核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律及び放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律の一部を改正する法律
法律第四十三号(昭五五・五・七)
(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部改正)
第一条 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号)の一部を次のように改正する。
目次中「第六十一条の二」を「第六十一条の二の二」に改める。
第六十一条の二第一項第二号中「次条第一項」を「第六十一条の三第一項」に改め、同項第三号中「こえない」を「超えない」に改める。
第六章中第六十一条の二の次に次の一条を加える。
(海洋投棄の制限)
第六十一条の二の二 核原料物質、核燃料物質又はこれによつて汚染された物は、次の各号の一に該当する場合のほか、海洋投棄をしてはならない。
一 使用者、製錬事業者、加工事業者、原子炉設置者、外国原子力船運航者又は再処理事業者が第五十八条の二の規定による確認を受けた場合(第六十六条第一項に規定する者が同条第二項において準用する第五十八条の二の規定による確認を受けた場合を含む。)
二 次項から第四項までに規定する者がこれらの規定において準用する第五十八条の二の規定による確認を受けた場合
三 人命又は船舶、航空機若しくは人工海洋構築物の安全を確保するためやむを得ない場合
2 第十一条の二及び第五十八条の二の規定は、製錬事業者(第十条の規定により指定を取り消された者及び第六十五条第一項又は第三項の規定により届出をしなければならない者を含む。第四項において同じ。)が核原料物質又は核原料物質によつて汚染された物の海洋投棄をする場合に準用する。
3 第五十八条の二の規定は、核原料物質使用者又は次条第一項の許可を受けた者(前条第一項第三号に該当する核原料物質である国際規制物資を使用する者を除く。)が核原料物質又は核原料物質によつて汚染された物の海洋投棄をする場合に準用する。
4 第五十八条の二並びに前条第四項及び第五項の規定は、第六十一条の六の規定により次条第一項の許可を取り消された者又は第六十五条第一項若しくは第四項の規定により届出をしなければならない者(製錬事業者を除く。)が核原料物質又は核原料物質によつて汚染された物の海洋投棄をする場合に準用する。
5 この条において、「海洋投棄」とは、船舶、航空機若しくは人工海洋構築物から海洋に物を廃棄すること又は船舶若しくは人工海洋構築物において廃棄する目的で物を燃焼させることをいう。ただし、船舶、航空機若しくは人工海洋構築物から海洋に当該船舶、航空機若しくは人工海洋構築物及びこれらの設備の運用に伴つて生ずる物を廃棄すること又は船舶若しくは人工海洋構築物において廃棄する目的で当該船舶若しくは人工海洋構築物及びこれらの設備の運用に伴つて生ずる物を燃焼させることを除く。
第六十一条の三第三項中「前条第二項第六号」を「第六十一条の二第二項第六号」に、「添附し」を「添付し」に改める。
第六十七条中「当該区分にかかわらず、」の下に「第六十一条の二の二第一項第二号に該当する場合における製錬事業者並びに」を加える。
第六十八条第一項中「(核原料物質使用者並びに」を「(第六十一条の二の二第一項第二号に該当する場合における製錬事業者並びに核原料物質使用者、」に改める。
第七十一条第八項中「第十一条の二第二項」の下に「(第六十一条の二の二第二項において準用する場合を含む。)」を加える。
第七十四条中「第二十三条第一項第四号の政令」を「この法律の規定に基づき命令」に、「その政令」を「その命令」に改める。
第七十八条第九号の次に次の一号を加える。
九の二 第六十一条の二の二第一項の規定に違反した者
第七十九条第三号中「第十一条の二第二項」の下に「(第六十一条の二の二第二項において準用する場合を含む。)」を加え、同条第五号の四中「同条第五項」の下に「(第六十一条の二の二第四項において準用する場合を含む。)」を加える。
(放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律の一部改正)
第二条 放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律(昭和三十二年法律第百六十七号)の一部を次のように改正する。
第十六条の見出し中「詰替」を「詰替え」に改め、同条第一項中「使用者」の下に「(第三十条第四号から第六号までに規定する者を含む。次条から第十九条の二まで、第三十条の二、第三十二条及び第三十三条において同じ。)」を加え、「以下次条から第十九条まで」を「次条から第十九条の二まで、第三十条の二、第三十二条及び第三十三条」に、「詰替」を「詰替え」に改め、同条第二項中「以下次条から第十九条まで」を「次条から第十九条の二まで、第三十条の二、第三十二条及び第三十三条」に改める。
