中小企業団体の組織に関する法律に基づく命令の規定による織機の登録の特例等に関する法律

法律第七十四号(昭四八・九・一)

 (目的)

第−条 この法律は、特定織機を用いて事業を行なつている織物製造業者の大部分が小規模企業者であること、織機の台数が長期的には過剰状態になることが予測されること等にかんがみ、特定織機について中小企業団体の組織に関する法律(昭和三十二年法律第百八十五号。以下「団体法」という。)第五十六条又は第五十七条の規定に基づく命令の規定による登録の特例を設けるとともに織機の買取り及び廃棄を行なわせることにより、織物製造業者の経営の安定を図り、国民経済の健全な発展に資することを目的とする。


 (定義)

第二条 この法律において「特定織機」とは、次の各号に掲げる規定による届出をした織機をいう。

 一 綿スフ織物調整規則(昭和四十七年通商産業省令第百二十三号)附則第七項又は第十項の規定

 二 絹人絹織物生産設備調整規則(昭和四十七年通商産業省令第百二十四号)附則第八項又は第十一項の規定

 三 毛織物等調整規則(昭和四十七年通商産業省令第百二十五号)附則第八項又は第十一項の規定

 四 麻織物調整規則(昭和四十七年通商産業省令第百二十六号)附則第八項又は第十一項の規定

 五 タオル調整規則(昭和四十七年通商産業省令第百二十七号)附則第六項又は第十三項の規定


 (特定織機の登録)

第三条 特定織機を用いて事業を行なつている織物製造業者(以下「特定織機に係る織物製造業者」という。)は、当該特定織機について、通商産業省令で定める種類及び区分ごとに、通商産業大臣の登録を受けることができる。

2 前項に規定する者の同項の登録を受けることができる特定織機の台数は、同項に規定する種類(以下単に「種類」という。)ごとに、その者の設置している特定織機の台数(おさ幅が六十八・五八センチメートル未満の特定織機(以下「小幅織機」という。)と小幅織機以外の特定織機とに区分してそれぞれ算定した台数。以下同じ。)の四分の三に相当する台数(台数の算定上一未満の端数が生じたときは、当該端数を一に切り上げて算定した数に相当する台数)とする。

3 前項の特定織機の台数の四分の三に相当する台数を算定する場合においては、当該算定の基礎となる特定織機の台数に、当該特定織機と種類を同じくする前条各号に掲げる規定による届出の要件が備わつていた織機で、次の各号のいずれかの事由に該当していることにつき通商産業省令で定めるところにより通商産業大臣の確認を受けたもの(以下第七条第一項において「確認廃棄織機等」という。)の台数を加えるものとする。

 一 通商産業省令で定める日前に、当該織機につき、通商産業省令で定める廃棄がなされたこと。

 二 通商産業省令で定める日前に、当該織機につき、当該織機を設置している織物製造業者の前条各号に掲げる省令による登録織機で廃棄されたものに代えて設置され、当該省令による登録がなされたこと。


 (商工組合等の事業の特例)

第四条 商工組合又は商工組合連合会であつて通商産業省令で定めるもの(以下単に「商工組合等」という。)は、団体法第十七条又は第三十一条に規定する事業のほか、当該商工組合等の資格事業を行なう織物製造業者に係る第七条の規定による納付金の受入れ並びに当該納付金を財源として行なう織機(織機設置制限規則(昭和四十七年通商産業省令第百二十八号)別表第一に掲げるものを除く。以下同じ。)の買取り及び廃棄に関する事業を行なうことができる。


 (事業計画の認可等)

第五条 商工組合等は、前条の納付金の受入れ並びに当該納付金を財源として行なう織機の買取り及び廃棄に関する事業を行なおうとするときは、通商産業省令で定めるところにより、昭和五十三年三月三十一日までの間における織機の計画的減少に関する事項を内容とする当該事業に関する計画及び資金計画を作成し、通商産業大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

2 商工組合等は、第七条の規定により受け入れた納付金及びこれを運用した場合に生ずる利子に係る経理については、通商産業省令で定めるところにより、その他の経理と区分し、特別の勘定を設けて整理しなければならない。

3 前項の納付金の運用は、国債の保有、銀行への預金、郵便貯金その他通商産業省令で定める方法によらなければならない。

4 中小企業等協同組合法(昭和二十四年法律第百八十一号)第百五条の規定は、第一項に規定する事業に関し、第七条の規定により納付金を納付した者について準用する。この場合において、同条中「行政庁」とあるのは、「通商産業大臣」と読み替えるものとする。


 (登録の特例)

第六条 前条第一項の規定による事業計画の認可があつた場合においては、特定織機に係る織物製造業者で第三条第二項の規定により同条第一項の登録を受けることができる特定織機以外の特定織機を設置しているものは、当該特定織機のうち、当該事業計画において定められた減少させるべき織機と種類を同じくするものについて、次項の規定により、同条第一項の登録を受けることができる。

