相続税法の一部を改正する法律
法律第三十三号(昭四一・三・三一)
相続税法(昭和二十五年法律第七十三号)の一部を次のように改正する。
目次中「第二十一条の七」を「第二十一条の八」に改める。
第三条第一項中「第十五条の場合及び」を「第十五条及び第十五条の二の場合並びに」に改める。
第十五条第一項中「第十七条第一項」を「次条から第十八条の二まで」に、「二百五十万円」を「四百万円」に、「五十万円」を「八十万円」に改める。
第十五条の次に次の一条を加える。
(遺産に係る配偶者控除)
第十五条の二 相続税の総額を計算する場合において、前条第一項の相続人のうちに同項に規定する被相続人との婚姻期間が十五年をこえる配偶者があるときは、同項に規定する相続税の課税価格の合計額から、二十万円に当該婚姻期間のうち十五年をこえる年数を乗じて計算した金額(当該金額が二百万円をこえるときは、二百万円。以下「遺産に係る配偶者控除額」という。)を控除する。
2 前項の規定は、同項に規定する配偶者が、同項に規定する被相続人に係る相続の開始の年以前のいずれかの年において贈与に因り取得した財産に係る贈与税につき第二十一条の五の規定の適用を受けた者又は当該相続の開始の年分について受ける者であるときは、適用しない。ただし、当該配偶者が当該被相続人からの贈与に因り取得した財産に係る贈与税につき同条の規定の適用を受けた者である場合において、第十九条の規定により、当該贈与に因り取得した財産(第二十一条の五の規定の適用に係るものに限る。)の価額を当該相続に係る相続税の課税価格に加算されるときは、この限りでない。
3 第一項の場合において、相続人が同項に規定する婚姻期間が十五年をこえる配偶者に該当するかどうかの判定は、同項に規定する被相続人に係る相続開始の時の現況によるものとし、当該期間の計算に関し必要な事項は、政令で定める。
4 第一項の規定は、第二十七条第一項に規定する申告書に、遺産に係る配偶者控除額その他当該控除額の控除に関する事項及び第一項に規定する配偶者が当該控除額の控除を受けようとする年以前の各年分の贈与税につき第二十一条の五の規定の適用を受けていない旨(当該贈与税につき同条の規定の適用を受けている場合において、第十九条の規定により、当該贈与税の課税価格計算の基礎に算入された財産(第二十一条の五の規定の適用に係るものに限る。)の価額を当該申告書に係る相続税の課税価格に加算されるときは、その旨)の記載をし、かつ、同項に規定する被相続人との婚姻期間を証する書類その他の大蔵省令で定める書類を添附して、当該申告書を当該申告書の提出期限内に提出した場合に限り、適用する。
5 税務署長は、前項の記載がない申告書の提出があつた場合若しくは同項の申告書の提出に際し同項の書類の添附がない場合又は当該申告書の提出期限内の提出がなかつた場合においても、その記載若しくは書類の添附又は申告書の提出期限内の提出がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、第一項の規定を適用することができる。
第十六条中「基礎控除額」の下に「及び遺産に係る配偶者控除額」を加え、
「 |
三十万円以下の金額 |
百分の十 |
」 |
三十万円をこえる金額 |
百分の十五 |
||
七十万円をこえる金額 |
百分の二十 |
||
百五十万円をこえる金額 |
百分の二十五 |
||
三百万円をこえる金額 |
百分の三十 |
||
五百万円をこえる金額 |
百分の三十五 |
||
七百万円をこえる金額 |
百分の四十 |
||
千万円をこえる金額 |
百分の四十五 |
||
二千万円をこえる金額 |
百分の五十 |
||
三千万円をこえる金額 |
百分の五十五 |
||
五千万円をこえる金額 |
百分の六十 |
||
七千万円をこえる金額 |
百分の六十五 |
||
一億円をこえる金額 |
百分の七十 |
を
「 |
六十万円以下の金額 |
百分の十 |
」 |
六十万円をこえる金額 |
百分の十五 |
||
百五十万円をこえる金額 |
百分の二十 |
||
三百万円をこえる金額 |
百分の二十五 |
||
五百万円をこえる金額 |
百分の三十 |
||
八百万円をこえる金額 |
百分の三十五 |
||
千二百万円をこえる金額 |
百分の四十 |
||
千八百万円をこえる金額 |
百分の四十五 |
||
三千万円をこえる金額 |
百分の五十 |
||
五千万円をこえる金額 |
百分の五十五 |
||
七千五百万円をこえる金額 |
百分の六十 |
||
一億円をこえる金額 |
百分の六十五 |
||
一億五千万円をこえる金額 |
百分の七十 |
に改める。
第十七条第一項第一号中「七十万円」を「百万円」に改め、同条第二項中「遺産に係る基礎控除額」の下に「と遺産に係る配偶者控除額との合計額」を加え、「当該合計額」を「同項各号に掲げる金額の合計額」に改める。
第十九条中「第二十一条の七」を「第二十一条の八」に改める。
第十九条の二の見出しを「(配偶者に対する相続税額の控除)」に改め、同条中「基礎控除額」の下に「及び遺産に係る配偶者控除額」を加える。
第二十一条の七を第二十一条の八とし、第二十一条の六中「合計額につき前二条の規定により」を「合計額から第二十一条の四の規定による控除をした後の金額を前条に規定する課税価格とみなして同条の規定を適用して」に、「当該合計額につき前二条」を「当該合計額から第二十一条の四の規定による控除をした後の金額を前条に規定する課税価格とみなして同条」に改め、同条に次の一項を加え、同条を第二十一条の七とする。
