植物防疫法の一部を改正する法律


法律第二百四十三号(昭二六・六・一九)

 植物防疫法(昭和二十五年法律第百五十一号)の一部を次のように改正する。

 目次中

第五章

第六章

第七章

都道府県の防疫(第二十二条)

不服の申立(第二十三条)

罰則(第二十四条―第二十七条)

第五章

第六章

第七章

第八章

指定有害動植物の防除(第二十二条―第二十八条)

都道府県の防疫(第二十九条―第三十五条)

雑則(第三十六条―第三十八条)

罰則(第三十九条―第四十二条)

に改める。

 第六条、第八条及び第十条中「動植物検疫所」を「農林省防疫所」に改める。

 第二十三条第一項に次の一号を加える。

 六 第二十六条第二項の規定による命令を受けた者

 第七章を第八章とする。

 第二十四条を第三十九条とし、第二十五条に次の一号を加え、同条を第四十条とし、以下順次十五条ずつ繰り下げる。

 六 第二十八条の規定に違反した者

 第六章中第二十三条を第三十六条とし、同条の次に次の二条を加える。

 (報告の徴取)

第三十七条 この法律中他の規定による場合の外、防除に関し特に必要があるときは、農林大臣は、地方公共団体、農業者又はその組織する団体に対し、必要な報告を求めることができる。

 (権限の委任)

第三十八条 第二十五条、第二十六条(第三十六条中第二十六条に係る部分を含む。)及び前条の規定により農林大臣の権限に属する事項は、政令の定めるところにより、都道府県知事に行わせることができる。

 「第六章 不服の申立」を「第七章 雑則」に改める。

 第五章中第二十二条を第二十九条とし、同条の次に次の六条を加え、同章を第六章とする。

 (防除に関する勧告)

第三十条 都道府県の区域内において、農作物についての有害動物若しくは有害植物の防除(以下「防除」という。)が行われず、又は防除の方法が適当でないため、他の都道府県の区域に損害が波及するおそれがあるときは、農林大臣は、当該都道府県に対し、防除に関し必要な措置をとるべき旨を勧告することができる。

 (都道府県の発生予察事業)

第三十一条 都道府県は、指定有害動植物以外の有害動物又は有害植物について、発生予察事業を行うものとする。

2 都道府県知事は、農林大臣に対し、前項の発生予察事業の内容及び結果を適時に報告しなければならない。

3 農林大臣は、都道府県の発生予察事業の総合調整を図るため、都道府県知事に対し、必要な指示をすることができる。

4 農林大臣は、必要があると認めるときは、その職員をして都道府県の発生予察事業に協力させるものとする。

 (病害虫防除所)

第三十二条 病害虫防除所は、地方における植物の検疫及び防除に資するため、都道府県が設置する。

2 病害虫防除所の位置、名称及び管轄区域は、条例で定める。

3 都道府県は、病害虫防除所を設置しようとするときは、農林大臣の承認を受けなければならない。

4 病害虫防除所は、第一項に規定する目的を達成するため、左に掲げる事務を行う。

 一 植物の検疫に関する事務

 二 防除についての企画に関する事務

 三 市町村、農業者又はその組織する団体が行う防除に対する指導及び協力に関する事務

 四 発生予察事業に関する事務

 五 防除に必要な薬剤及び器具の保管並びに防除に必要な器具の修理に関する事務

 六 その他防除に関し必要な事務

5 農林大臣は、防除のため必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、病害虫防除所の運営に関し、必要な事項を命じ、又は必要な報告を求めることができる。

6 この法律による病害虫防除所でないものは、その名称中に「病害虫防除所」という文字又はこれに類似する文字を用いてはならない。

7 国は、予算の範囲内において、都道府県に対し、病害虫防除所に要する経費のうち、創設費及びこれに伴う初度調弁費並びに職員に要する経費の二分の一の補助金を交付することができる。

(病害虫防除員)

第三十三条 都道府県は、防除のため必要があると認めるときは、発生予察事業その他防除に関する事務に従事させるため、条例で定める区域ごとに、非常勤の病害虫防除員を置く。

