市町村職員共済組合法
法律第二百四号(昭二九・七・一)
目次
第一章 総則(第一条―第十条)
第二章 組合員(第十一条―第十四条)
第三章 給付
第一節 通則(第十五条―第二十九条)
第二節 保健給付(第三十条―第四十条)
第三節 退職給付(第四十一条―第四十三条)
第四節 廃疾給付(第四十四条―第四十七条)
第五節 遺族給付(第四十八条―第五十四条)
第六節 り災給付(第五十五条・第五十六条)
第七節 休業給付(第五十七条―第六十条)
第八節 給付の制限(第六十一条―第六十四条)
第四章 福祉事業(第六十五条)
第五章 掛金及び市町村負担金(第六十六条―第六十九条)
第六章 市町村職員共済組合連合会(第七十条―第七十七条)
第七章 市町村職員共済組合審査会(第七十八条―第八十二条)
第八章 会計(第八十三条―第八十五条)
第九章 雑則(第八十六条―第九十六条)
第十章 罰則(第九十七条・第九十八条)
附則
第一章 総則
(この法律の趣旨)
第一条 この法律は、地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)の精神にのつとり市町村職員の福祉の増進を図るため、市町村職員共済組合の組織及び業務について定めることを目的とする。
(市町村職員共済組合の設置等)
第二条 都道府県の区域ごとに、市町村職員共済組合(以下「組合」という。)を置く。
2 組合は、法人とする。
3 組合の事務所は、当該都道府県の都道府県庁所在地に置く。
(規約)
第三条 組合は、規約をもつて左に掲げる事項を定めなければならない。
一 目的
二 名祢
三 事務所の所在地
四 組合会の議員の定数及び選挙の方法
五 理事の定数、役員の選挙の方法その他役員に関する事項
六 組合員の範囲、種別その他組合員に関する事項
七 掛金に関する事項
八 資産の管理その他財務に関する事項
九 公告に関する事項
十 その他組合の業務に関する重要事項
2 規約の変更は、自治庁長官の認可を受けなければ、その効力を生じない。
3 組合は、規約の変更について前項に規定する認可を受けたときは、遅滞なく、これを公告しなければならない。
(組合会)
第四条 組合に組合会を置く。
2 組合会の議員(以下本条及び第六条において「議員」という。)は、市町村長及び市町村長以外の組合員がそれぞれのうちからそれぞれ同数を選挙する。
3 議員の任期は、二年とする。但し、補欠議員の任期は、前任者の残任期間とする。
4 市町村長である議員が市町村長の職を離れたとき、及び市町村長以外の組合員から選挙された議員が組合員の資格を失つたときは、当然議員の職を失う。
5 組合会に議長を置く。議長は、理事長をもつて充てる。
6 議長は、組合会の会議を総理する。議長に事故があるとき、又は議長が欠けたときは、第七条第一項の規定により理事長の職務を代理する者がその職務を行う。
7 組合員は、規約に特別の定がある場合を除く外、組合会の会議を傍聴することができる。
8 前三項に定めるものの外、組合会の招集及び議事の手続に関し必要な事項は、政令で定める。
(組合会の権限)
第五条 左に掲げる事項は、組合会の議決を経なければならない。
一 規約の変更
二 予算の決定及び決算報告の認定
三 重要な財産の処分又は重大な義務の負担
四 訴訟又は訴願の提起及び和解
五 その他組合の業務に関する重要事項で、規約をもつて定める事項
2 組合会は、監事に対し、組合の業務に関する監査を求め、その結果の報告を請求することができる。
(役員)
第六条 組合に役員として理事長、理事若干人及び監事二人を置く。
2 理事長は、市町村長である理事のうちから理事が選挙する。
3 理事は、市町村長である議員及び市町村長以外の組合員から選挙された議員がそれぞれのうちからそれぞれ同数を選挙する。
4 監事は、組合会において、市町村長である議員及び市町村長以外の組合員から選挙された議員のうちからそれぞれ一人を選挙する。
5 理事及び監事の任期は、議員の任期による。補欠の理事及び監事の任期は、前任者の残任期間とする。
6 理事又は監事が議員の職を失つたときは、当然理事又は監事の職を失う。
7 理事又は監事は、その任期が満了しても、後任の理事又は監事が就職するまでの間は、なおその職務を行う。
8 組合は、役員が就職し、又は退職したときは、遅滞なく、これを公告しなければならない。
(役員の職務)
第七条 理事長は、組合を代表する。理事長に事故があるとき、又は理事長が欠けたときは、市町村長である理事のうちからあらかじめ理事長が指定する者がその職務を代理する。
2 組合の業務は、規約に特別の定がある場合を除く外、理事の過半数で決する。
3 監事は、組合の業務を監査する。
4 組合と理事長(第一項の規定により理事長の職務を代理する者を含む。以下本項において同じ。)又は理事長がその長である市町村との利益が相反する事項については、理事長は、代表権を有しない。この場合においては、監事が組合を代表する。
5 理事は、規約、業務方法書、財産目録、貸借対照表、損益計算書及び決算報告書を組合の事務所に備えつけて置かなければならない。
6 組合員は、理事に対し、前項の書類の閲覧を請求することができる。この場合においては、理事は、正当な理由がないのに拒んではならない。
(業務方法書)
第八条 理事は、業務方法書を定め、これに組合の業務の執行に関し必要な事項で総理府令で定めるものを記載しなければならない。
(非課税)
第九条 組合の給付として支給を受ける金品のうち、退職給付及び休業手当金以外の給付については、これを標準として、租税その他の公課を課さない。
2 この法律に基く給付、第六十五条第二号の貸付並びに同条第三号及び第四号に規定する事業に関する証書及び帳簿には、印紙税を課さない。
3 組合が第三章及び第四章の規定による事業の用に供する建物又は土地の権利の取得又は所有権の保存の登記については、登録税を課さない。
(戸籍書類の無料証明)
第十条 市町村長(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第百五十五条第二項の市にあつては、区長)は、組合又はこの法律に基く給付を受ける権利を有する者に対して、当該市町村の条例で定めるところにより、組合員、組合員であつた者又はこの法律に基く給付を受ける権利を有する者の戸籍に関し、無料で証明を行うことができる。
第二章 組合員
(組合員)
第十一条 市町村に使用される者で市町村から給与を受けるもの(以下「職員」という。)は、すべて組合員とする。
2 前項の規定にかかわらず、左の各号の一に該当する者は、組合員としない。
一 常時勤務に服しない者
二 臨時に使用される者
三 国家公務員共済組合の組合員
3 市町村に使用される者で左に掲げるものは、政令で定める者を除き、前二項の規定の適用については、常時勤務に服する職員とみなす。
一 地方公務員法第二十七条第二項に規定する休職の処分を受けた者及びこれに準ずる者
二 地方公務員法第二十九条第一項の規定により停職の処分を受けた者
三 前二号に掲げる者を除く外、法律又は条例で職務に専念する義務を免除された者
(組合員の資格の得喪)
第十二条 職員(前条第三項の規定により常時勤務に服する職員とみなされる者を含む。以下同じ。)は、同条第二項各号に掲げる者を除き、その職員となつた日(同条同項各号の一に該当する職員がこれに該当しない職員となつたときは、そのなつた日)から、組合員の資格を取得する。
2 組合員は、左に掲げる事由に該当するに至つたときは、その翌日(引き続きこの法律による他の組合又は国家公務員共済組合の組合員の資格を取得したときは、その取得した日)から、その組合の組合員の資格を喪失する。
一 死亡したとき。
二 退職(免職及び失職を含む。以下同じ。)したとき。(退職の日又はその翌日にその組合の設置されている都道府県の区域内の市町村の職員となつたときを除く。)
三 前条第二項各号に掲げる者となつたとき。
(組合員である期間)
第十三条 組合員である期間は、組合員の資格を取得した日の属する月から起算し、その資格を喪失した日の前日の属する月をもつて終るものとする。
2 組合員が引き続きこの法律による他の組合の組合員の資格を取得したとき、又は国家公務員共済組合の組合員(国家公務員共済組合法(昭和二十三年法律第六十九号)第三十九条の退職年金を受ける権利を有しない者に限る。)が引き続きこの法律による組合の組合員の資格を取得したときは、その引き続くもとの組合又は国家公務員共済組合の組合員であつた期間(そのあらたに他の組合又はこの法律による組合の組合員の資格を取得した日の属する月を除く。)は、この法律の適用については、その者があらたに組合員の資格を取得した他の組合又はこの法律による組合の組合員であつた期間とみなす。
(責任準備金等の移換)
第十四条 組合員若しくは組合から退職年金を受ける権利を有する者がこの法律による他の組合の組合員の資格を取得したとき、又はこの法律による組合の組合員(退職年金を受ける権利を有しない者に限る。)が国家公務員共済組合の組合員の資格を取得したときは、もとの組合又はこの法律による組合は、その者に係る責任準備金に相当する金額をその者があらたにその組合員の資格を取得したこの法律による他の組合又は国家公務員共済組合に移換しなければならない。
2 前項の責任準備金の計算については、総理府令で定める。
3 組合員で船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)による船員保険の被保険者であるもの(以下「船員である組合員」という。)が組合員の資格を喪失した場合において、なお船員保険法の適用を受けるときは、その者につき同法第十五条ノ四の規定により計算した積立金に相当する金額を、船員保険特別会計に移換しなければならない。
第三章 給付
第一節 通則
(組合の給付)
第十五条 組合は、この法律で定めるところにより、組合員の疾病、負傷、廃疾、死亡、分べん、退職、災やく若しくは休業又はその被扶養者の疾病、負傷、死亡、分べん若しくは災やくに関して、左に掲げる給付を行う。
一 保健給付
二 退職給付
三 廃疾給付
四 遺族給付
五 り災給付
六 休業給付