2 前項の規定により登録を受けることができる特定織機の種類ごとの総台数は、同項の事業計画において定められた減少させるべき織機の種類ごとの総台数から、第三条第二項の規定により台数の算定上端数を切り上げた場合において一から当該端数を減じて得た数を合計した数に相当する台数を、控除した台数とする。


 (納付金の納付)

第七条 第三条第一項の登録(前条第一項の登録を含む。以下同じ。)を受ける者は、その者の設置に係る特定織機の種類ごとの台数に当該特定織機と種類を同じくする確認廃棄織機等の台数を加えた台数の四分の三に相当する台数(台数の算定上〇・二五、〇・五又は〇・七五の端数が生じたときは、当該端数を含む数に相当する台数)をこえて登録を受けるときは、商工組合等が第五条第一項の規定により認可を受けた事業計画に基づいて行なう織機の買取り及び廃棄に関する事業に要する費用にあてるため、そのこえる台数に応じて〇・二五台につき五万円(小幅織機については二万五千円)の割合により算定した額の納付金を商工組合等に納付しなければならない。

2 前項の場合において、納付金を納付する者のうち、その設置している別表の上欄に掲げる織機ごとの台数にそれぞれ同表の下欄に掲げる数値を乗じて得た台数の合計(以下この項において「換算台数」という。)が二十台に満たない者については、その者が納付する納付金の額を次の式により算定した額に軽減するものとする。この場合において、当該納付金の額に一円未満の端数が生じたときは、その端数金額を切り拾てる。

前項の規定により算定した納付金の額

×

納付金を納付する者の設置している織機に係る換算台数

20

3 前項の規定による納付金の軽減は、納付金を納付する者が通商産業省令で定めるところにより申出をすることによつて、行なうものとする。


 (登録の効果)

第八条 第三条第一項の登録を受けた織機は、それぞれその種類及び区分に相応する団体法第五十六条又は第五十七条の規定に基づく第二条各号に掲げる省令に規定する織機の種類及び区分による登録を受けたものとみなす。


 (団体法に基づく命令についての措置)

第九条 政府は、この法律の円滑な実施を確保するため、団体法第五十六条、第五十七条及び第五十八条の規定に基づく命令について、所要の措置を講ずるものとする。


 (事務の処理)

第十条 通商産業大臣は、この法律の円滑な実施を図るため特に必要があると認めるときは、通商産業省令で定めるところにより、第三条第一項の登録に関する事務を商工組合等に処理させることができる。


 (手数料)

第十一条 第三条第一項の登録を受ける者は、通商産業省令で定めるところにより、その登録を行なうのに直接必要となる費用の額をこえない範囲内において通商産業省令で定める額の手数料を納付しなければならない。


 (省令への委任)

第十二条 この法律に定めるもののほか、登録の手続、登録台帳その他第三条第一項の登録に関し必要な事項については、通商産業省令で定める。


 (秘密の保持義務)

第十三条 第十条の規定により登録の事務を処理する商工組合等の役員若しくは職員であつてその事務に従事するもの又はこれらの職にあつた者は、その職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。


 (役員の解任)

第十四条 通商産業大臣は、第十条の規定により登録の事務を処理する商工組合等の役員であつてその事務に従事するものがその事務を不当に処理し、又は役員たるに適しない非行をしたと認めるときは、これを解任することができる。


 (罰則)

第十五条 第十三条の規定に違反して、その職務上知ることのできた秘密を漏らした者は、一年以下の懲役又は三万円以下の罰金に処する。


   附 則


 (施行期日)

1 この法律は、公布の日から起算して二月を経過した日から施行する。


 (この法律の失効)

2 この法律は、昭和五十三年六月三十日限り、その効力を失う。ただし、その時までにした行為に対する罰則の適用については、この法律は、その時以後も、なおその効力を有する。


 (納付金に残余を生じた場合の処理)

3 商工組合等は、商工組合等が第七条の規定により受け入れた納付金について、商工組合等が第五条第一項の規定により認可を受けた事業計画に基づいて行なつた織機の買取り及び廃棄に関する事業に要する費用にあて、なお残余を生じたときは、通商産業大臣の認可を受けて、これを当該商工組合等の行なう事業に必要な費用にあて、又は織物製造業の構造改善に資する事業のために寄附するものとする。

4 通商産業大臣は、前項の認可をしようとするときは、繊維工業審議会の意見をきかなければならない。

別表

おさ幅が百十四・三センチメートル未満の織機(第三号ロに掲げる織機を除く。)

おさ幅が百十四・三センチメートル以上百九十・五センチメートル未満の織機

イ おさ幅が百九十・五センチメートル以上の織機

ロ おさ幅が百十四・三センチメートル未満の織機であつて第二条第二号に掲げる省令による登録がなされ、又は同省令附則第八項若しくは第十一項の規定による届出をしたもののうち、絹織物の製造の用に供している織機

(通商産業・内閣総理大臣署名) 

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