旅券法の一部を改正する法律
法律第二十三号(平元・四・一八)
旅券法(昭和二十六年法律第二百六十七号)の一部を次のように改正する。
第三条第一項各号列記以外の部分中「左の各号に」を「外務省令で定めるところにより、次に」に、「もより」を「最寄り」に改め、同項ただし書中「但し」を「ただし」に、「且つ」を「かつ」に改め、同項第一号中「二通」を削り、同項第二号中「(提出の日前六月以内に作成されたものとする。以下同じ。)一通」を削り、同項第三号を次のように改める。
三 申請者の写真(第十一条の併記を求められる者については、外務省令で定める場合には、省略することができる。以下同じ。)
第三条第一項第四号を削り、同項第五号中「領事官が発給した呼寄、再渡航等に関する証明書又は」を削り、同号を同項第四号とし、同項第六号中「除く外」を「除くほか」に改め、同号を同項第五号とし、同項第七号を同項第六号とし、同条第二項中「及び第四号」を削り、「第二号に掲げる書類についてはその者の身分上の事実、第四号に掲げる書類についてはその者が渡航費用の支払能力を有する事実がそれぞれ」を「その者の身分上の事実が」に改め、同条第四項第二号を次のように改める。
二 前号に掲げる者のほか、申請者の指定した者(当該申請者のために書類及び写真を提出することが適当でない者として外務省令で定めるものを除く。)
第三条第五項を削る。
第四条第一項中「もより」を「最寄り」に、「左の各号に」を「次に」に改め、同項第一号中「一通」を削り、同項第二号中「二葉」を削り、同項第三号及び第四号中「一通」を削り、同条第二項を次のように改める。
2 前項の場合において、公用旅券の発給を受けようとする者が本邦と外務大臣が指定する地域以外の地域との間を数次往復しようとするときは、その旨及び理由を公用旅券発給請求書に記載して、数次往復用の公用旅券の発給を請求することができる。
第五条を次のように改める。
(一般旅券の発行)
第五条 外務大臣又は領事官は、第三条の規定による発給の申請に基づき、外務大臣が指定する地域以外のすべての地域を渡航先として記載した有効期間が五年の数次往復用の一般旅券を発行する。
2 外務大臣又は領事官は、前条ただし書の規定に該当する場合において一般旅券を発行するとき、又は第十三条第一項各号の一に該当する者に対し一般旅券を発行するときは、前項の一般旅券につき、渡航先を個別に特定して記載し、又は有効期間を五年未満とすることができる。
3 前二項の規定にかかわらず、外務大臣又は領事官は、第一項の外務大臣が指定する地域へ渡航しようとする者については、渡航先を個別に特定して記載した有効期間が五年の一往復用の一般旅券を発行するものとする。ただし、外務大臣が適当と認めるときは、渡航先を個別に特定して記載した有効期間が五年以下の数次往復用の一般旅券を発行することができる。
第七条を削る。
第六条第一項中「第五条第一項」を「第五条」に改め、同項ただし書中「但し」を「ただし」に改め、同条第二項中「第五条第二項」を「第五条の二」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加え、同条を第七条とする。
2 前項の場合において、病気、身体の障害、交通至難の事情等真にやむを得ない理由により申請者の出頭が困難であると認められ、かつ、当該申請者が人違いでないことが明らかであるときは、都道府県知事、外務大臣又は領事官は、当該申請者の出頭を求めることなく、当該申請者が確実に受領できると認められる最も適当な方法により一般旅券を交付することができる。
第五条の二第一項第一号中「及び発行年月日」を「、発行年月日及び有効期間満了の日」に改め、同項第三号中「及び渡航目的」を削り、同条を第六条とする。
第五条の次に次の一条を加える。
(公用旅券の発行)
第五条の二 外務大臣又は領事官は、第四条の規定による発給の請求に基づき、有効期間が五年の一往復用の公用旅券を発行する。ただし、同条第二項の請求があつた場合において、数次往復の必要を認めるときは、有効期間が五年以下の数次往復用の公用旅券を発行することができる。
