宅地建物取引業法の一部を改正する法律
法律第百十号(昭四六・六・一六)
宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)の一部を次のように改正する。
目次中
「 |
第二章 免許(第三条―第十二条) |
」 |
第二章の二 営業保証金(第十二条の二―第十二条の七) |
||
第三章 業務(第十三条―第十九条) |
||
第三章の二 監督(第二十条―第二十二条) |
||
第四章 雑則(第二十二条の二―第二十三条) |
||
第五章 罰則(第二十四条―第二十九条) |
を
「 |
第二章 免許(第三条―第十四条) |
」 |
第三章 宅地建物取引主任者(第十五条―第二十四条) |
||
第四章 営業保証金(第二十五条―第三十条) |
||
第五章 業務 |
||
第一節 通則(第三十一条―第五十条) |
||
第二節 指定保証機関(第五十一条―第六十四条) |
||
第六章 監督(第六十五条―第七十二条) |
||
第七章 雑則(第七十三条―第七十八条) |
||
第八章 罰則(第七十九条―第八十五条) |
に改める。
第一条を次のように改める。
(目的)
第一条 この法律は、宅地建物取引業を営む者について免許制度を実施し、その事業に対し必要な規制を行なうことにより、その業務の適正な運営と宅地及び建物の取引の公正とを確保し、もつて購入者等の利益の保護と宅地及び建物の流通の円滑化とを図ることを目的とする。
第二条第四号を削る。
第三条第一項中「に事務所」の下に「(本店、支店その他の政令で定めるものをいう。以下同じ。)」を加える。
第二十九条中「第二十二条の四」を「第七十五条」に改め、同条を第八十五条とする。
第二十八条中「前四条」を「前五条」に改め、同条を第八十四条とする。
第二十七条第一項第一号中「第八条又は第二十二条の五第三項」を「第九条、第五十条第二項、第五十三条、第六十三条第二項又は第七十七条第三項」に改め、同項第二号中「第十条第一項、第十四条の四、第十七条第四項又は第十九条」を「第三十七条、第四十六条第四項又は第五十条第一項」に改め、同項第三号中「第十六条」を「第四十五条」に改め、同項第四号中「第十八条の三」を「第四十九条」に改め、同項第五号中「第二十二条」を「第六十三条第一項若しくは第三項、第六十四条第一項又は第七十二条」に改め、「による報告」の下に「若しくは事業計画書若しくは資料の提出」を、「報告をし」の下に「、若しくは虚偽の記載をした事業計画書若しくは虚偽の資料を提出し」を加え、同項第六号中「第二十二条第一項」を「第六十四条第一項又は第七十二条第一項」に改め、同条を第八十三条とする。
第二十六条を削る。
第二十五条中「第十八条」を「第四十七条」に改め、同条を第八十条とし、同条の次に次の二条を加える。
第八十一条 第二十五条第五項(第二十六条第二項において準用する場合を含む。)、第三十二条及び第四十四条の規定に違反した者並びに第四十七条の規定に違反して同条第三号に掲げる行為をした者は、六月以下の懲役若しくは五万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第八十二条 次の各号の一に該当する者は、五万円以下の罰金に処する。
一 第四条第一項の免許申請書又は同条第二項の書類に虚偽の記載をして提出した者
二 第十二条第二項、第十五条第三項又は第四十六条第二項の規定に違反した者 三 不正の手段によつて第四十一条第一項第一号の指定を受けた者
四 第五十六条の規定に違反して前金保証事業以外の事業を営んだ者
五 第六十条の規定に違反して保証委託契約を締結した者
六 第六十一条の規定による命令に違反した者
第二十四条第三号中「第二十条第二項又は第三項」を「第六十五条第二項又は第四項」に改め、同号を同条第四号とし、同条第二号の次に次の一号を加え、同条を第七十九条とする。
三 第十三条の規定に違反して他人に宅地建物取引業を営ませた者
「第五章 罰則」を「第八章 罰則」に改める。
第二十三条に次の一項を加え、第四章中同条を第七十八条とする。
2 第三十八条から第四十三条までの規定は、宅地建物取引業者相互間の取引については、適用しない。
第二十二条の五第一項中「第六条まで及び第十二条並びに第二十条中免許の取消しに係る部分」を「第七条まで、第十二条、第六十六条及び第六十七条」に改め、同条を第七十七条とする。
第二十二条の四を第七十五条とし、同条の次に次の一条を加える。
(免許の取消し等に伴う取引の結了)
第七十六条 第三条第二項若しくは第十一条第二項の規定により免許が効力を失つたとき、又は宅地建物取引業者が第十一条第一項第一号若しくは第二号に該当したとき、若しくは第六十六条若しくは第六十七条の規定により免許を取り消されたときは、当該宅地建物取引業者であつた者又はその一般承継人は、当該宅地建物取引業者が締結した契約に基づく取引を結了する目的の範囲内においては、なお宅地建物取引業者とみなす。
第二十二条の三第一項中「(明治二十九年法律第八十九号)」を削り、同条を第七十四条とする。
第二十二条の二を第七十三条とする。
「第四章 雑則」を「第七章 雑則」に改める。
第三章の二中第二十二条を第七十二条とし、第二十一条を第七十一条とする。
「第三章の二 監督」を削る。
第二十条及び第二十条の二を削る。
第十九条の次に次の一節、章名及び六条を加える。
第二節 指定保証機関
(指定)
第五十一条 第四十一条第一項第一号の指定(以下この節において「指定」という。)は、宅地の造成又は建築に関する工事の完了前において行なう当該工事に係る宅地又は建物の売買に関し宅地建物取引業者が買主から受領する前金の返還債務を保証する事業(以下「前金保証事業」という。)を営もうとする者の申請により行なう。
2 指定を受けようとする者は、建設省令の定めるところにより、次の各号に掲げる事項を記載した申請書を建設大臣に提出しなければならない。
一 商号
二 役員の氏名及び住所
三 本店、支店その他政令で定める営業所の名称及び所在地
四 資本の額
3 前項の申請書には、次の各号に掲げる書類を添附しなければならない。
一 定款及び事業方法書
二 収支の見積りその他建設省令で定める事項を記載した事業計画書
三 前金保証事業に係る保証委託契約約款
