労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律

法律第三十五号(平七・三・二三)

 (労働者災害補償保険法の一部改正)

第一条 労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)の一部を次のように改正する。

 第九条第三項中「五月、八月及び十一月の四期」を「四月、六月、八月、十月及び十二月の六期」に改める。

 第十二条の八第一項に次の一号を加える。

 七 介護補償給付

 第十二条の八第二項中「傷病補償年金」の下に「及び介護補償給付」を加え、同条に次の一項を加える。

  介護補償給付は、障害補償年金又は傷病補償年金を受ける権利を有する労働者が、その受ける権利を有する障害補償年金又は傷病補償年金の支給事由となる障害であつて労働省令で定める程度のものにより、常時又は随時介護を要する状態にあり、かつ、常時又は随時介護を受けているときに、当該介護を受けている間(次に掲げる間を除く。)、当該労働者に対し、その請求に基づいて行う。

 一 身体障害者福祉法(昭和二十四年法律第二百八十三号)第三十条に規定する身体障害者療護施設その他これに準ずる施設として労働大臣が定めるものに入所している間

 二 病院又は診療所に入院している間

 第十六条の二第一項第二号中「未満である」を「に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にある」に改め、同項第三号中「未満」を「に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にあること」に改める。

 第十六条の四第一項第五号中「達した」の下に「日以後の最初の三月三十一日が終了した」を加え、同項第六号中「未満である」を「に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にある」に改める。

 第十九条の次に次の一条を加える。

第十九条の二 介護補償給付は、月を単位として支給するものとし、その月額は、常時又は随時介護を受ける場合に通常要する費用を考慮して労働大臣が定める額とする。

 第二十一条に次の一号を加える。

 七 介護給付

 第三章第三節中第二十二条の七を第二十二条の八とし、第二十二条の六の次に次の一条を加える。

第二十二条の七 介護給付は、障害年金又は傷病年金を受ける権利を有する労働者が、その受ける権利を有する障害年金又は傷病年金の支給事由となる障害であつて第十二条の八第四項の労働省令で定める程度のものにより、常時又は随時介護を要する状態にあり、かつ、常時又は随時介護を受けているときに、当該介護を受けている間(次に掲げる間を除く。)、当該労働者に対し、その請求に基づいて行う。

 一 身体障害者福祉法第三十条に規定する身体障害者療護施設その他第十二条の八第四項第一号の労働大臣が定める施設に入所している間

 二 病院又は診療所に入院している間

  第十九条の二の規定は、介護給付について準用する。

 第二十三条第一項第二号中「療養生活の援護」の下に「、被災労働者の受ける介護の援護」を加える。

 第二十七条第一号中「除く。」の下に「第七号において「特定事業」という。」を加え、同条第七号中「者」の下に「(当該事業が特定事業に該当しないときは、当該事業に使用される労働者として派遣する者に限る。)」を加える。

 第四十二条中「葬祭料」の下に「、介護補償給付」を加え、「及び葬祭給付」を「、葬祭給付及び介護給付」に改める。

 第五十一条中「五万円」を「三十万円」に改める。

 第五十三条中「三万円」を「二十万円」に改める。

 別表第一遺族補償年金の項中「一九三日分」を「二〇一日分」に、「二一二日分」を「二二三日分」に、「四人」を「四人以上」に、「二三〇日分」を「二四五日分」に改め、第五号を削る。

 (労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部改正)

第二条 労働保険の保険料の徴収等に関する法律(昭和四十四年法律第八十四号)の一部を次のように改正する。

 第十二条の次に次の一条を加える。

 (労災保険率の特例)

第十二条の二 前条第三項の場合において、労働省令で定める数以下の労働者を使用する事業主が、連続する三保険年度中のいずれかの保険年度においてその事業に使用する労働者の安全又は衛生を確保するための措置で労働省令で定めるものを講じたときであつて、当該措置が講じられた保険年度のいずれかの保険年度の次の保険年度の初日から六箇月以内に、当該事業に係る労災保険率につきこの条の規定の適用を受けようとする旨その他労働省令で定める事項を記載した申告書を提出しているときは、当該連続する三保険年度中の最後の保険年度の次の次の保険年度の同項の労災保険率については、同項中「百分の四十」とあるのは、「百分の四十五」として、同項の規定を適用する。

 第十五条第一項及び第十九条第一項から第三項までの規定中「四十五日」を「五十日」に改める。

 (船員保険法の一部改正)

第三条 船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)の一部を次のように改正する。

 目次中「障害年金及障害手当金」を「障害年金、障害手当金及介護料」に改める。

 第五条第一項中「失業等給付」の下に「、介護料」を加える。

「第五節 障害年金及障害手当金」を「第五節 障害年金、障害手当金及介護料」に改める。

 第四十六条から第四十九条までを次のように改める。

第四十六条 障害年金ノ支給ヲ受クル権利ヲ有スル者ガ其ノ受クル権利ヲ有スル障害年金ノ支給事由タル障害ニシテ命令ヲ以テ定ムル程度ノモノニ因リ常時又ハ随時介護ヲ要スル状態ニ在リ且常時又ハ随時介護ヲ受クルトキハ当該介護ヲ受クル期間(左ニ掲グル期間ヲ除ク)其ノ者ニ対シ介護料ヲ支給ス

