輸出保険法の一部を改正する法律

法律第六十九号(昭四八・八・一〇)

  

国家公務員災害補償法の一部を改正する法律

 国家公務員災害補償法(昭和二十六年法律第百九十一号)の一部を次のように改正する。

 第一条第一項中「第九十三条から第九十五条までの規定に基づき、同法」を削り、「に対する補償」を「又は通勤による災害に対する補償」に、「公務上の災害を」を「公務上の災害又は通勤による災害を」に改め、同条の次に次の一条を加える。

 (通勤の定義)

第一条の二 この法律において「通勤」とは、職員が、勤務のため、住居と勤務場所との間を、合理的な経路及び方法により往復することをいい、公務の性質を有するものを除くものとする。

2 職員が、前項の往復の経路を逸脱し、又は同項の往復を中断した場合においては、当該逸脱又は中断の間及びその後の同項の往復は、同項の通勤としない。ただし、当該逸脱又は中断が、日用品の購入その他これに準ずる日常生活上必要な行為をやむを得ない事由により行なうための最小限度のものである場合は、当該逸脱又は中断の間を除き、この限りでない。

 第四条第三項中「左の」を「次の」に、「但し」を「ただし」に改め、同項第一号中「又は」を「若しくは疾病にかかり、又は通勤により負傷し、若しくは」に改め、同項第三号中「責」を「責め」に改める。

 第五条を次のように改める。

 (損害賠償との調整等)

第五条 国が国家賠償法(昭和二十二年法律第百二十五号)、民法(明治二十九年法律第八十九号)その他の法律による損害賠償の責めに任ずる場合において、この法律による補償を行なつたときは、同一の事由については、国は、その価額の限度においてその損害賠償の責めを免れる。

2 前項の場合において、補償を受けるべき者が、同一の事由につき国家賠償法、民法その他の法律による損害賠償を受けたときは、国は、その価額の限度において補償の義務を免れる。

 第六条の見出しを削る。

 第八条中「災害」の下に「又は通勤による災害」を加える。

 第十条中「又は疾病」を「若しくは疾病にかかり、又は通勤により負傷し、若しくは疾病」に、「行い」を「行ない」に改める。

 第十二条中「又は」を「若しくは疾病にかかり、又は通勤により負傷し、若しくは」に改める。

 第十三条第一項中「又は」を「若しくは疾病にかかり、又は通勤により負傷し、若しくは」に改め、同条第五項中「又は」を「若しくは疾病又は通勤による負傷若しくは」に、「行う」を「行なう」に改める。

 第十四条中「、公務上の負傷、」を「、公務上の負傷若しくは疾病若しくは通勤による負傷若しくは」に改め、「身体障害」の下に「若しくは通勤による負傷、疾病若しくは身体障害」を加える。

 第十五条中「公務上」の下に「死亡し、又は通勤により」を加える。

 第十七条の六第一項中「死亡」の下に「又は通勤による死亡」を加える。

 第十八条中「公務上」の下に「死亡し、又は通勤により」を加え、「行う」を「行なう」に、「平均給与額の六十日分に相当する」を「通常葬祭に要する費用を考慮して人事院規則で定める」に改める。

 第二十一条中「又は」を「若しくは疾病にかかり、又は通勤により負傷し、若しくは」に改める。

 第二十二条中「災害」の下に「又は通勤による災害」を加える。

 第二十三条中「ついては、」の下に「これに相当する」を加え、「災害補償」を「業務上の災害に対する補償又は通勤による災害に対する保険給付」に改める。

 第二十四条第一項中「行う」を「行なう」に改め、「災害」の下に「又は通勤による災害」を加える。

 第二十七条第一項中「公務上の災害」の下に「若しくは通勤による災害」を加え、「、又は病院」を「又は病院」に改める。

 第三十二条を次のように改める。

 (戸籍に関する無料証明)

