国家公務員災害補償法の一部を改正する法律

法律第四十六号(平二・六・二七)

 国家公務員災害補償法(昭和二十六年法律第百九十一号)の一部を次のように改正する。

 第四条第一項中「確定した日」の下に「(第四項において単に「事故発生日」という。)」を加え、「但し」を「ただし」に、「左の」を「次の」に改め、同条第四項中「及び」の下に「事故発生日から補償を支給すべき事由が生じた日(以下「補償事由発生日」という。)までの間に職員の給与の改定が行われた場合その他の」を加える。

 第四条の二を次のように改める。

 (平均給与額の改定)

第四条の二 傷病補償年金、障害補償年金又は遺族補償年金(以下「年金たる補償」という。)で、その補償事由発生日の属する年度(四月一日から翌年三月三十一日までをいう。以下同じ。)の翌々年度以後の分として支給するものの額の算定の基礎として用いる平均給与額は、前条の規定により平均給与額として計算した額に、当該年金たる補償を支給すべき月の属する年度の前年度の四月一日における職員の給与水準を当該年金たる補償の補償事由発生日の属する年度の四月一日における職員の給与水準で除して得た率を基準として人事院が定める率を乗じて得た額とする。

2 前条第五項の規定は、前項の平均給与額について準用する。

 第四条の二の次に次の二条を加える。

 (平均給与額の限度額)

第四条の三 休業補償の補償事由発生日が当該休業補償に係る療養の開始後一年六月を経過した日以後の日である場合における休業補償(以下この項において「長期療養者の休業補償」という。)について第四条の規定により平均給与額として計算した額が、長期療養者の休業補償を受けるべき職員の休業補償の補償事由発生日の属する年度の四月一日における年齢に応じ人事院が最低限度額として定める額に満たないとき又は最高限度額として定める額を超えるときは、同条の規定にかかわらず、それぞれその定める額を長期療養者の休業補償に係る平均給与額とする。

2 前項の人事院が定める額は、労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)第八条の二第二項各号の規定により労働大臣が年齢階層ごとに定める額を考慮して定めるものとする。

第四条の四 年金たる補償について第四条又は第四条の二の規定により平均給与額として計算した額が、年金たる補償を受けるべき職員の年金たる補償を支給すべき月の属する年度の四月一日(以下この項において「基準日」という。)における年齢(遺族補償年金を支給すべき場合にあつては、職員の死亡がなかつたものとして計算した場合に得られる当該職員の基準日における年齢)に応じ人事院が最低限度額として定める額に満たないとき又は最高限度額として定める額を超えるときは、第四条又は第四条の二の規定にかかわらず、それぞれその定める額を年金たる補償に係る平均給与額とする。

2 前項の人事院が定める額は、労働者災害補償保険法第八条の三第二項において準用する同法第八条の二第二項各号の規定により労働大臣が年齢階層ごとに定める額を考慮して定めるものとする。

 第十七条の四第二号中「すでに」を「既に」に、「合計額が前号の場合に支給される」を「次項に規定する合計額が当該権利が消滅した日において前号の場合に該当することとしたときに支給されることとなる」に改め、同条に次の一項を加える。

2 前項第二号に規定する遺族補償年金の額の合計額は、次に掲げる額を合算した額とする。

 一 前項第二号に規定する権利が消滅した日の属する年度(次号において「権利消滅年度」という。)の分として支給された遺族補償年金の額

 二 権利消滅年度の前年度以前の各年度の分として支給された遺族補償年金の額に権利消滅年度の前年度の四月一日における職員の給与水準を当該各年度の前年度の四月一日における職員の給与水準で除して得た率を基準として人事院が定める率を乗じて得た額の合算額

 第十七条の六第一項中「第十七条の四第二号」を「第十七条の四第一項第二号」に、「すでに支給された遺族補償年金の額の」を「同号に規定する」に改める。

 第十七条の十二中「、国家公務員の給与」を削り、「すみやかに」を「速やかに」に改める。

 附則第四項中「支給された当該障害補償年金」の下に「の額(当該障害補償年金のうち、当該死亡した日の属する年度の前年度以前の分として支給された障害補償年金にあつては、第十七条の四第二項の規定に準じて人事院規則で定めるところにより計算した額)」を、「障害補償年金前払一時金の額」の下に「(当該障害補償年金前払一時金を支給すべき事由が当該死亡した日の属する年度の前年度以前に生じたものである場合にあつては、同項の規定に準じて人事院規則で定めるところにより計算した額)」を加える。

