植物防疫法

法律第百五十一号(昭二五・五・四)

目次

 第一章 総則(第一条―第五条)

 第二章 国際植物検疫(第六条―第十一条)

 第三章 国内植物検疫(第十二条―第十六条)

 第四章 緊急防除(第十七条―第二十一条)

 第五章 都道府県の防疫(第二十二条)

 第六章 不服の申立(第二十三条) 

 第七章 罰則(第二十四条―第二十七条)

 附則

   第一章 総則

 (法律の目的)

第一条 この法律は、輸出入植物及び国内植物を検疫し、並びに植物に有害な動植物を駆除し、及びそのまん延を防止し、もつて農業生産の安全及び助長を図ることを目的とする。

 (定義)

第二条 この法律で「植物」とは、顕花植物、しだ類又はせんたい類に属する植物(その部分、種子、果実及びむしろ、こもその他これに準ずる加工品を含む。)で、次項の有害植物を除くものをいう。

2 この法律で「有害植物」とは、真菌、粘菌、細菌、寄生植物及びバイラスであつて、直接又は間接に有用な植物を害するものをいう。

3 この法律で「有害動物」とは、昆虫、だに等の節足動物、線虫その他の無脊椎動物又は脊椎動物であつて、有用な植物を害するものをいう。

 (植物防疫官及び植物防疫員)

第三条 この法律に規定する検疫又は防除に従事させるため、農林省に植物防疫官を置く。

2 第三章又は第四章の規定により植物防疫官が行う検疫又は防除の事務を補助させるため、農林省に植物防疫員を置くことができる。

3 植物防疫員は、非常勤とする。

 (植物防疫官の権限)

第四条 植物防疫官は、有害動物又は有害植物が附着しているおそれがある植物又は容器包装があると認めるときは、土地、貯蔵所、倉庫、事業所、船車又は航空機に立ち入り、当該植物及び容器包装等を検査し、関係者に質問し、又は検査のため必要な最少量に限り、当該植物又は容器包装を無償で集取することができる。

2 前項の規定による検査の結果、有害動物又は有害植物があると認めた場合において、これを駆除し、又はそのまん延を防止するため必要があるときは、植物防疫官は、当該植物、容器包装、土地、貯蔵所、倉庫、事業所、船車又は航空機を所有し、又は管理する者に対し、その消毒を命ずることができる。

3 前項の場合には、第二十条第一項の規定を準用する。

4 第一項の規定による立入検査、質問及び集取の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

 (証票の携帯及び服制)

第五条 植物防疫官及び植物防疫員は、この法律により職務を執行するときは、その身分を示す証票を携帯し、且つ、前条第一項の規定による権限を行うとき、又は関係者の要求があつたときは、これを呈示しなければならない。

2 植物防疫官の服制は、農林大臣が定める。

   第二章 国際植物検疫 

 (輸入の制限)

第六条 輸入する植物及びその容器包装は、輸出国の政府機関により発行され、且つ、その検査の結果有害動物及び有害植物が附着していないことを確かめ、又は信ずる旨を記載した検査証明書又はその写を添附してあるものでなければ、有害動物又は有害植物が附着するおそれがあるため、輸入してはならない。但し、植物検疫についての政府機関を有しない国から輸入する植物及びその容器包装であつて、この章の規定により特に綿密な検査を受けたものについては、この限りでない。

2 植物及び次条第一項に掲げる禁止品は、郵便物として輸入する場合を除き、省令で定める港及び飛行場以外の場所で輸入してはならない。

3 植物及び次条第一項に掲げる禁止品は、小形包装物、商品見本及び小包郵便物以外の郵便物としては、輸入してはならない。

4 植物又は次条第一項に掲げる禁止品を小形包装物、商品見本及び小包郵便物以外の郵便物として受け取つた者は、遅滞なく、その現品を添えて動植物検疫所に届け出なければならない。

 (輸入の禁止)

