公有水面埋立法の一部を改正する法律

法律第八十四号(昭四八・九・二〇)

 公有水面埋立法(大正十年法律第五十七号)の一部を次のように改正する。

 本則中「勅令」を「政令」に、「地方長官」を「都道府県知事」に改める。

 第一条第三項中「又ハ都市再開発法」を「、都市再開発法又ハ新都市基盤整備法」に改める。

 第二条に次の二項を加える。

 前項ノ免許ヲ受ケムトスル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ左ノ事項ヲ記載シタル願書ヲ都道府県知事ニ提出スベシ

 一 氏名又ハ名称及住所並法人ニ在リテハ其ノ代表者ノ氏名及住所

 二 埋立区域及埋立ニ関スル工事ノ施行区域

 三 埋立地ノ用途

 四 設計ノ概要

 五 埋立ニ関スル工事ノ施行ニ要スル期間

 前項ノ願書ニハ命令ノ定ムル所ニ依リ左ノ図書ヲ添附スべシ

 一 埋立区域及埋立ニ関スル工事ノ施行区域ヲ表示シタル図面

 二 設計ノ概要ヲ表示シタル図書

 三 資金計画書

 四 埋立地(公用又ハ公共ノ用ニ供スル土地ヲ除ク)ヲ他人ニ譲渡シ又ハ他人ヲシテ使用セシムルコトヲ主タル目的トスル埋立ニ在リテハ其ノ処分方法及予定対価ノ額ヲ記載シタル書面

 五 其ノ他命令ヲ以テ定ムル図書

 第三条を次のように改める。

第三条 都道府県知事ハ埋立ノ免許ノ出願アリタルトキハ遅滞ナク其ノ事件ノ要領ヲ告示スルトトモニ前条第二項各号ニ掲グル事項ヲ記載シタル書面及関係図書ヲ其ノ告示ノ日ヨリ起算シ三週間公衆ノ縦覧ニ供シ且期限ヲ定メテ地元市町村長ノ意見ヲ徴スベシ但シ其ノ出願ガ却下セラルベキモノナルトキハ此ノ限ニ在ラズ

