放送法等の一部を改正する法律

法律第六十号(昭五七・六・一)

 (放送法の一部改正)

第一条 放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)の一部を次のように改正する。

  目次中「第五十三条」を「第五十三条の二」に改める。

  第九条第一項中「左の」を「次の」に改め、同項第一号イ中「標準放送(五百二十五キロヘルツから千六百五キロヘルツまで」を「中波放送(五百二十六・五キロヘルツから千六百六・五キロヘルツまで」に改め、同号ロ中「こえる」を「超える」に、「ハ」を「ハ及びニ」に改め、同号に次のように加える。

   ニ テレビジョン多重放送(テレビジョン放送の電波に重畳して、音声その他の音響、文字、図形その他の影像又は信号を送る放送をいう。以下同じ。)であつて、次に掲げるもの

    (1) テレビジョン音声多重放送(テレビジョン放送の電波に重畳して、音声その他の音響を送る放送をいう。)

    (2) テレビジョン文字多重放送(テレビジョン放送の電波に重畳して、文字、図形又は信号を送る放送をいう。)

  第九条第二項中「の外」を「のほか」に、「左の」を「次の」に改め、同項第二号中「の催」を「の催し」に改め、同項中第十号を第十一号とし、第九号を第十号とし、第八号を第九号とし、第七号の次に次の一号を加える。

  八 テレビジョン多重放送を行おうとする者に放送設備を賃貸すること。

  第九条第四項中「標準放送」を「中波放送」に改め、同条第七項中「第二項第九号」を「第二項第十号」に改める。

  第九条の三中「有線テレビジョン放送施設者」の下に「その他協定の業務に密接に関連する政令で定める事業を行う者」を加える。

  第四十四条に次の一項を加える。

 6 協定は、テレビジョン多重放送の放送番組の編集に当たつては、同時に放送されるテレビジョン放送の放送番組の内容に関連し、かつ、その内容を豊かにし、又はその効果を高めるような放送番組をできる限り多く設けるようにしなければならない。

  第四十五条の次に次の一条を加える。

  (災害の場合の放送)

 第四十五条の二 協会は、暴風、豪雨、洪水、地震、大規模な火事その他による災害が発生し、又は発生するおそれがある場合には、その発生を予防し、又はその被害を軽減するために役立つ放送をするようにしなければならない。

  第四十七条第二項に次のただし書を加える。

ただし、協会が第九条第二項第八号の業務を行う場合については、この限りでない。

  第四十八条第一項中「左に」を「次に」に改め、同項第一号中「第九条第二項第十号」を「第九条第二項第十一号」に改め、同項第二号中「附けようと」を「付けようと」に改める。

  第四十九条の二の見出しを「(資料の提出等)」に改め、同条の次に次の一条を加える。

 第四十五条の三 郵政大臣は、テレビジョン多重放送の普及に資するため、郵政省令で定めるところにより、協会に対し、そのテレビジョン放送の放送設備をテレビジョン多重放送の用に供するための計画(放送事項、放送設備の利用主体等に関する事項を含む。)の策定及びその提出を求めることができる。

  第五十一条中「及び第四十四条の二の規定は、」を「、第四十四条の二及び第四十五条の二の規定は」に改め、「放送について」の下に「、第四十四条第六項の規定はテレビジョン放送及びテレビジョン多重放送を行う一般放送事業者の放送番組の編集について、それぞれ」を加える。

  第五十三条の見出し中「提出」を「提出等」に改め、同条中「、一般放送事業者に」を「一般放送事業者に、第四十九条の三の規定はテレビジョン放送を行う一般放送事業者に、それぞれ」に改め、第三章中同条の次に次の一条を加える。

  (外国人等の取得した株式の取扱い)

 第五十三条の二 証券取引所に上場されている株式又はこれに準ずるものとして郵政省令で定める株式を発行している会社である一般放送事業者は、その株式を取得した電波法第五条第一項第一号から第三号までに掲げる者(以下「外国人等」という。)からその氏名及び住所を株主名簿に記載することの請求を受けた場合において、その請求に応ずることにより同条第四項第二号に該当することとなるときは、その氏名及び住所を株主名簿に記載することを拒むことができる。

 2 前項の一般放送事業者は、郵政省令で定めるところにより、外国人等がその議決権に占める割合を公告しなければならない。ただし、その割合が郵政省令で定める割合に達しないときは、この限りでない。

 (電波法の一部改正)

第二条 電波法(昭和二十五年法律第百三十一号)の一部を次のように改正する。

  第十三条の次に次の一条を加える。

  (テレビジョン多重放送をする無線局の免許の効力)

 第十三条の二 テレビジョン放送(静止し、又は移動する事物の瞬間的影像及びこれに伴う音声その他の音響を送る放送をいう。以下同じ。)をする無線局の免許がその効力を失つたときは、そのテレビジョン放送の電波に重畳してテレビジョン多重放送(テレビジョン放送の電波に重畳して、音声その他の音響、文字、図形その他の影像又は信号を送る放送をいう。)をする無線局の免許は、その効力を失う。

 (有線テレビジョン放送法の一部改正)

第三条 有線テレビジョン放送法(昭和四十七年法律第百十四号)の一部を次のように改正する。

  第十三条第一項中「テレビジョン放送を行なう」を「テレビジョン放送又はテレビジョン多重放送(放送法第九条第一項第一号ニに規定するテレビジョン多重放送をいう。以下同じ。)を行う」に、「テレビジョン放送を受信し」を「テレビジョン放送又はテレビジョン多重放送を受信し」に改め、同条第二項中「テレビジョン放送を」を「テレビジョン放送又はテレビジョン多重放送を」に改める。

  第十四条第一項中「テレビジョン放送を」を「テレビジョン放送又はテレビジョン多重放送を」に改め、同条第二項第二号中「テレビジョン放送」の下に「又はテレビジョン多重放送」を加え、「あわせて行なう」を「併せて行う」に改める。

  第十五条中「テレビジョン放送の再送信」を「テレビジョン放送又はテレビジョン多重放送の再送信」に、「行なう」を「行う」に改める。

  第十七条第五項中「テレビジョン放送を」を「テレビジョン放送又はテレビジョン多重放送を」に改める。

  第二十四条第二項中「テレビジョン放送の」を「テレビジョン放送又はテレビジョン多重放送の」に改める。

  第三十三条、第三十四条及び第三十五条第一項中「五万円」を「二十万円」に改める。

  第三十六条中「三万円」を「十万円」に改め、同条第二号中「テレビジョン放送」の下に「又はテレビジョン多重放送」を加え、「行なつた」を「行つた」に改める。

  第三十八条中「一万円」を「十万円」に改める。


   附 則

 (施行期日)

1 この法律は、公布の日から起算して六月を経過した日から施行する。

 (経過措置)

2 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (公職選挙法の一部改正)

3 公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)の一部を次のように改正する。

 第百五十条第一項中「標準放送」を「中波放送」に改める。

(郵政・内閣総理大臣署名) 

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