第七条 何人も、左に掲げる物(以下「禁止品」という。)を輸入してはならない。但し、試験研究の用に供するため農林大臣の許可を受けた場合は、この限りでない。

 一 省令で定める地域から発送され、又は当該地域を経由した植物で、省令で定めるもの

 二 有害動物又は有害植物  

 三 土又は土の附着する植物 

 四 前各号に掲げる物の容器包装

2 前項但書の許可を受けた場合には、同項の許可を受けたことを証する書面を添附して輸入しなければならない。

3 第一項但書の許可には、輸入の方法、輸入後の管理方法その他必要な条件を附することができる。

4 農林大臣は、第一項第一号の規定による省令を定めようとするときは、あらかじめ公聴会を開き、利害関係人及び学識経験がある者の意見を聞かなければならない。

 (輸入植物等の検査)

第八条 植物又は禁止品を輸入した者は、遅滞なく、その旨を動植物検疫所に届け出て、その植物又は禁止品及び容器包装につき、原状のままで、植物防疫官から、第六条第一項の規定に違反しないかどうか、禁止品であるかどうか、並びに有害動物及び有害植物(農林大臣が指定する有害動物及び有害植物を除く。本条及び次条において同じ。)があるかどうかについての検査を受けなければならない。但し、第三項の規定による検査を受けた場合及び郵便物として輸入した場合は、この限りでない。

2 前項の検査は、第六条第二項の港又は飛行場の中の植物防疫官が指定する場所で行う。

3 植物防疫官は、必要と認めるときは、輸入される植物及び容器包装につき、船舶又は航空機内で輸入に先立つて検査を行うことができる。

4 通関手続をする郵便局は、植物又は禁止品を包有し、又は包有している疑のある小形包装物、商品見本又は小包郵便物の送付を受けたときは、遅滞なく、その旨を動植物検疫所に通知しなければならない。

5 前項の通知があつたときは、植物防疫官は、同項の小形包装物、商品見本又は小包郵便物の検査を行う。この場合において、検査のため必要があるときは、郵便局員の立合の下に当該郵便物を開くことができる。

6 前項の検査を受けていない小形包装物、商品見本又は小包郵便物であつて植物を包有しているものを受け取つた者は、その郵便物を添え、遅滞なく、その旨を動植物検疫所に届け出て、植物防疫官の検査を受けなければならない。

7 省令で定める種苗については、植物防疫官は、第一項、第三項、第五項又は前項の規定による検査の結果、有害動物及び有害植物があるかどうかを判定するためなお必要があるときは、省令の定める所により、当該植物の所有者に対して隔離栽培を命じてその栽培地で検査を行い、又は自ら隔離栽培を実施することができる。

 (廃棄、消毒等の処分)

第九条 前条の規定による検査の結果、有害動物又は有害植物があつた場合は、植物防疫官は、その植物及び容器包装を消毒し、若しくは廃棄し、又はこれを所有し、若しくは管理する者に対して植物防疫官立会の下にこれを消毒し、若しくは廃棄すべきことを命じなければならない。

2 植物防疫官は、第六条、第八条第一項若しくは第六項の規定に違反して輸入された植物及び容器包装を廃棄し、又はこれを所持している者に対して植物防疫官の立会の下にこれを廃棄すべきことを命ずることができる。第八条第七項の規定による隔離栽培の命令の違反があつた場合において、その違反に係る植物についてもまた同様とする。

3 第七条の規定に違反して輸入された禁止品があるときは、植物防疫官は、これを廃棄する。

4 前条の規定による検査の結果、当該植物及び容器包装が第六条第一項の規定に違反せず、禁止品に該当せず、且つ、これに有害動物及び有害植物がないと認めたときは、植物防疫官は、検査に合格した旨の証明をしなければならない。

 (輸出植物の検査)

第十条 輸入国がその輸入につき輸出国の検査証明を必要としている植物及びその容器包装を輸出しようとする者は、当該植物及び容器包装につき、植物防疫官から、それが当該輸入国の要求に適合していることについての検査を受け、これに合格した後でなければ、これを輸出してはならない。

2 前項の検査は、動植物検疫所で行う。但し、植物防疫官が必要と認めるときは、当該植物の所在地において行うことができる。

3 輸入国がその輸入につき栽培地における検査を要求している植物その他省令で定める植物については、あらかじめその栽培地で植物防疫官の検査を受け、その検査に合格した後でなければ、第一項の検査を受けることができない。

