勤労者財産形成促進法の一部を改正する法律
法律第五十五号(昭五七・五・二五)
勤労者財産形成促進法(昭和四十六年法律第九十二号)の一部を次のように改正する。
第一条中「財産形成」を「計画的な財産形成」に改める。
第六条の見出しを「(勤労者財産形成貯蓄契約及び勤労者財産形成年金貯蓄契約等)」に改め、同条各号列記以外の部分中「、勤労者」を「、五十五歳未満の勤労者」に改め、「掲げる契約」の下に「(勤労者財産形成年金貯蓄契約に該当するものを除く。)」を加え、同条第一号イ中「この号において「継続預入等」」を「この条において「継続預入等」」に改め、「とする」の下に「。次項第一号イ及びロにおいて同じ」を加え、同号ハ中「とする」の下に「。次項第一号ニにおいて同じ」を加え、「その者」を「当該勤労者」に改め、同条第二号中「この号及び」を「この条及び」に、「次条第一項及び第十一条において」を「以下」に改め、同号ハ中「廃疾」を「重度障害」に改め、「含む」の下に「。次項第二号ハにおいて同じ」を加え、同号ニ中「ともに」を「共に」に改め、同号ト及び同条第三号ハ中「その者」を「当該勤労者」に改め、同条に次の二項を加える。
2 この法律において「勤労者財産形成年金貯蓄契約」とは、五十五歳未満の勤労者が締結した次に掲げる契約をいう。
一 金融機関等を相手方とする預貯金等の預入等に関する契約(年金がその者に対して支払われるものに限る。)で、次の要件を満たすもの
イ 当該契約に基づく預入等に係る金銭の払込みは、ロに規定する年金支払開始日の前日までの間に限り、五年以上の期間にわたつて定期に、政令で定めるところにより行うものであること。
ロ 当該契約に基づくその者に対する年金の支払は、年金支払開始日(その者が六十歳に達した日以後の日(最後の当該契約に基づく預入等の日から五年以内の日に限る。)であつて、当該契約で定める日をいう。)以後に、五年以上の期間(政令で定める年数以下の期間に限る。)にわたつて定期に、政令で定めるところにより行われるものであること。
ハ 当該契約に基づく預貯金等及びこれに係る利子等については、ロに定めるところにより行われる年金の支払のほか、継続預入等で政令で定める要件を満たすものをする場合を除き、これらの払出し、譲渡又は償還をしないこととされていること。
ニ 当該契約に基づく預入等に係る金銭の払込みは、当該勤労者と当該勤労者を雇用する事業主との契約に基づき、当該事業主が当該預入等に係る金額を当該勤労者に支払う賃金から控除し、当該勤労者に代わつて行うか、又は当該勤労者が財産形成給付金若しくは財産形成基金給付金に係る金銭により、政令で定めるところにより行うものであること。
二 生命保険会社等を相手方とする生命保険契約等(郵便年金法(昭和二十四年法律第六十九号)第二条の二に規定する郵便年金契約(以下「郵便年金契約」という。)を含み、年金がその者に対して支払われるものに限る。)で、次の要件を満たすもの
イ 当該契約に基づく保険料、掛金又は共済掛金の払込み(財産形成給付金及び財産形成基金給付金に係る金銭によるものを除く。ロにおいて同じ。)は、ロに規定する年金支払開始日の前日までの間に限り、五年以上の期間にわたつて定期に、政令で定めるところにより行うものであること。
ロ 当該契約に基づくその者に対する年金の支払は、年金支払開始日(その者が六十歳に達した日以後の日(当該契約に基づく最後の保険料、掛金又は共済掛金の払込みの日から五年以内の日に限る。)であつて、当該契約で定める日をいう。以下同じ。)以後に、五年以上の期間にわたつて定期に、政令で定めるところにより行われるものであること。
ハ 当該契約に基づく保険金、共済金その他政令で定める金銭の支払は、ロに定めるところにより行われる年金の支払のほか、年金支払開始日前においてその者が死亡した場合に限り行われるものであること。
ニ ハに定めるところにより支払われる保険金、共済金その他政令で定める金銭の額は、政令で定める額以下の額とされていること。
