計量法の一部を改正する法律
法律第六十一号(昭三三・四・一五)
計量法(昭和二十六年法律第二百七号)の一部を次のように改正する。
第二条中「粘度」の下に「、動粘度」を加え、「及び耐火度」を「、耐火度、照射線量、吸収線量、生体実効線量、照射線量率、吸収線量率、生体実効線量率、粒子束、粒子束密度、粒子束密度の時間積分量、放射性物質量、放射性物質表面密度、放射性物質濃度及び放射性物質壊変率」に改める。
第三条第三号を次のように改める。
三 時間の計量単位は、秒とする。
秒は、明治三十二年十二月三十一日午後九時における地球の公転の平均角速度に基いて算定した一太陽年の三一、五五六、九二五・九七四七分の一として東京天文台が現示する。
第五条中「流量、粘度」の下に「、動粘度」を加え、第十二号の次に次の一号を加える。
十二の二 動粘度の計量単位は、ストークスとする。
ストークスは、密度が一、〇〇〇キログラム毎立方メートルで粘度が一ポアズの流体の動粘度をいう。
第五条第十八号中「又はサイクル」を「、サイクル又はヘルツ」に改める。
第六条第二十二号を次のように改める。
二十二 第五条第十一号の立方メートル毎秒の補助計量単位は、立方メートル毎分及び立方メートル毎時とする。
立方メートル毎分は、一分につき一立方メートルの流量をいう。
立方メートル毎時は、一時間につき一立方メートルの流量をいう。
第六条第二十四号の次に次の一号を加える。
二十四の二 第五条第十二号の二のストークスの補助計量単位は、センチストークスとする。
センチストークスは、ストークスの一〇〇分の一をいう。
第六条第二十六号を次のように改める。
二十六 第五条第十八号のサイクル毎秒、サイクル又はヘルツの補助計量単位は、キロサイクル毎秒、キロサイクル又はキロヘルツ、メガサイクル毎秒、メガサイクル又はメガヘルツ、回毎分及び回毎時とする。
キロサイクル毎秒、キロサイクル又はキロヘルツは、一、〇〇〇サイクル毎秒、一、〇〇〇サイクル又は一、〇〇〇ヘルツをいう。
メガサイクル毎秒、メガサイクル又はメガヘルツは、一、〇〇〇、〇〇〇サイクル毎秒、一、〇〇〇、○○○サイクル又は一、〇〇〇、〇〇〇ヘルツをいう。
回毎分は、周期的現象が一分間に一回繰り返される周波数をいう。
回毎時は、周期的現象が一時間に一回繰り返される周波数をいう。
第七条中「角度」の下に「、流量」を加える。
第九条中「及び耐火度」を「、耐火度、照射線量、吸収線量、生体実効線量、照射線量率、吸収線量率、生体実効線量率、粒子束、粒子束密度、粒子束密度の時間積分量、放射性物質量、放射性物質表面密度、放射性物質濃度及び放射性物質壊変率」に改める。
第十条第一項中「、貨物の輸入についての計量その他政令で定める計量」を「及び貨物の輸入についての計量」に改める。
第十二条第十五号の次に次の一号を加える。
十五の二 動粘度計(細管式動粘度計に限る。)
第十二条に次の六号を加える。
三十三 照射線量計
三十四 照射線量率計
三十五 粒子束密度計
三十六 粒子束密度時間積分量計
三十七 放射性物質表面密度計
三十八 放射性物質濃度計
第十三条第一項中「次条の区分」を「通商産業省令で定める区分」に改める。
第十四条を次のように改める。
第十四条 削除
第十八条中「五〇箇」を「二五箇」に、「申請者」を「通商産業大臣」に、「命じなければならない」を「命ずることができる」に改め、ただし書を削る。
第十九条第一項第四号を次のように改める。
四 当該計量器の製造のため必要な技術的能力を有すること。
第二十五条中「及び工場又は事業場の所在地の都道府県名」を削る。
第三十五条第一項中「次条の区分」を「通商産業省令で定める区分」に改める。
第三十六条を次のように改める。
第三十六条 削除
第四十七条第一項中「次条の区分」を「通商産業省令で定める区分」に改める。
第四十八条を次のように改める。
第四十八条 削除
第五十一条第一項第二号中「第四十八条第四号に掲げる」を「通商産業省令で定める」に改める。
第五十四条の二第一項中「第四十八条第四号に掲げる」を「通商産業省令で定める」に、「棒はかりその他通商産業省令で定めるはかり及びおもり」を「当該計量器」に改める。
第五十五条に次の二項を加える。