(被扶養者)
第十六条 この法律において「被扶養者」とは、組合員の直系尊族、配偶者(届出をしないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。以下同じ。)、子及び組合員と同一の世帯に属する者で、主としてその収入により生計を維持するものをいう。
(給付額の算定方法)
第十七条 給付額の算定の基準となるべき給料(地方公務員法第二十五条第二項第一号に規定する給料表に掲げる給料で月額をもつて支給されるもの又はこれに相当する給与をいう。以下同じ。)は、給付事由が発生した当時(給付事由が退職後に発生したものにあつては、退職当時)の掛金の標準となつた給料とし、その三十分の一(休業給付にあつては、その二十五分の一)に相当する額をもつて給料日額とする。
2 給付額に円位未満の端数を生じたときは、これを円位に満たしめる。
(年金の支給の始期及び終期)
第十八条 年金である給付は、その給付事由が発生した月の翌月からその事由のなくなつた月まで支給する。
2 年金の支給については、月割計算とし、毎年三月、六月、九月及び十二月において、その前月分までを支給する。但し、年金の給付事由がなくなつたとき、又はその支給を停止したとき、若しくはこれを受ける権利が消滅したときは、その支給期日にかかわらず、そのときまでの分を支給する。
(年金を受けるべき遺族の範囲)
第十九条 年金を受けるべき遺族の範囲は、組合員又は組合員であつた者で引き続きこの法律によつて年金を受けていたもの(以下本節及び第六十四条において「組合員であつた者」という。)の配偶者並びに子、父母、孫及び祖父母で組合員又は組合員であつた者の死亡当時主としてその収入によつて生計を維持していたものとする。
2 組合員又は組合員であつた者の死亡当時胎児であつた子が出生したときは、前項の規定の適用については、組合員又は組合員であつた者の死亡当時主としてその収入によつて生計を維持していた者とみなす。
第二十条 前条第一項に規定する遺族のうち組合員又は組合員であつた者の死亡当時十八歳未満の子又は孫にあつては、まだ婚姻(届出をしないが事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含む。以下同じ。)していない場合に限り、十八歳以上の子又は孫にあつては、組合員又は組合員であつた者の死亡当時から引き続き不具廃疾で生活資料を得るみちがないときに限り、年金を支給する。
(年金以外の給付を受けるべき遺族の範囲)
第二十一条 年金以外の給付を受けるべき組合員又は組合員であつた者の遺族の範囲は、左に掲げる者とする。
一 組合員又は組合員であつた者の配偶者
二 組合員又は組合員であつた者の子、父母、孫及び祖父母で組合員又は組合員であつた者の死亡当時主としてその収入によつて生計を維持していたもの
三 前号に掲げる者を除く外、組合員又は組合員であつた者の死亡当時主としてその収入によつて生計を維持していた者
四 組合員又は組合員であつた者の子、父母、孫及び祖父母で第二号に該当しないもの
(給付を受けるべき遺族の順位)
第二十二条 組合員又は組合員であつた者が死亡したときにおいて給付を受けるべき遺族の順位は、左に掲げるとおりとする。
一 年金を受ける者の順位は、第十九条第一項に掲げる順序
二 年金以外の給付を受ける者の順位は、前条各号の順序。但し、同条第二号又は第四号に掲げる者の間においては、それぞれ当該各号に掲げる順序
2 前項の場合において、父母については養父母を先にし実父母を後にし、祖父母については養父母の父母を先にし実父母の父母を後にし、父母の養父母を先にし父母の実父母を後にする。
(同順位者が二人以上あるときの給付)
第二十三条 前条の規定により給付を受けるべき遺族に同順位者が二人以上あるときは、その給付は、その人数によつて等分して支給する。
2 前項の規定により年金である給付を等分して受ける同順位者のうちその権利を失つた者があるときは、残りの同順位者の人数によつてその年金を等分して支給する。
(支払未済の給付の受給者の特例)
第二十四条 遺族給付以外の給付を受ける権利を有する組合員又は組合員であつた者が死亡した場合において、その老が支給を受けるべき給付でその支払を受けなかつたものがあるときは、第十九条から前条までの規定に準じて、これをその者の遺族に支給する。
2 遺族給付を受ける権利を有する組合員であつた者の遺族がその権利を失つた場合において、当該遺族が支給を受けることができた給付で当該遺族が支払を受けなかつたものがあるときは、第十九条から前条までの規定に準じて、これを当該遺族以外の当該組合員であつた者の遺族に支給する。
(給付の併給)
第二十五条 二以上の給付事由が同時に存したときは、左に掲げる場合を除く外、当該各種の給付を併給するものとする。
一 出産手当金を支給するときは、その支給期間内は、傷病手当金は支給しない。
二 傷病手当金又は出産手当金を支給するときは、その支給期間内は、休業手当金は支給しない。
三 廃疾年金を受ける権利を有する者には、退職給付は行わない。
四 退職年金を受ける権利を有する者には、廃疾一時金は支給しない。
(給付金からの控除)
第二十六条 組合員が組合員の資格を喪失した場合において、その者に支給すべき給付金があり、且つ、その者が組合に対して支払うべき金額があるときは、給付金からこれを控除する。
(時効)
第二十七条 この法律に基く給付を受ける権利は、その給付事由が発生した日から年金である給付については五年間、その他の給付については二年間行わないときは、時効に因り消滅する。
(給付を受ける権利の保護)
第二十八条 この法律に基く給付を受ける権利は、譲渡し、担保に供し、又は差し押えることができない。
2 年金である給付を受ける権利は、前項の規定にかかわらず、国民金融公庫に担保に供することができる。
(損害賠償の請求権)
第二十九条 組合は、給付事由が第三者の行為に因つて発生したときは、当該給付事由に対して行うべき給付の価額の限度で、給付を受ける権利を有する者が第三者に対して有する損害賠償の請求権を取得する。
第二節 保健給付
(療養)
第三十条 組合員が、公務に因らないで疾病にかかり、又は負傷したときは、組合は、左に掲げる療養を行う。
一 診察
二 薬剤又は治療材料の支給
三 処置、手術その他の治療
四 病院又は診療所への収容
五 看護
六 移送
2 前項第五号及び第六号の療養は、組合が必要と認めたときに限り、行うものとする。
(療養の給付及び療養費)
第三十一条 組合員が前条第一項第一号から第四号までの療養を受けようとするときは、左の各号に定めるところによる。
一 組合の経営する医療機関からこれを受けることができる。この場合において、組合は、その費用を負担する。
二 組合員の療養について組合が契約している医療機関からこれを受けることができる。この場合において、組合は、健康保険法(大正十一年法律第七十号)第四十三条ノ六の規定に基き厚生大臣の定める療養に要する費用の算定に関する基準(以下本条において「厚生大臣の定める基準」という。)の範囲内で、当該医療機関にその費用を支払う。但し、組合は、厚生大臣の定める基準による初診料に相当する金額を組合員に支払わせることができる。
三 保険医又は保険薬剤師(健康保険法第四十三条ノ三の規定によつて指定された保険医又は保険薬剤師をいう。以下同じ。)からこれを受けることができる。この場合において、組合は、厚生大臣の定める基準によつて、当該保険医又は保険薬剤師にその費用を支払う。但し、組合員は、厚生大臣の定める基準による初診料に相当する金額を支払わなければならない。
四 組合は、療養の給付をすることが困難であると認めたとき、又は組合員が緊急その他やむを得ない事情により前各号に規定する医療機関以外の医師、歯科医師、薬剤師又はその他の医療機関から診療又は手当を受けた場合において、組合が必要と認めたときは、厚生大臣の定める基準の範囲内で、その費用をその組合員に支払うことができる。但し、組合員は、厚生大臣の定める基準による初診料に相当する金額については、その支払を受けることはできない。
(家族療養費)
第三十二条 組合員の被扶養者が、第三十条第一項第一号から第四号までに規定する療養を受けようとするときは、前条の規定に準じ、任意の医療機関からこれを受けることができる。この場合において、組合は、同条の規定(同条第二号但書、第三号但書及び第四号但書を除く。)に従つて負担し、又は支払わなければならない費用の半額を負担し、又は支払わなければならない。
2 第三十条第二項の規定は、組合員の被扶養者が同条第一項第五号及び第六号の療養を受けようとするときに準用する。この場合において、組合は、組合員がその療養を受けるときにおいて組合が負担し、又は支払うべき金額の半額を負担し、又は支払わなければならない。
(保険医等の療養費及び家族療養費)
第三十三条 組合員又はその被扶養者が、保険医又は保険薬剤師から第三十条第一項第一号から第四号までの療養を受け、緊急その他やむを得ない事情によりその費用を直接保険医又は保険薬剤師に支払つた場合において、組合が必要と認めたときは、組合は、第三十一条第三号又は前条第一項の規定に従つて計算した費用を、保険医又は保険薬剤師に対する支払に代えて組合員に支払うことができる。
(保険医又は保険薬剤師の療養担当)
第三十四条 保険医又は保険薬剤師は、健康保険法の規定に従つて組合員及びその被扶養者の療養を行わなければならない。
(給付の支給期間)
第三十五条 療養の給付、療養費及び家族療養費は、同一の疾病並びに負傷及びこれに因り発生した疾病に関し左に掲げる事由に該当するに至つたとき以後は、支給しない。
一 廃疾給付を受けるに至つたとき。
二 療養の給付、療養費又は家族療養費(国家公務員共済組合法によるこれらのものを含む。)の支給開始後三年を経過したとき。
2 組合員がその資格を喪失した際、療養の給付、療養費又は家族療養費を受けているときは、組合員として受けることのできる期間、継続してこれを支給する。但し、その期間内に他の組合の組合員(国家公務員共済組合の組合員及び健康保険法による健康保険(以下「健康保険」という。)又は船員保険法による船員保険(以下「船員保険」という。)の被保険者で組合員でないものを含む。以下第三十七条第二項、第三十八条第三項及び第五十八条第三項において同じ。)の資格を取得したときは、その取得した日以後は、この限りでない。
