都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律

法律第六十七号(昭四九・六・一)

 (都市計画法の一部改正)

第一条 都市計画法(昭和四十三年法律第百号)の一部を次のように改正する。

  目次中「第二節 都市計画施設等の区域内における建築の規制(第五十三条―第五十七条)」を

第一節の二 市街地開発事業等予定区域の区域内における建築等の規制(第五十二条の二―第五十二条の五)

第二節 都市計画施設等の区域内における建築等の規制(第五十三条―第五十七条の六)

 に改める。

  第四条中第十二項を第十四項とし、第九項から第十一項までを二項ずつ繰り下げ、同条第八項中「建築」の下に「又は特定工作物の建設」を加え、同項を同条第十項とし、同項の前に次の一項を加える。

 9 この法律において「特定工作物」とは、コンクリートプラントその他周辺の地域の環境の悪化をもたらすおそれがある工作物で政令で定めるもの(以下「第一種特定工作物」という。)又はゴルフコースその他大規模な工作物で政令で定めるもの(以下「第二種特定工作物」という。)をいう。

  第四条中第七項を第八項とし、第六項の次に次の一項を加える。

 7 この法律において「市街地開発事業等予定区域」とは、第十二条の二第一項各号に掲げる予定区域をいう。

  第八条第二項第二号中ホをへとし、ニをホとし、ハをニとし、ロの次に次のように加える。

   ハ 工業専用地域、建築基準法第五十三条第一項第一号に規定する建築物の建築面積の敷地面積に対する割合

  第十一条第三項中「前項」を「この法律」に改め、同条に次の二項を加える。

 4 次に掲げる都市施設については、第十二条の三第一項の規定により定められる場合を除き、第一号又は第二号に掲げる都市施設にあつては国の機関又は地方公共団体のうちから、第三号に掲げる都市施設にあつては流通業務市街地の整備に関する法律第十条に規定する者のうちから、当該都市施設に関する都市計画事業の施行予定者を都市計画に定めることができる。

  一 区域の面積が二十ヘクタール以上の一団地の住宅施設

  二 一団地の官公庁施設

  三 流通業務団地

 5 前項の規定により施行予定者が定められた都市施設に関する都市計画は、これを変更して施行予定者を定めないものとすることができない。

  第十二条第四項中「第二項」を「この法律」に改め、同条に次の二項を加える。

 5 第一項第二号、第三号又は第五号に掲げる市街地開発事業については、第十二条の三第一項の規定により定められる場合を除き、これらの事業に関する法律(新住宅市街地開発法第四十五条第一項を除く。)において施行者として定められている者のうちから、当該市街地開発事業の施行予定者を都市計画に定めることができる。

 6 前項の規定により施行予定者が定められた市街地開発事業に関する都市計画は、これを変更して施行予定者を定めないものとすることができない。

  第十二条の次に次の二条を加える。

  (市街地開発事業等予定区域)

 第十二条の二 都市計画には、当該都市計画区域における次の各号に掲げる予定区域で必要なものを定めるものとする。

  一 新住宅市街地開発事業の予定区域

  二 工業団地造成事業の予定区域

  三 新都市基盤整備事業の予定区域

  四 区域の面積が二十ヘクタール以上の一団地の住宅施設の予定区域

  五 一団地の官公庁施設の予定区域

  六 流通業務団地の予定区域

 2 市街地開発事業等予定区域については、市街地開発事業等予定区域の種類、名称、区域、施行予定者その他政令で定める事項を都市計画に定めるものとする。

 3 施行予定者は、第一項第一号から第三号まで又は第六号に掲げる予定区域にあつてはこれらの事業又は施設に関する法律(新住宅市街地開発法第四十五条第一項を除く。)において施行者として定められている者のうちから、第一項第四号又は第五号に掲げる予定区域にあつては国の機関又は地方公共団体のうちから定めるものとする。

 4 市街地開発事業等予定区域に関する都市計画が定められた場合においては、当該都市計画についての第二十条第一項の規定による告示の日から起算して三年以内に、当該市街地開発事業等予定区域に係る市街地開発事業又は都市施設に関する都市計画を定めなければならない。

 5 前項の期間内に、市街地開発事業等予定区域に係る市街地開発事業又は都市施設に関する都市計画が定められたときは当該都市計画についての第二十条第一項の規定による告示の日の翌日から起算して十日を経過した日から、その都市計画が定められなかつたときは前項の期間満了の日の翌日から、将来に向かつて、当該市街地開発事業等予定区域に関する都市計画は、その効力を失う。

  (市街地開発事業等予定区域に係る市街地開発事業又は都市施設に関する都市計画に定める事項)