2 販売事業者は、第四十七条第一項の登録に係る店舗の所在地を管轄する都道府県知事に、その店舗外販売に従事する者の氏名その他通商産業省令で定める事項をあらかじめ届け出たときは、同項の規定にかかわらず、その都道府県知事の管轄区域内において、その届出をした者を使用して計量器の販売を行うことを妨げない。
3 販売事業者は、前項の届出をした者を使用して第四十七条第一項の登録に係る店舗以外の場所で計量器の販売をするときは、その者に通商産業省令で定める様式の身分証明書を携帯させなければならない。
第六十四条第一項中第六号を削り、第七号及び第八号をそれぞれ第六号及び第七号とし、同項に次の一号を加える。
八 政令で定める計量器を譲渡し、貸し渡し、又は引き渡すとき。
第六十四条第六項中「第一項第八号」を「第一項第七号」に改める。
第六十七条第三号を次のように改める。
三 第六十四条第一項第八号の政令で定める計量器
第七十条第二号を次のように改める。
二 第六十四条第一項第八号の政令で定める計量器
第七十一条第十一号の次に次の一号を加える。
十一の二 動粘度計(細管式動粘度計を除く。)
第七十七条第一項中「及びその表記をした場所」を削る。
第八十九条第一項第二号中「材料の性質」を「性能及び材料の性質」に改め、同条の次に次の二条を加える。
(構造検査)
第八十九条の二 政令で定める計量器であつて、通商産業大臣が行う構造検査を受けてこれに合格した構造を有するものは、その検定に際しては、前条第一項第二号の規定に適合するものとみなす。
2 前項の構造検査においては、その構造が左の各号に適合するときは、合格とする。
一 前条第一項第一号の政令で定める種類に属すること。
二 その構造が通商産業省令で定める構造の基準に適合すること。
三 その器差が前条第一項第三号の政令で定める検定公差をこえないこと。
3 前項第二号及び第三号に適合するかどうかは、通商産業省令で定める方法により、基準器検査に合格した基準器を用いて定めるものとする。
4 計量器が構造検査に合格した構造を有するかどうかは、通商産業省令で定める方法により、基準器検査に合格した基準器を用いて定めるものとする。
第八十九条の三 構造検査に合格した構造を有する計量器の製造又は輸入をした者は、その計量器に通商産業省令で定める記号及び構造検査合格番号を表記しなければならない。但し、その構造上表記することが困難な計量器その他の計量器であつて、通商産業省令で定めるものについては、この限りでない。
第九十二条を次のように改める。
(検定の有効期間)
第九十二条 タキシーメーター、ガスメーター、水道メーター、ガソリン量器その他の政令で定める計量器の検定の有効期間は、検定証印を附した月の翌月一日から起算して、それぞれその政令で定める期間とする。
第百六条中「通商産業大臣」の下に「(政令で定める基準器にあつては、通商産業大臣又は都道府県知事)」を加え、同条の次に次の一条を加える。
第百六条の二 前条の都道府県知事は、基準器検査を受けようとする基準器の所在の場所を管轄する都道府県知事とする。
第百七条第三項中「原器又は標準器」を「通商産業大臣が行う基準器検査にあつては原器又は標準器の、都道府県知事が行う基準器検査にあつては通商産業省令で定める基準器であつて基準器検査に合格したもの」に改める。
第百十四条を次のように改める。
(準用規定)
第百十四条 第八十八条、第九十四条及び第九十五条の規定は、基準器検査に準用する。
第百三十九条第一項第二号を次のように改める。
二 第六十四条第一項第八号の政令で定める計量器
第百四十四条及び第百四十九条中「第百三十九条」を「第百三十九条第一項」に改める。
第百五十一条の次に次の一条を加える。
(定期検査に代る計量士による検査)
第百五十一条の二 計量士が、第百四十五条第二項の通商産業省令で定める方法により、基準器検査に合格した基準器を用いて検査を行い、第三項の規定により証印を附した計量器について、その計量器を使用する者がその者の事業所(事業所がないものにあつては、住所)の所在地を管轄する都道府県知事又は特定市町村の長にその旨を届け出たときは、その届け出た計量器については、第百三十九条第一項の規定にかかわらず、当該定期検査を受けることを要しない。但し、計量士の行つた検査の期日が市の区域については定期検査の実施の期日の六月以前、市以外の区域については定期検査の実施の期日の一年以前であるときは、この限りでない。