4 植物防疫官は、輸入国の要求に応ずるため、必要があると認めるときは、第一項の検査を受けた物について再検査をすることができる。

 (委任規定)

第十一条 この章に規定するものの外、検査の手続及び方法並びに検査の結果行う処分の基準は、農林大臣が定めて公表する。

2 前項の場合には、第七条第四項の規定を準用する。 

 第三章 国内植物検疫

 (国内検疫)

第十二条 農林大臣は、新たに国内に侵入し、又は既に国内の一部に存在している有害動物若しくは有害植物のまん延を防止し、優良な種苗を保全するため、この章の規定により検疫を実施するものとする。

 (検査)

第十三条 農林大臣の指定する繁殖の用に供する植物(以下「指定種苗」という。)を生産する者(以下「種苗生産者」という。)は、毎年その生産する指定種苗について、その栽培地において栽培中に、植物防疫官の検査を受けなければならない。

2 植物防疫官は、前項の検査のみによつては有害動物又は有害植物を駆除し、又はそのまん延を防止する目的を達することができないと認めるときは、指定種苗の栽培前若しくは採取後における検査をあわせて行うことができる。

3 植物防疫官は、第一項又は前項の規定による検査の結果、指定種苗に農林大臣の指定する有害動物及び有害植物がないと認めたときは、当該種苗生産者に対して、合格証明書を交付しなければならない。

4 指定種苗は、前項の合格証明書又は植物防疫官の発行するその謄本若しくは抄本を添付してあるものでなければ、譲渡し、譲渡を委託し、又は当該検査を受けた栽培地の属する都道府県の区域外に移出してはならない。

5 植物防疫官は、第一項又は第二項の規定による検査により、第三項の有害動物又は有害植物があると認めたときは、その検査を中止し、当該種苗生産者に対し、当該有害動物又は有害植物を駆除し、又はそのまん延を防止するため必要と認める事項を口頭又は文書により指示しなければならない。

6 前項の指示を受けた種苗生産者は、当該指示に従つて必要な駆除予防をした場合には、植物防疫官に対し、当該指定種苗について第一項又は第二項に規定する検査を継続すべきことを申請することができる。

7 第一項の指定をする場合には、第七条第四項の規定を準用する。

 (廃棄処分)

第十四条 植物防疫官は、前条第四項の規定に違反して譲渡され、譲渡を委託され、又は移出された指定種苗を所持している者に対して、その廃棄を命じ、又は自らこれを廃棄することができる。

 (手数料の徴収及び委任規定)

第十五条 農林大臣は、第十三条第一項の規定により検査を受ける者から、検査の実費をこえない範囲内において省令で定める額の手数料を徴収することができる。

2 第十一条の規定は、国内植物検疫に準用する。

 (適用除外)

第十六条 左に掲げる指定種苗については、前四条の規定は適用しない。

 一 農林大臣の指定する地域で生産される指定種苗

 二 国又は都道府県が生産し、且つ、自ら検査する指定種苗

 三 種苗生産者が同一都道府県の区域内で自ら繁殖の用に供するため生産する指定種苗

   第四章 緊急防除

 (防除)

第十七条 新たに国内に侵入し、若しくは既に国内の一部に存在している有害動物若しくは有害植物がまん延して有用な植物に重大な損害を与えるおそれがある場合、又は有害動物若しくは有害植物により有用な植物の輸出が阻害されるおそれがある場合において、これを駆除し、又はそのまん延を防止するため必要があるときは、農林大臣は、この章の規定により、防除を行うものとする。但し、森林害虫について、別に法律で定めるところにより防除が行われる場合は、この限りでない。

2 農林大臣は、前条の規定による防除をするには、その三十日前までに左の事項を告示しなければならない。

 一 防除を行う区域及び期間

 二 有害動物又は有害植物の種類

 三 防除の内容

 四 その他必要な事項

 (防除の内容)

