下水道整備緊急措置法及び下水道法の一部を改正する法律
法律第二十九号(昭五一・五・二五)
(下水道整備緊急措置法の一部改正)
第一条 下水道整備緊急措置法(昭和四十二年法律第四十一号)の一部を次のように改正する。
第二条第二項中「で、都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第四条第十四項に規定する都市計画事業として実施されるもの」を削る。
第三条第一項中「昭和四十六年度」を「昭和五十一年度」に改める。
(下水道法の一部改正)
第二条 下水道法(昭和三十三年法律第七十九号)の一部を次のように改正する。
目次中「第五十条」を「第五十一条」に改める。
第十一条の二第二項中「特定施設の設置者(以下「特定施設設置者」という。)」を「特定施設(以下単に「特定施設」という。)の設置者」に改める。
第十二条第一項中「継続して次の各号に掲げる水質の下水を」を「著しく公共下水道若しくは流域下水道の施設の機能を妨げ、又は公共下水道若しくは流域下水道の施設を損傷するおそれのある下水を継続して」に、「当該下水」を「下水」に改め、同項各号を削り、同条第二項中「公共下水道若しくは」を「公共下水道又は」に、「保全し、又は公共下水道からの放流水若しくは流域下水道からの放流水の水質を第八条の技術上の基準に適合させる」を「保全する」に改める。
第十二条の二中「特定施設設置者」を「特定施設の設置者」に改め、同条を第十二条の十一とし、第十二条の次に次の九条を加える。
(特定事業場からの下水の排除の制限)
第十二条の二 特定施設(政令で定めるものを除く。第十二条の十一、第十八条の二及び第三十九条の二を除き、以下同じ。)を設置する工場又は事業場(以下「特定事業場」という。)から下水を排除して公共下水道(終末処理場を設置しているもの又は終末処理場を設置している流域下水道に接続しているものに限る。以下この条、次条、第十二条の五、第十二条の十第一項及び第三十七条の三において同じ。)を使用する者は、政令で定める場合を除き、その水質が当該公共下水道への排出口において政令で定める基準に適合しない下水を排除してはならない。
2 前項の政令で定める基準は、下水に含まれる物質のうち人の健康に係る被害又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがあり、かつ、終末処理場において処理することが困難なものとして政令で定めるものの量について、当該物質の種類ごとに、公共下水道からの放流水又は流域下水道から河川その他の公共の水域若しくは海域に放流される水(以下「流域下水道からの放流水」という。)の水質を第八条(第二十五条の十において準用する場合を含む。第四項(第十二条の十第二項において準用する場合を含む。)、第十三条第一項及び第三十七条の二第一項において同じ。)の技術上の基準に適合させるため必要な限度において定めるものとする。
3 前項の政令で定める物質に係るものを除き、公共下水道管理者は、政令で定める基準に従い、条例で、特定事業場から公共下水道に排除される下水の水質の基準を定めることができる。
4 前項の条例は、公共下水道からの放流水又は流域下水道からの放流水の水質を第八条の技術上の基準に適合させるために必要な最小限度のものであり、かつ、公共下水道を使用する者に不当な義務を課することとならないものでなければならない。
5 第三項の規定により公共下水道管理者が条例で水質の基準を定めた場合においては、特定事業場から下水を排除して公共下水道を使用する者は、政令で定める場合を除き、その水質が当該公共下水道への排出口において当該条例で定める基準に適合しない下水を排除してはならない。
6 第一項及び前項の規定は、一の施設が特定施設となつた際現にその施設を設置している者(設置の工事をしている者を含む。)が当該施設を設置している工場又は事業場から公共下水道に排除する下水については、当該施設が特定施設となつた日から六月間(当該施設が政令で定める施設である場合にあつては、一年間)は、適用しない。ただし、当該施設が特定施設となつた際既に当該工場又は事業場が特定事業場であるとき、及びその者に適用されている地方公共団体の条例の規定で河川その他の公共の水域又は海域に排除される汚水の水質につき第一項及び前項に規定する規制に相当するものがあるとき(当該規定の違反行為に対する処置規定がないときを除く。)は、この限りでない。