 附則第十六項中「第十七条の四第二号及び第十七条の六第一項中「遺族補償年金の額」とあるのは「遺族補償年金及び遺族補償年金前払一時金の額」と」を「第十七条の四第一項第二号中「合計額」とあるのは「合計額及び遺族補償年金前払一時金の額(当該遺族補償年金前払一時金を支給すべき事由が当該権利が消滅した日の属する年度の前年度以前に生じたものである場合にあつては、次項の規定に準じて人事院規則で定めるところにより計算した額)の合算額」と、第十七条の六第一項中「合計額」とあるのは「合算額」と」に改める。

 附則第二十二項から第二十四項までを削る。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、平成二年十月一日から施行する。

 (経過措置)

第二条 この法律の施行の日(以下「施行日」という。)の属する月の前月までの月分の傷病補償年金、障害補償年金及び遺族補償年金の額並びに施行日前に支給すべき事由の生じた遺族補償一時金及び障害補償年金差額一時金の額については、なお従前の例による。

第三条 昭和六十年四月一日前に支給すべき事由が生じた傷病補償年金、障害補償年金又は遺族補償年金に係る平均給与額に関する改正後の国家公務員災害補償法(以下「新補償法」という。)第四条の二第一項の規定の適用については、同項中「前条の規定により平均給与額として計算した額」とあるのは「昭和六十年四月一日における当該年金たる補償に係る平均給与額」と、「当該年金たる補償の補償事由発生日の属する年度の四月一日」とあるのは「昭和六十年四月一日」とする。

第四条 施行日前に療養を開始した職員に休業補償を支給すべき場合における新補償法第四条の三第一項の規定の適用については、同項中「当該休業補償に係る療養の開始後」とあるのは、「国家公務員災害補償法の一部を改正する法律(平成二年法律第四十六号)の施行の日以後」とする。

 (人事院規則への委任)

第五条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、人事院規則で定める。

 (国家公務員災害補償法の一部を改正する法律の一部改正)

第六条 国家公務員災害補償法の一部を改正する法律(昭和四十一年法律第六十七号)の一部を次のように改正する。

  附則第八条第一項中「(昭和六十一年法律第八十五号)」を「(平成二年法律第四十六号)」に改める。

 (国家公務員災害補償法の一部を改正する法律の一部改正)

第七条 国家公務員災害補償法の一部を改正する法律(昭和六十一年法律第八十五号)の一部を次のように改正する。

  附則第五条第一項中「新補償法第四条の二第二項第二号の人事院が定める額のうち、施行後補償年金に係る同号に規定する年金たる補償を受けるべき職員の基準日における年齢の属する年齢階層に係る額」を「国家公務員災害補償法の一部を改正する法律(平成二年法律第四十六号)による改正後の国家公務員災害補償法第四条の四第一項に規定する年金たる補償を受けるべき職員の年金たる補償を支給すべき月の属する年度の四月一日における年齢に応じ人事院が最高限度額として定める額」に改め、「(新補償法附則第二十三項において読み替えて適用する場合を含む。)」を削り、「に係る同条第一項に規定する年金平均給与額」を「の額の算定の基礎として用いる平均給与額」に改め、同条第三項を削る。

 (防衛庁の職員の給与等に関する法律の一部改正)

第八条 防衛庁の職員の給与等に関する法律(昭和二十七年法律第二百六十六号)の一部を次のように改正する。

  第二十七条第一項中「同法第四条の二第二項及び第三項中「人事院が定める額」とあるのは「総理府令で定める額」と」を「同法第四条の二第一項、第四条の三、第四条の四及び第十七条の四第二項中「人事院が」とあるのは「総理府令で」と」に改める。

(内閣総理大臣署名) 

年表に戻る

法令一覧(年度別)に戻る