ホ 当該契約に係る被保険者又は被共済者とこれらの者が年金支払開始日において生存している場合の年金受取人とが、共にその者であること。
ヘ 当該契約に基づく剰余金の分配又は割戻金の割戻しは、利差益に係る部分に限り、行われるものであること。
ト 当該契約に基づく保険料、掛金又は共済掛金の払込みは、当該勤労者と当該勤労者を雇用する事業主との契約に基づき、当該事業主が当該保険料、掛金又は共済掛金の払込みに係る金額を当該勤労者に支払う賃金から控除し、当該勤労者に代わつて行うか、又は当該勤労者が財産形成給付金若しくは財産形成基金給付金に係る金銭により、政令で定めるところにより行うものであること。
3 既に勤労者財産形成年金貯蓄契約を締結している勤労者は、新たに勤労財産形成年金貯蓄契約を締結することができない。
第六条の二第一項第二号中「に基づく預入等(勤労者財産形成貯蓄契約に該当する生命保険契約等又は積立分譲契約に基づく保険料若しくは共済掛金の払込み又は金銭の積立てを含む。第十一条を除き、以下同じ。)」を「又は勤労者財産形成年金貯蓄契約(以下「勤労者財産形成貯蓄契約等」という。)に基づく預入等(勤労者財産形成貯蓄契約等に該当する生命保険契約等(郵便年金契約を含む。以下この号及び第十一条において同じ。)又は積立分譲契約に基づく保険料、掛金若しくは共済掛金の払込み又は金銭の積立てを含む。以下「勤労者財産形成貯蓄契約等に基づく預入等」という。)」に、「勤労者財産形成貯蓄契約に該当する生命保険契約等、積立分譲契約又は宅地債券等購入契約に基づく保険料」を「勤労者財産形成貯蓄契約等に該当する生命保険契約等、積立分譲契約又は宅地債券等購入契約に基づく保険料、掛金」に改める。
第七条の見出し中「勤労者財産形成貯蓄契約」を「勤労者財産形成貯蓄契約等」に改め、同条中「勤労者財産形成貯蓄契約」を「勤労者財産形成貯蓄契約等」に、「これに基づいて」を「勤労者財産形成貯蓄契約等に基づく」に改める。
第七条の三中「勤労者財産形成貯蓄契約」の下に「及び勤労者財産形成年金貯蓄契約」を加える。
第八条中「勤労者財産形成貯蓄契約」を「勤労者財産形成貯蓄契約等」に、「当該勤労者」を「その者」に改める。
第九条第一項第一号及び第二号中「勤労者財産形成貯蓄契約」を「勤労者財産形成貯蓄契約等」に改め、同項第三号中「勤労者財産形成貯蓄契約」を「勤労者財産形成貯蓄契約等」に、「三倍」を「五倍」に改め、同条第二項第一号中「勤労者財産形成貯蓄契約」を「勤労者財産形成貯蓄契約等」に改める。
第十一条中「、勤労者財産形成貯蓄契約」を「、勤労者財産形成貯蓄契約等」に、「生命保険契約等に基づく保険料又は共済掛金の払込みを含む」を「積立分譲契約に基づく金銭の積立てを除く」に、「勤労者財産形成貯蓄契約に該当する生命保険契約等に基づく保険料又は共済掛金の払込みに」を「勤労者財産形成貯蓄契約等に該当する生命保険契約等に基づく保険料、掛金又は共済掛金の払込みに」に改める。
第十二条中「勤労者財産形成貯蓄契約」を「勤労者財産形成貯蓄契約等」に改める。
第十五条第一項中「勤労者財産形成貯蓄契約」を「勤労者財産形成貯蓄契約等」に、「行なう」を「行う」に改め、同条第二項第一号中「勤労者財産形成貯蓄契約」を「勤労者財産形成貯蓄契約等」に改める。
第十六条第二項中「勤労者財産形成貯蓄契約」を「勤労者財産形成貯蓄契約等」に改める。
第十七条第二項中「勤労者財産形成貯蓄契約に基づき」を「勤労者財産形成貯蓄契約等に基づく」に改める。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、昭和五十七年十月一日から施行する。ただし、第九条第一項第三号の改正規定(「三倍」を「五倍」に改める部分に限る。)は、公布の日から施行する。
(勤労者財産形成貯蓄契約等に係る経過措置)
第二条 この法律の施行の日前に勤労者が改正後の勤労者財産形成促進法(以下「新法」という。)第六条第一項第一号に規定する金融機関等(以下「金融機関等」という。)又は同項第二号に規定する生命保険会社等(以下「生命保険会社等」という。)を相手方として締結した契約であつて、改正前の勤労者財産形成促進法第六条に規定する勤労者財産形成貯蓄契約に該当するものは、新法第六条第一項に規定する勤労者財産形成貯蓄契約に該当するものとみなす。