2 前項の場合には、前条第三項の規定を準用する。

 (防除に必要な薬剤及び器具の整備)

第三十四条 都道府県は、市町村、農業者又はその組織する団体が行う防除の用に供するため、病害虫防除所に防除に必要な薬剤及び器具を、条例で定める区域ごとに防除に必要な器具を整備するものとする。

2 前項の場合には、第三十二条第三項の規定を準用する。

 (監督及び補助)

第三十五条 農林大臣は、防除のため必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、病害虫防除員又は前条第一項の規定による整備に係る薬剤若しくは器具に関し、必要な事項を命じ、又は必要な報告を求めることができる。

2 国は、予算の範囲内において、都道府県に対し、第三十三条第一項の病害虫防除員その他発生予察事業に従事する都道府県の職員(病害虫防除所の職員を除く。)に要する経費並びに前条第一項の規定による薬剤及び器具の整備に要する経費の二分の一の補助金を交付することができる。

 第二十一条の次に次の一章を加える。

   第五章 指定有害動植物の防除

 (指定有害動植物及び発生予察事業)

第二十二条 この章及び次章で「指定有害動植物」とは、有害動物又は有害植物であつて、国内における分布が局地的でなく、且つ、急激にまん延して農作物に重大な損害を与える傾向があるため、その防除につき特別の対策を要するものとして、農林大臣が指定するものをいう。

2 この章及び次章で「発生予察事業」とは、有害動物又は有害植物の防除を適時で経済的なものにするため、有害動物又は有害植物の繁殖、気象、農作物の生育等の状況を調査して、農作物についての有害動物又は有害植物による損害の発生を予察し、及びそれに基く情報を関係者に提供する事業をいう。

 (国の発生予察事業)

第二十三条 農林大臣は、指定有害動植物について、発生予察事業を行うものとする。

2 都道府県は、農林大臣が都道府県の承諾を得て定める計画に従い、前項の発生予察事業に協力しなければならない。

3 国は、前項の規定により都道府県が協力するに要する経費(職員に要する経費を除く。)を負担する。

4 農林大臣は、第二項の計画を定めるについては、前項の規定により国が負担することとなる経費の総額が国会の議決を経た予算の金額をこえない範囲内において、しなければならない。

 (防除計画)

第二十四条 農林大臣は、前条第一項の発生予察事業の実施により得た資料に基き、又はその他の事情にかんがみ、必要があると認めるときは、指定有害動植物につき、地方公共団体、農業者又はその組織する団体が行うべき防除の基本となる計画(以下「防除計画」という。)の大綱を定め、これを関係都道府県知事に指示しなければならない。

2 都道府県知事は、前項の指示を受けたときは、同項の大綱に基き、すみやかに、当該都道府県に関する防除計画を定めなければならない。

3 前項の防除計画には、防除を行うべき区域及び期間、指定有害動植物の種類、防除の内容その他必要な事項を定めなければならない。

4 都道府県知事は、第二項の防除計画を定め、又は変更したときは、すみやかに、農林大臣に報告して、その承認を受けなければならない。但し、その防除計画による防除の実施が急を要するときは、報告をもつて足りるものとする。

5 都道府県知事は、前項の承認を受け、又は同項但書の報告をしたときは、遅滞なく、承認又は報告に係る防除計画を告示しなければならない。

 (薬剤及び防除用器具に関する補助)

第二十五条 国は、地方公共団体、農業者又はその組織する団体であつて、前条第五項の告示に係る防除計画に基き防除を行つたものに対し、予算の範囲内において、防除に必要な薬剤(薬剤として用いることができる物を含む。以下同じ。)及び噴霧機、散粉機、煙霧機その他防除に必要な器具(以下「防除用器具」という。)の購入に要した費用の二分の一以内の補助金を交付することができる。