策十八条 農林大臣は、前条第一項の防除を行うため必要な限度において、左の各号に掲げる命令をすることができる。

 一 有害動物又は有害植物が附着し、又は附着するおそれがある植物を栽培する者に対し、当該植物の栽培を制限し、又は禁止すること。

 二 有害動物又は有害植物が附着し、又は附着しているおそれがある植物又は容器包装の譲渡又は移動を制限し、又は禁止すること。

 三 有害動物又は有害植物が附着し、又は附着しているおそれがある植物又は容器包装を所有し、又は管理する者に対し、当該植物又は容器包装の消毒、除去、廃棄等の措置を命ずること。

 四 有害動物又は有害植物が附着し、又は附着しているおそれがある農機具、運搬用具等の物品又は倉庫等の施設を所有し、又は管理する者に対し、その消毒等の措置を命ずること。

2 前条第一項の場合において、緊急に防除を行う必要があるため同条第二項の規定によるいとまがないときは、農林大臣は、その必要の限度において、同項の規定による告示をしないで、前項第三号の命令をし、又は植物防疫官に有害動物若しくは有害植物が附着し、若しくは附着しているおそれがある埴物若しくは容器包装の消毒、除去、廃棄等の措置をさせることができる。

 (協力命令)

第十九条 第十七条第一項の防除を行うため必要があるときは、農林大臣は、地方公共団体、農業者の組織する団体又は防除業者を防除に関する業務に協力させることができる。

2 前項の場合には、協力命令書を交付しなければならない。

3 第一項の規定により防除に協力させたときは、国は、その費用を弁償しなければならない。

 (損失の補償)

第二十条 国は、第十八条の処分により損失を受けた者に対し、その処分により通常生ずべき損失を補償しなければならない。

2 前項の規定により補償を受けようとする者は、補償を受けようとする見積額を記載した申請書を農林大臣に提出しなければならない。

3 農林大臣は、前項の申請があつたときは、遅滞なく、補償すべき金額を決定し、当該申請人に通知しなければならない。 

4 農林大臣は、前項の規定により補償金額を決定するには、少くとも一人の農業者を含む三人の評価人をその区域から選び、その意見を徴しなければならない。

5 第一項の規定による補償を伴うべき処分は、これによつて必要となる補償金の総額が国会の議決を経た予算の金額をこえない範囲内でしなければならない。

 (報告義務)

第二十一条 都道府県知事は、新たに国内に侵入し、若しくは既に国内の一部に存在している有害動物若しくは有害植物がまん延して有用な植物に重大な損害を与えるおそれがあると認めた場合には、その旨を農林大臣に報告しなければならない。

   第五章 都道府県の防疫

 (都道府県の行う防疫)

第二十二条 有害動物又は有害植物がまん延して有用な植物に重大な損害を与えるおそれがある場合において、これを駆除し、又はそのまん延を防止するため必要があるときは、都道府県は、植物を検疫し、又は有害動物若しくは有害植物の防除に関し必要な措置をとることができる。

2 前項の場合には、他の都道府県において生産された種苗その他の物の正当な流通を妨げないように留意しなければならない。

   第六章 不服の申立

 (不服の申立)

第二十三条 左に掲げる者は、当該処分に不服があるときは、処分を受けた日から二週間以内に農林大臣に不服の申立をすることができる。

 一 第四条第二項の規定による命令を受けた者

 二 第十条第一項又は第三項の規定による検査の結果不合格となつた者

 三 第十三条第六項の規定による検査の結果不合格となつた者

 四 第十八条の規定による命令を受けた者

 五 第二十条第三項の規定による補償金額の決定を受けた者

2 農林大臣は、前項の規定による不服の申立を受けたときは、遅滞なく、その者に対し、あらかじめ期日及び場所を通知して公開による聴聞を行い、当該申立人又はその代理人が証拠を呈示して意見を述べる機会を与えた後、当該申立に対する決定をしなければならない。