 都道府県知事前項ノ告示ヲ為シタルトキハ遅滞ナク其ノ旨ヲ関係都道府県知事ニ通知スベシ

 第一項ノ告示アリタルトキハ其ノ埋立ニ関シ利害関係ヲ有スル者ハ同項ノ縦覧期間満了ノ日迄都道府県知事ニ意見書ヲ提出スルコトヲ得

 市町村長第一項ノ規定ニ依リ意見ヲ述べムトスルトキハ議会ノ議決ヲ経ルコトヲ要ス

 第四条中「アルトキハ」の下に「第一項ノ規定ニ依ルノ外」を加え、「ヲ除クノ外」を「ニ非ザレバ」に改め、同条に第一項及び第二項として次の二項を加える。

 都道府県知事ハ埋立ノ免許ノ出願左ノ各号ニ適合スト認ムル場合ヲ除クノ外埋立ノ免許ヲ為スコトヲ得ズ

 一 国土利用上適正且合理的ナルコト

 二 其ノ埋立ガ環境保全及災害防止ニ付十分配慮セラレタルモノナルコト

 三 埋立地ノ用途ガ土地利用又ハ環境保全ニ関スル国又ハ地方公共団体(港務局ヲ含ム)ノ法律ニ基ク計画ニ違背セザルコト

 四 埋立地ノ用途ニ照シ公共施設ノ配置及規模ガ適正ナルコト

 五 第二条第三項第四号ノ埋立ニ在リテハ出願人ガ公共団体其ノ他政令ヲ以テ定ムル者ナルコト並埋立地ノ処分方法及予定対価ノ額ガ適正ナルコト

 六 出願人ガ其ノ埋立ヲ遂行スルニ足ル資力及信用ヲ有スルコト

 前項第四号及第五号ニ掲グル事項ニ付必要ナル技術的細目ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム

 第五条中「前条」を「前条第三項」に改める。

 第六条第一項及び第八条中「第四条」を「第四条第三項」に改める。

 第十一条中「其ノ事件ノ要領」を「第二条第二項第一号乃至第三号ニ掲グル事項」に改める。

 第十三条第二項を削り、同条の次に次の一条を加える。

第十三条ノ二 都道府県知事正当ノ事由アリト認ムルトキハ免許ヲ為シタル埋立ニ関シ埋立区域ノ縮少、埋立地ノ用途若ハ設計ノ概要ノ変更又ハ前条ノ期間ノ伸長ヲ許可スルコトヲ得

 第三条、第四条第一項及第二項並第十一条ノ規定ハ前項ノ規定ニ依ル埋立地ノ用途ノ変更ノ許可ニ関シ第四条第一項及第二項ノ規定ハ前項ノ規定ニ依ル埋立区域ノ縮少又ハ設計ノ概要ノ変更ノ許可ニ関シ之ヲ準用ス

 第二十二条に次の二項を加える。

 都道府県知事前項ノ竣功認可ヲ為シタルトキハ遅滞ナク其ノ旨ヲ告示シ且地元市町村長ニ第十一条又ハ第十三条ノ二第二項ノ規定ニ依リ告示シタル事項及免許条件ヲ記載シタル書面並関係図書ノ写ヲ送付スべシ

 市町村長ハ前項ノ告示ノ日ヨリ起算シ十年ヲ経過スル日迄同項ノ図書ヲ其ノ市町村ノ事務所ニ備置キ関係人ノ請求アリタルトキハ之ヲ閲覧セシムべシ

 第二十三条中「前条ノ竣功認可」を「前条第二項ノ告示ノ日」に改める。

 第二十四条第一項中「第二十二条ノ竣功認可」を「第二十二条第二項ノ告示」に、「竣功認可ノ日」を「告示ノ日」に改める。

 第二十六条中「第百五条」の下に「(新都市基盤整備法第四十一条ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)」を加え、「又ハ都市再開発法第八十七条第一項」を「、都市再開発法第八十七条第一項又ハ新都市基盤整備法第四十条」に改める。

 第二十七条を次のように改める。

第二十七条 第二十二条第二項ノ告示ノ日ヨリ起算シ十年間ハ第二十四条第一項ノ規定ニ依リ埋立地ノ所有権ヲ取得シタル者又ハ其ノ一般承継人当該埋立地ニ付所有権ヲ移転シ又ハ地上権、質権、使用貸借ニ依ル権利若ハ賃貸借其ノ他ノ使用及収益ヲ目的トスル権利ヲ設定セムトスルトキハ当該移転又ハ設定ノ当事者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ都道府県知事ノ許可ヲ受クベシ但シ左ノ各号ノ一ニ該当スルトキハ此ノ限ニ在ラズ