第三十二条 市町村長(特別区の区長を含むものとし、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあつては、区長とする。)は、実施機関の長又は補償を受けようとする者に対して、当該市(特別区を含む。)町村の条例で定めるところにより、補償を受けようとする者又は遺族の戸籍に関し、無料で証明を行なうことができる。

 第三十二条の次に次の一条を加える。

 (通勤による災害に係る費用の一部の負担等)

第三十二条の二 通勤による負傷又は疾病に係る療養補償を受ける職員(人事院規則で定める職員を除く。)は、一部負担金として、二百円をこえない範囲内で人事院規則で定める金額を国に納付しなければならない。

2 この法律により前項の職員に支払うべき補償金がある場合又は当該補償金がない場合において当該職員に支払うべき給与があるときは、実施機関又は職員の給与支給機関は、それぞれ、その支払うべき補償金又は給与から前項の金額に相当する金額を控除して、これを当該職員に代わつて国に納付することができる。

 第三十三条中「災害」の下に「又は通勤による災害」を加え、「基いて」を「基づいて」に改める。


   附 則


 (施行期日等)

第一条 この法律は、労働者災害補償保険法の一部を改正する法律(昭和四十八年法律第八十五号)の施行の日から施行する。ただし、第五条及び第六条の改正規定並びに第十八条の改正規定(「公務上」の下に「死亡し、又は通勤により」を加える部分を除く。)は、公布の日から施行する。

2 この法律による改正後の国家公務員災害補償法(他の法律において準用する場合を含む。以下この項において「新法」という。)第八条、第十条、第十二条、第十三条第一項及び第五項、第十五条、第十八条(公務上の死亡に係る葬祭補償に関する部分を除く。)、第二十一条並びに第二十二条の規定は、この法律の施行の日以後に発生した事故に起因する新法第一条第一項に規定する通勤による災害(以下「通勤災害」という。)について適用する。


 (健康保険法の一部改正)

第二条 健康保険法(大正十一年法律第七十号)の一部を次のように改正する。

  第五十九条ノ七中「労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)」の下に「、国家公務員災害補償法(昭和二十六年法律第百九十一号、他ノ法律ニ於テ準用シ又ハ例ニ依ル場合ヲ含ム)」を加える。


 (特別職の職員の給与に関する法律の一部改正)

第三条 特別職の職員の給与に関する法律(昭和二十四年法律第二百五十二号)の一部を次のように改正する。

  第一条中「公務」の下に「又は通勤」を加える。

  第十五条中「公務上の災害」の下に「又は通勤による災害」を加える。


 (防衛庁職員給与法の一部改正)

第四条 防衛庁職員給与法(昭和二十七年法律第二百六十六号)の一部を次のように改正する。

  第一条中「公務」の下に「又は通勤(国家公務員災害補償法(昭和二十六年法律第百九十一号)第一条の二に規定する通勤をいう。第二十二条第一項及び第二十七条第一項において同じ。)」を加える。

  第二十二条第一項中「公務」の下に「又は通勤」を加える。

  第二十七条第一項中「(昭和二十六年法律第百九十一号)」を削り、「公務上の災害」の下に「又は通勤に因る災害」を加える。


 (防衛庁職員給与法の一部改正に伴う経過措置)

第五条 前条の規定による改正後の防衛庁職員給与法第二十二条第一項の規定は、この法律の施行の日以後に発生した事故に起因する改正後の同法第一条に規定する通勤による災害について適用する。


 (日雇労働者健康保険法の一部改正)

第六条 日雇労働者健康保険法(昭和二十八年法律第二百七号)の一部を次のように改正する。

  第十八条第一項中「労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)」の下に「、国家公務員災害補償法(昭和二十六年法律第百九十一号。他の法律において準用し、又は例による場合を含む。以下同じ。)」を加え、同条第四項中「労働者災害補償保険法」の下に「、国家公務員災害補償法」を加える。


 (国家公務員共済組合法の一部改正)