2 前項の補助金の交付を受けようとする者は、農林大臣に対し、補助金交付申請書を省令で定める書類と共に提出しなければならない。

3 農林大臣は、前項の提出書類を審査し、適当と認めるときは、補助金の交付を決定するものとする。

第二十六条 農林大臣は、前条の規定による補助金の交付の目的を達成するため、補助金の交付に当り、補助に係る防除用器具の管理若しくは処分に関して条件を附し、又は補助金の交付を受ける者につき、必要な調査を行い、若しくは必要な報告を求めることができる。

2 補助金の交付を受けた者が左の各号の一に該当する場合には、農林大臣は、その者に対し、補助金の全部又は一部の返還を命ずることができる。

 一 前条第二項の提出書類に不実の記載をしたことが判明したとき。

 二 前項の規定により条件を附した場合において、その条件に従わなかつたとき。

 三 前項の規定による調査を拒み、妨げ、又は忌避したとき。

 四 前項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。

3 返還すべき補助金は、地方公共団体が返還するものを除いて、国税滞納処分の例によつて徴収することができる。但し、先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。

 (薬剤の譲与等及び防除用器具の無償貸付)

第二十七条 国は、指定有害動植物の防除のため特に必要があるときは、地方公共団体、農業者又はその組織する団体であつて、第二十四条第五項の告示に係る防除計画に基き防除を行おうとするものに対し、防除に必要な薬剤を譲与し、若しくは時価より低い対価で譲渡し、又は防除用器具を無償で貸し付けることができる。

2 前項の規定による譲与、譲渡及び貸付に関し必要な事項は、農林大臣が定める。

3 農林大臣は、前項の場合には、大蔵大臣と協議しなければならない。

4 農林大臣は、第一項の規定による譲与、譲渡及び貸付の目的に供するため、常に、これに必要な薬剤及び防除用器具の整備に務めなければならない。

 (風説の禁止)

第二十八条 何人も、自己又は他人のために財産上の不当の利益を図る目的をもつて、農作物についての指定有害動植物のまん延による広範囲の損害の発生に関し、風説を流布してはならない。

   附 則

 (施行期日)

1 この法律施行の期日は、政令で定める。但し、その期日は、この法律の施行に要する費用で国の負担に係るものが計上された予算が成立した後でなければならない。

 (家畜伝染病予防法の改正)

2 家畜伝染病予防法(昭和二十六年法律第百六十六号)の一部を次のように改正する。

  第四章中「動植物検疫所」を「農林省防疫所」に、「動植物検疫所長」を「農林省防疫所長」に改める。

 (物品の無償貸付及び譲与等に関する法律の改正)

3 物品の無償貸付及び譲与等に関する法律(昭和二十二年法律第二百二十九号)の一部を次のように改正する。

  第二条第六号の二中「地方公共団体」を「植物防疫法第二十七条の規定によりする場合を除き、地方公共団体」に改める。

 (農林省設置法の改正)

4 農林省設置法(昭和二十四年法律第百五十三号)の一部を次のように改正する。

  第四条第二十四号の二の次に次の一号を加える。

  二十四の三 動植物の病菌害虫等の防除に関し、都道府県及び防除を行う者に対し補助金を交付すること。

  第十三条及び第二十七条(見出しを含む。)中「動植物検疫所」を「農林省防疫所」に改める。

  第二十七条第一項第二号を第四号とし、以下順次二号ずつ繰り下げ、第一号の次に次の二号を加える。

  二 植物防疫法(昭和二十五年法律第百五十一号)第二十三条の規定による発生予察事業の実施

  三 指定有害動植物の防除に必要な薬剤(薬剤として用いることができる物を含む。)及び防除用器具の保管

  第二十七条第二項の表中「横浜動植物検疫所」を「横浜農林省防疫所」に、「神戸動植物検疫所」を「神戸農林省防疫所」に、「門司動植物検疫所」を「門司農林省防疫所」に改める。

  第二十七条第三項中「出張所」を「支所又は出張所」に、同条第四項中「出張所」を「支所及び出張所」に改める。

(大蔵・農林・内閣総理大臣署名) 

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