 第十二条の三 市街地開発事業等予定区域に係る市街地開発事業又は都市施設に関する都市計画には、施行予定者をも定めるものとする。

 2 前項の都市計画に定める施行区域又は区域及び施行予定者は、当該市街地開発事業等予定区域に関する都市計画に定められた区域及び施行予定者でなければならない。

  第十三条第一項中第五号を第六号とし、第四号の次に次の一号を加える。

  五 市街地開発事業等予定区域は、市街地開発事業に係るものにあつては市街化区域内において、一体的に開発し、又は整備する必要がある土地の区域について、都市施設に係るものにあつては当該都市施設が第三号前段の基準に合致することとなるような土地の区域について定めること。

  第十三条第三項中「並びに市街地開発事業」を「、市街地開発事業並びに市街地開発事業等予定区域(第十二条の二第一項第四号及び第五号に掲げるものを除く。)」に改める。

  第十四条第二項中「及び市街地開発事業の施行区域」を「、市街地開発事業の施行区域及び市街地開発事業等予定区域の区域」に改める。

  第十五条第一項に次の一号を加える。

  五 市街地開発事業等予定区域に関する都市計画

  第十七条に次の一項を加える。

 4 都市計画事業の施行予定者を定める都市計画の案については、当該施行予定者の同意を得なければならない。ただし、第十二条の三第二項の規定の適用がある事項については、この限りでない。

  第二十一条第二項を次のように改める。

 2 第十七条から前条までの規定は、都市計画の変更(第十七条並びに第十八条第二項及び第三項の規定については、政令で定める軽易な変更を除く。)について準用する。この場合において、施行予定者を変更する都市計画の変更については、第十七条第四項中「当該施行予定者」とあるのは、「変更前後の施行予定者」と読み替えるものとする。

  第二十三条第六項中「都市計画」の下に「又は都市施設に係る市街地開発事業等予定区域に関する都市計画」を加える。

  第三十条第一項第二号中「(以下「予定建築物」という。)」を「又は特定工作物(以下「予定建築物等」という。)」に改める。

  第三十三条第一項中「次の各号(主として、自己の居住の用に供する住宅又は住宅以外の建築物で自己の業務の用に供するものの建築の用に供する目的で行なう開発行為にあつては、第一号、第三号、第六号、第八号及び第十一号)」を「、主として、自己の居住の用に供する住宅若しくは住宅以外の建築物で自己の業務の用に供するものの建築又は自己の業務の用に供する第一種特定工作物の建設の用に供する目的で行なうものである場合にあつては、第一号、第三号、第六号、第八号から第十号まで及び第十三号、主として、自己の業務の用に供する第二種特定工作物の建設の用に供する目的で行なうものである場合にあつては、第三号、第六号、第八号、第十号及び第十三号、主としてその他の第二種特定工作物の建設の用に供する目的で行なうものである場合にあつては、第三号、第四号、第六号から第八号まで及び第十号から第十三号まで、その他の場合にあつては、次の各号」に改め、同項第一号並びに第二号ハ及びニ中「予定建築物」を「予定建築物等」に改め、同項第五号中「予定建築物」を「開発区域内において予定される建築物」に改め、同項第十一号中「工作物」を「建築物その他の工作物」に改め、同号を同項第十三号とし、同項第八号から第十号までを二号ずつ繰り下げ、同項第七号の次に次の二号を加える。

  八 政令で定める規模以上の開発行為にあつては、開発区域及びその周辺の地域における環境を保全するため、開発行為の目的及び第二号イからニまでに掲げる事項を勘案して、開発区域における植物の生育の確保上必要な樹木の保存、表土の保全その他の必要な措置が講ぜられるように設計が定められていること。

  九 政令で定める規模以上の開発行為にあつては、開発区域及びその周辺の地域における環境を保全するため、第二号イからニまでに掲げる事項を勘案して、騒音、振動等による環境の悪化の防止上必要な緑地帯その他の緩衝帯が配置されるように設計が定められていること。

  第三十四条中「開発行為については」を「開発行為(主として第二種特定工作物の建設の用に供する目的で行なう開発行為を除く。)については」に改め、同条第二号中「建築物」の下に「又は第一種特定工作物」を、「建築」の下に「又は建設」を加え、同条第三号中「建築物」の下に「又は第一種特定工作物」を加え、「建築する」を「建築し、又は建設する」に改め、「の建築」の下に「又は建設」を加え、同条第四号中「もの」の下に「の建築」を加え、「建築物の建築」を「建築物若しくは第一種特定工作物の建築若しくは建設」に改め、同条第五号中「建築物」の下に「又は第一種特定工作物」を、「建築」の下に「又は建設」を加え、同条第六号から第八号までの規定中「建築物」の下に「又は第一種特定工作物」を加え、「建築する」を「建築し、又は建設する」に改め、「の建築」の下に「又は建設」を加え、同条第九号中「居住又は」を「居住若しくは」に、「建築する」を「建築し、又は自己の業務の用に供する第一種特定工作物を建設する」に改める。