第七条 国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)の一部を次のように改正する。

  第六十条に次の一項を加える。

 2 療養の給付又は療養費の支給は、同一の病気又は負傷に関し、国家公務員災害補償法の規定による通勤による災害に係る療養補償又はこれに相当する補償が行なわれるときは、行なわない。

  第六十三条に次の一項を加える。

 4 埋葬料は、国家公務員災害補償法の規定による通勤による災害に係る葬祭補償又はこれに相当する補償が行なわれるときは、支給しない。

  第六十六条に次の一項を加える。

 7 傷病手当金は、同一の傷病に関し、国家公務員災害補償法の規定による通勤による災害に係る休業補償又はこれに相当する補償が行なわれるときは、支給しない。

  第八十一条第二項中「とする」を「と、同法の規定による通勤による災害に係る療養補償又はこれに相当する補償の開始後三年を経過するまでの間に組合員の資格を喪失し、同一の傷病につき継続してこれらの補償を受けている者にあつては、「国家公務員災害補償法の規定による通勤による災害に係る療養補償又はこれに相当する補償の開始後三年を経過するまでの間になおつた時又はなおらないがその期間を経過した時」とする」に改める。

  第八十三条に次の一項を加える。

 7 第四項に規定する廃疾年金を受ける権利を有していた者で、同一の廃疾に関し、国家公務員災害補償法の規定による通勤による災害に係る障害補償又はこれに相当する補償を受けていたものに対する同項及び第五項の規定の適用については、第四項中「金額(公務によらない廃疾年金にあつては、俸給十二月分を加算した金額)」とあるのは「金額」と、第五項中「公務によらない廃疾年金に係る場合にあつては、俸給十二月分に達するまでの金額については廃疾一時金と、その残額については退職一時金と、公務による廃疾年金に係る場合にあつては、退職一時金と、それぞれ」とあるのは「退職一時金と」とする。

  第八十六条の見出し中「公務による」を削り、同条の次に次の一条を加える。

 第八十六条の二 組合員期間が十年をこえる者に支給する公務によらない廃疾年金は、同一の廃疾に関し、国家公務員災害補償法の規定による通勤による災害に係る障害補償年金又はこれに相当する補償が支給されることとなつたときは、これらが支給される間、次の各号に掲げる者の区分により、その額のうち、その算定の基礎となつた俸給年額に当該各号に掲げる割合を乗じて得た金額に相当する金額の支給を停止する。

  一 組合員期間が二十年未満である者 組合員期間が十年をこえる年数一年につき百分の一

  二 組合員期間が二十年以上である者 百分の十

2 公務によらない廃疾年金で、前項の規定によりその額のうち一部の金額の支給が停止されているものの額は、その額が、当該公務傷病によらない廃疾が公務傷病によるものであるとしたならば当該廃疾について支給されるべき公務による廃疾年金の額をこえるときは、当該廃疾年金の額に相当する額とする。

 第八十七条に次の一項を加える。

4 廃疾一時金は、同一の廃疾に関し、国家公務員災害補償法の規定による通勤による災害に係る障害補償又はこれに相当する補償が行なわれるときは、支給しない。

 第百二十条第一項中「公務」の下に「若しくは国家公務員災害補償法に規定する通勤若しくはこれに相当する通勤」を加える。

 第百二十一条第一項中「公務」の下に「若しくは国家公務員災害補償法に規定する通勤若しくはこれに相当する通勤」を加え、同条第二項中「公務」の下に「又は国家公務員災害補償法に規定する通勤若しくはこれに相当する通勤」を加える。

 附則第十三条の六第一項中「として」を「と、第八十六条の二第一項中「組合員期間」とあるのは「衛視等であつた期間」と、「俸給年額」とあるのは「附則第十三条の二第二項に規定する衛視等の俸給年額」として」に改める。


 (国家公務員共済組合法の一部改正に伴う経過措置)

第八条 前条の規定による改正後の国家公務員共済組合法第百二十条及び第百二十一条の規定は、この法律の施行の日以後に発生した事故に起因する通勤災害又はこれに相当する通勤による災害について適用する。