2 昭和五十九年九月三十日までの間に勤労者が金融機関等又は生命保険会社等を相手方として締結する契約に対する新法第六条の規定の適用については、同条中「五十五歳未満の勤労者」とあるのは「勤労者」と、同条第二項第一号イ及び第二号イ中「五年」とあるのは「三年」とする。
3 第一項の規定により新法第六条第一項に規定する勤労者財産形成貯蓄契約に該当するものとみなされる契約を締結している勤労者が、昭和五十九年九月三十日までの間に、同一の金融機関等又は生命保険会社等との契約(以下「勤労者財産形成貯蓄引継契約」という。)に基づき、当該勤労者財産形成貯蓄契約に該当するものとみなされる契約を同条第二項に規定する勤労者財産形成年金貯蓄契約に該当するものに変更すること、当該勤労者財産形成貯蓄契約に該当するものとみなされる契約に基づき預貯金等(同条第一項第一号に規定する預貯金等をいう。以下同じ。)及びこれに係る利子等又は保険金若しくは共済金若しくは保険料若しくは共済掛金の払込みに係る金額を同条第二項に規定する勤労者財産形成年金貯蓄契約に該当する契約に基づく預貯金等又は保険料若しくは共済掛金の払込みに係る金額とみなすことその他政令で定める事項を定めた場合には、同条の規定にかかわらず、当該勤労者財産形成貯蓄契約に該当するものとみなされる契約は、政令で定めるところにより、当該金融機関等又は生命保険会社等を相手方とする同条第二項に規定する勤労者財産形成年金貯蓄契約に該当するものに変更されたものとみなす。この場合において、同項に規定する勤労者財産形成年金貯蓄契約に該当する契約が締結された日は、当該勤労者財産形成貯蓄引継契約が締結された日とする。
(郵便貯金法の一部改正)
第三条 郵便貯金法(昭和二十二年法律第百四十四号)の一部を次のように改正する。
第十条第一項中「及び次項」を「、次項及び第三項」に改め、同条第二項中「第六条第一号」を「第六条第一項第一号」に、「四百五十万円(当該預金者に係る財産形成非課税貯蓄申告書に記載されている郵便貯金以外の財産形成貯蓄に係る最高限度額の合計額が五十万円を超える場合にあつては、五百万円からその合計額を控除して得た額)」を「次に掲げる額のうちいずれか低い額」に改め、同項に次の各号を加える。
一 四百五十万円(当該預金者に係る財産形成非課税貯蓄申告書に記載されている郵便貯金以外の財産形成貯蓄に係る最高限度額及び特別財産形成非課税貯蓄申告書に記載されている財産形成年金貯蓄に係る最高限度額の合計額が五十万円を超える場合にあつては、五百万円からその合計額を控除して得た額)
二 特別財産形成非課税貯蓄申告書に記載されている郵便貯金の財産形成年金貯蓄に係る最高限度額を四百五十万円から控除して得た額
第十条に次の一項を加える。
勤労者財産形成促進法第六条第二項第一号に規定する契約に係る郵便貯金で租税特別措置法第四条の三の規定により特別財産形成非課税貯蓄申告書を提出して預入するものに係る貯金総額は、一の預金者ごとに、次に掲げる額のうちいずれか低い額を超えてはならない。
一 三百五十万円(当該預金者に係る財産形成非課税貯蓄申告書に記載されている財産形成貯蓄に係る最高限度額の合計額が百五十万円を超える場合にあつては、五百万円からその合計額を控除して得た額)
二 財産形成非課税貯蓄申告書に記載されている郵便貯金の財産形成貯蓄に係る最高限度額を四百五十万円から控除して得た額
(簡易生命保険法の一部改正)
第四条 簡易生命保険法(昭和二十四年法律第六十八号)の一部を次のように改正する。
第十六条の三中「第六条第二号ハ」を「第六条第一項第二号ハ」に改める。
第三十一条第一項中「保険契約(」の下に「勤労者財産形成促進法第六条第二項に規定する勤労者財産形成年金貯蓄契約であるもの及び」を加える。
(大蔵・運輸・郵政・労働・建設・内閣総理大臣署名)