自転車競技法等の臨時特例に関する法律
法律第百六十九号(昭二九・六・九)
第一条 自転車競走の勝者投票券、小型自動車競走の勝車投票券及びモーターボート競走の勝舟投票券の売上金(自転車競技法(昭和二十三年法律第二百九号)第九条第一項、小型自動車競走法(昭和二十五年法律第二百八号)第十二条第一項及びモーターボート競走法(昭和二十六年法律第二百四十二号)第十条の規定によるものをいう。以下同じ。)については、自転車競技法第十条第三項及び第四項、小型自動車競走法第十七条並びにモーターボート競走法第二十条の規定を適用せず、次項に定めるところによる。
2 自転車競走、小型自動車競走及びモーターボート競走(以下「自転車競走等」という。)の施行者は、それぞれ一回の開催による勝者投票券、勝車投票券又は勝舟投票券(以下「勝者投票券等」という。)の売上金の額が別表の上欄に掲げる金額に相当するときは、同表の下欄に掲げる金額に相当する額を命令の定めるところにより、それぞれ自転車振興会連合会、全国小型自動車競走会連合会又は全国モーターボート競走会連合会(以下「自転車振興会連合会等」という。)に納めなければならない。
第二条 自転車振興会連合会等は、中小機械工業の設備の近代化、機械の生産技術の向上、機械輸出の増進その他機械工業の振興を図るため、自転車競技法第十一条第三項、小型自動車競走法第二十条第四項及びモーターボート競走法第四条第三項の規定にかかわらず、主務大臣の定める計画及び指示に従い、前条第二項の規定による納入金を財源として、左の業務を行う。
一 前条第二項の規定による納入金の受入
二 機械工業の振興に必要な融資のための銀行その他の金融機関に対する資金の貸付
三 機械工業の振興を目的とする事業に対する補助金の交付
四 その他機械工業の振興を図るため必要な業務
2 自転車振興会連合会等は、前条第二項の規定による納入金を、主務大臣の定める計画及び指示に反して前項各号に掲げる業務に必要な経費以外の経費に充ててはならない。
3 自転車振興会連合会等は、第一項の業務を包括的に商工組合中央金庫(以下「金庫」という。)に委託しなければならない。この場合において、第一項第二号に掲げる業務につき金庫が資金を借り受ける場合については、民法明治二十九年法律第八十九号)第百八条の規定は、適用しない。
4 金庫は、前項の委託業務を行うには、主務大臣の定める計画及び指示に従わなければならない。
第三条 自転車競走等の施行者が自己の収入とすべき金額は、自転車競技法第十条第一項、小型自動車競走法第十六条及びモーターボート競走法第十九条の規定にかかわらず、自転車競走にあつては、勝者投票券の売上金の額から自転車競技法第九条の規定による払戻金の額および第一条第二項の規定による納入金の額を控除した残額、小型自動車競走にあつては、勝車投票券の売上金額の百分の二十五に相当する金額から第一条第二項の規定による納入金の額を控除した残額、モーターボート競走にあつては、勝舟投票券の売上金の額の百分の二十五に相当する金額から第一条第二項の規定による納入金の額を控除した残額とする。
第四条 主務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、自転車振興会連合会等、金庫及び第二条第一項各号の業務の相手方から報告を徴し、又はその職員に自転車振興会連合会等、金庫及び第二条第一項第二号から第四号までの業務の相手方の事務所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証票を携帯し、関係人に提示しなければならない。
3 第一項の規定による検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
第五条 金庫は、商工組合中央金庫法(昭和十一年法律第十四号)第三十条の規定にかかわらず、自転車振興会連合会等の委託を受けて、第二条第一項の業務を行うことができる。
2 金庫は、前項の業務に関する経理を、他の業務に関する経理と区分して行わなければならない。
第六条 第四条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をした者又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、三万円以下の罰金に処する。
第七条 第二条第二項の規定に違反した場合にあつては、その違反行為をした自転車振興会連合会等の理事は、三万円以下の罰金に処する。
第八条 自転車振興会連合会等が第二条第三項の規定に違反して同条第一項の業務の全部又は一部を金庫に委託しないで自ら行い、又は金庫以外の者に委託した場合にあつては、その違反行為をした理事は、三万円以下の罰金に処する。