  第三十七条の見出しを「(建築制限等)」に改め、同条中「建築し」を「建築し、又は特定工作物を建設し」に改め、同条第一号中「仮設建築物」の下に「又は特定工作物」を加え、「建築する」を「建築し、又は建設する」に改め、同条第二号中「第三十三条第一項第十一号」を「第三十三条第一項第十三号」に、「建築する」を「建築し、又は特定工作物を建設する」に改める。

  第四十二条第一項中「予定建築物以外の建築物を新築し」を「予定建築物等以外の建築物又は特定工作物を新築し、又は新設し」に、「予定建築物以外の建築物と」を「予定の建築物以外の建築物と」に改め、同項ただし書を次のように改める。

   ただし、都道府県知事が当該開発区域における利便の増進上若しくは開発区域及びその周辺の地域における環境の保全上支障がないと認めて許可したとき、又は建築物及び第一種特定工作物で建築基準法第八十八条第二項の政令で指定する工作物に該当するものにあつては、当該開発区域内の土地について用途地域等が定められているときは、この限りでない。

  第四十三条第一項中「又は第三号」を「若しくは第三号」に、「新築してはならず」を「新築し、又は第一種特定工作物を新設してはならず」に改め、同項ただし書並びに同項第一号から第三号まで及び第五号中「又は用途の変更」を「若しくは用途の変更又は第一種特定工作物の新設」に改め、同項第六号を同項第七号とし、同項第五号の次に次の一号を加える。

  六 次に掲げる要件に該当する土地において行なう建築物の新築、改築又は用途の変更

   イ 市街化区域に隣接し、又は近接し、かつ、自然的社会的諸条件から市街化区域と一体的な日常生活圏を構成していると認められる地域であつておおむね五十以上の建築物が連たんしている地域内に存する土地であること。

   ロ 市街化調整区域に関する都市計画が決定され、又は当該都市計画を変更してその区域が拡張された際すでに宅地であつた土地であつて、その旨の都道府県知事の確認を受けたものであること。

  第四十七条第一項第二号中「予定建築物」を「予定建築物等」に、「もの」を「建築物及び第一種特定工作物」に改める。

  第三章第一節の次に次の一節を加える。

     第一節の二 市街地開発事業等予定区域の区域内における建築等の規制

  (建築等の制限)

 第五十二条の二 市街地開発事業等予定区域に関する都市計画において定められた区域内において、土地の形質の変更を行ない、又は建築物の建築その他工作物の建設を行なおうとする者は、都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、次に掲げる行為については、この限りでない。

  一 通常の管理行為、軽易な行為その他の行為で政令で定めるもの

  二 非常災害のため必要な応急措置として行なう行為

  三 都市計画事業の施行として行なう行為又はこれに準ずる行為として政令で定める行為

 2 第四十二条第二項の規定は、前項の規定による許可について準用する。

 3 第一項の規定は、市街地開発事業等予定区域に係る市街地開発事業又は都市施設に関する都市計画についての第二十条第一項の規定による告示があつた後は、当該告示に係る土地の区域内においては、適用しない。

  (土地建物等の先買い等)

 第五十二条の三 市街地開発事業等予定区域に関する都市計画についての第二十条第一項(第二十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定による告示があつたときは、施行予定者は、すみやかに、建設省令で定める事項を公告するとともに、建設省令で定めるところにより、当該市街地開発事業等予定区域の区域内の土地又は土地及びこれに定着する建築物その他の工作物(以下「土地建物等」という。)の有償譲渡について、次項から第四項までの規定による制限があることを関係権利者に周知させるため必要な措置を講じなければならない。

 2 前項の規定による公告の日の翌日から起算して十日を経過した後に市街地開発事業等予定区域の区域内の土地建物等を有償で譲り渡そうとする者は、当該土地建物等、その予定対価の額(予定対価が金銭以外のものであるときは、これを時価を基準として金銭に見積もつた額。以下この条において同じ。)及び当該土地建物等を譲り渡そうとする相手方その他建設省令で定める事項を書面で施行予定者に届け出なければならない。ただし、当該土地建物等の全部又は一部が文化財保護法(昭和二十五年法律第二百十四号)第四十六条(同法第五十六条の十四において準用する場合を含む。)の規定の適用を受けるものであるときは、この限りでない。