(家族療養費の支給の制限)
第三十六条 家族療養費は、同一の疾病並びに負傷及びこれに因り発生した疾病に関し日雇労働者健康保険法(昭和二十八年法律第二百七号)の規定による療養の給付があつたときは、その限度において、支給しない。
(分べん費及び配偶者分べん費)
第三十七条 組合員が分べんしたときは、分べん費として給料の一月分に相当する額を支給する。
2 組合員であつた者がその資格喪失後六月以内に分べんしたときも、また、前項と同様とする。但し、資格喪失後分べんするまでの間に他の組合の組合員の資格を取得したときは、もとの組合は、分べん費を支給しない。
3 組合員の被扶養者である配偶者が分べんしたときは、配偶者分べん費として給料の半月分に相当する額を支給する。
(ほ育手当金)
第三十八条 組合員又はその被扶養者である配偶者が分べんし、且つ、ほ育する場合においては、ほ育手当金として分べんの日から引き続き六月間、ほ育している期間一月につき四百円を支給する。但し、その期間が一月に満たないときは、これを一月とする。
2 組合員がその資格を喪失した際、ほ育手当金を受けているときは、組合員として受けることができる期間、継続してこれを支給する。
3 組合員であつた者がその資格喪失後六月以内に分べんし、且つ、ほ育するときも、また、第一項と同様とする。但し、資格喪失後分べんするまでの間に他の組合の組合員の資格を取得したときは、もとの組合は、ほ育手当金を支給しない。
(埋葬料及び家族埋葬料)
第三十九条 組合員が公務に因らないで死亡したときは、その埋葬を行う者に埋葬料として給料の一月分に相当する額を支給する。但し、その額が六千円に満たないときは、六千円とする。
2 組合員の被扶養者が死亡したときは、家族埋葬料として前項に規定する額の二分の一を支給する。
第四十条 第三十五条第二項の規定により給付を受ける者が死亡したとき、同項の規定により給付を受けた者がその給付を受けなくなつた日後三月以内に死亡したとき、又は組合員であつた者がその資格を喪失した日後三月以内に死亡したときは、その埋葬を行う者に、前条第一項の規定に準じ、埋葬料を支給する。
2 第三十五条第二項但書の規定は、前項の場合について準用する。
第三節 退職給付
(退職年金)
第四十一条 組合員であつた期間二十年以上の者が、第十二条第二項第二号又は第三号に規定する事由に該当し組合員の資格を喪失したとき(引き続きこの法律による他の組合の組合員の資格を取得し第十三条第二項の規定の適用を受けるとき、又はこの法律に基く退職年金を受ける権利を有しない組合員が引き続き国家公務員共済組合の組合員の資格を取得し国家公務員共済組合法第十五条第二項の規定の適用を受けるときを除く。以下第四十三条第一項において同じ。)は、その者の死亡に至るまで退職年金を支給する。但し、五十歳に達するまでは、その支給を停止する。
2 退職年金の年額は、給料の四月分に相当する額とし、組合員であつた期間二十年以上一年を増すごとにその一年につき給料日額の四日分に相当する額を加算する。
第四十二条 退職年金を受ける権利を有する者が再び組合員となつたときは、その組合員となつた日の属する月から退職年金の支給を停止する。
2 前項の規定により退職年金の支給を停止された組合員が、第十二条第二項第二号又は第三号に規定する事由に該当し組合員の資格を喪失したとき(引き続きこの法律による他の組合の組合員の資格を取得し第十三条第二項の規定の適用を受けるときを除く。)は、前後の組合員であつた期間を合算して退職年金の額を改定する。
3 前項の規定により退職年金の額を改定した場合において、その改定額が従前の退職年金の額より少いときは、従前の退職年金の額をもつてその退職年金の額とする。
(退職一時金)
第四十三条 組合員であつた期間六月以上二十年未満の者が、第十二条第二項第二号又は第三号に規定する事由に該当し組合員の資格を喪失したときは、退職一時金を支給する。
2 退職一時金の額は、給料日額に、組合員であつた期間に応じ別表第一に定める日数を乗じて得た金額とする。但し、廃疾一時金の支給を受ける者に支給すべき額は、廃疾一時金の額と合算して給料の二十二月分に相当する額をこえることができない。
第四節 廃疾給付
(廃疾年金)
第四十四条 組合員であつた期間六月以上の者が公務に因らないで疾病にかかり、又は負傷し、若しくはこれに因り発生した疾病のため退職した場合において、療養の給付を受けた日若しくは療養費の給付事由が発生した日から起算し三年以内に治ゆしたとき、又は治ゆしないがその期間を経過したとき別表第二に掲げる程度の廃疾の状態にある者には、その程度に応じて、その者の死亡に至るまで廃疾年金を支給する。
2 廃疾年金の額は、給料に、別表第三に定める月数を乗じて得た額とする。
3 組合員であつた期間十年以上の者に支給する廃疾年金の年額は、前項の額に、その期間二十年に至るまでは十年以上一年を増すごとにその一年につき給料日額の三日分に相当する額を、二十年以上については二十年以上一年を増すごとにその一年につき給料日額の四日分に相当する額を加算する。
第四十五条 廃疾年金を受ける権利を有する者が、廃疾年金の支給を受ける程度の廃疾の状態に該当しなくなつたとき以後は、その廃疾年金は、支給しない。
第四十六条 組合員であつた期間二十年未満で廃疾年金を受ける権利を有する者が前条の規定により廃疾年金の支給を受けなくなつた場合において、すでに支給を受けた廃疾年金の総額が、その者が組合員の資格を喪失した際受けるべきであつた退職一時金の額と給料の十月分に相当する額との合算額(その合算額が給料の二十二月分に相当する額をこえるときは、給料の二十二月分に相当する額)に満たないときは、その差額を支給する。
(廃疾一時金)
第四十七条 組合員であつた期間六月以上の者が公務に因らないで疾病にかかり、又は負傷し、若しくはこれに因り発生した疾病のため退職した場合において、療養の給付を受けた日若しくは療養費の給付事由が発生した日から起算し三年以内に治ゆしたとき、又は治ゆしないがその期間を経過したとき別表第四に掲げる程度の廃疾の状態にある者には、廃疾一時金を支給する。
2 廃疾一時金の額は、給料の十月分に相当する額とする。但し、退職一時金の支給を受ける者に支給すべき額は、退職一時金の額と合算して給料の二十二月分に相当する額をこえることができない。
第五節 遺族給付
(遺族年金)
第四十八条 組合員であつた期間二十年以上の者が死亡したときは、その者の遺族に遺族年金を支給する。
第四十九条 遺族年金の額は、左の区分による額とする。
一 退職年金の支給を受ける者が死亡したときは、その退職年金の額の二分の一
二 組合員であつた期間二十年以上の者が、退職年金の支給を受けないで死亡したときは、その者が支給を受けるべきであつた退職年金の額の二分の一
三 組合員であつた期間二十年以上の者で廃疾年金の支給を受ける者が死亡したときは、その者が支給を受けるべきであつた退職年金の額の二分の一
(遺族年金の転給)
第五十条 遺族年金を受ける権利を有する者が左の各号の一に該当するに至つたときは、その年金を受ける権利を失う。
一 死亡したとき。
二 婚姻したとき、又は養子縁組(届出をしないが事実上養子縁組と同様の事情にある場合を含む。)により養子となつたとき。
三 子又は孫(不具廃疾で生活資料を得るみちがない者を除く。)が十八歳に達したとき。
四 不具廃疾で生活資料を得るみちがないため、遺族年金を受けていた者につき、その事情がなくなつたとき。
2 前項の場合において、遺族年金の支給を受けるべき同順位者がなくて後順位者があるときは、その者にこれを支給する。
第五十一条 遺族年金を受ける権利を有する者が一年以上所在不明であるときは、同順位者があるときは同順位者の、同順位者がないときは次順位者の申請により、所在不明中その者の受けるべき年金の支給を停止することができる。
2 前項の規定により年金の支給を停止した場合においては、その停止期間中、その年金は、同順位者から申請があつたときは同順位者に、次順位者から申請があつたときは次順位者に支給する。
(遺族一時金)
第五十二条 組合員であつた期間六月以上二十年未満の者が死亡したときは、その者の遺族に遺族一時金を支給する。
2 遺族一時金の額は、給料日額に、組合員であつた期間に応じ別表第一に定める日数を乗じて得た額とする。
(年金者遺族一時金)
第五十三条 左の各号の一に該当するときは、組合員であつた者の遺族に年金者遺族一時金を支給する。
一 退職年金を受ける権利を有する者が死亡した場合において、遺族年金の支給を受けるべき遺族がないとき。
二 組合員であつた期間二十年以上の者で廃疾年金を受ける権利を有するものが死亡した場合において、遺族年金の支給を受けるべき遺族がないとき。
三 組合員であつた期間二十年未満の者で廃疾年金を受ける権利を有するものが死亡したとき。
四 遺族年金を受ける権利を有する者がその権利を失い、以後年金を受けるべき遺族がないとき。
五 組合員であつた期間二十年以上の者が退職年金の支給を受けないで死亡した場合において、遺族年金の支給を受けるべき遺族がないとき。
第五十四条 年金者遺族一時金の額は、左の区分による額とする。
一 前条第一号に該当する場合においては、すでに支給を受けた年金の総額が、退職年金の額の六年分に満たないときは、その差額
二 前条第二号に該当する場合においては、すでに支給を受けた年金の総額が、その組合員が退職の際受けるべきであつた退職年金の額の六年分に満たないときは、その差額
三 前条第三号に該当する場合においては、すでに支給を受けた年金の総額が、給料日額に組合員であつた期間に応じ別表第一に定める日数を乗じて得た額と給料の十月分に相当する額との合算額(その合算額が給料の二十二月分に相当する額をこえるときは、二十二月分に相当する額)に満たないときは、その差額
四 前条第四号に該当する場合においては、すでに支給を受けた退職年金、廃疾年金及び遺族年金の総額が、その組合員が受けた、又は受けるべきであつた退職年金の額の六年分に満たないときは、その差額