2 前項の場合において、その者がその年以前三年以内のいずれかの年において贈与に因り取得した財産に係る贈与税につき第二十一条の五の規定の適用を受けるときは、当該贈与に因り取得した財産のうち同条の規定により控除される額に相当する部分については、贈与を受けなかつたものとみなす。
第二十一条の五中「前条」を「前二条」に、
「 |
三十万円以下の金額 |
百分の十五 |
」 |
三十万円をこえる金額 |
百分の二十 |
||
五十万円をこえる金額 |
百分の二十五 |
||
七十万円をこえる金額 |
百分の三十 |
||
百万円をこえる金額 |
百分の三十五 |
||
百五十万円をこえる金額 |
百分の四十 |
||
二百万円をこえる金額 |
百分の四十五 |
||
三百万円をこえる金額 |
百分の五十 |
||
五百万円をこえる金額 |
百分の五十五 |
||
七百万円をこえる金額 |
百分の六十 |
||
千万円をこえる金額 |
百分の六十五 |
を
「 |
三十万円以下の金額 |
百分の十 |
」 |
三十万円をこえる金額 |
百分の十五 |
||
五十万円をこえる金額 |
百分の二十 |
||
七十万円をこえる金額 |
百分の二十五 |
||
百万円をこえる金額 |
百分の三十 |
||
百四十万円をこえる金額 |
百分の三十五 |
||
二百万円をこえる金額 |
百分の四十 |
||
三百万円をこえる金額 |
百分の四十五 |
||
四百万円をこえる金額 |
百分の五十 |
||
七百万円をこえる金額 |
百分の五十五 |
||
千万円をこえる金額 |
百分の六十 |
||
千五百万円をこえる金額 |
百分の六十五 |
に改め、同条を第二十一条の六とし、同条の前に次の一条を加える。
(贈与税の配偶者控除)
第二十一条の五 その年において贈与に因りその者との婚姻期間が二十五年以上である配偶者からもつぱら居住の用に供する土地若しくは土地の上に存する権利若しくは家屋でこの法律の施行地にあるもの(以下本条において「居住用不動産」という。)又は金銭を取得した者(その年の前年以前のいずれかの年において贈与に因り取得した財産に係る贈与税につき本条の規定の適用を受けた者を除く。)が、当該取得の日の属する年の翌年三月十五日までに当該居住用不動産をその者の居住の用に供し、かつ、その後引き続き居住の用に供する見込みである場合又は同日までに当該金銭をもつて居住用不動産を取得して、これをその者の居住の用に供し、かつ、その後引き続き居住の用に供する見込みである場合においては、その年分の贈与税については、課税価格から百六十万円(当該贈与に因り取得した居住用不動産の価額に相当する金額と当該贈与に因り取得した金銭のうち居住用不動産の取得に充てられた部分の金額との合計額が百六十万円に満たない場合には、当該合計額)を控除する。
2 前項の場合において、贈与者が同項に規定する婚姻期間が二十五年以上である配偶者に該当するかどうかの判定は、同項の財産の贈与の時の現況によるものとし、当該期間の計算に関し必要な事項は、政令で定める。
3 第一項の規定は、第二十八条第一項に規定する申告書に、第一項の規定により控除を受ける金額その他その控除に関する事項及びその控除を受けようとする年の前年以前の各年分の贈与税につき第二十一条の五の規定の適用を受けていない旨の記載をし、かつ、贈与者が婚姻期間が二十五年以上である配偶者である旨をする書類その他の大蔵省令で定める書類を添附して、当該申告書を当該申告書の提出期限内に提出した場合に限り、適用する。この場合においては、第十五条の二第五項の規定を準用する。第二十七条第一項中「第十五条」の下に「及び第十六条」を加え、同条第二項中「同項」を「前項」に改める。
第二十八条第一項及び第二項中「第二十一条の四から第二十一条の七まで」を「第二十一条の四及び第二十一条の六から第二十一条の八まで」に改める。
第三十三条中「第五十条」を「第五十条第二項」に改める。
第四十二条第一項中「までに、又は納付すべき日」を「又は納付すべき日まで」に改める。
第五十条の見出し中「義務的修正申告」を「修正申告等」に改め、同条を同条第二項とし、同条に第一項として次の一項を加える。
第三十条の規定による期限後申告書若しくは第三十一条第一項の規定による修正申告書の提出又は第三十五条第三項の規定による更正若しくは決定があつた場合におけるこれらの申告書の提出又は当該更正若しくは決定により納付すベき相続税の徴収を目的とする国の権利については、これらの申告書の提出又は当該更正若しくは決定があつた日から五年間行使しないことによつて、時効により消滅する。
第五十一条第四項中「納付すべき日」の下に「(同日前に当該物納の許可の申請があつた場合には、当該申請があつた日)」を加える。
附 則
1 この法律は、昭和四十一年四月一日から施行する。
2 改正後の相続税法の規定は、昭和四十一年一月一日以後に相続若しくは遺贈(贈与者の死亡により効力を生ずる贈与を含む。以下同じ。)又は贈与(贈与者の死亡により効力を生ずる贈与を除く。以下同じ。)により取得した財産に係る相続税又は贈与税について適用し、同日前に相続若しくは遺贈又は贈与により取得した財産に係る相続税又は贈与税については、なお従前の例による。
(大蔵・内閣総理大臣署名)