 3 前項の規定による届出があつた後三十日以内に施行予定者が届出をした者に対し届出に係る土地建物等を買い取るべき旨の通知をしたときは、当該土地建物等について、施行予定者と届出をした者との間に届出書に記載された予定対価の額に相当する代金で、売買が成立したものとみなす。

 4 第二項の規定による届出をした者は、前項の期間(その期間内に施行予定者が届出に係る土地建物等を買い取らない旨の通知をしたときは、その時までの期間)内は、当該土地建物等を譲り渡してはならない。

 5 第三項の規定により土地建物等を買い取つた施行予定者は、当該土地に係る都市計画に適合するようにこれを管理しなければならない。

  (土地の買取請求)

 第五十二条の四 市街地開発事業等予定区域に関する都市計画において定められた区域内の土地の所有者は、施行予定者に対し、建設省令で定めるところにより、当該土地を時価で買い取るべきことを請求することができる。ただし、当該土地が他人の権利の目的となつているとき、及び当該土地に建築物その他の工作物又は立木に関する法律(明治四十二年法律第二十二号)第一条第一項に規定する立木があるときは、この限りでない。

 2 前項の規定により買い取るべき土地の価格は、施行予定者と土地の所有者とが協議して定める。第二十八条第三項の規定は、この場合について準用する。

 3 前条第五項の規定は、第一項の規定により土地を買い取つた施行予定者について準用する。

 4 第一項の規定は、市街地開発事業等予定区域に係る市街地開発事業又は都市施設に関する都市計画についての第二十条第一項の規定による告示があつた後は、当該告示に係る土地の区域内においては、適用しない。

  (損失の補償)

 第五十二条の五 市街地開発事業等予定区域に関する都市計画に定められた区域が変更された場合において、その変更により当該市街地開発事業等予定区域の区域外となつた土地の所有者又は関係人のうちに当該都市計画が定められたことにより損失を受けた者があるときは、施行予定者が、市街地開発事業等予定区域に係る市街地開発事業又は都市施設に関する都市計画が定められなかつたため第十二条の二第五項の規定により市街地開発事業等予定区域に関する都市計画がその効力を失つた場合において、当該市街地開発事業等予定区域の区域内の土地の所有者又は関係人のうちに当該都市計画が定められたことにより損失を受けた者があるときは、当該市街地開発事業等予定区域に係る市街地開発事業又は都市施設に関する都市計画の決定をすべき者が、それぞれその損失の補償をしなければならない。

 2 前項の規定による損失の補償は、損失があつたことを知つた日から一年を経過した後においては、請求することができない。

 3 第二十八条第二項及び第三項の規定は、第一項の場合について準用する。

  第五十七条第一項中「市街地開発事業に係る」を「市街地開発事業に関する都市計画についての」に改め、同条第二項中「(昭和二十五年法律第二百十四号)」を削る。

  第三章第二節中第五十七条の次に次の五条を加える。

  (施行予定者が定められている都市計画施設の区域等についての特例)

 第五十七条の二 施行予定者が定められている都市計画に係る都市計画施設の区域及び市街地開発事業の施行区域(以下「施行予定者が定められている都市計画施設の区域等」という。)については、第五十三条から前条までの規定は適用せず、次条から第五十七条の六までに定めるところによる。ただし、第六十条の二第二項の規定による公告があつた場合における当該公告に係る都市計画施設の区域及び市街地開発事業の施行区域については、この限りでない。

  (建築等の制限)

 第五十七条の三 施行予定者が定められている都市計画施設の区域等内における土地の形質の変更又は建築物の建築その他工作物の建設については、第五十二条の二第一項及び第二項の規定を準用する。

 2 前項の規定は、第六十五条第一項に規定する告示があつた後は、当該告示に係る土地の区域内においては、適用しない。

  (土地建物等の先買い等)

 第五十七条の四 施行予定者が定められている都市計画施設の区域等内の土地建物等の有償譲渡については、第五十二条の三の規定を準用する。この場合において、同条第一項中「市街地開発事業等予定区域に関する」とあるのは「施行予定者が定められている都市施設又は市街地開発事業に関する」と、「当該市街地開発事業等予定区域の区域内」とあるのは「当該都市計画施設の区域又は市街地開発事業の施行区域内」と、同条第二項中「市街地開発事業等予定区域の区域内」とあるのは「施行予定者が定められている都市計画施設の区域又は市街地開発事業の施行区域内」と読み替えるものとする。

  (土地の買取請求)

 第五十七条の五 施行予定者が定められている都市計画施設の区域等内の土地の買取請求については、第五十二条の四第一項から第三項までの規定を準用する。

  (損失の補償)