四 その他建設省令で定める書類
4 前項第一号の事業方法書には、保証の目的の範囲、支店及び政令で定めるその他の営業所の権限に関する事項、保証限度、各保証委託者からの保証の受託の限度、保証委託契約の締結の方法に関する事項、保証の受託の拒否の基準に関する事項その他建設省令で定める事項を記載しなければならない。
(指定の基準)
第五十二条 建設大臣は、指定を申請した者が次の各号の一に該当すると認めるときは、その指定をしてはならない。
一 資本の額が五千万円以上の株式会社でないこと。
二 前号に規定するほか、その行なおうとする前金保証事業を健全に遂行するに足りる財産的基礎を有しないこと。
三 定款の規定又は事業方法書若しくは事業計画書の内容が法令に違反し、又は事業の適正な運営を確保するのに十分でないこと。
四 前金保証事業に係る保証委託契約約款の内容が建設省令で定める基準に適合しないこと。
五 第六十二条第二項の規定により指定を取り消され、その取消しの日から三年を経過しないこと。
六 この法律の規定に違反して罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から三年を経過しないこと。
七 役員のうちに次のいずれかに該当する者のあること。
イ 禁治産者若しくは準禁治産者又は破産者で復権を得ないもの
ロ 禁錮以上の刑に処せられ、又はこの法律の規定に違反して罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は刑の執行を受けることがなくなつた日から三年を経過しない者
ハ 指定を受けた者(以下この節において「指定保証機関」という。)が第六十二条第二項の規定により指定を取り消された場合において、当該取消しの日前三十日以内にその指定保証機関の役員であつた者で当該取消しの日から三年を経過しないもの
(変更の届出)
第五十三条 指定保証機関は、第五十一条第二項各号に掲げる事項又は同条第三項第一号若しくは第三号に掲げる書類に記載した事項について変更があつた場合においては、建設省令の定めるところにより、二週間以内に、その旨を建設大臣に届け出なければならない。
(事業の不開始又は休止に基づく指定の取消し)
第五十四条 建設大臣は、第六十二条第二項の規定により指定を取り消す場合のほか、指定保証機関が指定を受けた日から三月以内に前金保証事業を開始しないとき、又は引き続き三月以上その前金保証事業を休止したときは、当該指定保証機関について公開による聴聞を行なつた後、その指定を取り消すことができる。
2 第六十九条第二項から第四項までの規定は、前項の聴聞について準用する。
(廃業等の届出)
第五十五条 指定保証機関が次の各号の一に該当することとなつた場合においては、当該各号に定める者は、二週間以内に、その旨を建設大臣に届け出なければならない。
一 合併により消滅した場合 消滅した会社を代表する役員であつた者
二 破産により解散した場合 その破産管財人
三 合併又は破産以外の理由により解散した場合 その清算人
四 前金保証事業を廃止した場合 その会社を代表する役員
2 前項第二号から第四号までの規定により届出があつたときは、指定は、その効力を失う。
(兼業の制限)
第五十六条 指定保証機関は、前金保証事業以外の事業を営んではならない。ただし、買主の保護のため支障を生ずることがないと認められるものについて、建設大臣の承認を受けたときは、この限りでない。
(責任準備金の計上)
第五十七条 指定保証機関は、事業年度末においてまだ経過していない保証契約があるときは、次の各号に掲げる金額のうちいずれか多い金額を、事業年度ごとに責任準備金として計上しなければならない。
一 当該保証契約の保証期間のうちまだ経過していない期間に対応する保証料の総額に相当する金額
二 当該事業年度において受け取つた保証料の総額から当該保証料に係る保証契約に基づいて支払つた保証金(当該保証金の支払に基づく保証委託者からの収入金を除く。)、当該保証料に係る保証契約のために積み立てるべき支払備金及び当該事業年度の事業費の合計額を控除した残額に相当する金額
2 指定保証機関が前項の規定により責任準備金を計上した場合においては、その計上した金額は、法人税法(昭和四十年法律第三十四号)の規定によるその計上した事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
3 前項の規定により損金の額に算入された責任準備金の金額は、法人税法の規定によるその翌事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入する。
(支払備金の積立て)
第五十八条 指定保証機関は、決算期ごとに、次の各号の一に掲げる金額がある場合においては、支払備金として当該各号に掲げる金額を積み立てなければならない。
一 保証契約に基づいて支払うべき保証金その他の金額のうちに決算期までにその支払が終わらないものがある場合においては、その金額
二 保証契約に基づいて支払う義務が生じたと認められる保証金その他の金額がある場合においては、その支払うべきものと認められる金額
三 現に保証金その他の金額について訴訟が係属しているために支払つていないものがある場合においては、その金額
(保証基金)
第五十九条 指定保証機関は、定款の定めるところにより、保証基金を設けなければならない。
2 指定保証機関は、責任準備金をもつて保証債務を支払うことができない場合においては、当該保証債務の弁済に充てる場合に限り、保証基金を使用することができる。
(契約締結の禁止)
第六十条 指定保証機関は、その者が宅地建物取引業者との間において締結する保証委託契約に係る保証債務の額の合計額が、政令で定める額をこえることとなるときは、保証委託契約を締結してはならない。
(改善命令)
第六十一条 建設大臣は、指定保証機関が第五十二条第一項第二号から第四号までの規定に該当することとなつた場合において、買主を保護するため必要かつ適当であると認めるときは、その必要の限度において、当該指定保証機関に対し、財産の状況又はその事業の運営を改善するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
(指定の取消し等)