五 前条第五号に該当する場合においては、その組合員が死亡のときにおいて退職したとすれば受けるべきであつた退職年金の額の六年分
第六節 り災給付
(弔慰金及び家族弔慰金)
第五十五条 組合員又はその被扶養者が水震火災その他の非常災害によつて死亡したときは、組合員については給料の一月分に相当する額の弔慰金をその遺族に、被扶養者については給料の半月分に相当する額の家族弔慰金を支給する。
(災害見舞金)
第五十六条 組合員がその住居又は家財に損害を受けたときは、給料に、別表第五に掲げる損害の程度に応じ同表に定める月数を乗じて得た額を災害見舞金として支給する。
第七節 休業給付
(傷病手当金)
第五十七条 組合員が公務に因らないで疾病にかかり、又は負傷し、療養のため引き続き勤務に服することができないときは、傷病手当金として、勤務に服することができなくなつた日以後三日を経過した日から、その後における勤務に服することができない期間一日につき給料日額の十分の八に相当する額を支給する。
2 組合員で被扶養者のないものが入院したときにおいて支給すべき傷病手当金は、前項の規定にかかわらず、給料日額の十分の六に相当する額とする。
3 傷病手当金の支給期間は、同一の疾病並びに負傷及びこれに因り発生した疾病に関しては、その支給を始めた日から起算して六月間とする。
4 結核性疾病に関しては、前項の期間をこえ通じて三年に至るまでの療養のため勤務に服することができなかつた期間について、継続して傷病手当金を支給する。
5 第三十五条第二項の規定は、前二項の場合について準用する。
6 第三項若しくは第四項又は前項において準用する第三十五条第二項の場合において、傷病手当金の支給期間中に療養の給付又は療養費の支給期間が経過したときは、当該傷病手当金の支給期間は、これらの規定にかかわらず、当該傷病手当金の支給を始めた日から当該療養の給付又は療養費の支給期間が経過した日の前日までの期間とする。
(出産手当金)
第五十八条 組合員が分べんしたときは、出産手当金として、分べんの日前四十二日、分べんの日以後四十二日以内において勤務に服することができなかつた期間一日につき給料日額の十分の八に相当する額を支給する。組合員であつた者が組合員の資格喪失後六月以内に分べんしたときも、また、同様とする。
2 前条第二項の規定は、出産手当金の支給について準用する。
3 組合員がその資格を喪失した際、出産手当金を受けているときは、その給付は、第一項に規定する期間内は、引き続き支給する。但し、その期間内に他の組合の組合員の資格を取得したときは、その取得した日以後については、この限りでない。
(休業手当金)
第五十九条 組合員が左の各号の一の事由に因り欠勤したときは、休業手当金としてその期間(第三号から第五号までの各号については、当該各号に掲げる期間内)一日につき給料日額の十分の六に相当する額を支給する。
一 公務に因らない疾病又は負傷
二 組合員の被扶養者の疾病又は負傷
三 組合員又はその配偶者の分べん 十四日
四 組合員又はその被扶養者に係る公務に因らない不慮の災害 五日
五 組合員の婚姻、配偶者の死亡又は二親等内の血族若しくは一親等の姻族で組合員の収入により主としてその生計を維持するもの若しくはその他の被扶養者の婚姻若しくは葬祭 七日
六 前各号に掲げるものの外、組合の規約で定める事由
(休業給付と給料との調整)
第六十条 傷病手当金、出産手当金又は休業手当金は、その支給期間に係る給料の全部又は一部を受けるときは、その受ける額の限度において、その全部又は一部を支給しない。
第八節 給付の制限
(給付の制限)
第六十一条 この法律に基く給付を受けるべき者が、故意に給付事由を発生させたときは、当該給付事由に係る給付は、その全部又は一部を行わないことができる。その者が懲戒処分を受け、又は禁こ以上の刑に処せられたときも、また、同様とする。
第六十二条 組合員若しくは組合員であつた者又はその被扶養者が、正当な理由がなくて療養に関する指揮に従わなかつたことにより、又は重大な過失に因り事故を発生させたときは、その者に係る保健給付、廃疾給付又は休業給付は、その全部又は一部を行わないことができる。
第六十三条 組合は、保健給付、廃疾給付又は休業給付の支給に関し必要があると認めるときは、その支給に係る者につき診断を行うことができる。
2 正当な理由がなくて前項の診断を拒否したときは、その者に係る保健給付、廃疾給付又は休業給付は、その全部又は一部を行わないことができる。
第六十四条 遺族給付の支給を受けるべき者が、組合員、組合員であつた者又は遺族給付の支給を受ける者を故意に死に至らせたときは、その者については、その受けるべき給付を支給しない。この場合において後順位者があるときは、その者にこれを支給する。
第四章 福祉事業
(福祉事業)
第六十五条 組合は、前章に規定する給付を行う外、組合員の福祉を増進するため、規約で定めるところにより、左に掲げる事業を行うことができる。
一 組合員の保健、保養又は教養に資する施設の経営
二 組合員の利用に供する財産の取得、管理又は貸付
三 組合員の貯金の受入又はその運用
四 組合員の臨時の支出に対する貸付
五 その他前各号に附帯する事業
第五章 掛金及び市町村負担金
(掛金)
第六十六条 組合員は、組合の給付に要する費用に充てるため、掛金を負担する。
2 前項の掛金は、組合員の給料を標準として算定するものとし、その給料と掛金との割合は、各組合につき、規約で定める。
(掛金等の給料等からの控除)
第六十七条 市町村は、組合員である職員の給料を支給する際、その給料から掛金に相当する金額を控除し、これを毎月末日までに組合員に代りその掛金として組合に払い込まなければならない。
2 市町村は、組合員が組合に対して支払うべき掛金以外の金額があるときは、組合員である職員の給料その他の給与を支給する際、その給料その他の給与から当該金額に相当する金額を控除し、これを直ちに組合員に代り組合に払い込まなければならない。
3 市町村は、組合員のうち第十一条第三項各号に掲げる者で市町村から給料を受けないものの掛金その他の組合に対して毎月支払うべき金額に相当する金額をその者から徴収し、これを毎月末日までにその者に代り組合に払い込まなければならない。
(市町村負担金)
第六十八条 市町村は、組合の事業に要する費用に充てるため、左に掲げる金額を負担し、その金額を毎月末日までに組合に払い込まなければならない。
一 保健給付、り災給付及び休業給付に要する費用に係る当該市町村の職員である組合員の掛金に相当する金額
二 退職給付、廃疾給付及び遺族給付に要する費用に係る当該市町村の職員である組合員の掛金の四十五分の五十五に相当する金額
三 組合の事務に要する費用の組合員一人当りの額に当該市町村の職員である組合員の数を乗じて得た金額に相当する金額
2 前項第三号に規定する組合の事務に要する費用の組合員一人当りの額は、毎事業年度組合の予算をもつて定める。
3 市町村は、第一項の規定により組合に負担金を支払う場合においては、概算払をすることができる。この場合においては、当該事業年度末において精算するものとする。
(督促及び延滞金の徴収)
第六十九条 掛金又は前条第一項の規定による負担金を滞納した市町村に対しては、組合は、期限を指定して督促しなければならない。
2 前項の規定によつて督促したときは、組合は、政令で定めるところにより、延滞金を徴収するものとする。
第六章 市町村職員共済組合連合会
(市町村職員共済組合連合会)
第七十条 組合の業務の適正且つ円滑な運営を図るため、すべての組合をもつて組織する市町村職員共済組合連合会(以下「連合会」という。)を置く。
2 連合会は、左に掲げる事業を行う。
一 組合の業務に関する技術的及び専門的な知識、資料等を組合に提供すること。
二 組合の給付、給付に要する財源の計算及び資産の管理が適切に行われるように、組合の事務の指導を行うこと。
三 長期給付積立金及びり災給付積立金を管理すること。
四 その他その目的を達成するために必要な事業
3 連合会は、法人とする。
4 連合会の事務所は、東京都に置く。
(定款)
第七十一条 連合会は、定款をもつて左に掲げる事項を定めなければならない。
一 目的
二 名称
三 事業
四 事務所の所在地
五 総会に関する事項
六 役員に関する事項
七 長期給付積立金及びり災給付積立金に関する事項
八 経費の分賦及び会計に関する事項
九 公告に関する事項
十 その他連合会の業務に関する重要事項
2 定款の変更は、自治庁長官の認可を受けなければ、その効力を生じない。
(総会)
第七十二条 連合会に総会を置く。
2 総会は、各組合の理事長及び定款で定めるところにより市町村長以外の各組合の理事が互選する者あわせて五十五人の議員をもつて組織する。
3 左に掲げる事項は、総会の議決を経なければならない。
一 定款の変更
二 予算の決定及び決算報告の認定
三 重要な財産の処分又は重大な義務の負担
四 訴訟又は訴願の提起及び和解
五 その他連合会の業務に関する重要事項で、定款をもつて定める事項
(役員)
第七十三条 連合会に役員として会長、理事九人及び監事三人を置く。
2 会長は、理事が互選する。
3 理事は、総会の議員が互選する。但し、理事のうち一人は、市町村長以外の組合の理事が互選した議員でなければならない。
4 監事は、総会において、学識経験を有する者、組合の理事長及び市町村長以外の組合の理事が互選した総会の議員のうちからそれぞれ一人を選任する。
第七十四条 会長は、連合会を代表する。会長に事故があるとき、又は会長が欠けたときは、会長のあらかじめ指定する理事がその職務を代理する。
2 連合会の業務は、定款に特別の定がある場合を除く外、理事の過半数で決する。
3 監事は、連合会の業務を監査する。
(長期給付積立金及びり災給付積立金)
第七十五条 退職給付、廃疾給付及び遺族給付の円滑な実施を図るため長期給付積立金を、り災給付の円滑な実施を図るためり災給付積立金を、それぞれ連合会に設ける。
2 組合は、前項の積立金に充てるため、政令で定めるところにより、毎月一定の金額を連合会に払い込むものとする。