 (私立学校教職員共済組合法の一部改正)

第九条 私立学校教職員共済組合法(昭和二十八年法律第二百四十五号)の一部を次のように改正する。

  第二十五条中「並びに第七十二条第二項及び第三項」を「、第六十条第二項、第六十三条第四項、第六十六条第七項、第七十二条第二項及び第三項、第八十一条第二項中国家公務員災害補償法(昭和二十六年法律第百九十一号)の規定による通勤による災害に係る療養補償又はこれに相当する補償を受けている者に関する部分、第八十三条第七項、第八十六条の二並びに第八十七条第四項」に改める。


 (裁判官の災害補償に関する法律の一部改正)

第十条 裁判官の災害補償に関する法律(昭和三十五年法律第百号)の一部を次のように改正する。

  本則中「災害」の下に「又は通勤による災害」を加える。


 (地方公務員等共済組合法の一部改正)

第十一条 地方公務員等共済組合法(昭和三十七年法律第百五十二号)の一部を次のように改正する。

  第百四十二条第二項の表中第四十四条(見出しを含む。)の項の次に次のように加える。

第五十五条の二

地方公務員災害補償法(昭和四十二年法律第百二十一号)

国家公務員災害補償法(昭和二十六年法律第百九十一号)

第二条第二項

第一条の二

  第百四十二条第二項の表上欄中「第八十八条第四項及び第五項」を削り、同表中

第八十六条第二項

地方公務員災害補償法

国家公務員災害補償法(昭和二十六年法律第百九十一号)

 を

第八十六条第二項

第九十二条の二

地方公務員災害補償法

国家公務員災害補償法

第八十八条第四項及び第五項

地方公務員災害補償法

国家公務員災害補償法

給料

俸給

 に改め、同表上欄中「第九十一条」を

第九十一条

第九十一条の二第一項

 に改める。


 (国家公務員災害補償法の一部を改正する法律の一部改正)

第十二条 国家公務員災害補償法の一部を改正する法律(昭和四十一年法律第六十七号)の一部を次のように改正する。

  附則第六条第一項中「公務上」の下に「死亡し、又は通勤により」を加え、同条第三項中「(昭和四十七年法律第七十九号)」を「(昭和四十八年法律第六十九号)」に改める。


 (国際機関等に派遣される一般職の国家公務員の処遇等に関する法律の一部改正)

第十三条 国際機関等に派遣される一般職の国家公務員の処遇等に関する法律(昭和四十五年法律第百十七号)の一部を次のように改正する。

  第六条第二項及び第三項中「業務上の災害」の下に「又は通勤による災害」を加える。

  第七条第二項中「第八十一条第二項、第八十六条若しくは第九十二条」及び「第八十六条第二項、第九十一条若しくは第九十七条」を削り、「業務上の災害」の下に「又は通勤による災害」を加え、「療養補償又は障害補償年金若しくは遺族補償年金の支給」を「補償」に、「当該療養補償、障害補償年金又は遺族補償年金」を「同法の規定による補償」に改める。


 (昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律の一部改正)

第十四条 昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律(昭和四十八年法律第六十二号)の一部を次のように改正する。

  附則第四条に次の一項を加える。

 4 前項の規定によりなおその効力を有することとされる改正前の法第九十三条の規定による遺族一時金は、国家公務員災害補償法(昭和二十六年法律第百九十一号)の規定による通勤による災害に係る遺族補償又はこれに相当する補償が行なわれるときは、支給しない。


 (昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律の一部改正)

第十五条 昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律(昭和四十八年法律第七十五号)の一部を次のように改正する。

  附則第三条第四項中「相当する給付」の下に「(地方公務員等共済組合法第百四十二条第一項の規定により同法の適用を受ける国家公務員にあつては、国家公務員災害補償法(昭和二十六年法律第百九十一号)の規定による通勤による災害に係る遺族補償)」を加える。

(内閣総理・法務・大蔵・文部・厚生・自治大臣署名) 

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