   第七章 罰則

第二十四条 左の各号の一に該当する者は、三年以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。

 一 第六条第一項若しくは第二項、第七条第一項、又は第十三条第四項の規定に違反した者

 二 第七条第三項の規定による許可の条件に違反した者

 三 第八条第一項の規定による検査を受けず、又はその検査を受けるに当つて不正行為をした者

 四 第十八条第一項の規定による命令に違反した者

第二十五条 左の各号の一に該当する者は、一年以下の懲役又は三万円以下の罰金に処する。

 一 第八条第六項の規定による検査を受けず、又はその検査を受けるに当つて不正行為をした者

 二 第八条第七項の規定による命令に違反した者

 三 第九条第一項若しくは第二項の規定による命令に違反し、又は同条第一項から第三項までの規定による処分を拒み、妨げ、若しくは忌避した者

 四 第十条第一項の規定に違反し、又は同条同項の検査を受けるに当つて不正行為をした者

 五 第十八条第二項の規定による命令に違反し、又は同条同項の規定による処分を拒み、妨げ、若しくは忌避した者

第二十六条 左の各号の一に該当する者は、一万円以下の罰金に処する。

 一 第四条第一項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同条同項の規定による質問に対し虚偽の陳述をした者

 二 第四条第二項の規定による命令に違反した者

 三 第六条第四項の規定に違反した者

 四 第十条第四項の規定による再検査を拒み、妨げ又は忌避した者

 五 第十四条の規定による命令に違反し、又は同条の規定による処分を拒み、妨げ、若しくは忌避した者

 (両罰規定)

第二十七条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前三条の違反行為をしたときは、行為者を罰する外その法人又は人に対しても各本条の罰金刑を科する。但し、法人又は人の代理人、使用人その他の従業者の当該違反行為を防止するため当該業務に対し相当の注意及び監督が尽されたことの証明があつたときは、その法人又は人については、この限りでない。

   附 則

 (施行期日)

1 この法律は、公布の日から施行する。但し、第二章並びに附則第三項及び第四項の規定は、公布の日から起算して六十日を経過した日から施行する。

 (施行の準備手続)

2 第七条第四項(第十一条第二項において準用する場合を含む。)に定める公聴会は、この法律施行(前項但書の規定による施行をいう。以下同じ。)前でも、第七条第一項第一号の省令又は第十一条第一項に掲げる事項を定めるために開くことができる。

 (廃止法律)

3 左に掲げる法律は、廃止する。但し、この法律施行前にした行為に対する罰則の適用に関しては、この法律施行後でも、なお従前の例による。

  輸出入植物検疫法(昭和二十三年法律第八十六号)

  害虫駆除予防法(明治二十九年法律第十七号)

 (経過規定)

4 この法律施行前に輸出入植物検疫法の規定に基いてした検査又は許可は、この法律の相当規定に基いてなされたものとみなす。

 (農業災害補償法の改正)

5 農業災害補償法(昭和二十二年法律第百八十五号)の一部を次のように改正する。

  第九十九条に第二項として次のように加える。

   農業共済組合は、その組合員が植物防疫法(昭和二十五年法律第百五十一号)の規定に違反した場合には、当該違反行為の結果通常生ずべき損失の額については、当該組合員に対して共済金の支払の義務を有しない。

  第百三十二条中「第九十五条乃至第九十八条」の下に「、第九十九条第二項」を加える。

 (物品の無償貸付及び譲与等に関する法律の改正)

6 物品の無償貸付及び譲与等に関する法律(昭和二十二年法律第二百二十九号)の一部を次のように改正する。

  第二条第六号の次に次の一号を加える。

  六の二 地方公共団体、農業者の組織する団体又は植物の防疫事業を行う者に対し植物の防疫を行うため必要な動力噴霧機、動力散粉機、動力煙霧機その他の防除用機具を貸し付けるとき

 (農林省設置法の改正)

7 農林省設置法(昭和二十四年法律第百五十三号)の一部を次のように改正する。

  第四条第二十四号の次に次の一号を加える。

  二十四の二 動植物の病菌害虫等を駆除し、及びそのまん延を防止するために必要な措置を行うこと。

  第五十九条中「第二十号」の下に「、第二十四号の二」を加える。

          (農林・内閣総理大臣署名) 

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