 第五十七条の六 施行予定者が定められている市街地開発事業又は都市施設に関する都市計画についての第二十条第一項の規定による告示の日から起算して二年を経過する日までの間に当該都市計画に定められた区域又は施行区域が変更された場合において、その変更により当該区域又は施行区域外となつた土地の所有者又は関係人のうちに当該都市計画が定められたことにより損失を受けた者があるときは、当該施行予定者は、その損失を補償しなければならない。

 2 第五十二条の五第二項及び第三項の規定は、前項の場合について準用する。

  第五十九条に次の一項を加える。

 8 施行予定者が定められている都市計画に係る都市計画施設の整備に関する事業及び市街地開発事業は、その定められている者でなければ、施行することができない。

  第六十条の次に次の二条を加える。

  (認可又は承認の申請の義務等)

 第六十条の二 施行予定者は、当該都市施設又は市街地開発事業に関する都市計画についての第二十条第一項の規定による告示(施行予定者が定められていない都市計画がその変更により施行予定者が定められているものとなつた場合にあつては、当該都市計画についての第二十一条第二項において準用する第二十条第一項の規定による告示)の日から起算して二年以内に、当該都市計画施設の整備に関する事業又は市街地開発事業について第五十九条の認可又は承認の申請をしなければならない。

 2 前項の期間内に同項の認可又は承認の申請がされなかつた場合においては、建設大臣又は都道府県知事は、遅滞なく、建設省令で定めるところにより、その旨を公告しなければならない。

  (損失の補償)

 第六十条の三 前条第二項の規定による公告があつた場合において、当該都市計画施設の区域又は市街地開発事業の施行区域内の土地の所有者又は関係人のうちに当該都市計画が定められたことにより損失を受けた者があるときは、当該施行予定者は、その損失を補償しなければならない。

 2 第五十二条の五第二項及び第三項の規定は、前項の場合について準用する。

  第六十六条中「土地又は土地及びこれに定着する建築物その他の工作物(以下「土地建物等」という。)」を「土地建物等」に改める。

  第六十八条第一項中「(明治四十二年法律第二十二号)」を削る。

  第八十一条第一項中「若しくは承認」を「、承認若しくは確認」に改め、同項第四号中「又は承認」を「、承認又は確認」に改める。

  第九十条第一項中「二十五万円」を「三十万円」に改める。

  第九十一条中「六月」を「一年」に、「十万円」を「二十万円」に改める。

  第九十二条中「十万円」を「二十万円」に改め、同条第四号中「、第四十一条第二項、第四十二条第一項又は第四十三条第一項」を「又は第四十二条第一項」に改め、「建築し」の下に「、又は特定工作物を建設し」を加え、同条第五号を同条第六号とし、同条第四号の次に次の一号を加える。

  五 第四十一条第二項の規定に違反して、建築物を建築した者

  第九十二条に次の一号を加える。

  七 第四十三条第一項の規定に違反して、建築物を建築し、又は第一種特定工作物を建設した者

  第九十三条中「一万円」を「三万円」に改める。

  第九十五条中「十万円」を「二十万円」に改め、同条第一号及び第二号中「第五十七条第二項」を「第五十二条の三第二項(第五十七条の四において準用する場合を含む。)、第五十七条第二項」に改め、同条第三号中「第五十七条第四項」を「第五十二条の三第四項(第五十七条の四において準用する場合を含む。)、第五十七条第四項」に改める。

  第九十六条中「一万円」を「三万円」に改める。

  附則第三項の見出し中「適用除外」を「特例」に改め、附則第五項中「前三項」を「附則第二項から前項まで」に改め、同項を附則第十項とし、附則中第四項を第九項とし、第三項の次に次の五項を加える。

 4 市街化区域及び市街化調整区域に関する都市計画が定められていない都市計画区域については、当該都市計画が定められるまでの間、その区域内において政令で定める規模以上の開発行為をしようとする者は、あらかじめ、都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、農業、林業若しくは漁業の用に供する政令で定める建築物又はこれらの業務を営む者の居住の用に供する建築物の建築の用に供する目的で行なう開発行為及び第二十九条第三号から第九号までに掲げる開発行為については、この限りでない。

 5 第三十条から第三十三条まで、第三十五条から第三十九条まで、第四十条第一項及び第二項、第四十一条、第四十二条、第四十四条から第四十七条まで、第四十九条から第五十二条まで並びに第八十六条の規定は、前項の場合について準用する。この場合において、第四十一条中「市街化調整区域」とあるのは、「用途地域が定められていない土地の区域」と読み替えるものとする。

 6 附則第四項の規定に違反して、開発行為をした者、前項において準用する第三十七条若しくは第四十二条第一項の規定に違反して、建築物を建築し、若しくは特定工作物を建設した者、前項において準用する第四十一条第二項の規定に違反して、建築物を建築した者又は前項において準用する第四十二条第一項の規定に違反して、建築物の用途を変更した者は、二十万円以下の罰金に処する。