第六十二条 建設大臣は、指定保証機関が次の各号の一に該当する場合又はこの法律の規定に違反した場合においては、当該指定保証機関について公開による聴聞を行なつた後、当該指定保証機関に対して、必要な指示をすることができる。
一 前金保証事業に関しその関係者に損害を与えたとき、又は損害を与えるおそれが大であるとき。
二 前金保証事業に関し不誠実な行為をしたとき。
三 前金保証事業に関し他の法令に違反し、指定保証機関として不適当であると認められるとき。
2 建設大臣は、指定保証機関が次の各号の一に該当する場合においては、当該指定保証機関について公開による聴聞を行なつた後、その指定を取り消し、又は六月以内の期間を定めて前金保証事業の全部又は一部の停止を命ずることができる。
一 不正の手段により指定を受けたとき。
二 第五十二条第一号、第六号又は第七号に該当することとなつたとき。
三 第五十三条の規定による届出を怠つたとき。
四 第五十五条第一項の規定による届出がなくて同項第二号から第四号までの一に該当する事実が判明したとき。
五 第五十六条の規定に違反して前金保証事業以外の事業を営んだとき。
六 第六十条の規定に違反して保証委託契約を締結したとき。
七 前条の規定による改善命令に違反したとき。
八 前項の規定による指示に従わなかつたとき。
九 この法律の規定に基づく建設大臣の処分に違反したとき。
3 第六十九条第二項から第四項までの規定は、前二項の聴聞について準用する。
(事業報告書等の提出)
第六十三条 指定保証機関は、毎事業年度開始前に、収支の見積りその他建設省令で定める事項を記載した事業計画書を作成し、建設大臣に提出しなければならない。
2 指定保証機関は、事業計画書に記載した事項を変更したときは、遅滞なく、その旨を建設大臣に届け出なければならない。
3 指定保証機関は、事業年度ごとに、建設省令で定める様式による事業報告書を作成し、毎事業年度経過後三月以内に、建設大臣に提出しなければならない。
(報告及び検査)
第六十四条 建設大臣は、前金保証事業の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、指定保証機関に対しその業務に関して報告若しくは資料の提出を命じ、又はその職員をしてその業務を行なう場所に立ち入り、業務若しくは財産の状況若しくは帳簿、書類その他業務に関係のある物件を検査させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
第六章 監督
(指定及び業務の停止)
第六十五条 建設大臣又は都道府県知事は、その免許を受けた宅地建物取引業者が次の各号の一に該当する場合又はこの法律の規定に違反した場合においては、当該宅地建物取引業者に対して、必要な指示をすることができる。
一 業務に関し取引の関係者に損害を与えたとき、又は損害を与えるおそれが大であるとき。
二 業務に関し取引の公正を害する行為をしたとき、又は取引の公正を害するおそれが大であるとき。
三 業務に関し他の法令に違反し、宅地建物取引業者として不適当であると認められるとき。
四 取引主任者が、第六十八条の規定による処分を受けた場合において、宅地建物取引業者の責めに帰すべき理由があるとき。
2 建設大臣又は都道府県知事は、その免許を受けた宅地建物取引業者が次の各号の一に該当する場合においては、当該宅地建物取引業者に対し、一年以内の期間を定めて、その業務の全部又は一部の停止を命ずることができる。
一 前項第三号又は第四号に該当するとき。
二 第十三条、第十五条第三項、第二十五条第五項(第二十六条第二項において準用する場合を含む。)、第二十八条第一項、第三十二条、第三十四条、第三十五条第一項若しくは第二項、第三十六条、第三十七条第一項若しくは第二項、第四十一条第一項、第四十三条から第四十五条まで、第四十六条第二項又は第四十七条の規定に違反したとき。
三 前項又は次項の規定による指示に従わないとき。
四 この法律の規定に基づく建設大臣又は都道府県知事の処分に違反したとき。
五 前三号に規定する場合のほか、宅地建物取引業に関し不正又は著しく不当な行為をしたとき。
六 営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者である場合において、その法定代理人が業務の停止をしようとするとき以前三年以内に宅地建物取引業に関し不正又は著しく不当な行為をしたとき。
七 法人である場合において、その役員又は政令で定める使用人のうちに業務の停止をしようとするとき以前三年以内に宅地建物取引業に関し不正又は著しく不当な行為をした者があるに至つたとき。
八 個人である場合において、政令で定める使用人のうちに業務の停止をしようとするとき以前三年以内に宅地建物取引業に関し不正又は著しく不当な行為をした者があるに至つたとき。
3 都道府県知事は、建設大臣又は他の都道府県知事の免許を受けた宅地建物取引業者で当該都道府県の区域内において業務を行なうものが、当該都道府県の区域内における業務に関し、第一項各号の一に該当する場合又はこの法律の規定に違反した場合においては、当該宅地建物取引業者に対して、必要な指示をすることができる。
4 都道府県知事は、建設大臣又は他の都道府県知事の免許を受けた宅地建物取引業者で当該都道府県の区域内において業務を行なうものが、当該都道府県の区域内における業務に関し、次の各号の一に該当する場合においては、当該宅地建物取引業者に対し、一年以内の期間を定めて、その業務の全部又は一部の停止を命ずることができる。
一 第一項第三号又は第四号に該当するとき。
二 第十三条、第三十二条、第三十四条、第三十五条第一項若しくは第二項、第三十六条、第三十七条第一項若しくは第二項、第四十一条第一項、第四十三条から第四十五条まで、第四十六条第二項又は第四十七条の規定に違反したとき。
三 第一項又は前項の規定による指示に従わないとき。
四 この法律の規定に基づく建設大臣又は都道府県知事の処分に違反したとき。
五 前三号に規定する場合のほか、不正又は著しく不当な行為をしたとき。
(免許の取消し)
第六十六条 建設大臣又は都道府県知事は、その免許を受けた宅地建物取引業者が次の各号の一に該当する場合においては、当該免許を取り消さなければならない。