第八条第一項中「一般旅券の名義人は、当該一般旅券に」を「第五条第二項又は第三項の規定に基づいて渡航先が個別に特定して記載された一般旅券の名義人は、当該一般旅券を使用して当該」に、「左の各号に」を「次に」に、「もより」を「最寄り」に改め、同項第一号中「一通」を削り、同項第二号を削り、同項第三号中「前二号に掲げるもののほか、」を削り、同号を同項第二号とし、同条第二項中「もより」を「最寄り」に改め、「一通」を削り、同条第三項中「及び第二項から第四項まで」を「、第三項及び第四項」に、「第六条」を「前条第一項及び第三項」に改める。
第九条を次のように改める。
(記載事項に変更を生じた場合の発給又は訂正)
第九条 一般旅券の名義人は、当該一般旅券の記載事項に変更を生じた場合には、前条第一項の規定の適用がある場合を除き、遅滞なく、当該一般旅券を返納の上、第三条の規定により新たに一般旅券の発給を申請するものとする。ただし、変更を生じた記載事項が名義人の氏名、子の併記に係る事項その他外務省令で定める事項であるときは、当該一般旅券及び次に掲げる書類を、国内においては都道府県知事を経由して外務大臣に、国外においては最寄りの領事館の領事官に提出して、当該記載事項の訂正を申請することができる。
一 一般旅券訂正申請書
二 記載事項に変更を生じた事実を立証する書類
2 公用旅券の記載事項に変更を生じた場合には、前条第二項の規定の適用がある場合を除き、国内においては各省各庁の長が外務大臣に、国外においては当該公用旅券の名義人が最寄りの領事館の領事官に、遅滞なく、当該公用旅券を返納の上、第四条の規定により新たに公用旅券の発給を請求するものとする。ただし、変更を生じた記載事項が子の併記に係る事項であるときは、当該公用旅券及び公用旅券訂正請求書(国外においては、記載事項に変更を生じた事実を立証する書類を含む。)を、国内においては各省各庁の長が外務大臣に、国外においては当該公用旅券の名義人が最寄りの領事館の領事官に提出して、当該記載事項の訂正を請求することができる。
3 外務大臣又は領事官は、旅券の記載事項に変更を生じ、又は誤りがあることを知つた場合において特に必要と認めるときは、申請又は請求に基づかないで、当該旅券の名義人(公用旅券でその名義人が国内に在るものについては、各省各庁の長)に対し、当該旅券の返納を求めて新たに旅券を発行し、又はその提出を求めて当該記載事項を訂正することができる。
4 第三条第一項ただし書及び第四項の規定は第一項ただし書の申請について、第七条第一項の規定は当該申請に係る一般旅券及び前項の規定により発行され又は訂正された一般旅券の交付について、同条第三項の規定は第二項ただし書の請求に係る公用旅券及び前項の規定により発行され又は訂正された公用旅券の交付について、それぞれ準用する。この場合において、同条第一項中「当該申請者に交付する」とあるのは、「当該申請者に交付し、又はその指定した者の出頭を求めて交付する」と読み替えるものとする。
第十条第一項中「若しくは著しく損傷し、又は当該一般旅券の査証欄に余白がなくなつたことに因り」を「又は著しく損傷したことにより」に改め、「一通」及び「二葉」を削り、「もより」を「最寄り」に、「著しく損傷し、又は査証欄に余白がなくなつたことに因り再発給を受けようとする者は、当該著しく損傷し、又は査証欄に余白がなくなつた」を「著しく損傷したことにより再発給を受けようとする者は、当該著しく損傷した」に改め、同条第二項中「もより」を「最寄り」に改め、「一通」及び「二葉」を削り、「著しく損傷し、又は査証欄に余白がなくなつたことに因り再発給を受けようとするときは、当該著しく損傷し、又は査証欄に余白がなくなつた」を「著しく損傷したことにより再発給を受けようとするときは、当該著しく損傷した」に改め、同条第三項中「及び第六条」を「、第五条の二及び第七条」に改め、同条の次に次の一条を加える。
(有効期間内の申請等)
第十条の二 旅券の名義人(公用旅券でその名義人が国内に在るものについては、各省各庁の長)は、次の各号の一に該当する場合には、第四条の二本文の規定にかかわらず、当該旅券の有効期間内においても当該旅券を返納の上第三条又は第四条の規定により旅券の発給を申請し、又は請求することができる。
一 当該旅券の残存有効期間が一年未満となつたとき。
二 当該旅券の査証欄に余白がなくなつたとき。
三 その他外務大臣又は領事官がその者の保護又は渡航の便宜のため特に必要があると認めるとき。
第十一条第二項中「第九条第二項」を「第九条第二項ただし書」に改め、同条第四項中「、合冊」を削り、「 抹消する」を「抹消する」に改める。