 7 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても同項の刑を科する。

 8 附則第五項において準用する第三十八条の規定に違反して、届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、三万円以下の過料に処する。


 (建築基準法の一部改正)

第二条 建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)の一部を次のように改正する。

  第二条第十二号中「若しくは第三項」を「、第二項若しくは第四項」に改める。

  第五十三条第一項第一号中「第一種住居専用地域」の下に「又は工業専用地域」を加え、同項第二号中「、工業地域又は工業専用地域」を「又は工業地域」に改める。

  第八十八条中第四項を第五項とし、第三項を第四項とし、同条第二項中「前項」を「前二項」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。

 2 製造施設、貯蔵施設、遊戯施設等の工作物で政令で指定するものについては、第三条、第六条(第二項、第六項及び第七項を除くものとし、第一項及び第三項は、第一項第一号から第三号までの建築物に係る部分とする。)、第七条から第九条の三まで、第十一条、第十二条第三項及び第四項、第十三条、第十八条、第四十八条から第五十一条まで、第八十六条の二中第四十八条第一項から第八項までに関する部分、第八十七条第二項及び第三項中第四十八条第一項から第八項まで及び第四十九条から第五十一条までに関する部分、前条、第八十九条、第九十一条並びに第九十三条の二の規定を準用する。この場合において、第六条第一項ただし書及び別表第二中「床面積の合計」とあるのは、「築造面積」と読み替えるものとする。

  第九十二条中「並びに建築物の階数」を「、建築物の階数並びに工作物の築造面積」に改める。

  第九十八条中「若しくは第三項」を「、第二項若しくは第四項」に、「六月」を「一年」に、「十万円」を「二十万円」に改める。

  第九十九条第一項中「五万円」を「十万円」に改め、同項第二号中「、第八十七条の二第一項又は第八十八条第一項」の下に「若しくは第二項」を加え、同項第三号中「若しくは第三項」を「、第二項若しくは第四項」に、「又は第十条第一項若しくは第十一条第一項」を「、第十条第一項(第八十八条第一項又は第四項において準用する場合を含む。)又は第十一条第一項」に、「又は第三項においてこれらの規定を」を「、第二項又は第四項において」に改め、同項第四号中「第八十八条第一項」の下に「若しくは第二項」を加え、同項第七号中「第五十一条」の下に「(第八十八条第二項においてこれらの規定を準用する場合を含む。)」を、「当該建築物」の下に「又は工作物」を、「建築主」の下に「又は築造主」を加え、同項中第十二号を第十三号とし、第十一号の次に次の一号を加える。

  十二 第八十八条第二項において準用する第八十七条第二項又は第三項中第四十八条第一項から第八項まで又は第五十一条に関する部分の規定に違反した場合における当該工作物の所有者、管理者又は占有者

  第百条中「一万円」を「三万円」に改め、同条第一号及び第二号中「第八十八条第一項」の下に「若しくは第二項」を加え、同条第三号中「から第三項まで」を「若しくは第二項(第八十八条第一項又は第四項においてこれらの規定を準用する場合を含む。)又は第十二条第三項」に、「又は第三項においてこれらの規定を」を「、第二項又は第四項において」に改め、同条第四号及び第五号中「又は第三項」を「、第二項又は第四項」に改める。

  第百二条中「、第四十三条第二項、第四十九条第一項若しくは第五十条」を「若しくは第四十三条第二項(第八十七条第二項においてこれらの規定を準用する場合を含む。)、第四十九条第一項(第八十七条第二項又は第八十八条第二項において準用する場合を含む。)、第五十条」に、「においてこれらの規定を」を「又は第八十八条第二項において」に、「五万円」を「十万円」に改める。


   附 則


 (施行期日)

1 この法律は、公布の日から起算して一年をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。


 (工業専用地域内の建築物の建築面積の敷地面積に対する割合に関する経過措置)

2 この法律の施行の際現に存する工業専用地域については、当該工業専用地域内の建築物の建築面積の敷地面積に対する割合は、十分の六と定められているものとみなす。


 (土地区画整理法の一部改正)

3 土地区画整理法(昭和二十九年法律第百十九号)の一部を次のように改正する。

  第九条第二項及び第二十一条第二項中「第四条第八項」を「第四条第十項」に改める。


 (租税特別措置法の一部改正)