一 第五条第一項第一号又は第三号に該当するに至つたとき。
二 営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者である場合において、その法定代理人が第五条第一項第一号から第三号までの一に該当するに至つたとき。
三 法人である場合において、その役員又は政令で定める使用人のうちに第五条第一項第一号から第三号までの一に該当する者があるに至つたとき。
四 個人である場合において、政令で定める使用人のうちに第五条第一項第一号から第三号までの一に該当する者があるに至つたとき。
五 第七条各号の一に該当する場合において第三条第一項の免許を受けていないことが判明したとき。
六 免許を受けてから一年以内に事業を開始せず、又は引き続いて一年以上事業を休止したとき。
七 第十一条第一項の規定による届出がなくて同項第三号から第五号までの一に該当する事実が判明したとき。
八 不正の手段により第三条第一項の免許を受けたとき。
九 前条第二項各号の一に該当し情状が特に重いとき、又は同条第二項若しくは第四項の規定による業務の停止の処分に違反したとき。
第六十七条 建設大臣又は都道府県知事は、その免許を受けた宅地建物取引業者の事務所の所在地を確知できないとき、又はその免許を受けた宅地建物取引業者の所在(法人である場合においては、その役員の所在をいう。)を確知できないときは、官報又は当該都道府県の公報でその事実を公告し、その公告の日から三十日を経過しても当該宅地建物取引業者から申出がないときは、当該宅地建物取引業者の免許を取り消すことができる。
(取引主任者等に対する懲戒処分)
第六十八条 第十八条第一項の登録を受けた者で宅地建物取引業者の業務に従事していないもの(次条において「取引主任者資格者」という。)が、宅地建物取引業者に自己を取引主任者である旨の表示をさせた場合若しくは他人に自己の名義の使用を許し、当該他人がその名義を使用して取引主任者である旨の表示をした場合、取引主任者が、その者が従事している宅地建物取引業者以外の宅地建物取引業者に自己を取引主任者である旨の表示をさせた場合若しくは他人に自己の名義の使用を許し、当該他人がその名義を使用して取引主任者である旨の表示をした場合又は取引主任者が宅地建物取引業者の業務で取引主任者が行なうものに関し不正若しくは著しく不当な行為をした場合においては、当該登録をした都道府県知事は、一年以内の期間を定めて、取引主任者としてすべき事務を行なうことを禁止し、又はその登録を消除することができる。
(聴聞)
第六十九条 建設大臣又は都道府県知事は、第六十五条、第六十六条又は前条の規定による処分をしようとする場合においては、あらかじめ、当該宅地建物取引業者(法人である場合においては、その役員。以下この条において同じ。)、取引主任者若しくは取引主任者資格者又はこれらの代理人の出頭を求めて、釈明及び証拠の提出の機会を与えるため、公開による聴聞を行なわなければならない。
2 前項の場合においては、建設大臣又は都道府県知事は、処分をしようとする理由並びに聴聞の期日及び場所を、期日の一週間前までに、当該宅地建物取引業者、取引主任者又は取引主任者資格者に通知し、かつ、聴聞の期日及び場所を公示しなければならない。
3 建設大臣又は都道府県知事は、前項の規定による通知及び公示をした場合において、当該宅地建物取引業者、取引主任者若しくは取引主任者資格者又はこれらの代理人が正当な理由がなくて聴聞の期日に出頭しないときは、第一項の規定にかかわらず、聴聞を行なわないで第六十五条、第六十六条又は前条の規定による処分をすることができる。
4 建設大臣又は都道府県知事は、第一項の場合において、当該宅地建物取引業者、取引主任者又は取引主任者資格者の所在が不明であるため第二項の規定による通知をすることができず、かつ、同項の規定による公示をした日から起算して三十日を経過してもその者の所在が判明しないときは、第一項の規定にかかわらず、聴聞を行なわないで第六十五条、第六十六条又は前条の規定による処分をすることができる。
(監督処分の公告等)
第七十条 建設大臣又は都道府県知事は、第六十五条第二項若しくは第四項又は第六十六条の規定による処分をしたときは、建設省令の定めるところにより、その旨を公告しなければならない。
2 都道府県知事は、第六十五条第三項又は第四項の規定による処分をしたときは、遅滞なく、その旨を、当該宅地建物取引業者が建設大臣の免許を受けたものであるときは建設大臣に報告し、当該宅地建物取引業者が他の都道府県知事の免許を受けたものであるときは当該他の都道府県知事に通知しなければならない。
第十九条の見出し中「掲示」を「掲示等」に改め、同条に次の一項を加え、同条を第五十条とする。
2 宅地建物取引業者は、前項に規定する場所について、建設省令の定めるところにより、あらかじめ、所在地、業務内容及び業務を行なう期間を免許を受けた建設大臣又は都道府県知事及びその所在地を管轄する都道府県知事に届け出なければならない。
第十八条の三を第四十九条とする。
第十八条の二に次の二項を加え、同条を第四十八条とする。
2 宅地建物取引業者は、建設省令の定めるところにより、取引主任者に、その取引主任者であることを証する証明書を携帯させなければ、その者をその業務に従事させてはならない。
3 第一項の証明書を携帯する従業者又は取引主任者は、取引の関係者の請求があつたときは、同項又は前項の証明書を提示しなければならない。
第十八条中「又は依頼者」を「若しくは代理を依頼した者又は宅地建物取引業者が行なう媒介に係る売買、交換若しくは貸借の各当事者」に改め、同条を第四十七条とする。
第十七条を第四十六条とし、第十六条を第四十五条とし、第十五条を第四十四条とする。
第十四条の四の次に次の六条を加える。
(損害賠償額の予定等の制限)
第三十八条 宅地建物取引業者がみずから売主となる宅地又は建物の売買契約において、当事者の債務の不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定めるときは、これらを合算した額が代金の額の十分の二をこえることとなる定めをしてはならない。
2 前項の規定に反する特約は、代金の額の十分の二をこえる部分について、無効とする。