第九条 第五条第二項の規定に違反した場合においては、その違反行為をした金庫の役員又は職員は、三万円以下の罰金に処する。
附 則
1 この法律は、公布の日から施行する。
2 第一条及び第四条の規定は、昭和二十九年四月一日以後に開催された自転車競走等の勝者投票券等の売上金について適用する。
3 昭和二十九年四月一日前に開催された自転車競走等の勝者投票券等の売上金については、第一条の規定にかかわらず、なお従前の例による。
4 自転車競走等が昭和二十九年三月と同年四月とにまたがつて開催されたときは、当該自転車競走等に係る国庫納付金の金額は、同年三月三十一日までの期間に対応する部分の金額とし、第一条第二項の規定により自転車振興会連合会等に納入すべき金額は、同年四月一日以後の期間に対応する部分の金額とする。
5 この法律は、昭和三十年三月三十一日にその効力を失う。但し、その時までにした行為に対する罰則の適用については、その時以後もなおその効力を有する。
6 この法律失効の際、自転車振興会連合会等に属する第二条第一項の業務に係る資産及び負債は、国に帰属する。
7 自転車競技法の一部を次のように改正する。
第十一条第一項中「目的とする法人であつて、」を「目的とし、」に改め、第二項を次のように改める。
2 すべての自転車振興会は、一個の自転車振興会連合会を設立し、若しくはこれに加入し、その会員となるものとする。
第十一条第二項の次に次の一項を加える。
3 自転車振興会連合会は、競輪場、審判員、選手及び使用自転車の種類、規格の登録及び検定を行い、その他競輪の実施を効果的に統制するとともに自転車に関する事項の振興を図ることを目的とする。
第十二条を次のように改める。
第十二条 自転車振興会及び自転車振興会連合会は、民法(明治二十九年法律第八十九号)第三十四条の規定により設立される法人とする。
8 この法律施行の際、現に存する自転車振興会及び自転車振興会連合会は、この法律施行の日に民法第三十四条の規定により設立される法人となつたものとみなす。
9 小型自動車競走法の一部を次のように改正する。
第七条の次に次の一条を加える。
(小型自動車競走の開催)
第七条の二 小型自動車競走施行者は、左の各号に掲げる事項につき省令で定める範囲をこえて小型自動車競走を開催することができない。
一 一小型自動車競走場当りの年間開催回数
二 一小型自動車競走施行者当りの年間開催回数
三 一回の開催日数
四 一日の小型自動車競走回数
2 通商産業大臣は、小型自動車競走施行者に対して、各小型自動車競走施行者間における小型自動車競争開催の日取その他小型自動車競走施行の調整に関し、必要な指示をすることができる。
10 モーターボート競走法の一部を次のように改正する。
第六条の次に次の一条を加える。
(競走の開催)
第六条の二 施行者は、左の各号に掲げる事項につき運輸省令で定める範囲をこえて競走を開催することができない。
一 一競走場当りの年間及び月間開催回数
二 一施行者当りの年間及び月間開催回数
三 一回の開催日数
四 一日の競走回数
2 運輸大臣は、施行者に対して、各施行者間における競走開催の日取その他競走施行の調整に関し、必要な指示をすることができる。
第八条第一項中「五十円又は百円」を「十円」に、同条第二項中「勝舟投票券十枚分」を「勝舟投票券十枚分又は百枚分」に改める。
11 補助金等の臨時特例等に関する法律(昭和二十九年法律第百二十九号)の一部を次のように改正する。
第四章を次のように改める。
第四章 削除
第十五条及び第十六条 削除
第十八条を次のように改める。
第十八条 削除
附則中第十項を削り、第十一項を第十項とする。
別表
売上金の額 |
自転車振興会連合会等に納入すべき金額 |
六千万円以上 八千万円未満 |
売上金の額の百分の一但し、売上金の額の百分の九十六が六千万円未満となるときは、当該売上金の額と六千万円との差額の百分の二十五 |
八千万円以上 一億円未満 |
売上金の額の百分の一・三但し、売上金の額の百分の九十四・八が七千六百八十万円未満となるときは、当該売上金の額と七千六百八十万円との差額の百分の二十五 |
一億円以上 二億円未満 |
売上金の額の百分の一・五但し、売上金の額の百分の九十四が九千四百八十万円未満となるときは、当該売上金の額と九千四百八十万円との差額の百分の二十五 |
二億円以上 |
売上金の額の百分の一・七但し、売上金の額の百分の九十三・二が一億八千八百万円未満となるときは、当該売上金の額と一億八千八百万円との差額の百分の二十五 |
(通商産業・運輸・内閣総理大臣署名)