第十二条の見出し中「合冊及び」を削り、同条第一項を削り、同条第二項中「一般旅券の名義人は、査証欄に余白がなくなつた当該一般旅券を引き続き使用しようとする場合には、」を「一般旅券の発給(再発給を含む。以下第十九条の三までにおいて同じ。)を受けようとする者(前条の併記を求められる者を除く。)は一般旅券査証欄増補申請書を、一般旅券の名義人は」に、「もより」を「最寄り」に改め、「提出して」の下に「、当該一般旅券に関して」を加え、同項を同条第一項とし、同条第三項中「合冊又は」を削り、「もより」を「最寄り」に改め、「公用旅券合冊請求書又は」を削り、同項を同条第二項とし、同条第四項中「又は第二項」を削り、「第六条及び」を「第七条第一項及び第三項並びに」に改め、同項を同条第三項とし、同条第五項を削る。
第十四条及び第十五条を次のように改める。
(一般旅券の発給をしない場合等の通知)
第十四条 外務大臣又は領事官は、前条の規定に基づき一般旅券の発給若しくは渡航先の追加をしないと決定したとき、又は第五条第二項の規定に基づいて渡航先を個別に特定して記載し、若しくは有効期間を五年未満とすると決定したとき(第四条の二ただし書の規定に該当する場合において一般旅券を発行するときを除く。)は、速やかに、理由を付した書面をもつて一般旅券の発給又は渡航先の追加を申請した者にその旨を通知しなければならない。
(署名)
第十五条 旅券の発給を受けようとする者(第十一条の併記を求められる者を除く。)は、旅券面の所定の場所(外務省令で定める場合には、旅券面への署名に代えて、一般旅券発給申請書、一般旅券再発給申請書、公用旅券発給請求書又は公用旅券再発給請求書の所定の場所)に署名しなければならない。
第十八条の見出しを「(旅券の失効)」に改め、同条第一項中「左の」を「次の」に改め、同項第一号の二中「含む」の下に「。第四号において同じ」を加え、「旅券の名義人(数次往復用の旅券の名義人を除く。次号において同じ。)」を「一往復用の旅券の名義人」に改め、同項第二号から第五号までを次のように改める。
二 旅券の有効期間が満了したとき。
三 一往復用の旅券の名義人が本邦に帰国したとき。
四 旅券の発給の申請又は請求に当たつて返納された旅券(第九条第三項の規定により返納された旅券を含む。)にあつては、当該返納された旅券に代わる旅券の発行があつたとき。
五 紛失し、又は焼失した旅券にあつては、当該紛失し、若しくは焼失した旅券の再発給の申請若しくは請求に係る旅券が再発行され、又は当該紛失し、若しくは焼失した旅券に代えて渡航書が発行されたとき。
第十九条第一項中「左に」を「次に」に改め、同項第三号中「基き」を「基づき」に、「因り」を「より」に改め、「、合冊」を削り、同条第三項を次のように改める。
3 外務大臣又は領事官は、第一項の規定に基づき一般旅券の返納を命ずることを決定したときは、速やかに、理由を付した書面をもつて当該一般旅券の名義人にその旨を通知しなければならない。
第十九条第五項中「旅券の発給の申請又は請求に当たつて旅券を返納すべき場合及び前項の場合において、」を削り、「返納すべき旅券」の下に「(第一項の規定に基づき返納を命ぜられた旅券を除く。)」を加え、「保存する」を「保有する」に改める。
第十九条の二第一項中「において準用する第十四条」を削る。
第十九条の三第二項中「一通」を削り、「もより」を「最寄り」に改め、同条第四項中「申請に基づかないで渡航書を発給することができる」を「渡航書を申請に基づかないで発行し、又は出頭を求めることなく渡航書が確実に受領されると認められる最も適当な方法によりこれを交付することができる」に改める。
第二十条第一項中「当該各号に掲げる額」を「政令で定めるところにより、当該各号に定める額」に改め、「国に」を削り、同項第一号及び第二号を次のように改める。
一 一般旅券(次号に掲げるものを除く。)の発給 八千円
二 渡航先が個別に特定して記載され若しくは有効期間が五年未満の一般旅券又は一往復用の一般旅券の発給 四千円
第二十条第一項第五号及び第六号を次のように改める。
五 第一号に掲げる旅券の再発給 六千円
六 第二号に掲げる旅券の再発給 三千円
第二十条第一項第七号中「合冊又は」を削り、同条第二項を次のように改める。