(手附の額の制限等)
第三十九条 宅地建物取引業者は、みずから売主となる宅地又は建物の売買契約の締結に際して、代金の額の十分の二をこえる額の手附を受領することができない。
2 宅地建物取引業者が、みずから売主となる宅地又は建物の売買契約の締結に際して手附を受領したときは、その手附がいかなる性質のものであつても、当事者の一方が契約の履行に着手するまでは、買主はその手附を放棄して、当該宅地建物取引業者はその倍額を償還して、契約の解除をすることができる。
3 前項の規定に反する特約で、買主に不利なものは、無効とする。
(瑕疵担保責任についての特約の制限)
第四十条 宅地建物取引業者は、みずから売主となる宅地又は建物の売買契約において、その目的物の瑕疵を担保すべき責任に関し、民法(明治二十九年法律第八十九号)第五百七十条において準用する同法第五百六十六条第三項に規定する期間についてその目的物の引渡しの日から二年以上となる特約をする場合を除き、同条に規定するものより買主に不利となる特約をしてはならない。
2 前項の規定に反する特約は、無効とする。
(前金の保全)
第四十一条 宅地建物取引業者は、宅地の造成又は建築に関する工事の完了前において行なう当該工事に係る宅地又は建物の売買でみずから売主となるものに関しては、次の各号の一に掲げる措置を講じた後でなければ、買主から前金(代金の全部又は一部として授受される金銭及び手附その他の名義をもつて授受される金銭で代金に充当されるものであつて、契約の締結の日以後当該宅地又は建物の引渡し前に支払われるものをいう。以下同じ。)を受領してはならない。ただし、当該宅地若しくは建物について買主への所有権移転の登記がされたとき、買主が所有権の登記をしたとき、又は当該宅地建物取引業者が受領しようとする前金の額(すでに受領した前金があるときは、その額を加えた額)が代金の額の百分の五以下であるときは、この限りでない。
一 銀行、信託会社その他政令で定める金融機関又は建設大臣が指定する者(以下この条において「銀行等」という。)との間において、宅地建物取引業者が受領した前金の返還債務を負うこととなつた場合において当該銀行等がその債務を連帯して保証することを委託する契約(以下「保証委託契約」という。)を締結し、かつ、当該保証委託契約に基づいて当該銀行等が前金の返還債務を連帯して保証することを約する書面を買主に交付すること。
二 保険事業者(保険業法(昭和十四年法律第四十一号)第一条第一項又は外国保険事業者に関する法律(昭和二十四年法律第百八十四号)第三条第一項の免許を受けて保険事業を営む者をいう。以下この号において同じ。)との間において、宅地建物取引業者が受領した前金の返還債務の不履行により買主に生じた損害のうち少なくとも当該返還債務の不履行に係る前金の額に相当する部分を当該保険事業者がうめることを約する保証保険契約を締結し、かつ、保険証券又はこれに代わるべき書面を買主に交付すること。
2 前項第一号の規定による保証委託契約は、銀行等が次の各号に掲げる要件に適合する保証契約を買主との間において成立させることを内容とするものでなければならない。
一 保証債務が、少なくとも宅地建物取引業者が受領した前金の返還債務の全部を保証するものであること。
二 保証すべき前金の返還債務が、少なくとも宅地建物取引業者が受領した前金に係る宅地又は建物の引渡しまでに生じたものであること。
3 第一項第二号の規定による保証保険契約は、次の各号に掲げる要件に適合するものでなければならない。
一 保険金額が、宅地建物取引業者が受領しようとする前金の額(すでに受領した前金があるときは、その額を加えた額)に相当する金額であること。
二 保険期間が、少なくとも保証保険契約が成立した時から宅地建物取引業者が受領した前金に係る宅地又は建物の引渡しまでの期間であること。
4 宅地建物取引業者が、第一項に規定する宅地又は建物の売買を行なう場合(同項ただし書に該当する場合を除く。)において、同項第一号又は第二号に掲げる措置を講じないときは、買主は、前金を支払わないことができる。
(宅地又は建物の割賦販売の契約の解除等の制限)
第四十二条 宅地建物取引業者は、みずから売主となる宅地又は建物の割賦販売の契約について賦払金の支払の義務が履行されない場合においては、三十日以上の相当の期間を定めてその支払を書面で催告し、その期間内にその義務が履行されないときでなければ、賦払金の支払の遅滞を理由として、契約を解除し、又は支払時期の到来していない賦払金の支払を請求することができない。
2 前項の規定に反する特約は、無効とする。
(所有権留保等の禁止)
第四十三条 宅地建物取引業者は、みずから売主として宅地又は建物の割賦販売を行なつた場合には、当該割賦販売に係る宅地又は建物を買主に引き渡すまで(当該宅地又は建物を引き渡すまでに代金の額の十分の三をこえる額の金銭の支払を受けていない場合にあつては、代金の額の十分の三をこえる額の金銭の支払を受けるまで)に、登記その他引渡し以外の売主の義務を履行しなければならない。ただし、買主が、当該宅地又は建物につき所有権の登記をした後の代金債務について、これを担保するための抵当権若しくは不動産売買の先取特権の登記を申請し、又はこれを保証する保証人を立てる見込みがないときは、この限りでない。
2 宅地建物取引業者は、みずから売主として宅地又は建物の割賦販売を行なつた場合において、当該割賦販売に係る宅地又は建物を買主に引き渡し、かつ、代金の額の十分の三をこえる額の金銭の支払を受けた後は、担保の目的で当該宅地又は建物を譲り受けてはならない。
3 宅地建物取引業者は、みずから売主として宅地又は建物の売買を行なつた場合において、代金の全部又は一部に充てるための買主の金銭の借入れで、当該宅地又は建物の引渡し後一年以上の期間にわたり、かつ、二回以上に分割して返還することを条件とするものに係る債務を保証したときは、当該宅地又は建物を買主に引き渡すまで(当該宅地又は建物を引き渡すまでに受領した代金の額から当該保証に係る債務で当該宅地又は建物を引き渡すまでに弁済されていないものの額を控除した額が代金の額の十分の三をこえていない場合にあつては、受領した代金の額から当該保証に係る債務で弁済されていないものの額を控除した額が代金の額の十分の三をこえるまで)に、登記その他引渡し以外の売主の義務を履行しなければならない。ただし、宅地建物取引業者が当該保証債務を履行した場合に取得する求償権及び当該宅地又は建物につき買主が所有権の登記をした後の代金債権について、買主が、これを担保するための抵当権若しくは不動産売買の先取特権の登記を申請し、又はこれを保証する保証人を立てる見込みがないときは、この限りでない。