 一 権利ヲ取得スル者ガ国又ハ公共団体ナルトキ

 二 滞納処分、強制執行、競売法ニ依ル競売又ハ企業担保権ノ実行ニ因リ権利ガ移転スルトキ

 三 法令ニ依リ収用又ハ使用セラルルトキ

 都道府県知事ハ前項ノ許可ノ申請左ノ各号ニ適合スト認ムルトキハ之ヲ許可スべシ

 一 申請手続ガ前項ノ命令ニ違反セザルコト

 二 第二条第三項第四号ノ埋立以外ノ埋立ヲ為シタル者又ハ其ノ一般承継人ニ在リテハ権利ノ移転又ハ設定ニ付已ムコトヲ得ザル事由アルコト

 三 権利ヲ移転シ又ハ設定セムトスル者ガ其ノ移転又ハ設定ニ因リ不当ニ受益セザルコト

 四 権利ノ移転又ハ設定ノ相手方ノ選考方法ガ適正ナルコト

 五 権利ノ移転又ハ設定ノ相手方ガ埋立地ヲ第十一条又ハ第十三条ノ二第二項ノ規定ニ依リ告示シタル用途ニ従ヒ自ラ利用スト認メラルルコト

 第二十八条中「前条第二項ノ登記ヲ為シタル」を削り、「設定又ハ譲渡」を「移転又ハ設定」に、「同条第一項」を「前条第一項」に改める。

 第二十九条を次のように改める。

第二十九条 第二十四条第一項ノ規定ニ依リ埋立地ノ所有権ヲ取得シタル者又ハ其ノ一般承継人ハ第二十二条第二項ノ告示ノ日ヨリ起算シ十年内ニ埋立地ヲ第十一条又ハ第十三条ノ二第二項ノ規定ニ依リ告示シタル用途ト異ル用途ニ供セムトスルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ都道府県知事ノ許可ヲ受クベシ但シ公用又ハ公共ノ用ニ供セムトスルトキハ此ノ限ニ在ラズ

 都道府県知事ハ前項ノ許可ノ申請左ノ各号ニ適合スルト認ムルトキハ之ヲ許可スべシ

 一 申請手続ガ前項ノ命令ニ違反セザルコト

 二 埋立地ヲ第十一条又ハ第十三条ノ二第二項ノ規定ニ依リ告示シタル用途ニ供セザルコトニ付已ムコトヲ得ザル事由アルコト

 三 埋立地ノ利用上適正且合理的ナルコト

 四 供セムトスル用途ガ土地利用又ハ環境保全ニ関スル国又ハ地方公共団体(港務局ヲ含ム)ノ法律ニ基ク計画ニ違背セザルコト

 第三十条中「前二条ノ」を削り、「対シ」の下に「災害防止ニ関シ」を加える。

 第三十二条第一項中「埋立ニ関スル工事竣功認可」を「第二十二条第二項ノ告示ノ日」に改める。

 第三十三条中「埋立ニ関スル工事竣功認可後」を「第二十二条第二項ノ告示アリタル後第二十九条第一項ノ規定、」に改める。

 第三十六条第二項及び第三項を削る。

 第三十九条中「一年」を「二年」に、「三千円」を「五十万円」に改め、同条の次に次の一条を加える。

第三十九条ノ二 左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ一年以下ノ懲役又ハ三十万円以下ノ罰金ニ処ス

 一 第二十七条第一項ノ規定ニ違反シタル者

 二 第二十九条第一項ノ規定ニ違反シタル者ニ対スル第三十三条ノ規定ニ依ル都道府県知事ノ命令ニ違反シタル者

 第四十条中「二千円」を「二十万円」に改め、同条第一号を削り、同条第二号中「第二十七条第二項ノ登記ヲ為シタル」を削り、同号を同条第一号とし、同号の次に次の一号を加える。

 二 第二条第一項ノ免許ノ願書又ハ第二十七条第一項若ハ第二十九条第一項ノ許可ノ申請書ニ虚偽ノ記載ヲ為シテ提出シタル者

 第四十条中第三号を第四号とし、第二号の次に次の一号を加える。

 三 第二十三条但書ノ規定ニ違反シ工作物ヲ設置シタル者

 第四十一条中「又ハ第二十九条」を削り、「百円」を「三万円」に改め、同条の次に次の一条を加える。

第四十一条ノ二 法人ノ代表者又ハ法人若ハ人ノ代理人、使用人其ノ他ノ従業員ガ其ノ法人又ハ人ノ業務ニ関シ第三十九条乃至前条ニ規定スル違反行為ヲ為シタルトキハ行為者ヲ罰スルノ外其ノ法人又ハ人ニ対シ各本条ノ罰金刑ヲ科ス