3 連合会は、政令で定めるところにより、組合の請求に基き、その退職給付、廃疾給付及び遺族給付に要する資金を長期給付積立金から、そのり災給付に要する資金をり災給付積立金から組合に交付するものとする。
4 連合会は、第一項の積立金を管理するに当つては、これを確実で有利な方法により、且つ、組合員の福祉の増進又は市町村の公共の利益に資するように運用しなければならない。
(資料の提出の請求)
第七十六条 連合会は、その業務に関して必要があると認めるときは、組合に対し、必要な資料の提出を求めることができる。
(準用規定)
第七十七条 第三条第三項、第六条第八項、第七条第五項及び第六項並びに第九条第二項及び第三項の規定は、連合会について準用する。この場合において、第三条第三項中「規約」とあるのは「定款」と、「前項」とあるのは「第七十一条第二項」と、第七条第五項中「規約、業務方法書」とあるのは「定款」と、同条第六項中「組合員」とあるのは「組合又は組合の組合員」と、第九条第二項中「この法律に基く給付、第六十五条第二号の貸付並びに同条第三号及び第四号に規定する事業」とあるのは「第七十条第二項第三号に規定する事業」と、第九条第三項中「第三章及び第四章の規定による事業」とあるのは「その事業」と読み替えるものとする。
第七章 市町村職員共済組合審査会
(審査会)
第七十八条 給付の決定又は掛金その他組合員が組合に対して支払うべき金額の徴収に関する異議を審査するため、連合会に市町村職員共済組合審査会(以下本章及び附則第十四項において「審査会」という。)を置く。
2 審査会は、委員九人をもつて組織する。
3 委員は、組合員を代表する者、市町村を代表する者及び公益を代表する者それぞれ三人とし、連合会が推薦する者のうちから自治庁長官が委嘱する。
4 委員の任期は、三年とする。但し、補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
第七十九条 審査会に会長を置く。会長は、審査会において、公益を代表する委員のうちから選挙する。
2 会長は、会務を総理する。会長に事故があるとき、又は会長が欠けたときは、審査会において、公益を代表する委員のうちから会長の職務を代理する者を選挙する。
第八十条 審査会は、会長が招集し、その議事は、会長以外の出席委員の過半数で決する。可否同数のときは、会長の決するところによる。
2 審査会は、組合員を代表する委員、市町村を代表する委員及び公益を代表する委員がそれぞれ少くとも一人以上出席しなければ、会議を開き、及び議決することができない。
(審査)
第八十一条 給付の決定又は掛金その他組合員が組合に対して支払うべき金額の徴収に関し異議のある者は、その決定又は徴収の通知のあつた日から起算して六十日以内に、政令で定めるところにより、文書又は口頭で、審査会に対して審査の請求をすることができる。
2 前項の規定による請求があつたときは、会長は、遅滞なく、審査会を招集しなければならない。
3 審査会は、審査のため必要があると認めるときは、審査を請求した者若しくは関係人に対して報告若しくは意見を求め、その出頭を命じ、又は医師に診断若しくは検案をさせることができる。
4 関係人及び証人は、審査会の会議に出席して意見を述べることができる。
5 審査会は、審査の請求を受けた日から起算して六十日以内に決定を行い、決定の日から起算して七日以内に、文書で、組合及び審査を請求した者に対してこれを通知しなければならない。
6 第一項の規定による給付の決定に関する審査の請求は、時効の中断に関しては、裁判上の請求とみなす。
(審査会に関する事項の政令への委任)
第八十二条 審査会の委員並びに前条第三項の規定により出頭を命じた関係人及び同条同項の規定により診断又は検案をさせた医師の報酬及び旅費その他審査会に関し必要な事項は、政令で定める。
第八章 会計
(事業年度)
第八十三条 組合及び連合会の事業年度は、毎年四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終る。
2 組合及び連合会は、毎事業年度の決算を翌年度の五月三十一日までに完結しなければならない。
(予算及び決算)
第八十四条 組合及び連合会は、毎事業年度、収入及び支出の予算を作成し、事業年度開始前に自治庁長官に届け出なければならない。予算に重要な変更を加えようとするときも、また、同様とする。
2 組合の理事長又は連合会の会長は、毎事業年度、財産目録、貸借対照表及び損益計算書を作成し、これに予算の区分に従つて作成した当該事業年度の決算報告書を添付し、監事の意見をつけて、決算完結後一月以内に組合会又は総会に提出し、その認定を受けなければならない。
3 組合及び連合会は、前項の規定による決算の認定があつたときは、前項に規定する書類の写を添付し、遅滞なく、これを自治庁長官に報告しなければならない。
(会計等に関する事項の総理府令への委任)
第八十五条 前二条に規定するものの外、組合及び連合会の会計及び資産の運用その他財務に関して必要な事項は、総理府令で定める。
第九章 雑則
(監督)
第八十六条 組合及び連合会は、自治庁長官が監督する。
2 自治庁長官は、必要があると認めるときは、その必要な限度において、組合又は連合会に対して、業務及び資産の状況に関し報告をさせ、又は当該職員をして実地について業務の状況若しくは書類帳簿その他必要な物件を検査させることができる。
3 自治庁長官は、組合の保健給付についての第三十条第二項及び第三十一条から第三十三条までの規定による費用の負担又は支払の適正化を図るため必要があると認めるときは、その必要な限度において、当該保健給付に係る第三十条第一項各号に掲げる療養を行つた医療機関から報告若しくは資料の提出を求め、又は当該職員をして当該医療機関の病院、診療所、助産所若しくは施術所に立ち入り、診療簿その他その業務に関する書類帳簿を検査させることができる。
4 前項の規定により当該職員が立入検査をする場合においては、その身分を示す証票を携帯し、関係人にこれを呈示しなければならない。
5 第三項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
6 自治庁長官は、政令で定めるところにより、第一項から第三項までに規定する権限に属する事務の一部を都道府県知事をして行わせることができる。
(組合の報告徴取等)
第八十七条 組合は、政令で定めるところにより、市町村にその職員である組合員の異動、給与等に関し報告をさせ、又は文書を提示させ、その他組合の業務の執行に必要な事務を行わせることができる。
2 組合は、総理府令で定めるところにより、組合員又はこの法律に基く給付を受けるべき者に、組合又は市町村に対して組合の業務の執行に必要な申出若しくは届出をさせ、又は文書を提出させることができる。
(市町村の便宜の供与)
第八十八条 市町村は、組合又は連合会の業務の執行に必要な範囲内において、当該市町村の職員をして組合若しくは連合会の事務に従事させ、又は当該市町村の施設を無償で組合若しくは連合会の利用に供することができる。
(医療に関する事項)
第八十九条 組合は、この法律で定める医療に関する事項については、随時、厚生大臣に連絡しなければならない。
(船員である組合員についての特例)
第九十条 船員である組合員の船員である組合員としての資格の得喪及び期間の計算については、船員保険法の定めるところによる。
第九十一条 船員である組合員又は船員である組合員であつた組合員が、第十二条第二項各号に規定する事由に該当したときの退職給付又は遺族給付は、左の各号のうち組合員に有利ないずれか一の給付とする。
一 組合員として受けるべき退職給付又は遺族給付と、船員保険の被保険者であつた期間のうち組合員でなかつた期間がある場合のその期間に対する船員保険法に規定する老齢年金、脱退手当金又は遺族年金との併給
二 その者が組合員とならなかつたならば、船員として受けるべき船員保険法に規定する老齢年金、脱退手当金又は遺族年金と、組合員であつた期間のうち船員である組合員でなかつた期間がある場合のその期間に対する組合員として受けるべき退職給付又は遺族給付との併給
2 前項に規定する場合の外、船員である組合員若しくは船員である組合員であつた者又はこれらの者の遺族に対する給付は、組合員若しくは組合員であつた者又はこれらの者の遺族として受けるべき給付と、その者が組合員とならなかつたならば、船員保険の被保険者若しくは被保険者であつた者又はこれらの者の遺族として受けるべき船員保険法に規定する給付(失業に関する給付を除く。)とのうち、これらの者に有利ないずれか一を支給するものとする。
第九十二条 厚生年金保険及び船員保険交渉法(昭和二十九年法律第百十七号)第二条から第四条までの規定により厚生年金保険又は船員保険の老齢年金の受給資格期間を満たした者が、船員である組合員となつたときは、船員である組合員でない船員保険の被保険者であつた期間は、船員保険の被保険者でなかつたものとみなして、前条の規定を適用する。
第九十三条 市町村は、船員である組合員若しくは船員である組合員であつた者又はこれらの者の遺族に対する船員保険法に規定する給付に相当する給付に要する費用については、同法に規定する国庫の負担及び船舶所有者の負担と同一割合によつて算定した金額を負担し、これを毎月末日までに組合に払い込むものとする。
(組合又は連合会に使用される者についての取扱)
第九十四条 組合又は連合会に使用される者で組合又は連合会から給与を受けるもの(以下本条において「組合職員」という。)があるときは、この法律(第七条第四項、第八十八条及び次条の規定を除く。)の適用については、当該組合又は連合会をその事務所の所在地の属する都道府県に包括される市町村とみなし、当該組合職員を職員とみなす。
(特別区並びに特別区及び市町村の組合の取扱)
第九十五条 この法律の適用については、特別区並びに特別区及び市町村の組合は、市町村とみなす。
(施行手続等の政令への委任)
第九十六条 この法律の施行のための手続その他その執行について必要な細則は、この法律に特別の定があるものを除く外、政令で定める。
第十章 罰則
(罰則)
