農業災害補償法の一部を改正する法律
法律第二百一号(昭二四・六・八)
農業災害補償法(昭和二十二年法律第百八十五号)の一部を次のように改正する。
第二条から第四条まで、第五条第二項、第十三条第二項、第十五条第二項、第十六条第二項、第二十条、第八十二条第一項、第九十一条、第四章題名、第百二十一条から第百二十四条まで、第百二十五条第一項、第百二十六条から第百三十条まで、第百三十一条第一項、第百三十二条から第百三十四条まで、第百三十八条から第百四十一条まで、第百五十三条第二項及び第百五十六条中「農業共済保険組合」を「農業共済組合連合会」に、第六十七条第二項中「農業共済保険組合登記簿」を「農業共済組合連合会登記簿」に改める。
第十五条第一項に次の一号を加える。
三 第八十三条第一項第四号の任意共済事業を行う農業共済組合にあつては、当該農業共済組合の区域内に住所を有し、当該共済事業の共済目的である農作物の耕作の業務を営む者又は当該共済事業の共済目的である農産物、建物若しくは農機具等を所有する者で農業を営むもの
第十六条第三項中「前条第一項第二号のみに該当する者」を「組合員たる資格を有する者で前条第一項第一号に該当しないもの」に改める。
第十九条第二項中「第十五条第一項第二号のみに該当するもの」を「第十五条第一項第一号に該当しないもの」に改める。
第二十条中「第十五条第一項第一号又は第二号」を「第十五条第一項各号」に改める。
第三十条第一項第五号の次に次の一号を加える。
五の二 共済事業又は保険事業の種類
第三十条第二項を第三項とし、第二項として次の一項を加える。
農業共済組合の定款には、前項の事業の外、総代会を設ける場合には、総代の定数及び選挙に関する規定を記載しなければならない。
第三十五条に次の一項を加える。
理事は、必要があると認めるときは、何時でも臨時総会又は総代会を招集することができる。
第三十六条に次の後段を加える。
総代が総代総数の五分の一以上の同意を得て、会議の目的たる事項及び招集の理由を記載した書面を理事に提出して総代会の招集を請求したときも、また同様とする。
第三十七条、第三十九条第一項及び第八十一条中「総会」の下に「又は総代会」を加え、第三十七条及び第三十八条第三項中「総会招集」を「総会又は総代会の招集」に改める。
第四十二条中「、第五十九条及び第六十一条第一項」を「及び第五十九条」に、「民法第五十六条中「裁判所」とあるのは、「行政庁」と」を「民法第五十三条及び第五十五条中「総会」とあるのは、「総会又は総代会」と、同法第五十六条中「裁判所」とあるのは、「行政庁」と」に改める。
第四十五条の次に次の一条を加える。
第四十五条の二 農業共済組合は、定款の定めるところにより、総会に代るべき総代会を設けることができる。但し、左の場合には、総代会は、総会に代ることができない。
一 役員又は総代の選挙
二 清算人又は合併に因る農業共済組合の設立委員の選任
三 定款の変更(第三十条第一項第六号又は第七号に掲げる事項についての変更を除く。)、事業報告書、財産目録、貸借対照表、損益計算書、剰余金処分案、不足金処理案、合併及び解散の議決並びに第百十一条の議決
四 解散に因る財産処分の方法又は決算報告書の承認
総代の定数は、三十人以上でなければならない。
総代は、農業共済組合の組合員でなければならない。
総代会には、第四十三条第二項及び第四十四条並びに民法第六十四条及び第六十六条の規定を、総代には、第三十一条第三項乃至第五項、第三十二条及び第四十一条の規定を準用する。この場合において、民法第六十四条中「第六十二条」とあるのは、「農業災害補償法第三十八条第三項」と読み替えるものとする。
第八十三条第一項に次の一号を加える。
四 任意共済
第八十四条に次の一項を加える。
農業共済組合は、任意共済にあつては、第一項第一号に掲げる食糧農作物以外の農作物、農産物、建物、農機具その他命令で定める物について生じた損害又は家畜の輸送中に生じた損害について、組合員に対し共済金を交付するものとする。
第八十五条に次の一項を加え、同条第一項中「第八十三条」を「第八十三条第一項第一号乃至第三号」に改める。
農業共済組合は、その所属する農業共済組合連合会が第百二十一条第二項の規定により保険事業を行う場合に限り、当該農業共済組合連合会の承認を経て、第八十三条第一項第四号に掲げる共済事業を行うことができる。
