判事補の職権の特例等に関する法律

法律第百四十六号(昭二三・七・一二)

第一条 判事補で裁判所法(昭和二十二年法律第五十九号)第四十二条第一項各号に掲げる職の一又は二以上にあつてその年数を通算して五年以上になる者のうち、最高裁判所の指名する者は、当分の間、判事補としての職権の制限を受けないものとし、同法第二十九条第三項及び第三十六条の規定の適用については その属する地方裁判所の判事の権限を有するものとする。

2 裁判所法第四十二条第二項から第四項までの規定は、前項の年数の計算に、これを準用する。

第二条 裁判所構成法(明治二十三年法律第六号)による判事又は検事たる資格を有する者が、満洲国の審判官又は蒙古連合自治政府(若しくは蒙古自治邦政府。以下同じ。)の推事の職に在つたときは、その在職の年数は、裁判所法第四十一条及び第四十四条の規定の適用については、これを判事の在職の年数とみなし、同法第四十二条の規定の適用については、これを判事補の在職の年数とみなす。

2 裁判所構成法による判事又は検事たる資格を有する者が、領事官又は満洲国若しくは蒙古連合自治政府の検察官の職に在つたときは、その在職の年数は、裁判所法第四十一条、第四十二条及び第四十四条の規定の適用については、これを検察官の在職の年数とみなす。

3 裁判所構成法による判事又は検事たる資格を有する者が、衆議院若しくは参議院の司法委員会専門調査員、衆議院若しくは参議院の法制部に勤務する参事若しくは副参事、法制局参事官、法制局事務官、法制局に勤務する内閣事務官、陸軍司政官、海軍司政官、特許局若しくは特許標準局の抗告審判官若しくは審判官たる特許局事務官若しくは特許標準局事務官若しくは商工事務官、技術院の抗告審判官若しくは審判官たる技術院参技官、朝鮮総督府法務局に勤務する朝鮮総督府書記官若しくは朝鮮総督府事務官、台湾総督府法務部に勤務する台湾総督府書記官若しくは台湾総督府事務官、満洲国の司法部参事官、司法部理事官若しくは司法部事務官又は蒙古連合国自治政府の司法部参事官の職に在つたときは、その在職の年数は、裁判所法第四十一条、第四十二条及び第四十四条の規定の適用については、これを法務庁事務官の在職の年数とみなす。

4 裁判所構成法による判事又は検事たる資格を有する者が、満洲国の司法部職員訓練所の教官の職に在つたときは、その在職の年数は、裁判所法第四十一条、第四十二条及び第四十四条の規定の適用については、これを法務庁教官の在職の年数とみなす。

第三条 弁護士たる資格を有する者が、朝鮮弁護士令(昭和十一年制令第四号)、台湾弁護士令(昭和十年律令第七号)又は関東州弁護士令(昭和十一年勅令第十六号)による弁護士(以下外地弁護士と称する。)の職に在つたときは、裁判所法第四十一条から第四十四条までの規定の適用については、その在職の年数は、これを弁護士の在職の年数とみなし、外地弁護士の在職の年数が三年以上になるもの又は外地弁護士及び弁護士の在職の年数が通じて三年以上になるものは、その三年に達した時、朝鮮弁護士令による弁護士試補として一年六月以上の実務修習を終え考試を経たのは、その考試を経た時に夫々司法修習生の修習を終えたものとみなす。

附 則

第四条 この法律は、公布の日から、これを施行する。

第五条 第一条の規定による年数の計算については、裁判所構成法による判事又は検事たる資格を有する者は、その資格を得た時、裁判所法施行の際弁護士たる資格を有した者で弁護士の在職の年数が同法施行後において三年に達したものは、その三年に達した時、裁判所法施行前弁護士試補として一年六月以上の実務修習を終え考試を経た者又は同法施行の際弁護士試補であつた者で一年六月以上の実務修習を終え考試を経たものは、その考試を経た時に、夫々司法修習生の修習を終えたものとみなし、裁判所構成法による判事又は検事の在職の年数及び裁判所構成法による判事又は検事たる資格を得た後の朝鮮総督府判事、朝鮮総督府検事、台湾総督府判官、台湾総督府検察官、関東法院判官、関東法院検察官又は領事官の在職の年数は、これを判事補の在職の年数とみなし、裁判所構成法による判事又は検事たる資格を得た後の陸軍司政官、海軍司政官、特許局若しくは特許標準局の抗告審判官若しくは審判官たる特許局事務官若しくは特許標準局事務官若しくは商工事務官、技術院の抗告審判官若しくは審判官たる技術院参技官、朝鮮総督府法務局に勤務する朝鮮総督府書記官若しくは朝鮮総督府事務官又は台湾総督府法務部に勤務する台湾総督府書記官若しくは台湾総督府事務官の在職の年数は、これを法務庁事務官の在職の年数とみなす。

2 第三条の規定は、第一条の規定による年数の計算に、これを準用する。

第六条 裁判所法の一部を改正する法律(昭和二十三年法律第一号)の一部を次のように改正する。

附則第二項から第四項までを削る。

(法務総裁・内閣総理大臣署名)

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