4 宅地建物取引業者は、みずから売主として宅地又は建物の売買を行なつた場合において、当該宅地又は建物の代金の全部又は一部に充てるための買主の金銭の借入れで、当該宅地又は建物の引渡し後一年以上の期間にわたり、かつ、二回以上に分割して返還することを条件とするものに係る債務を保証したときは、当該売買に係る宅地又は建物を買主に引き渡し、かつ、受領した代金の額から当該保証に係る債務で弁済されていないものの額を控除した額が代金の額の十分の三をこえる額の金銭の支払を受けた後は、担保の目的で当該宅地又は建物を譲り受けてはならない。
第十四条の四第一項各号列記以外の部分を次のように改める。
宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買又は交換に関し、みずから当事者として契約を締結したときはその相手方に、当事者を代理して契約を締結したときはその相手方及び代理を依頼した者に、その媒介により契約が成立したときは当該契約の各当事者に、遅滞なく、次の各号に掲げる事項を記載した書面を交付しなければならない。
第十四条の四第一項中第十一号を第十二号とし、第十号の次に次の一号を加える。
十一 当該宅地又は建物の瑕疵を担保すべき責任についての定めがあるときは、その内容
第十四条の四第二項各号列記以外の部分を次のように改める。
宅地建物取引業者は、宅地又は建物の貸借に関し、当事者を代理して契約を締結したときはその相手方及び代理を依頼した者に、その媒介により契約が成立したときは当該契約の各当事者に、次の各号に掲げる事項を記載した書面を交付しなければならない。
第十四条の四に次の一項を加え、同条を第三十七条とする。
3 宅地建物取引業者は、前二項の規定により交付すべき書面を作成したときは、取引主任者をして、当該書面に記名押印させなければならない。
第十四条の三の次に次の一条を加える。
(契約締結等の時期の制限)
第三十六条 宅地建物取引業者は、宅地の造成又は建物の建築に関する工事の完了前においては、当該工事に関し必要とされる都市計画法第二十九条の許可、建築基準法第六条第一項の確認その他法令に基づく許可等の処分で政令で定めるものがあつた後でなければ、当該工事に係る宅地又は建物につき、みずから当事者として、若しくは当事者を代理してその売買若しくは交換の契約を締結し、又はその売買若しくは交換の媒介をしてはならない。
第十四条の三中「又は依頼者」を「若しくは代理を依頼した者又は宅地建物取引業者が行なう媒介に係る売買、交換若しくは貸借の各当事者」に改め、「間に」の下に「、取引主任者をして」を加え、「しなければ」を「させなければ」に、「第四号」を「第五号」に改め、「の説明」を削り、「書面」の下に「(第五号において図面を必要とするときは、図面)」を、「交付して」の下に「説明を」を加え、同条第二号中「(昭和二十五年法律第二百一号)」を削り、同条中第八号を第十号とし、第七号を第八号とし、同号の次に次の一号を加える。
九 第四十一条第一項に規定する前金を受領しようとする場合における同条の規定による措置の概要
第十四条の三中第六号を第七号とし、第五号を第六号とし、第四号の次に次の一号を加える。
五 当該宅地又は建物が宅地の造成又は建築に関する工事の完了前のものであるときは、その完了時における形状、構造その他建設省令で定める事項
第十四条の三に次の二項を加え、同条を第三十五条とする。
2 宅地建物取引業者は、宅地又は建物の割賦販売(代金の全部又は一部について、目的物の引渡し後一年以上の期間にわたり、かつ、二回以上に分割して受領することを条件として販売することをいう。以下同じ。)の相手方に対して、その者が取得しようとする宅地又は建物に関し、その割賦販売の契約が成立するまでの間に、取引主任者をして、前項各号に掲げる事項のほか、次の各号に掲げる事項について説明をさせなければならない。
一 現金販売価格(宅地又は建物の引渡しまでにその代金の全額を受領する場合の価格をいう。)
二 割賦販売価格(割賦販売の方法により販売する場合の価格をいう。)
三 宅地又は建物の引渡しまでに支払う金銭の額及び賦払金(割賦販売の契約に基づく各回ごとの代金の支払分で目的物の引渡し後のものをいう。第四十二条第一項において同じ。)の額並びにその支払の時期及び方法
3 第一項の書面の交付にあたつては、取引主任者は、当該書面に記名押印しなければならない。
第十四条の二を第三十四条とし、第十四条を第三十二条とし、同条の次に次の一条を加える。
(広告の開始時期の制限)
第三十三条 宅地建物取引業者は、宅地の造成又は建物の建築に関する工事の完了前においては、当該工事に関し必要とされる都市計画法第二十九条の許可、建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第六条第一項の確認その他法令に基づく許可等の処分で政令で定めるものがあつた後でなければ、当該工事に係る宅地又は建物の売買その他の業務に関する広告をしてはならない。
第十三条中「依頼者その他」を削り、同条を第三十一条とする。
「第三章 業務」を
「 |
第五章 業務 |
」 |
第一節 通則 |
に改める。
第十二条の七第一項中「第十条」を「第十一条」に、「第二十条第一項若しくは第二項」を「第六十六条若しくは第六十七条」に改め、「承継人」の下に「(第七十六条の規定により宅地建物取引業者とみなされる者を除く。)」を加え、「第十二条の二」を「第二十五条」に改め、同条第二項中「第十二条の四」を「第二十七条」に改め、同条を第三十条とする。
第十二条の六第二項中「第十二条の二」を「第二十五条」に改め、同条を第二十九条とする。
第十二条の五第一項及び第三項中「第十二条の二」を「第二十五条」に改め、同条を第二十八条とする。
第十二条の四を第二十七条とする。
第十二条の三第一項中「第六条」を「第七条」に改め、同条を第二十六条とする。
