風俗営業取締法

法律第百二十二号(昭二三・七・一〇)

 (定義)

第一条 この法律で、風俗営業とは、左の各号の一に該当する営業をいう。

一 待合、料理店、カフエーその他客席で客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業

二 キヤバレー、ダンスホールその他設備を設けて客にダンスをさせる営業

三 玉突場、まあじやん屋その他設備を設けて客に射幸心をそそる虞のある遊技をさせる営業

 (営業の許可)

第二条 前条の営業を営もうとする者は、当該都道府県が条例で定めるところにより、公安委員会(都道府県公安委員会、市町村公安委員会及び特別区公安委員会をいう。以下同じ。)の許可を受けなければならない。

2 前項の許可を受けた者は、当該都道府県が条例で定めるところにより、公安委員会に、必要な届出をしなければならない。

 (条例の制定)

第三条 都道府県は、条例により、風俗営業における営業の場所、営業時間及び営業所の構造設備等について、善良の風俗を害する行為を防止するために必要な制限を定めることができる。

 (行政処分)

第四条 公安委員会は、風俗営業を営む者(以下営業者という。)又はその代理人、使用人その他の従業者が、当該営業に関し、法令又は前条の規定に基く都道府県の条例に違反する行為をした場合において、善良の風俗を害する虞があるときは、営業の許可を取り消し、若しくは営業の停止を命じ、又は善良の風俗を害する行為を防止するために必要な処分をすることができる。

 (聴聞)

第五条 公安委員会が、前条の規定により、営業の許可を取り消し、又は営業の停止を命じようとするときは、当該営業者又はその代理人の出頭を求めて、公開による聴聞を行わなければならない。

2 公安委員会は、前条の規定による法令又は条例の違反の行為並びに聴聞の期日及び場所を、期日の一週間前までに、当該営業者に通告し、聴聞の期日及び場所を公示しなければならない。

 (立入)

第六条 当該官吏及び吏員は、この法律又はこの法律に基く都道府県の条例の実施について必要があるときは、風俗営業の営業所に立ち入ることができる。

2 前項の規定により立ち入る場合には、当該官吏及び吏員は、その身分を証明する証票を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを呈示しなければならない。

 (罰則)

第七条 第二条第一項の規定に違反し、又は第四条の規定による公安委員会の処分に違反した者は、これを三箇月以下の懲役又は五千円以下の罰金に処する。

2 第三条の規定に基く都道府県の条例に違反し、又は前条の規定による当該官吏及び吏員の立入を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、これを三千円以下の罰金に処する。

3 第二条第二項の規定に違反して届出をなさず、又は虚偽の届出をした者は、これを千円以下の罰金に処する。

第八条 法人の代表者、法人又は人の代理人、使用人その他の従業者が、法人又は人の営業に関し、前条の違反行為をしたときは、行為者を罰する外、その法人又は人に対し、同条の罰金刑を科する。

附 則

1 この法律は、昭和二十三年九月一日から、これを施行する。

2 昭和二十二年十二月三十一日以前において、風俗営業の取締に関する庁府県令の規定により営業の許可を受けた者が、この法律施行の日まで引き続き風俗営業を営んでいる場合には、その者は第二条の規定による許可を受けた者とみなす。

3 前項に規定する者は、都道府県が条例で定めるところにより、公安委員会に、必要な届出をしなければならない。

4 前二項に規定する者が、第三条の規定に基く都道府県の条例の規定に適合しない場合においては、公安委員会は、その者に対し、営業所の構造設備の変更その他の命令をすることができる。この場合において、営業者が当該命令に従わないときは、公安委員会は、営業の許可を取り消し又は営業の停止を命ずることができる。

5 この法律施行の際現に風俗営業を営む者で、第二項に規定する者以外の者は、この法律施行の日から三十日の間は第二条の規定による許可を受けた者とみなす。

(内閣総理大臣署名)

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