第十九条第一項中「汚染された物を廃棄する場合においては」を「汚染された物の廃棄(使用者にあつては使用施設、貯蔵施設又は廃棄施設を設置した工場又は事業所において、販売業者にあつては詰替施設、貯蔵施設又は廃棄施設を設置した販売所において行われる廃棄に限る。)について」に、「しなければならない」を「放射線障害の防止のために必要な措置を講じなければならない」に改め、同条第二項中「汚染された物を廃棄する場合においては」を「汚染された物の廃棄(廃棄物詰替施設、廃棄物貯蔵施設又は廃棄施設を設置した廃棄事業所において行われる廃棄に限る。)について」に、「しなければならない」を「放射線障害の防止のために必要な措置を講じなければならない」に改め、同条に次の二項を加える。
3 使用者、販売業者及び廃棄業者は、放射性同位元素又は放射性同位元素によつて汚染された物を工場又は事業所(使用者にあつては使用施設、貯蔵施設又は廃棄施設を設置した工場又は事業所、販売業者にあつては詰替施設、貯蔵施設又は廃棄施設を設置した販売所、廃棄業者にあつては廃棄物詰替施設、廃棄物貯蔵施設又は廃棄施設を設置した廃棄事業所をいう。次条において同じ。)の外において廃棄する場合においては、総理府令で定める技術上の基準に従つて放射線障害の防止のために必要な措置を講じなければならない。
4 科学技術庁長官は、放射性同位元素又は放射性同位元素によつて汚染された物の廃棄に関する措置が前項の技術上の基準に適合していないと認めるときは、使用者、販売業者又は廃棄業者に対し、廃棄の停止その他放射線障害の防止のため必要な措置を命ずることができる。
第十九条の次に次の一条を加える。
(廃棄に関する確認)
第十九条の二 使用者、販売業者及び廃棄業者は、放射性同位元素又は放射性同位元素によつて汚染された物を工場又は事業所の外において廃棄する場合において、放射性同位元素又は放射性同位元素によつて汚染された物による放射線障害の防止のため特に必要がある場合として政令で定める場合に該当するときは、その廃棄に関する措置が前条第三項の技術上の基準に適合することについて、総理府令で定めるところにより、科学技術庁長官の確認を受けなければならない。
第二十六条の見出し中「取消等」を「取消し等」に改め、同条第一項第五号中「第十九条」を「第十九条第一項若しくは第二項」に改め、同号の次に次の二号を加える。
五の二 第十九条第四項の規定による命令に違反した場合
五の三 第十九条の二の規定に違反した場合
第二十六条第二項第三号の次に次の二号を加える。
三の二 第十九条第四項の規定による命令に違反した場合
三の三 第十九条の二の規定に違反した場合
第三十条の次に次の一条を加える。
(海洋投棄の制限)
第三十条の二 放射性同位元素又は放射性同位元素によつて汚染された物は、次の各号の一に該当する場合のほか、海洋投棄をしてはならない。
一 使用者、販売業者又は廃棄業者が第十九条の二の規定による確認を受けた場合
二 人命又は船舶、航空機若しくは人工海洋構築物の安全を確保するためやむを得ない場合
2 前項の「海洋投棄」とは、船舶、航空機若しくは人工海洋構築物から海洋に物を廃棄すること又は船舶若しくは人工海洋構築物において廃棄する目的で物を燃焼させることをいう。ただし、船舶、航空機若しくは人工海洋構築物から海洋に当該船舶、航空機若しくは人工海洋構築物及びこれらの設備の運用に伴つて生ずる物を廃棄すること又は船舶若しくは人工海洋構築物において廃棄する目的で当該船舶若しくは人工海洋構築物及びこれらの設備の運用に伴つて生ずる物を燃焼させることを除く。
第三十二条中「(第三十条第四号から第六号までに規定する者を含む。以下次条において同じ。)」を削る。
第四十五条の次に次の一条を加える。
(経過措置)
第四十五条の二 この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
第五十二条中「三十万円」を「五十万円」に改める。
第五十三条中「十万円」を「三十万円」に改め、同条第五号中「第三十条」の下に「、第三十条の二」を加える。
第五十四条中「五万円」を「二十万円」に改め、同条第四号中「第十九条」を「第十九条第一項若しくは第二項」に改め、同号の次に次の二号を加える。
四の二 第十九条第四項の規定による命令に違反した者
四の三 第十九条の二の規定による確認を受けないで放射性同位元素又は放射性同位元素によつて汚染された物を廃棄した者
第五十五条中「一万円」を「十万円」に改め、同条第三号の次に次の一号を加える。
三の二 第二十二条、第二十三条又は第二十四条の規定に違反した者
第五十六条を次のように改める。
第五十六条 削除
第五十七条中「前五条」を「第五十二条、第五十三条、第五十四条又は第五十五条」に改める。
第五十八条中「一万円」を「五万円」に改める。
第五十九条中「五千円」を「三万円」に改める。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約が日本国について効力を生ずる日から施行する。
(経過措置)
2 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(内閣総理大臣臨時代理署名)