第九十七条 第八十六条第三項の規定に違反して報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は当該職員の立入若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、六月以下の懲役又は一万円以下の罰金に処する。
第九十八条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、前条の違反行為をしたときは、行為者を罰する外、その法人又は人に対しても同条の罰金刑を課する。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、昭和三十年一月一日から施行する。但し、附則第二項から第六項まで及び第二十一項の規定は、公布の日から施行する。
(組合の設立)
2 都道府県知事は、この法律の公布の日から三十日以内に、市町村長及び市町村長以外の職員のうちからそれぞれ十人以内の同数の者を組合設立委員選挙管理人として指名しなければならない。
3 組合設立委員選挙管理人は、指名の日から三十日以内に、組合設立委員の定数及び選挙の方法に関して規則を定め、その規則について自治庁長官の認可を受けなければならない。この場合においては、組合設立委員の選挙の方法については、市町村長及び市町村長以外の職員がそれぞれのうちから同数を選挙するように定めなければならない。
4 前項に規定する認可があつたときは、組合設立委員選挙管理人は、認可の日から六十日以内に、認可を受けた規則により組合設立委員の選挙を行わなければならない。
5 組合設立委員は、選挙の日から六十日以内に、第三条第一項各号に掲げる事項について仮規約を定め、並びに総理府令で定めるところにより当該事業年度の収入及び支出の仮予算を作成し、その仮規約及び仮予算について自治庁長官の認可を受けなければならない。
6 自治庁長官は、前項に規定する認可をしたときは、直ちにその旨を告示するものとする。
7 組合は、前項の規定による告示があつたときは、昭和三十年一月一日(その日までに前項の規定による告示がされていない組合にあつては、その告示のあつた日)に成立する。
8 附則第三項に規定する組合設立委員並びに附則第五項に規定する仮規約及び仮予算は、組合の成立の日において、それぞれ、組合の組合会の議員、規約及び予算となるものとする。この場合において、組合は、遅滞なく、その規約を公告しなければならない。
(連合会の設立)
9 すべての組合が成立したときは、自治庁長官は、各組合の理事長の会議を招集しなければならない。
10 各組合の理事長は、前項に規定する理事長の会議において連合会の定款並びに当該事業年度の収入及び支出の予算を作成し、その定款及び予算について自治庁長官の認可を受けなければならない。
11 自治庁長官は、前項に規定する認可をしたときは、直ちにその旨を告示するものとする。
12 連合会は、前項の規定による告示のあつた日に成立する。この場合においては、連合会は、遅滞なく、その定款を公告しなければならない。
(最初の事業年度)
13 組合及び連合会の最初の事業年度は、第八十三条第一項の規定にかかわらず、組合又は連合会の成立の日に始まり、昭和三十年三月三十一日に終るものとする。
(最初に選任される審査会の委員の任期に関する特例)
14 最初に選任される審査会の委員の任期は、第七十八条第四項の規定にかかわらず、組合員を代表する者、市町村を代表する者及び公益を代表する者のそれぞれについて、一人は三年、一人は二年、一人は一年とする。この場合において、各委員の任期は、自治庁長官がくじで定める。
(退職給付、廃疾給付及び遺族給付に関する規定の適用の除外)
15 組合員のうち左に掲げる者については、当分の間、退職給付、廃疾給付及び遺族給付に関する規定は、適用しない。
一 恩給法(大正十二年法律第四十八号)の準用を受ける者
二 退職年金及び退職一時金に関する条例(この法律に基く退職給付、廃疾給付及び遺族給付以上の内容を有する給付について規定するものに限る。)の適用を受ける者
三 六月以内の期間を限つて使用される者
16 前項に規定する組合員以外の組合員が同項に規定する組合員となつたときは、退職給付の支給については、これを退職とみなす。但し、退職年金は、その者が組合員である期間その支給を停止する。
17 退職給付、廃疾給付及び遺族給付に関する規定の適用を受ける組合員が附則第十五項第二号に該当するに至つたときは、前項の規定にかかわらず、引き続きこれらの給付に関する規定の適用を受ける組合員である期間二十年に至るまで、組合の規約で定めるところにより、なお、これらの給付に関する規定の適用を受ける組合員となることができる。
18 市町村は、前項の規定の適用を受ける組合員に対する第六十八条第一項第二号に掲げる給付に要する費用を負担しないものとする。
(未帰還職員についての特例)
19 未帰還者留守家族等援護法(昭和二十八年法律第百六十一号)第二条第一項に規定する未帰還者であつて、この法律が昭和二十八年七月三十一日から施行されていたものとしたならば組合員となるべき者は、第十一条の規定にかかわらず、組合員とみなす。この場合において、この法律の適用については、その者に係る未帰還者留守家族等援護法による留守家族手当若しくは特別手当又は市町村において支給するこれらに相当する手当(以下次項において「手当等」と総称する。)をもつてその者の収入と、その者の昭和二十八年七月三十一日における給料の額をもつてその者の給料の額とみなす。
20 手当等の支給機関(二以上の機関が手当等を支給するときは、そのうち自治庁長官が定める機関)は、手当等を支給する際、掛金に相当する金額を控除して、その金額を組合員に代りその所属する組合に払い込まなければならない。
(健康保険組合及び健康保険についての経過措置)
21 この法律の公布の際現にこの法律による組合の組合員となるべき者を被保険者とする健康保険組合を組織している市町村が、当該市町村の職員でこの法律による組合の組合員となるべきものの過半数の同意を得て、この法律の公布の日から九十日以内に、都道府県知事を経由して自治庁長官に申し出たときは、当該申出に従い、この法律の規定の全部又は保険給付、り災給付及び休業給付に関する部分を、当該市町村が包括される都道府県の区域にこの法律による組合が成立した日以後においても、当該市町村及びその職員に適用しないものとする。この場合において、この法律の規定の全部の適用を受けない市町村は、この法律に基く退職給付、廃疾給付及び遺族給付に相当する給付(当該給付を行うことを目的とする団体の経費の負担を含み、以下第三十六項において「長期給付に相当する給付」という。)を行わなければならない。
22 この法律の公布の際現にこの法律による組合の組合員となるべき者を被保険者とする健康保険組合は、次項の規定により存続する場合を除き、当該健康保険組合が設立されている都道府県の区域にこの法律による組合が成立した日に解散するものとし、その権利義務は、健康保険法第四十条の規定にかかわらず、政令で定めるところにより、この法律による組合が承継する。この場合において、解散した健康保険組合は被保険者でこの法律による組合の組合員の資格を有しないものがあるときは、その者は、この法律による組合が成立した日にその組合の組合員となつたものとみなす。
23 この法律の公布の際現にこの法律による組合の組合員となるべき者を被保険者とする健康保険組合は、これを組織する市町村が、附則第二十一項の規定による申出をしたときは、当該健康保険組合が設立されている都道府県の区域にこの法律による組合が成立した日以後においても、その申出をした市町村及びその職員をもつて組織する健康保険組合として引き続き存続するものとする。この場合において、当該健康保険組合の権利義務で、附則第二十一項の規定による申出をしなかつた市町村及びその職員に係るものは、当該都道府県の区域にこの法律による組合が成立した日において、政令で定めるところにより、この法律による組合が承継する。
24 この法律による組合は、附則第二十二項の規定により解散した健康保険組合の職員が引き続きこの法律による組合の職員としての身分を取得するように措置しなければならない。
25 この法律による組合の成立と同時にその組合員となつた者に対する保険給付及び休業給付に関する規定の適用については、その者は、当該組合の成立前の健康保険の被保険者であつた期間、当該組合の組合員であつたものとみなし、当該組合の成立の際現に健康保険法による保険給付を受けている場合においては、当該保険給付は、この法律に基いて当該保険給付に相当する給付として受けていたものとみなし、当該組合は、当該組合が成立した日以後に係る給付を支給する。
26 附則第二十二項の規定により解散した健康保険組合の被保険者であつた者及び附則第二十一項の規定による申出をしなかつた市町村の職員であつた者で、この法律による組合の組合員とならなかつたものに係る健康保険法による給付については、なお、従前の例によりこの法律による組合が支給する。
27 この法律の公布の際現に健康保険の被保険者である者が組合員となる組合は、当分の間、第十一条第二項第二号の規定にかかわらず、健康保険の被保険者で同号に該当するものを、その組合の組合員とすることができる。
28 附則第二十二項又は第二十三項の規定により健康保険組合の権利義務を承継したこの法律による組合は、昭和三十四年十二月三十一日までの間は、当該健康保険組合がこの法律による組合が成立した際現に行つていた健康保険法第六十九条ノ三の規定による保険給付のうちこの法律に規定する給付以外のものを、規約で定めるところにより、第十五条に規定する給付にあわせてこの法律による給付として行うことができる。この場合においては、第六十八条第一項第一号中「保険給付、り災給付及び休業給付」とあるのは、「退職給付、廃疾給付及び遺族給付以外の給付」と読み替えて同条同項の規定を適用する。