(特定施設の設置等の届出)
第十二条の三 工場又は事業場から継続して下水を排除して公共下水道を使用する者は、当該工場又は事業場に特定施設を設置しようとするときは、建設省令で定めるところにより、次の各号に掲げる事項を公共下水道管理者に届け出なければならない。
一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
二 工場又は事業場の名称及び所在地
三 特定施設の種類
四 特定施設の構造
五 特定施設の使用の方法
六 特定施設から排出される汚水の処理の方法
七 公共下水道に排除される下水の量及び水質その他の建設省令で定める事項
2 一の施設が特定施設となつた際現にその施設を設置している者(設置の工事をしている者を含む。)で当該施設に係る工場又は事業場から継続して下水を排除して公共下水道を使用するものは、当該施設が特定施設となつた日から三十日以内に、建設省令で定めるところにより、前項各号に掲げる事項を公共下水道管理者に届け出なければならない。
3 特定施設の設置者は、前二項の規定により届出をしている場合を除き、当該特定施設を設置している工場又は事業場から継続して下水を排除して公共下水道を使用することとなつたときは、その日から三十日以内に、建設省令で定めるところにより、第一項各号に掲げる事項を公共下水道管理者に届け出なければならない。
(特定施設の構造等の変更の届出)
第十二条の四 前条の規定による届出をした者は、その届出に係る同条第一項第四号から第七号までに掲げる事項を変更しようとするときは、建設省令で定めるところにより、その旨を公共下水道管理者に届け出なければならない。
(計画変更命令)
第十二条の五 公共下水道管理者は、第十二条の三第一項又は前条の規定による届出があつた場合において、当該特定事業場から公共下水道に排除される下水の水質が公共下水道への排出口において第十二条の二第一項の政令で定める基準又は同条第三項の規定による条例で定める基準に適合しないと認めるときは、その届出を受理した日から六十日以内に限り、その届出をした者に対し、その届出に係る特定施設の構造若しくは使用の方法若しくは特定施設から排出される汚水の処理の方法に関する計画の変更(前条の規定による届出に係る計画の廃止を含む。)又は第十二条の三第一項の規定による届出に係る特定施設の設置に関する計画の廃止を命ずることができる。
(実施の制限)
第十二条の六 第十二条の三第一項又は第十二条の四の規定による届出をした者は、その届出が受理された日から六十日を経過した後でなければ、その届出に係る特定施設を設置し、又は特定施設の構造若しくは使用の方法若しくは特定施設から排出される汚水の処理の方法を変更してはならない。
2 公共下水道管理者は、第十二条の三第一項又は第十二条の四の規定による届出に係る事項の内容が相当であると認めるときは、前項の期間を短縮することができる。
(氏名の変更等の届出)
第十二条の七 第十二条の三の規定による届出をした者は、その届出に係る同条第一項第一号若しくは第二項に掲げる事項に変更があつたとき、又は特定施設の使用を廃止したときは、その日から三十日以内に、その旨を公共下水道管理者に届け出なければならない。
(承継)
第十二条の八 第十二条の三の規定による届出をした者からその届出に係る特定施設を譲り受け、又は借り受けた者は、当該届出をした者の地位を承継する。
2 第十二条の三の規定による届出をした者について相続又は合併があつたときは、相続人又は合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人は、当該届出をした者の地位を承継する。
3 前二項の規定により第十二条の三の規定による届出をした者の地位を承継した者は、その承継があつた日から三十日以内に、その旨を公共下水道管理者に届け出なければならない。
(流域下水道管理者への通知)
第十二条の九 流域関連公共下水道の管理者は、第十二条の三、第十二条の四、第十二条の七又は前条第三項の規定による届出を受理したときは当該届出に係る事項を、第十二条の五の規定による命令をしたときは当該命令の内容を、遅滞なく、当該流域関連公共下水道に係る流域下水道の管理者に通知しなければならない。
(除害施設の設置等)