2 前項の規定による届出は、次項の規定により交付を受けた証明書を添付して、第百四十三条第一項の規定による公示のあつた日から二十日以内にしなければならない。
3 計量士は、第一項の検査をした計量器が第百四十五条第一項各号に適合するときは、通商産業省令で定める方法により、その計量器に証印並びに検査をした年及び月を表示する数字を附し、かつ、その計量器を使用する者に証明書を交付しなければならない。
4 第一項の基準器は、同項の規定による検査を行おうとする計量士が備えるものであつて、検査の場所を管轄する都道府県知事又は特定市町村の長の登録を受けたものでなければならない。
5 前項の登録の有効期間は、登録の月の翌月一日から起算して一年とする。
6 前二項に定めるものの外、第四項の登録に関し必要な事項は、政令で定める。
第百五十九条中「工場、事業場、店舗その他計量器を使用する場所(以下「計量器使用事業場」という。)における」を削る。
第百七十三条中「計量器使用事業場」の下に「(工場、事業場、店舗その他計量器を使用する場所をいう。以下同じ。)」を加える。
第二百十六条中「第八十九条第一項第一号及び第三号」の下に「、第八十九条の二第一項」を、「第九条」の下に「、第十三条第一項」を、「第十九条第一項」の下に「、第三十五条第一項」を、「第三十八条第一項」の下に「、第四十七条第一項」を、「第八十九条第一項第二号及び第二項」の下に「、第八十九条の二第二項第二号、第三項及び第四項」を加える。
第二百二十二条第一項中「別表の上欄に掲げる者」の下に「(通商産業大臣を除く。)」を加え、同条第二項中「又は原型検査」を「、原型検査又は基準器検査」に、「部品検査、比較検査又は基準器検査」を「構造検査、部品検査又は比較検査」に改める。
別表七 第百二十三条の登録を受けようとする者の項の次に次のように加える。
七の二 第百五十一条の二第四項の登録を受けようとする者 |
一件につき 五〇〇円 |
別表十三 検定を受けようとする者の項中「(15) 粘度計」の下に「及び動粘度計」を加え、同項に次のように加える。
(28) 照射線量計 |
一箇につき 八〇、〇〇〇円 |
(29) 照射線量率計 |
一箇につき 四四、〇〇〇円 |
(30) 粒子束密度計 |
一箇につき 五〇、〇〇〇円 |
(31) 粒子束密度時間積分量計 |
一箇につき 二八、〇〇〇円 |
(32) 放射性物質表面密度計 |
一箇につき 五〇、〇〇〇円 |
(33) 放射性物質濃度計 |
一箇につき 五六、〇〇〇円 |
別表十三 検定を受けようとする者の項の次に次のように加える。
十三の二 構造検査を受けようとする者 |
|
(1) 照射線量計 |
一件につき 一〇〇、〇〇〇円 |
(2) 照射線量率計 |
一件につき 五六、〇〇〇円 |
(3) 粒子束密度計 |
一件につき 六二、〇〇〇円 |
(4) 粒子束密度時間積分量計 |
一件につき 三四、〇〇〇円 |
(5) 放射性物質表面密度計 |
一件につき 六二、〇〇〇円 |
(6) 放射性物質濃度計 |
一件につき 七〇、〇〇〇円 |
(7) その他の計量器 |
一件につき 一〇〇、〇〇〇円 |
別表十六 比較検査を受けようとする者の項中「(15)粘度計」の下に「及び動粘度計」を加え、同項に次のように加える。
(28) 照射線量計 |
一箇につき 九〇、〇〇〇円 |
(29) 照射線量率計 |
一箇につき 五〇、〇〇〇円 |
(30) 粒子束密度計 |
一箇につき 五六、〇〇〇円 |
(31) 粒子束密度時間積分量計 |
一箇につき 三〇、〇〇〇円 |
(32) 放射性物質表面密度計 |
一箇につき 五六、〇〇〇円 |
(33) 放射性物質濃度計 |
一箇につき 六四、〇〇〇円 |
別表十七 基準器検査を受けようとする者の項中「(15) 粘度基準器」の下に「及び動粘度基準器」を加え、同項に次のように加える。
(28) 照射線量基準器 |
一箇につき 九〇、〇〇〇円 |
(29) 照射線量率基準器 |
一箇につき 五〇、〇〇〇円 |
(30) 粒子束密度基準器 |
一箇につき 五六、〇〇〇円 |
(31) 粒子束密度時間積分量基準器 |
一箇につき 三〇、〇〇〇円 |
(32) 放射性物質表面密度基準器 |
一箇につき 五六、〇〇〇円 |
(33) 放射性物質濃度基準器 |
一箇につき 六四、〇〇〇円 |