第九十三条第二項中「家畜共済」を「家畜共済又は任意共済」に改める。
第百十一条を第百十一条の二とし、同条の前に次の一条を加える。
第百十一条 第十六条第一項の規定による組合員は、総会においてその旨の議決をしたときは、命令で定める場合を除き、その所有又は管理する出生後第五月の月の末日を経過し十二歳以下の牛及び明け二歳以上明け十六歳以下の馬を当該農業共済組合の死亡廃用共済に付さなければならない。
第百十四条を次のように改める。
第百十四条 家畜共済の共済金額は、左の金額とする。
一 死亡廃用共済にあつては、定款で定める共済掛金に対応する金額を最低の額とし、家畜の価額の百分の八十に相当する金額を最高の額として定款で定める額
二 疾病傷害共済にあつては、主務大臣の定める額を超えない範囲内において定款で定める額
三 生産共済にあつては、胎児については母畜の価額の百分の十六に相当する金額の範囲内において定款で定める額、出生した牛及び馬については生後満一箇月までは胎児の共済金額と同額とし、生後一箇月を加えるごとにその額にその百分の十五を加えた額
前項第一号の最低の額に対応する共済掛金の額の基準は、主務大臣が定める。
第百二十条の次に次の一節を加える。
第四節 任意共済
第百二十条の二 主務大臣は、必要があると認めるときは、任意共済の共済金額について、その最高額を定めることができる。この場合には、任意共済の共済金額は、当該金額を超えてはならない。
第百二十条の三 任意共済には、第百十一条の二並びに商法第六百三十一条、第六百三十七条、第六百三十九条乃至第六百四十一条、第六百四十四条、第六百四十五条、第六百四十九条及び第六百六十二条の規定を準用する。
第百二十一条中「農業共済組合が」の下に「第八十三条第一項第一号乃至第三号に掲げる」を加え、同条に次の二項を加える。
農業共済組合連合会は、前項の規定による目的の外、組合員たる農業共済組合が第八十三条第一項第四号に掲げる共済事業に因つてその組合員に対して負う共済責任を相互に保険することを目的とすることができる。
主務大臣は、前項の規定により保険事業を行う農業共済組合連合会に対して、当該事業について監督上必要な事項を指示することができる。
第百二十三条第一項に次の一号を加える。
三 任意共済にあつては、その共済金額の百分の九十以上で定款で定める金額
第百二十五条第一項に次の一号を加える。
三 任意共済にあつては、組合員が支払うべき共済金に、共済金額に対する保険金額の割合を乗じて得た金額
第百三十二条の次に次の一条を加える。
第百三十二条の二 農業共済組合連合会は、第百二十一条の規定による保険事業の外、総会の議決を経て、所属農業共済組合又は当該農業共済組合連合会の区域内に住所を有する農業協同組合若しくは農業協同組合連合会から共済掛金の支払を受け、第八十四条第三項に掲げる損害と同種の損害について、共済金を交付する事業を行うことができる。
第百二十条の三及び第百二十一条第三項の規定は、前項の事業に準用する。
第百三十三条中「保険事業」を「農作物共済、蚕繭共済及び家畜共済に係る保険事業」に改める。
第百三十四条中「保険関係」を「前条の保険関係」に改める。
第百四十七条第五号中「第三十五条」を「第三十五条第一項」に改め、同条第七号中「第四十一条第四項」の下に「(第四十五条の二第四項において準用する場合を含む。)」を加える。
附 則
1 この法律中第百十一条の改正規定は、昭和二十四年八月一日から、その他の規定は、公布の日から施行する。
2 農林中央金庫法(大正十二年法律第四十二号)の一部を次のように改正する。
第五条第一項中「農業共済保険組合」を「農業共済組合連合会」に改める。
3 地方税法(昭和二十三年法律第百十号)の一部を次のように改正する。
第十三条第十五号中「農業共済保険組合」を「農業共済組合連合会」に改める。
4 第百六条の規定により主務大臣が定める農作物共済及び蚕繭共済の共済金額の基準額は、同条の規定にかかわらず、当分の間、最高額と最低額に代えて一律にその額を定めることができる。
5 この法律施行の際現に存する農業共済保険組合の名称中「農業共済保険組合」とあるのは、この法律施行の際「農業共済組合連合会」と改められたものとみなす。
6 前項の農業共済組合連合会は、農業災害補償法第六十二条の規定に基き、名称変更の登記をしなければならない。
(大蔵・農林・内閣総理大臣署名)