第十二条の十 公共下水道管理者は、継続して次の各号に掲げる下水(第十二条の二第一項又は第五項の規定により公共下水道に排除してはならないこととされるものを除く。)を排除して公共下水道を使用する者に対し、条例で、除害施設を設け、又は必要な措置をしなければならない旨を定めることができる。
一 その水質が第十二条の二第二項の政令で定める物質に関し政令で定める基準に適合しない下水
二 その水質(第十二条の二第二項の政令で定める物質に係るものを除く。)が政令で定める基準に従い条例で定める基準に適合しない下水
2 第十二条の二第四項の規定は、前項の条例について準用する。
第十三条第一項中「排水設備」の下に「、特定施設」を加える。
第十八条の二中「特定施設設置者(過去の特定施設設置者を含む。)」を「特定施設の設置者(過去の設置者を含む。)」に改める。
第二十五条の八第二項中「第一項」の下に「、第十二条の二第三項又は第十二条の十第一項」を加える。
第二十五条の十前段中「第十三条」を「第十二条の八まで、第十二条の十から第十三条」に改め、同条後段を次のように改める。
この場合において、第十三条第一項中「排水区域内の他人の土地又は建築物に立ち入り、排水設備、特定施設、」とあるのは「他人の土地又は建築物に立ち入り、流域下水道に接続する排水施設、特定施設又は」と、第十八条の二中「公共下水道」とあるのは「流域下水道又は当該流域下水道に係る流域関連公共下水道」と読み替えるものとする。
第三十一条後段を次のように改める。
この場合において、第二十三条第二項中「厚生省令、建設省令」とあるのは、「建設省令」と読み替えるものとする。
第三十七条の二第一項中「第二項」の下に「若しくは第三項」を加え、「準用する」を「これらの規定を準用する」に改め、同条の次に次の一条を加える。
(改善命令等)
第三十七条の三 公共下水道管理者又は流域下水道管理者は、特定事業場から下水を排除して公共下水道又は流域下水道(終末処理場を設置しているものに限る。)を使用する者が、その水質が当該公共下水道又は流域下水道への排出口において第十二条の二第一項(第二十五条の十において準用する場合を含む。)の政令で定める基準又は第十二条の二第三項(第二十五条の十において準用する場合を含む。)の規定による条例で定める基準に適合しない下水を排除するおそれがあると認めるときは、その者に対し、期限を定めて、特定施設の構造若しくは使用の方法若しくは特定施設から排出される汚水の処理の方法の改善を命じ、又は特定施設の使用若しくは当該公共下水道若しくは流域下水道への下水の排除の停止を命ずることができる。ただし、第十二条の二第六項本文(第二十五条の十において準用する場合を含む。)の規定の適用を受ける者に対しては、この限りでない。
第三十九条の二中「特定施設設置者」を「特定施設の設置者」に改める。
第四十四条を次のように改める。
(経過措置)
第四十四条 この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
第四十五条第一項中「十万円」を「二十万円」に改め、同条第二項中「五万円」を「十万円」に改める。
第四十六条中「第三十八条第一項又は」を「第十二条の五(第二十五条の十において準用する場合を含む。)若しくは第三十七条の三の規定による公共下水道管理者若しくは流域下水道管理者の命令又は第三十八条第一項若しくは」に、「又は都市下水路管理者」を「若しくは都市下水路管理者」に、「二十万円」を「五十万円」に改め、同条の次に次の一条を加える。
第四十六条の二 第十二条の二第一項又は第五項(第二十五条の十においてこれらの規定を準用する場合を含む。)の規定に違反した者は、六月以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
2 過失により前項の罪を犯した者は、三月以下の禁錮又は十万円以下の罰金に処する。
第四十七条中「五万円」を「十万円」に改め、同条の次に次の一条を加える。
第四十七条の二 第十二条の三第一項又は第十二条の四(第二十五条の十においてこれらの規定を準用する場合を含む。)の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、三月以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
第四十八条中「十万円」を「二十万円」に改める。