第十二条の二を第二十五条とする。
「第二章の二 営業保証金」を「第四章 営業保証金」に改める。
第十一条の二から第十二条までを削る。
第十一条中「前条」を「第十一条」に、「登録」を「登載」に改め、同条を第十四条とし、同条の次に次の一章を加える。
第三章 宅地建物取引主任者
(取引主任者の設置)
第十五条 宅地建物取引業者は、その事務所ごとに成年者である専任の取引主任者(第十八条第一項の登録を受けた者で宅地建物取引業者の業務に従事するものをいう。以下同じ。)を置かなければならない。
2 前項の規定は、宅地建物取引業者(法人である場合においては、その役員(業務を執行する社員、取締役又はこれらに準ずる者をいう。第六十九条第一項において同じ。)のうちいずれかの役員)が取引主任者であるときは、その者が、みずから、主として業務に従事する事務所については、適用しない。
3 宅地建物取引業者は、第一項の規定に抵触するに至つた事務所があるときは、二週間以内に、前二項の規定に適合させるため必要な措置をとらなければならない。
(試験)
第十六条 都道府県知事は、建設省令の定めるところにより、宅地建物取引主任者資格試験(以下「試験」という。)を行なわなければならない。
2 試験は、宅地建物取引業に関して、必要な知識について行なう。
3 試験は、次の各号の一に該当する者でなければ、受けることができない。
一 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)による高等学校を卒業した者
二 宅地又は建物の取引に関し二年以上の実務の経験を有する者
三 都道府県知事が、建設省令の定めるところにより、前二号に掲げる者と同等以上の知識及び能力を有すると認めた者
4 試験を受けようとする者は、政令の定めるところにより、受験手数料を都道府県に納めなければならない。
(合格の取消し等)
第十七条 都道府県知事は、不正の手段によつて試験を受け、又は受けようとした者に対しては、合格の決定を取り消し、又はその試験を受けることを禁止することができる。
2 都道府県知事は、前項の規定による処分を受けた者に対し、情状により、三年以内の期間を定めて試験を受けることができないものとすることができる。
(登録)
第十八条 試験に合格した者で、次の各号のいずれにも該当しないものは、建設省令の定めるところにより、当該試験を行なつた都道府県知事の登録を受けることができる。
一 宅地建物取引業に係る営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者
二 禁治産者又は準禁治産者
三 破産者で復権を得ないもの
四 第六十六条第八号又は第九号に該当することにより第三条第一項の免許を取り消され、その取消しの日から三年を経過しない者(当該免許を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しの日前三十日以内にその法人の役員又は政令で定める使用人であつた者で当該取消しの日から三年を経過しないもの)
五 禁錮以上の刑に処せられ、又はこの法律の規定に違反して罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は刑の執行を受けることがなくなつた日から三年を経過しない者
六 第二十二条第四号又は第六十八条の規定による登録の消除の処分を受け、その処分の日から三年を経過しない者
七 第六十八条の規定による禁止の処分を受け、その禁止の期間中に第二十二条第一号の規定によりその登録が消除され、まだその期間が満了しない者
2 前項の登録は、都道府県知事が、宅地建物取引主任者資格登録簿に氏名、生年月日、住所その他建設省令で定める事項並びに登録番号及び登録年月日を登載してするものとする。
(登録の手続)
第十九条 前条第一項の登録を受けることができる者がその登録を受けようとするときは、登録申請書を同項の都道府県知事に提出しなければならない。
2 都道府県知事は、前項の登録申請書の提出があつたときは、遅滞なく、登録をしなければならない。
(変更の登録)
第二十条 第十八条第一項の登録を受けた者は、登録を受けた事項に変更があつたときは、遅滞なく、変更の登録を申請しなければならない。
(死亡等の届出)
第二十一条 第十八条第一項の登録を受けた者が次の各号の一に該当することとなつた場合においては、当該各号に定める者は、その日(第一号の場合にあつては、その事実を知つた日)から三十日以内に、その旨をその登録を受けた都道府県知事に届け出なければならない。
一 死亡した場合 その相続人
二 第十八条第一項第一号又は第三号から第五号までに該当するに至つた場合 本人
三 第十八条第一項第二号に該当するに至つた場合 その後見人又は保佐人
(登録の消除)
第二十二条 都道府県知事は、次の各号の一に掲げる場合には、第十八条第一項の登録を消除しなければならない。
一 本人から登録の消除の申請があつたとき。
二 前条の規定による届出があつたとき。
三 前条の規定による届出がなくて同条各号の一に該当する事実が判明したとき。
四 偽りその他不正の手段により登録を受けたことが判明したとき。
五 第十七条第一項の規定により試験の合格の決定を取り消されたとき。
(登録手数料)
第二十三条 第十八条第一項の登録を受ける者は、政令の定めるところにより、登録手数料を都道府県に納めなければならない。
(省令への委任)
第二十四条 この章に定めるもののほか、第十八条第一項の登録に関し必要な事項は、建設省令で定める。
第十条第一項中「者は、」の下に「その日(第一号の場合にあつては、その事実を知つた日)から」を加え、同項第五号中「(第六条各号の一に該当する場合を除く。)」を削り、同条を第十一条とし、同条の次に次の二条を加える。
(無免許事業等の禁止)
第十二条 第三条第一項の免許を受けない者は、宅地建物取引業を営んではならない。
2 第三条第一項の免許を受けない者は、宅地建物取引業を営む旨の表示をし、又は宅地建物取引業を営む目的をもつて、広告をしてはならない。
(名義貸しの禁止)
第十三条 宅地建物取引業者は、自己の名義をもつて、他人に宅地建物取引業を営ませてはならない。
第九条を第十条とし、第八条を第九条とする。