29 この法律の公布の際現にこの法律による組合の組合員となるべき者を被保険者とする健康保険組合を組織している市町村のうち附則第二十一項の規定による申出をしなかつたもので、その職員である被保険者の負担する保険料より多額の保険料を負担していたものは、昭和三十四年十二月三十一日までの間は、退職給付、廃疾給付及び遺族給付以外の給付に要する費用に係る掛金のうち、その費用を当該健康保険組合における被保険者の保険料の負担の割合の例によつて負担することとした場合において職員が負担することとなる金額をこえる額を、組合員に代つて負担することができる。
(組合の成立前の在職期間等の取扱)
30 組合の成立と同時に組合員となつた者の当該組合の成立前の引き続く職員としての在職期間(第十一条第二項各号に掲げる者及び附則第十五項各号に掲げる者としての在職期間並びに附則第三十二項の規定により組合員であつた期間とみなされる期間を除く。)は、この法律の適用については、組合員であつた期間とみなす。
31 前項の規定により組合員であつた期間とみなされる期間(以下本項において「控除期間」という。)を有する組合員に対する退職年金、退職一時金又は遺族一時金の額は、第四十一条第二項、第四十三条第二項又は第五十二条第二項の規定により算定した額から左の各号によつて算定した額を控除した金額とする。
一 退職年金にあつては、給料日額の二・七日分(控除期間二十年をこえる部分については、一・八日分)に控除期間(一年未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)を乗じて得た金額
二 退職一時金又は遺族一時金にあつては、給料日額に、控除期間を組合員であつた期間とみなしその期間に応じ別表第一に定めた日数を乗じて得た額の百分の四十五
32 組合の成立の際現に厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)による厚生年金保険(以下「厚生年金保険」という。)の被保険者であつて組合成立と同時に組合員となつた者の厚生年金保険の被保険者であつた期間(その期間の計算については、同法第十九条の規定の定めるところによる。以下次項及び附則第三十四項において同じ。)は、この法律の適用については、組合員であつた期間とみなし、政令で定めるところにより、これとその者が組合員となつた後の組合員である期間とを合算する。
33 前項に規定する者の組合成立の日前における厚生年金保険の被保険者であつた期間は、組合成立の日以後においては、厚生年金保険の被保険者でなかつたものとみなす。
34 附則第三十二項に規定する者については、政令で定めるところにより、その者の厚生年金保険の第四種被保険者以外の被保険者であつた期間の平均標準報酬月額に厚生年金保険法別表第四に定める率を乗じて得た額の百分の八十五に相当する額の現価に相当する額を、厚生保険特別会計から組合に交付するものとする。
35 附則第三十項から前項までの規定により生ずべき組合の追加費用は、政令で定めるところにより、市町村が負担するものとする。
(適用除外市町村の取扱)
36 附則第二十一項の規定による申出をした市町村(以下「適用除外市町村」という。)が健康保険組合を組織しなくなつたとき、又は当該適用除外市町村が包括される都道府県の区域にこの法律による組合が成立した日以後において当該適用除外市町村において長期給付に相当する給付が行われないときは、当該適用除外市町村は、そのときにおいて、この法律の規定の全部又は退職給付、廃疾給付及び遺族給付に関する部分の適用を受ける市町村となるものとする。この場合において、健康保険との関係の調整、この法律の適用を受ける市町村となる前の在職期間の取扱その他必要な経過措置は、附則第二十二項から第二十六項まで、第三十項、第三十一項及び前項の規定に準じて政令で定める。
37 適用除外市町村以外の市町村の区域の全部又は一部が適用除外市町村の区域の一部となる場合においては、当該適用除外市町村又は当該適用除外市町村がその経費を負担する附則第二十一項後段に規定する団体(以下次項において「適用除外市町村等」と総称する。)は、政令で定めるところにより、当該適用除外市町村以外の市町村(当該市町村の区域がその区域に属していた市町村を含む。)の職員であつた者又はその遺族で組合から退織給付、廃疾給付又は遺族給付を受ける権利を有するものに係るこれらの給付に関する事務を承継するものとする。
38 組合は、政令で定めるところにより、前項の規定により適用除外市町村等に承継される給付に関する事務に係る資金を当該適用除外市町村等に引き継がなければならない。
(他の法律の一部改正)
39 国家公務員共済組合法の一部を次のように改正する。
第十五条に次の一項を加える。
2 前項の規定は、市町村職員共済組合法(昭和二十九年法律第二百四号)による共済組合(以下市町村職員共済組合という。)の組合員(同法第四十一条の退職年金を受ける権利を有しない者に限る。)が組合の組合員たる資格を取得した場合に準用する。
第十六条第三項中「第一項」の下に「及び前項において準用する第一項」を加え、同項を第四項とし、同条第二項の次に次の一項を加える。
3 第一項の規定は、組合員(退職年金を受ける権利を有しない者に限る。)が市町村職員共済組合の組合員たる資格を取得した場合に準用する。
第二十八条に次の一項を加える。
2 年金である給付を受ける権利は、前項の規定にかかわらず、国民金融公庫に担保に供することができる。
第三十四条第一項第二号中「家族療養費」の下に「(市町村職員共済組合法によるこれらのものを含む。)」を加え、同条第二項中「組合員でない健康保険又は船員保険の被保険者」を「市町村職員共済組合の組合員又は組合員でない健康保険若しくは船員保険の被保険者」に改める。
第三十九条第一項中「喪失したとき」の下に「((退職年金を受ける権利を有しない組合員が市町村職員共済組合の組合員の資格を取得し市町村職員共済組合法第十三条第二項の規定の適用を受けるときを除く。)」を加える。
第四十一条第一項中「該当したとき」の下に「(退職年金を受ける権利を有しない組合員が市町村職員共済組合の組合員の資格を取得し市町村職員共済組合法第十三条第二項の規定の適用を受けるときを除く。)」を加える。
第八十六条第二項中「「その地方公共団体」と、」の下に「第十三条第四号中「他の組合」とあるのは「他の組合又は市町村職員共済組合」と、」を加え、同項中「第六十九条第一項及び第八十三条の二中「国庫」とあるのは「地方公共団体」と、」を「第六十九条第一項中「国庫」とあるのは「地方公共団体」と、同条第三項中「国庫負担金」とあるのは「地方公共団体の負担金」と、第八十三条の二中「国庫は、」とあるのは「地方公共団体は、」と、」に、「第六十九条第一項及び第八十三条の二中「各省各庁の長」」を「第六十九条第一項及び第三項並びに第八十三条の二中「各省各庁の長」」に改める。
第九十六条の二中「附則第十項の適用を受ける者」の下に「(同法に相当する地方公共団体の退職手当に関する条例の規定の適用を受ける地方職員を含む。)」を加える。
40 旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法(昭和二十五年法律第二百五十六号)の一部を次のように改正する。
第十六条の次に次の一条を加える。
(給付を受ける権利の保護)
第十六条の二 給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることができない。
2 年金である給付を受ける権利は、前項の規定にかかわらず、国民金融公庫に担保に供することができる。
41 厚生年金保険法の一部を次のように改正する。
第十二条第一号ハからホまでを次のように改める。
ハ 退職年金及び退職一時金に関する条例の適用を受ける者並びに市町村職員共済組合法(昭和二十九年法律第二百四号)附則第二十一項後段に規定する長期給付に相当する給付を受ける者
42 船員保険法の一部を次のように改正する。
第十五条第一項中「国家公務員共済組合法」の下に「又ハ市町村職員共済組合法」を加える。
43 厚生年金保険及び船員保険交渉法の一部を次のように改正する。
第二条第一項第二号中「国家公務員共済組合法(昭和二十三年法律第六十九号)」の下に「又は市町村職員共済組合法(昭和二十九年法律第二百四号)」を加える。
44 厚生保険特別会計法(昭和十九年法律第十号)の一部を次のように改正する。
第二十三条中「負担金」の下に「及市町村職員共済組合法(昭和二十九年法律第二百四号)附則第三十四項ノ規定ニ依ル本会計ヨリノ交付金」を加える。
45 船員保険特別会計法(昭和二十二年法律第二百三十六号)の一部を次のように改正する。
第三条中「国家公務員共済組合法」の下に「又は市町村職員共済組合法」を加える。
46 日雇労働者健康保険法の一部を次のように改正する。
第十八条第一項中「準用する場合を含む。以下同じ。)」の下に「若しくは市町村職員共済組合法(昭和二十九年法律第二百四号)」を加え、同条第二項及び第三項中「国家公務員共済組合法」の下に「若しくは市町村職員共済組合法」を加える。
47 結核予防法(昭和二十六年法律第九十六号)の一部を次のように改正する。
第三十七条第一項中「又は国家公務員共済組合法(昭和二十三年法律第六十九号)」を「、国家公務員共済組合法(昭和二十三年法律第六十九号)又は市町村職員共済組合法(昭和二十九年法律第二百四号)」に改める。
48 国民金融公庫が行う恩給担保金融に関する法律(昭和二十九年法律第九十一号)の一部を次のように改正する。
第二条第一項に次の一号を加える。
四 国家公務員共済組合法(昭和二十三年法律第六十九号)第十七条(組合の給付)及び市町村職員共済組合法(昭和二十九年法律第二百四号)第十五条(組合の給付)並びに旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法(昭和二十五年法律第二百五十六号)第三条(旧陸軍共済組合及び共済協会の権利義務の承継)、第四条(外地関係共済組合に係る年金の支給)及び第七条の二(旧陸軍共済組合令の適用を受けていた者等に対する年金の支給)に規定する給付で年金として給されるもの
49 印紙税法(明治三十二年法律第五十四号)の一部を次のように改正する。
第五条第六号ノ十ノ三の次に次の一号を加える。