2 前項各号の手数料については、次に定めるところにより、国庫及び都道府県の収入とする。
一 前項第一号から第七号までの手数料については、都道府県における当該事務に要する実費を勘案して当該手数料ごとに政令で定める額を都道府県の収入とし、その残額を国庫の収入とする。
二 前号の規定にかかわらず、前項第一号から第七号までの手数料のうち次に掲げるものについては、その全額を国庫の収入とする。
イ 第三条第一項ただし書(第八条第三項、第九条第四項、第十条第三項又は第十二条第三項において準用する場合を含む。)の規定により直接外務大臣に申請する場合の処分に係る手数料
ロ 次項に規定する手数料に該当する手数料
三 前項第八号の手数料については、その全額を国庫の収入とする。
第二十条第四項中「訂正」の下に「、発給」を加え、「因つて」を「よつて」に改め、同条第五項に後段として次のように加える。
この場合において、当該手数料に係る第二項の規定の適用については、政令で定める。
第二十一条を削る。
第二十二条第二項中「において準用する第十四条の」を「の規定による」に改め、同条を第二十一条とする。
第二十二条の二を第二十二条とする。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第二十条の改正規定(同条第一項第一号及び第二号の改正規定、同項第五号及び第六号の改正規定並びに同項第七号の改正規定を除く。)及び附則第六条の規定は、平成元年六月一日から施行する。
(旧旅券に関する経過措置の原則)
第二条 改正前の旅券法(以下「旧法」という。)の規定に基づいて発行され又は再発行された旅券及び渡航書でこの法律の施行の際現に有効なもの並びに次条の規定に基づいて発行され又は再発行された旅券及び渡航書(以下「旧旅券等」という。)は、改正後の旅券法(以下「新法」という。)の相当規定により発行され又は再発行された旅券及び渡航書とみなして、この附則に別段の定めがある場合を除き、新法の規定を適用する。この場合において、旧旅券等のうち一般旅券(数次往復用のものを除く。以下「一往復用の一般旅券」という。)については、新法第五条第一項中「外務大臣が指定する地域以外のすべての地域を渡航先として記載した有効期間が五年の数次往復用」とあるのは、「一往復用」とする。
(旧法の規定に基づく申請等に係る経過措置)
第三条 旧法の規定に基づいてされた旅券に関する申請若しくは請求又は渡航書に関する申請(以下この条において「旧法による旅券等の申請等」という。)及び旧法による旅券等の申請等に係る処分については、なお従前の例による。
(旧旅券等の有効期間等に係る経過措置)
第四条 旧法第十八条第一項第三号の規定は、旧旅券等のうち公用旅券については、この法律の施行後も、なおその効力を有する。
2 旧旅券等のうち一往復用の一般旅券の渡航先の追加及び有効期間については、なお従前の例による。
(旧旅券等の紛失等に係る経過措置)
第五条 旧旅券等のうち一往復用の一般旅券の名義人が、当該旅券を紛失し、焼失し、又は著しく損傷した場合には、当該旅券については、新法第十条の規定は、適用しない。
2 前項の場合において、同項の一般旅券の名義人は、新法第三条の規定により旅券の発給を申請することができる。ただし、著しく損傷したことにより旅券の発給の申請をしようとする者は、当該著しく損傷した旅券を返納の上、申請しなければならない。
3 前項の規定により旅券の発給の申請があった場合における紛失し、又は焼失した旅券の効力については、新法第十八条第一項第五号中「渡航書」とあるのは、「旅券又は渡航書」とする。
(手数料に関する経過措置)
第六条 新法第二十条の規定は、平成元年六月一日以後にされる旅券に関する申請に係る手数料について適用し、同日前にされた旅券に関する申請に係る手数料については、なお従前の例による。この場合において、同日以後この法律の施行日の前日までの間における同条の規定の適用については、同条第二項第二号イ中「第九条第四項」とあるのは「第九条第三項」と、「第十二条第三項」とあるのは「第十二条第四項」とする。
(罰則の適用に関する経過措置)
第七条 この法律の施行前にした行為及びこの法律の附則においてなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(外務・大蔵・自治・内閣総理大臣署名)