第七条第二項中「登録」を「登載」に改め、同項第三号から第六号までを次のように改め、同条を第八条とする。
三 法人である場合においては、その役員の氏名及び住所並びに政令で定める使用人があるときは、その者の氏名及び住所
四 個人である場合においては、その者の氏名及び住所並びに政令で定める使用人があるときは、その者の氏名及び住所
五 事務所の名称及び所在地
六 前号の事務所ごとに置かれる第十五条第一項に規定する者の氏名及び住所(同条第二項の場合においては、その旨及び同項の規定に該当する者の氏名)
第六条を第七条とし、第五条を第六条とする。
第四条第一項中「前条」を「第三条」に改め、「場合」の下に「又は免許申請書若しくはその添附書類中に重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けている場合」を加え、同項第二号中「第二十条第二項第二号から第五号までの規定」を「第六十六条第八号又は第九号に該当すること」に、「二年」を「三年」に、「いう。以下同じ」を「いい、相談役、顧問、その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。以下この条、第十八条第一項、第六十五条第二項及び第六十六条において同じ」に改め、同項第三号中「二年」を「三年」に改め、同項第七号中「第十一条の二」を「第十五条」に改め、同号を同項第九号とし、同号の前に次の一号を加える。
八 個人で政令で定める使用人のうちに第一号から第五号までの一に該当する者のあるもの
第四条第一項第六号中「役員」の下に「又は政令で定める使用人」を加え、「第四号」を「第五号」に改め、同号を同項第七号とし、同項第五号を同項第六号とし、同項第四号中「二年以内」を「三年以内」に改め、同号の次に次の一号を加え、同条を第五条とする。
五 宅地建物取引業に関し不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかな者
第三条の次に次の一条を加える。
(免許の申請)
第四条 前条第一項の免許を受けようとする者は、二以上の都道府県の区域内に事務所を設置してその事業を営もうとする場合にあつては建設大臣に、一の都道府県の区域内にのみ事務所を設置してその事業を営もうとする場合にあつては当該事務所の所在地を管轄する都道府県知事に、次の各号に掲げる事項を記載した免許申請書を提出しなければならない。
一 商号又は名称
二 法人である場合においては、その役員の氏名及び住所並びに政令で定める使用人があるときは、その者の氏名及び住所
三 個人である場合においては、その者の氏名及び住所並びに政令で定める使用人があるときは、その者の氏名及び住所
四 事務所の名称及び所在地
五 前号の事務所ごとに置かれる第十五条第一項に規定する者の氏名及び住所(同条第二項の場合においては、その旨及び同項の規定に該当する者の氏名)
六 他に事業を行なつているときは、その事業の種類
2 前項の免許申請書には、次の各号に掲げる書類を添附しなければならない。
一 宅地建物取引業経歴書
二 第五条第一項各号に該当しないことを誓約する書面
三 第十五条第一項に規定する要件を備えていることを証する書面又は同条第二項に規定する事務所であることを証する書面
四 その他建設省令で定める書面
附 則
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から起算して六月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次項の規定は、公布の日から施行する。
(指定保証機関の指定手続の特例)
2 この法律による改正後の宅地建物取引業法(以下「新法」という。)第四十一条第一項第一号の指定に関し必要な手続その他の行為は、この法律の施行前においても、新法の例によりすることができる。
(経過措置)
3 新法第三十八条から第四十三条までの規定は、この法律の施行前に締結された宅地若しくは建物の売買契約又はこの法律の施行前に締結された売買契約に係る宅地若しくは建物については、適用しない。
4 宅地建物取引主任者資格試験に合格した者が宅地建物取引業に従事する場合においては、この法律の施行の日から六月間(その者が、その期間内に新法第十八条第一項の登録を受けたときは、その登録を受けた日の前日まで)は、新法の規定による取引主任者とみなす。その者がその期間内に新法第十八条第一項の登録の申請をした場合において、その期間を経過したときは、その申請に対し登録をするかどうかの処分がある日まで、同様とする。
5 宅地建物取引業者が、この法律の施行前にこの法律による改正前の宅地建物取引業法(以下「旧法」という。)第二十条第一項から第三項まで又は第二十条の二第一項に規定する場合に該当した場合における当該宅地建物取引業者に対する処分については、新法第六十五条又は第六十六条に規定する相当の場合に該当したものとみなして、これらの規定を適用する。
6 旧法の規定により建設大臣又は都道府県知事がした処分その他の行為は、新法の規定により建設大臣又は都道府県知事がした処分その他の行為とみなす。
7 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(住宅金融公庫法の一部改正)
8 住宅金融公庫法(昭和二十五年法律第百五十六号)の一部を次のように改正する。
第三十九条中「第二十三条」を「第七十八条第一項」に改める。
(日本勤労者住宅協会法の一部改正)
9 日本勤労者住宅協会法(昭和四十一年法律第百三十三号)の一部を次のように改正する。
第四十条第一項中「第六条まで及び第十二条並びに第二十条中免許の取消しに係る部分」を「第七条まで、第十二条、第六十六条及び第六十七条」に改める。
(沖縄における免許試験及び免許資格の特例に関する暫定措置法の一部改正)
10 沖縄における免許試験及び免許資格の特例に関する暫定措置法(昭和四十四年法律第四十七号)の一部を次のように改正する。
第二十八条第一項中「第十一条の二第一項に規定する」を「第十六条第一項に規定する東京都知事の行なつた」に改め、同条第二項中「第十一条の二」を「第十八条第一項」に、「同条第一項」を「同項」に改める。
(内閣総理・大蔵・建設大臣署名)