第四十九条中「五万円」を「十万円」に改め、同条第一号中「第十一条の二」の下に「又は第十二条の三第二項若しくは第三項」を加え、「準用する」を「これらの規定を準用する」に改め、同条中第四号を第五号とし、第三号を第四号とし、同条第二号中「第十二条の二」を「第十二条の十一」に改め、同号を同条第三号とし、同条第一号の次に次の一号を加える。
二 第十二条の六第一項(第二十五条の十において準用する場合を含む。)の規定に違反した者
第五十条中「前四条」を「第四十六条から前条まで」に改め、同条の次に次の一条を加える。
第五十一条 第十二条の七又は第十二条の八第三項(第二十五条の十においてこれらの規定を準用する場合を含む。)の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、三万円以下の過料に処する。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律中、第一条の規定は公布の日から、第二条、次条及び附則第三条の規定は公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(下水道法の一部改正に伴う経過措置)
第二条 第二条の規定の施行の際現に水質汚濁防止法(昭和四十五年法律第百三十八号)第二条第二項に規定する特定施設(第二条の規定による改正後の下水道法(以下「新法」という。)第十二条の二第一項の政令で定めるものを除き、以下単に「特定施設」という。)を設置している者(設置の工事をしている者を含む。)が当該特定施設を設置している工場又は事業場から公共下水道(終末処理場を設置しているもの又は終末処理場を設置している流域下水道に接続しているものに限る。次項において同じ。)又は流域下水道(終末処理場を設置しているものに限る。)に排除する下水については、第二条の規定の施行後六月間(当該特定施設が政令で定める施設である場合にあつては、一年間)は、新法第十二条の二第一項及び第五項(新法第二十五条の十においてこれらの規定を準用する場合を含む。)並びに第三十七条の三の規定は適用せず、その者については、新法第十二条の規定にかかわらず、なお従前の例による。ただし、その者に適用されている他の法律又は地方公共団体の条例の規定で河川その他の公共の水域又は海域に排除される汚水の水質につき新法第十二条の二第一項及び第五項に規定する規制に相当するものがあるとき(当該規定の違反行為に対する処罰規定がないときを除く。)は、この限りでない。
2 第二条の規定の施行の際現に特定施設を設置している者(設置の工事をしている者を含む。)で当該特定施設に係る工場又は事業場から継続して下水を排除して公共下水道を使用するものは、同条の規定の施行の日から三十日以内に、新法第十二条の三第一項各号に掲げる事項を公共下水道管理者に届け出なければならない。
3 前項の規定による届出をした者については、新法第十二条の三第三項の規定は、適用しない。
4 第二項の規定による届出をした者は、新法第十二条の四、第十二条の五(新法第十二条の四の規定による届出に係る部分に限る。)及び第十二条の六(新法第十二条の四の規定による届出に係る部分に限る。)から第十二条の九までの規定(これらの規定に係る罰則の規定を含む。)の適用については、新法第十二条の三の規定による届出をした者とみなす。
5 前三項の規定は、流域下水道について準用する。
6 第二項(前項において準用する場合を含む。)の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、十万円以下の罰金に処する。
7 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、同項の刑を科する。
8 第二条の規定の施行前にした行為及び第一項の規定によりなお従前の例によることとされる事項に係る第二条の規定の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(地方税法の一部改正)
第三条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。
第五百八十六条第二項第二号ロ中「第一項」の下に「若しくは第十二条の十第一項」を加える。
附則第十四条第二号中「第一項」の下に「又は第十二条の十第一項」を加える。
(内閣総理・大蔵・厚生・建設・自治大臣署名)