 一 身体障害者福祉法(昭和二十四年法律第二百八十三号)第三十条ニ規定スル身体障害者療護施設其ノ他之ニ準ズル施設トシテ厚生大臣ノ定ムルモノヘノ入所ノ期間

 二 病院又は診察所ヘノ入院ノ期間

介護料ハ月ヲ単位トシテ支給シ其ノ月額ハ常時又ハ随時介護ヲ受クル場合ニ通常要スル費用ヲ考慮シテ命令ヲ以テ之ヲ定ム

第四十七条乃至第四十九条 削除

 第五十九条ノ二第一項中「及」の下に「職務上ノ事由ニ因ル介護料ニ要スル費用並ニ」を加える。

 別表第三の一人の項中「〇・九月分」を「一・二月分」に改め、同表二人の項中「一・六月分」を「一・九月分」に改め、同表中

三人

最終標準報酬月額ノ二・二月分ニ相当スル金額

 
 

四人以上

最終標準報酬月額ノ二・七月分ニ相当スル金額

 を

三人以上

最終標準報酬月額ノ二・七月分ニ相当スル金額

 に改める。

 (国民年金法等の一部を改正する法律の一部改正)

第四条 国民年金法等の一部を改正する法律(昭和六十年法律第三十四号)の一部を次のように改正する。

  附則第八十七条第三項の表旧船員保険法別表第三ノ二の項を次のように改める。

旧船員保険法別表第三ノ二

六〇、〇〇〇円

二二四、四〇〇円

〇・九月分

一・二月分

一二〇、〇〇〇円

四四八、八〇〇円

一・六月分

一・九月分

一四四、〇〇〇円

五二三、六〇〇円

二・二月分

二・七月分

二四、〇〇〇円

七四、八〇〇円

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、平成八年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

 一 第一条中労働者災害補償保険法第二十三条第一項、第五十一条、第五十三条及び別表第一の改正規定、第三条中船員保険法別表第三の改正規定並びに第四条の規定並びに次条、附則第五条第二項及び第六条の規定 平成七年八月一日

 二 第一条中労働者災害補償保険法第九条第三項の改正規定 平成八年十月一日

 三 第二条中労働保険の保険料の徴収等に関する法律第十二条の次に一条を加える改正規定及び附則第三条の規定 平成九年三月三十一日

 四 第二条中労働保険の保険料の徴収等に関する法律第十五条第一項及び第十九条第一項から第三項までの改正規定並びに附則第四条の規定 平成九年四月一日

 (第一条の規定の施行に伴う経過措置)

第二条 平成七年八月一日前の期間に係る労働者災害補償保険法の規定による遺族補償年金及び遺族年金の額については、なお従前の例による。

 (第二条の規定の施行に伴う経過措置)

第三条 第二条の規定による改正後の労働保険の保険料の徴収等に関する法律(次条において「新徴収法」という。)第十二条の二の規定は、平成八年度以後に講じられた同条の労働省令で定める措置について適用する。

第四条 平成九年四月一日前に保険関係が成立した事業(労働者災害補償保険法第二十八条第一項又は第三十条第一項の承認があった事業を含む。)に係る第二条の規定による改正前の労働保険の保険料の徴収等に関する法律(次項において「旧徴収法」という。)第十五条第一項の規定により納付すべき労働保険料であって、同日の前日までに同項の規定による納付の期限が到来していないものの納付の期限については、新徴収法第十五条第一項の規定を適用する。

2 平成九年四月一日前に保険関係が消滅した事業(労働者災害補償保険法第二十八条第一項又は第三十条第一項の承認が取り消された事業を含む。)に係る旧徴収法第十九条第一項又は第二項の規定により提出すべき申告書であって、同日の前日までに同条第一項又は第二項の規定による提出の期限が到来していないものの提出の期限及び同条第三項の規定により納付すべき労働保険料であって、同月一日の前日までに同項の規定による納付の期限が到来していないものの納付の期限については、新徴収法第十九条第一項から第三項までの規定を適用する。

 (第三条の規定の施行に伴う経過措置)

第五条 第三条の規定による改正後の船員保険法第四十六条の規定の適用については、国民年金法等の一部を改正する法律(昭和六十年法律第三十四号)附則第八十七条第二項の規定により厚生年金保険の管掌者たる政府が支給するものとされた同法第五条の規定による改正前の船員保険法による年金たる保険給付のうち、同法第四十条第一項及び第二項の規定による職務上の事由による障害年金は、第三条の規定による改正後の船員保険法第四十条第一項及び第二項の規定による障害年金とみなす。

2 平成七年七月以前の月分の船員保険法第五十条ノ三の規定により加給する額については、なお従前の例による。

 (第四条の規定の施行に伴う経過措置)

第六条 平成七年七月以前の月分の国民年金法等の一部を改正する法律(昭和六十年法律第三十四号)附則第八十七条第一項の規定によりなお従前の例によることとされた同法第五条の規定による改正前の船員保険法第五十条第一項第二号及び第三号の規定による遺族年金に同法第五十条ノ三の規定により加給する額については、なお従前の例による。

 (炭鉱災害による一酸化炭素中毒症に関する特別措置法の一部改正)

第七条 炭鉱災害による一酸化炭素中毒症に関する特別措置法(昭和四十二年法律第九十二号)の一部を次のように改正する。

第八条を次のように改める。

第八条 削除

 第十条中「第八条第一項の規定による介護料の支給及び」を削る。

 (炭鉱災害による一酸化炭素中毒症に関する特別措置法の一部改正に伴う経過措置)

第八条 この法律の施行の日の前日において前条の規定による改正前の炭鉱災害による一酸化炭素中毒症に関する特別措置法第八条第一項の規定による介護料(以下「介護料」という。)を受ける権利を有していた被災労働者については、同法第八条及び第十条の規定は、この法律の施行後も、なおその効力を有する。この場合において、当該被災労働者が第一条の規定による改正後の労働者災害補償保険法第十二条の八第四項の介護補償給付の支給を受けたときは、その時以後、当該被災労働者には、介護料を支給しない。

(大蔵・厚生・労働・内閣総理大臣署名) 

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