ち入り、測量若しくは検査をすることができる。

2 農林大臣は、必要があると認める場合には、漁港修築事業の施行者又は漁港管理者に対し、その事業の施行若しくは職務の執行に関して必要な報告若しくは資料の提出を求め、又は当該官吏に、事業場、事務所その他の場所に立ち入り、質問させ、若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。

3 前二項の規定による立入、測量、検査又は質問をする者は、その身分を示す証票を携帯しなければならない。

4 第一項の場合には、農林大臣は、遅滞なく、同項の立入、測量又は検査により現に生じた損害を補償しなければならない。

 (運輸大臣に対する協議)

第四十二条 農林大臣は、主として運輸の用に供する施設について、第三十八条第一項の認可をし、又は第三十九条第一項の許可をしようとするときは、運輸大臣に協議しなければならない。

 (訴願)

第四十三条 この法律若しくはこれに基く命令又は漁港管理規程によつてした行政庁の処分に不服のある者は、農林大臣に訴願することができる。

2 前項の規定による訴願の提起があつた場合には、農林大臣は、漁港審議会の意見を徴し、その意見を尊重して裁決をしなければならない。

3 漁港審議会は、前項の規定により意見を決定しようとするときは、あらかじめ、期日及び場所を通知して、当該訴願の提起者又は代理人に対し公開による聴問をしなければならない。

 (農林大臣の職権の委任)

第四十四条 この法律に定める農林大臣の職権の一部は、政令の定めるところにより、都道府県知事又は市町村長(都の区のある区域においては区長)に行わせることができる。この場合には、第四十一条第二項中「当該官吏」とあるのは「当該吏員」と読み替えるものとする。

   第七章 罰則

第四十五条 左の各号の一に該当する者は、三万円以下の罰金に処する。

 一 第十九条第五項の場合において、農林大臣の許可を受けないで他人の土地又は水面に立ち入つた者

 二 第二十四条第二項の場合において、農林大臣の許可を受けないで他人の土地若しくは水面に立ち入り、又はこれらを使用した者

 三 第三十七条第一項の規定に違反した者

 四 第三十九条第一項の許可を受けないで、同項の建設、採取、放流、放棄又は占用をした者 

第四十六条 左の各号の一に該当する者は、一万円以下の罰金に処する。

 一 第二十一条第二項の許可を受けないで、漁港修築事業の施行を委託した者

 二 第二十二条第一項の規定に違反した者

 三 第三十八条第一項の認可を受けないで、基本施設である漁港施設を他人に利用させ、又はこれらの施設の使用料を徴収した者

 四 第四十一条第二項の規定による当該官吏又は吏員の立入、測量又は検査を拒み、妨げ、又は忌避した者

第四十七条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業員が、その法人又は人の業務に関して、前二条の違反行為をした場合において、その法人又は人が、違反の計画を知りその防止に必要な措置を講じなかつたとき、違反行為を知りその是正に必要な措置を講じなかつたとき、又は違反を教唆したときは、その行為をした者を罰する外、その法人又は人に対しても、各本条の刑を科する。

   附 則

1 この法律施行の期日は、公布の日から起算して九十日をこえない範囲内で、政令で定める。但し、第二十条の規定は、昭和二十六年四月一日から施行する。

2 この法律施行後、漁港管理会が設置されるまでの間は、漁港管理者は、第二十七条第三項の規定にかかわらず、その権限を行うことができる。

3 水産庁設置法(昭和二十三年法律第七十八号)の一部を次のように改正する。

  第二条第六号を次のように改める。

  六 漁港の修築、維持管理及び災害復旧を行い、又はこれらを行う者に対する許可、認可、指導監督及び助成に関する事務を処理すること。

  同条中第七号を第八号とし、以下一号ずつ繰り下げ、第七号として次の一号を加える。

  七 漁港の区域における公有水面の埋立の認可に関する事務を処理すること。

  第四条第六号を次のように改める。

  六 漁港の修築、維持管理及び災害復旧を行い、又はこれらを行う者に対する許可、認可、指導監督及び助成に関する事務を処理すること。

  同条中第七号を第八号とし、以下一号ずつ繰り下げ、第七号として次の一号を加える。

  七 漁港の区域における公有水面の埋立の認可に関する事務を処理すること。

  第七条の六第一項中瀬戸内海連合海区漁業調整委員会の項の次に次の一項を加える。

漁港審議会

漁港法(昭和二十五年法律第百三十七号)の施行に関する事項を調査審議すること。

  同条第二項中「漁業法」の下に「、漁港審議会については、漁港法」を加える。

4 河川法の一部を次のように改正する。

  第二条に次の一項を加える。

   漁港法(昭和二十五年法律第百三十七号)ニ規定スル漁港ノ区域ニ付キ第一項又ハ第二項ノ規定ニ依リ地方行政庁カ河川ノ区域ノ認定又ハ変更ヲナサムトスルトキハ当該地方行政庁ハ農林大臣ニ協議スヘシ 

         (内閣総理・大蔵・農林・運輸・建設大臣署名)  

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