 第四十二条第三項中「第三条」を「第二条第二項及第三項、第三条」に、「第十四条、」を「第十三条ノ二(埋立地ノ用途又ハ設計ノ概要ノ変更ニ係ル部分ニ限ル)乃至」に、「及第四十四条」を「並第四十四条」に改め、「但シ」の下に「第十三条ノ二ノ規定ノ準用ニ依リ都道府県知事ノ許可ヲ受クベキ場合ニ於テハ之ニ代ヘ都道府県知事ノ承認ヲ受ケ」を加える。

 第四十七条に次の一項を加える。

 主務大臣ハ政令ヲ以テ定ムル埋立ニ関シ前項ノ認可ヲ為サムトスルトキハ環境保全上ノ観点ヨリスル環境庁長官ノ意見ヲ求ムべシ

 第四十九条を次のように改める。

第四十九条 削除


   附 則


 (施行期日)

1 この法律は、公布の日から起算して六月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。


 (経過措置)

2 この法律による改正前の公有水面埋立法(以下「旧法」という。)第二条の免許に係る埋立て、当該埋立てに係る埋立地に関する処分の制限及びこれに関する登記並びに当該埋立てに係る埋立地に関する権利を取得した者の義務については、なお従前の例による。

3 旧法第二条の免許の出願をした者(同条の免許に関する処分を受けた者を除く。以下「旧法による出願人」という。)が提出した当該出願に係る図書は、この法律による改正後の公有水面埋立法(以下「新法」という。)第二条第二項又は第三項に規定する図書とみなす。

4 都道府県知事は、新法の適用上必要と認められる範囲内において、旧法による出願人に対し、図書の補完を命ずることができる。

5 旧法による出願人の出願に係る埋立てについては、新法第三条第一項中「遅滞ナク」とあるのは「公有水面埋立法の一部を改正する法律(昭和四十八年法律第八十四号)ノ施行後遅滞ナク」と、「前条第二項各号ニ掲グル事項」とあるのは「前条第二項各号ニ掲グル事項ニ相当スル事項」とし、新法第十一条中「第二条第二項第一号乃至第三号ニ掲グル事項」とあるのは「第二条第二項第一号乃至第三号ニ掲グル事項ニ相当スル事項」とする。

6 都道府県知事が旧法第三条の規定により意見を徴した旧法による出願人の出願に係る埋立てについては、新法第三条第一項の規定により地元市町村長の意見を徴することを要しない。

7 附則第二項の規定は旧法第四十二条第一項の承認に係る埋立てについて、附則第三項及び第四項の規定は旧法第四十二条第一項の承認の申請に係る図書について、前二項の規定は旧法第四十二条第一項の承認の申請をした者の行なう埋立てについて準用する。この場合において、附則第四項中「命ずる」とあるのは、「求める」と読み替えるものとする。

8 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。


 (港湾法の一部改正)

9 港湾法(昭和二十五年法律第二百十八号)の一部を次のように改正する。

  第三十七条第一項中「第二条」を「第二条第一項」に改める。

  第五十八条第二項中「港湾区域内」の下に「又は港湾区域内の公有水面の埋立てに係る埋立地」を加える。


 (土地区画整理法の一部改正)

10 土地区画整理法(昭和二十九年法律第百十九号)の一部を次のように改正する。

  第百三十一条中「第二条」を「第二条第一項」に改める。


 (都市計画法の一部改正)

11 都市計画法(昭和四十三年法律第百号)の一部を次のように改正する。

  第二十九条第七号中「第二条」を「第二条第一項」に、「第二十二条の 竣功認可を受けていない」を「第二十二条第二項の告示がない」に改める。

  第三十三条第三項中「第二十二条の 竣功認可を受けた」を「第二十二条第二項の告示があつた」に改め、「であつて同法第二十七条の処分の制限の登記がされているもの」を削り、「第二条」を「第二条第一項」に改める。


 (海洋汚染防止法の一部改正)

12 海洋汚染防止法(昭和四十五年法律第百三十六号)の一部を次のように改正する。

  第十条第二項第二号中「第二条」を「第二条第一項」に改める。

(運輸・建設・内閣総理大臣署名) 

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