別表十八 第百三十二条第一項又は第百五十条第一項の検査を受けようとする者の項中「(15) 粘度計」の下に「及び動粘度計」を加える。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、昭和三十三年十月一日から施行する。ただし、第二百十六条の改正規定は、公布の日から施行する。
(基準器の備付)
第二条 次に掲げる計量器(以下「追加計量器」という。)に関する事業については、この法律の施行の日から一年六月間は、第十九条第一項第一号、第三十二条第四号(基準器に係る部分に限る。)、第三十八条第一項第一号及び第四十四条第四号(基準器に係る部分に限る。)の規定は、適用しない。
一 動粘度計
二 照射線量計
三 照射線量率計
四 粒子束密度計
五 粒子束密度時間積分量計
六 放射性物質表面密度計
七 放射性物質濃度計
(製造の事業)
第三条 この法律の施行の際現に改正前の第十四条の許可の区分に従い改正前の第十三条第一項の製造の事業の許可を受けている者は、その許可の区分に属する計量器が属する改正後の同項の通商産業省令で定める区分について、同項の許可を受けたものとみなす。
第四条 この法律の施行の際現に追加計量器の製造の事業を行つている者は、この法律の施行の日から三月間は、改正後の第十三条第一項の許可を受けないで、従前の例によりその事業を継続することを妨げない。その者がその期間内に同項の許可を申請した場合において、その申請について許可又は不許可の処分があるまでの間も、同様とする。
(修理の事業)
第五条 この法律の施行の際現に改正前の第三十六条の許可の区分に従い改正前の第三十五条第一項の修理の事業の許可を受けている者は、その許可の区分に属する計量器が属する改正後の同項の通商産業省令で定める区分について、同項の許可を受けたものとみなす。
第六条 この法律の施行の際現に追加計量器の修理の事業を行つている者は、この法律の施行の日から三月間は、改正後の第三十五条第一項の許可を受けないで、従前の例によりその事業を継続することを妨げない。その者がその期間内に同項の許可を申請した場合において、その申請について許可又は不許可の処分があるまでの間も、同様とする。
(販売等の事業)
第七条 この法律の施行の際現に改正前の第四十八条の登録の区分に従い改正前の第四十七条第一項の販売等の事業の登録を受けている者は、その登録の区分に属する計量器が属する改正後の同項の通商産業省令で定める区分について、同項の登録を受けたものとみなす。
第八条 この法律の施行の際現に追加計量器の販売等の事業を行つている者は、この法律の施行の日から三月間は、改正後の第四十七条第一項の登録を受けないで、従前の例によりその事業を継続することを妨げない。その者がその期間内に同項の登録を申請した場合において、その申請について登録又は登録の拒否の処分があるまでの間も、同様とする。
(検定を受ける義務)
第九条 動粘度計については、この法律の施行の日から二年間は、第六十三条の規定は、適用しない。
2 動粘度計については、この法律の施行の日から二年三月間は、第六十六条第一項の規定は、適用しない。
3 動粘度については、この法律の施行の日から六年間は、第六十八条の規定は、適用しない。
第十条 照射線量計(ポケツト型のもの及び目盛がないものに限る。)及び附則第二条第三号から第七号までに掲げる計量器については、この法律の施行の日から一年間は、第六十三条の規定は、適用しない。
2 前項に規定する計量器については、この法律の施行の日から一年三月間は、第六十六条第一項の規定は、適用しない。
(検定等の効力)
第十一条 「エツクス」線量計検定規則(昭和十二年逓信省令第五十二号)による検定に合格した照射線量計は、計量法による検定に合格したものとみなす。
2 「エツクス」線量計検定規則第九条第一項の規定により照射線量計に附した検定票は、第九十三条第一項の規定により附した検定証印とみなす。
3 「エツクス」線量計検定規則第五条第一項の規定により型式承認を受けた型式は、第八十九条の二第一項の構造検査に合格した構造とみなす。
(工業技術院設置法の改正)
第十二条 工業技術院設置法(昭和二十三年法律第二百七号)の一部を次のように改正する。
第三条第三号中「ホンの標準器」の下に「、照射線量の計量単位の標準器、粒子束の計量単位の標準器、放射性物質量の計量単位の標準器」を加える。
(通商産業・内閣総理大臣署名)