4 租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)の一部を次のように改正する。

  第二十八条の六第二項第四号中「第二十九条」の下に「又は附則第四項」を加える。

  第三十四条の二第二項第三号イ中「第四条第九項」を「第四条第十一項」に改める。

  第六十三条第三項第四号中「第二十九条」の下に「又は附則第四項」を加える。

  第六十五条の四第一項第三号イ中「第四条第九項」を「第四条第十一項」に改める。


 (首都圏の近郊整備地帯及び都市開発区域の整備に関する法律の一部改正)

5 首都圏の近郊整備地帯及び都市開発区域の整備に関する法律(昭和三十三年法律第九十八号)の一部を次のように改正する。

  目次中「第四条」を「第三条の二」に改める。

  第二章第一節中第四条の前に次の一条を加える。

  (工業団地造成事業に係る市街地開発事業等予定区域に関する都市計画)

 第三条の二 都市計画法第十二条の二第二項の規定により工業団地造成事業に係る市街地開発事業等予定区域について都市計画に定めるべき区域は、次の各号に掲げる条件に該当する土地の区域でなければならない。

  一 次に掲げる区域内にあつて、それぞれ当該区域の整備発展の中核となるべき相当規模の区域であること。

   イ 近郊整備地帯内において工業市街地として整備することが適当な区域

   ロ 工業都市として発展させることが適当な都市開発区域

  二 前号イの区域については近郊整備地帯整備計画が、同号ロの区域については当該都市開発区域に係る都市開発区域整備計画が整備されていること。

  三 当該区域内において建築物の敷地として利用されている土地がきわめて少ないこと。

  四 都市計画法第八条第一項第一号の工業専用地域内にあること。

 2 建設大臣は、工業団地造成事業に係る市街地開発事業等予定区域に関する都市計画を定め、又は認可しようとするときは、あらかじめ、工業立地上の観点からする通商産業大臣の意見及び鉄道等の輸送施設の配置上の観点からする運輸大臣の意見をきかなければならない。

  第四条を次のように改める。

  (工業団地造成事業に関する都市計画)

 第四条 都市計画法第十二条第二項の規定により工業団地造成事業について都市計画に定めるべき施行区域は、前条第一項各号に掲げる条件に該当する土地の区域でなければならない。

 2 前条第二項の規定は、建設大臣が工業団地造成事業に関する都市計画を定め、又は認可しようとする場合について準用する。

 (新住宅市街地開発法の一部改正)

6 新住宅市街地開発法(昭和三十八年法律第百三十四号)の一部を次のように改正する。

 第二条の次に次の一条を加える。

 (新住宅市街地開発事業に係る市街地開発事業等予定区域に関する都市計画)

 第二条の二 都市計画法第十二条の二第二項の規定により新住宅市街地開発事業に係る市街地開発事業等予定区域について都市計画に定めるべき区域は、次の各号に掲げる条件に該当する土地の区域でなければならない。

  一 人口の集中に伴う住宅の需要に応ずるに足りる適当な宅地が著しく不足し、又は著しく不足するおそれがある市街地の周辺の区域で、良好な住宅市街地として一体的に開発される自然的及び社会的条件を備えていること。

  二 当該区域内において建築物の敷地として利用されている土地がきわめて少ないこと。

  三 一以上の住区(一ヘクタール当たり百人から三百人を基準として約一万人が居住することができる地区で、住宅市街地を構成する単位となるべきものをいう。第四条において同じ。)を形成することができる規模の区域であること。

  四 当該区域が都市計画法第八条第一項第一号の第一種住居専用地域、第二種住居専用地域又は住居地域及び近隣商業地域又は商業地域内にあつて、その大部分が第一種住居専用地域又は第二種住居専用地域内にあること。

  第三条各号を次のように改める。

  一 前条各号に掲げる条件に該当すること。

  二 当該区域を住宅市街地とするために整備されるべき主要な公共施設に関する都市計画が定められていること。

  第四十四条中「建設大臣は、」の下に「新住宅市街地開発事業に係る市街地開発事業等予定区域に関する都市計画又は」を加える。


 (近畿圏の近郊整備区域及び都市開発区域の整備及び開発に関する法律の一部改正)

7 近畿圏の近郊整備区域及び都市開発区域の整備及び開発に関する法律(昭和三十九年法律第百四十五号)の一部を次のように改正する。

  目次中「第六条」を「第五条の二」に改める。

  第二章第一節中第六条の前に次の一条を加える。

  (工業団地造成事業に係る市街地開発事業等予定区域に関する都市計画)

 第五条の二 都市計画法第十二条の二第二項の規定により工業団地造成事業に係る市街地開発事業等予定区域について都市計画に定めるべき区域は、次の各号に掲げる条件に該当する土地の区域でなければならない。

  一 工業市街地を整備することが適当な近郊整備区域内又は工業都市として開発することが適当な都市開発区域内にあつて、当該近郊整備区域又は都市開発区域の整備開発の中核となるべき相当規模の区域であること。