六ノ十ノ四 市町村職員共済組合ノ市町村職員共済組合法ニ基ク給付、同法第六十五条第二号ノ貸付並ニ同条第三号及第四号ノ事業並ニ市町村職員共済組合連合会ノ同法第七十条第二項第三号ノ事業ニ関スル証書、帳簿
50 所得税法(昭和二十二年法律第二十七号)の一部を次のように改正する。
第三条第一項第十二号中「国家公務員共済組合及び同連合会、」の下に「市町村職員共済組合及び同連合会、」を加える。
第八条第六項第六号の二を第六号の三とし、同項第六号の次に次の一号を加える。
六の二 市町村職員共済組合法第六十六条の規定による掛金及び同法附則第二十一項後段の規定により行わなければならないものとされる同項後段に規定する長期給付に相当する給付が行われる場合において、当該給付を行う市町村の職員が当該給付を受けるために負担する費用
第八条第六項第八号を次のように改める。
八 条例の規定により地方公共団体がその職員に関し実施する退職年金又は退職一時金の制度に基き、地方公共団体の職員が負担する費用
51 前項の規定による改正後の所得税法第八条第六項の規定は、昭和三十年分以後の所得税から適用し、昭和二十九年分以前の所得税については、なお従前の例による。
52 法人税法(昭和二十二年法律第二十八号)の一部を次のように改正する。
第五条第一項第四号中「国家公務員共済組合及び同連合会、」の下に「市町村職員共済組合及び同連合会、」を加える。
53 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。
第二十五条第一号中「国家公務員共済組合連合会、」の下に「市町村職員共済組合及び市町村職員共済組合連合会、」を加える。
第七十二条の五第一項第四号中「国家公務員共済組合連合会、」の下に「市町村職員共済組合及び市町村職員共済組合連合会、」を加える。
第七十二条の十四第一項中「以下本項及び第七十二条の十七第一項但書において同じ。)、」の下に「市町村職員共済組合法(昭和二十九年法律第二百四号)、」を加え、「国家公務員共済組合法又は私立学校教職員共済組合法」を「国家公務員共済組合法、市町村職員共済組合法又は私立学校教職員共済組合法」に改める。
第七十二条の十七第一項中「国家公務員共済組合法、」の下に「市町村職員共済組合法、」を加える。
第七十三条の四第一項第七号中「国家公務員共済組合法、」の下に「市町村職員共済組合法、」を加える。
第二百六十二条中第四号から第七号までを一号ずつ繰り下げ、第三号の次に次の一号を加える。
四 国家公務員共済組合法、市町村職員共済組合法又は私立学校教職員共済組合法の規定によつて退職給付及び休手当金以外の給付として支給を受ける金品
第二百九十六条第一号中「国家公務員共済組合連合会、」の下に「市町村職員共済組合及び市町村職員共済組合連合会、」を加える。
第三百四十八条第二項第十一号の三中「並びに国家公務員共済組合及び国家公務員共済組合連合会」を「、国家公務員共済組合及び国家公務員共済組合連合会並びに市町村職員共済組合」に改める。
第六百七十二条中第四号から第七号までを一号ずつ繰り下げ、第三号の次に次の一号を加える。
四 国家公務員共済組合法、市町村職員共済組合法又は私立学校教職員共済組合法の規定によつて退職給付及び休業手当金以外の給付として支給を受ける金品
54 自治庁設置法(昭和二十七年法律第二百六十一号)の一部を次のように改正する。
第四条第十六号の次に次の一号を加える。
十六の二 市町村職員共済組合及び市町村職員共済組合連合会を監督し、市町村職員共済組合の規約及び市町村職員共済組合連合会の定款の変更を認可し、並びに市町村職員共済組合審査会の委員を委嘱すること。
第十条第九号の次に次の一号を加える。
九の二 市町村職員共済組合、市町村職員共済組合連合会及び市町村職員共済組合審査会に関する事務を処理すること。
別表第一
組合員であつた期間 |
日数 |
六月以上 |
一〇日 |
一年 以上 |
二〇日 |
一年六月以上 |
三〇日 |
二年 以上 |
四〇日 |
二年六月以上 |
五〇日 |
三年 以上 |
六〇日 |
三年六月以上 |
七〇日 |
四年 以上 |
八〇日 |
四年六月以上 |
九〇日 |
五年 以上 |
一〇〇日 |
五年六月以上 |
一一〇日 |
六年 以上 |
一二〇日 |
六年六月以上 |
一三〇日 |
七年 以上 |
一四〇日 |
七年六月以上 |
一五〇日 |
八年 以上 |
一六〇日 |
八年六月以上 |
一七〇日 |
九年 以上 |
一八〇日 |
九年六月以上 |
一九〇日 |
十年 以上 |
二〇〇日 |
十年六月以上 |
二一五日 |
十一年 以上 |
二三〇日 |
十一年六月以上 |
二四五日 |
十二年 以上 |
二六〇日 |
十二年六月以上 |
二七五日 |
十三年 以上 |
二九〇日 |
十三年六月以上 |
三〇五日 |
十四年 以上 |
三二〇日 |
十四年六月以上 |
三三五日 |
十五年 以上 |
三五〇日 |
十五年六月以上 |
三六五日 |
十六年 以上 |
三八〇日 |
十六年六月以上 |
三九五日 |
十七年 以上 |
四一〇日 |
十七年六月以上 |
四二五日 |
十八年 以上 |
四四〇日 |
十八年六月以上 |
四五五日 |
十九年 以上 |
四七〇日 |
十九年六月以上 |
四八五日 |
別表第二
廃疾の程度 |
番号 |
廃疾の状態 |
一級 |
一 |
両眼の視力〇・〇二以下に減じたもの又は一眼失明し他眼の視力〇・〇六以下に減じたもの |
二 |
そしやく又は言語の機能を廃したもの |
|
三 |
両腕を腕関節以上で失つたもの |
|
四 |
両足を足関節以上で失つたもの |
|
五 |
両腕の用を全廃したもの |
|
六 |
両足の用を全廃したもの |
|
七 |
十指を失つたもの |
|
八 |
前各号の外負傷又は疾病に因り廃疾となり、高度の精神障害を残し勤労能力を喪失したもの |
|
二級 |
一 |
両眼の視力〇・一以下に減じたもの |
二 |
鼓膜の大部分の欠損その他に因り両耳の聴力が耳かくに接しなければ大声を解し得ないもの |
|
三 |
せき柱に著しい機能障害を残すもの |
|
四 |
そしやく又は言語の機能に著しい障害を残すもの |
|
五 |
一手のおや指及びひとさし指をあわせて四指以上を失つたもの |
|
六 |
十指の用を廃したもの |
|
七 |
一腕の三大関節中二関節の用を廃したもの |
|
八 |
一足の三大関節中二関節の用を廃したもの |
|
九 |
一足を足関節以上で失つたもの |
|
十 |
十のあしゆびを失つたもの |
|
十一 |
前各号の外負傷又は廃疾に因り廃疾となり、精神障害又は身体障害を残し勤労能力に高度の制限を有するもの |
備考
一 視力の測定は、万国式視力表による。屈折異状があるものについては、矯正視力につき測定する。
二 指を失つたものとは、おや指は指関節、その他の指は第一指関節以上を失つたものをいう。
三 指の用を廃したものとは、指の末節の半ば以上を失い、又は掌指関節若しくは第一指関節(おや指にあつては、指関節)に著しい運動障害を残すものをいう。
四 あしゆびを失つたものとは、その全部を失つたものをいう。
別表第三
廃疾の程度 |
月数 |
一級 |
五月 |
二級 |
四月 |
別表第四
番号 |
廃疾の状態 |
一 |
一眼の視力〇・一以下に減じたもの又は両眼の視力〇・六以下に減じたもの |
二 |
両眼のまぶたに著しい欠損又は両眼に半盲症、視野狭さく若しくは視野変状を残すもの |
三 |
そしやく又は言語の機能に著しい障害を残すもの |
四 |
鼓膜の大部分の欠損その他に因り一耳の聴力が耳かくに接しなければ大声を解し得ないもの |
五 |
鼻を欠損しその機能に著しい障害を残すもの |
六 |
せき柱に著しい運動障害を残すもの |
七 |
おや指、ひとさし指又はおや指及びひとさし指以外の二指以上を失つたもの |
八 |
おや指の用を廃したもの、ひとさし指をあわせて二指の用を廃したもの又はおや指及びひとさし指以外の三指の用を廃したもの |
九 |
一腕の三大関節中一関節以上に著しい機能障害を残すもの |
十 |
一足の三大関節中一関節以上に著しい機能障害を残すもの |
十一 |
一腕の長管状骨に仮関節を残すもの |
十二 |
一足の長管状骨に仮関節を残すもの |
十三 |
一足を三センチメートル以上短縮したもの |
十四 |
一足の第一のあしゆび又はその他の四のあしゆびを失つたもの |
十五 |
一足の五のあしゆびの用を廃したもの |
十六 |
前各号の外負傷又は疾病に因り廃疾となり、精神障害、身体障害又は神経系統に障害を残し勤労能力に制限を有するもの |
備考
一 視力の測定は、万国式視力表による。屈折異状があるものについては、矯正視力につき測定する。
二 指を失つたものとは、おや指は指関節、その他の指は第一指関節以上失つたものをいう。
三 指の用を廃したものとは、指の末節の半ば以上を失い。又は掌指関節若しくは第一指関節(おや指にあつては、指関節)に著しい運動障害を残すものをいう。
四 あしゆびを失つたものとは、その全部を失つたものをいう。
五 あしゆびの用を廃したものとは、第一のあしゆびは末節の半ば以上、その他のあしゆびは末関節以上を失つたもの又はしよし関節若しくは第一し関節(一のあしゆびにあつては、し関節)に著しい運動障害を残すものをいう。
別表第五
損害の程度 |
月数 |
一 住居及び家財の全部が焼失又は滅失したとき。 |
三月 |
二 住居及び家財に前号と同程度の損害を受けたとき。 |
|
一 住居及び家財の二分の一以上が焼失又は滅失したとき。 |
二月 |
二 住居及び家財に前号と同程度の損害を受けたとき。 |
|
三 住居又は家財の全部が焼失又は滅失したとき。 |
|
四 住居又は家財に前号と同程度の損害を受けたとき。 |
|
一 住居及び家財の三分の一以上が焼失又は滅失したとき。 |
一月 |
二 住居及び家財に前号と同程度の損害を受けたとき。 |
|
三 住居又は家財の二分の一以上が焼失又は滅失したとき。 |
|
四 住居又は家財に前号と同程度の損害を受けたとき。 |
|
一 住居又は家財の三分の一以上が焼失又は滅失したとき。 |
〇・五月 |
二 住居又は家財に前号と同程度の損害を受けたとき。 |
(内閣総理・大蔵・厚生大臣署名)