  二 良好な工業団地として必要な立地条件を備えていること。

  三 当該区域内において建築物の敷地として利用されている土地がきわめて少ないこと。

  四 都市計画法第八条第一項第一号の工業専用地域内にあること。

 2 建設大臣は、工業団地造成事業に係る市街地開発事業等予定区域に関する都市計画を定め、又は認可しようとする場合においては、あらかじめ、工業立地上の観点からする通商産業大臣の意見及び鉄道等の輸送施設の配置上の観点からする運輸大臣の意見をきかなければならない。

  第六条第一項各号を次のように改める。

  一 前条第一項各号に掲げる条件に該当すること。

  二 当該区域を工業団地とするために整備されるべき主要な公共施設に関する都市計画が定められていること。

  第六条第二項を次のように改める。

 2 前条第二項の規定は、建設大臣が工業団地造成事業に関する都市計画を定め、又は認可しようとする場合について準用する。


 (流通業務市街地の整備に関する法律の一部改正)

8 流通業務市街地の整備に関する法律(昭和四十一年法律第百十号)の一部を次のように改正する。

  第六条の次に次の一条を加える。

  (流通業務団地に係る市街地開発事業等予定区域に関する都市計画)

 第六条の二 都市計画法第十二条の二第二項の規定により流通業務団地に係る市街地開発事業等予定区域に関する都市計画において定めるべき区域は、流通業務地区内の次の各号に規定する条件に該当する土地の区域でなければならない。

  一 流通業務地区外の幹線道路、鉄道等の交通施設の利用が容易であること。

  二 良好な流通業務団地として一体的に整備される自然的条件を備えていること。

  三 当該区域内の土地の大部分が建築物の敷地として利用されていないこと。

  第七条第一項第一号を次のように改める。

  一 前条各号に規定する条件に該当すること。

  第七条第一項第三号及び第四号を削る。

  第四十六条第一項中「流通業務地区」の下に「、流通業務団地に係る市街地開発事業等予定区域」を加える。


 (下水道整備緊急措置法の一部改正)

9 下水道整備緊急措置法(昭和四十二年法律第四十一号)の一部を次のように改正する。

  第二条第二項中「第四条第十一項」を「第四条第十三項」に改める。


 (公有地の拡大の推進に関する法律の一部改正)

10 公有地の拡大の推進に関する法律(昭和四十七年法律第六十六号)の一部を次のように改正する。

  第四条第二項第五号中「都市計画法」を「都市計画法第五十二条の三第一項(第五十七条の四において準用する場合を含む。)の公告の日の翌日から起算して十日を経過した後における当該公告に係る市街地開発事業等予定区域若しくは同法第七十五条の二に規定する施行予定者が定められている都市計画施設の区域等内の土地の区域に含まれるものであるとき、同法」に改める。


 (新都市基盤整備法の一部改正)

11 新都市基盤整備法(昭和四十七年法律第八十六号)の一部を次のように改正する。

  第二条の次に次の一条を加える。

  (新都市基盤整備事業に係る市街地開発事業等予定区域に関する都市計画)

 第二条の二 都市計画法第十二条の二第二項の規定により新都市基盤整備事業に係る市街地開発事業等予定区域について都市計画に定めるべき区域は、次に掲げる条件に該当する土地の区域でなければならない。

  一 人口の集中に伴う住宅の需要に応ずるに足りる適当な宅地が著しく不足し、又は著しく不足するおそれがある大都市の周辺の区域で、次に掲げる要件を備えているものであること。

   イ 良好な住宅市街地が相当部分を占める新都市として一体的に開発される自然的及び社会的条件を備えていること。

   ロ 人口の集中した市街地から相当の距離を有する等の理由により、当該区域を新都市として開発するうえで、公共の用に供する施設及び当該区域の開発の中核となる地区を先行して整備することが効果的であると認められること。

  二 当該区域内において建築物の敷地として利用されている土地がきわめて少ないこと。

  三 一ヘクタール当たり百人から三百人を基準として五万人以上が居住できる規模の区域であること。

  四 当該区域の相当部分が都市計画法第八条第一項第一号の第一種住居専用地域又は第二種住居専用地域内にあること。

  第三条各号を次のように改める。

  一 前条各号に掲げる条件に該当すること。

  二 当該区域を住宅市街地が相当部分を占める新都市とするために整備されるべき主要な根幹公共施設に関する都市計画が定められていること。

  第六十三条第一項中「建設大臣は、」の下に「新都市基盤整備事業に係る市街地開発事業等予定区域に関する都市計画又は」を加える。

(内閣総理・各省大臣署名) 

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