日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律

法律第百三十六号(昭三六・六・一五)

 日雇労働者健康保険法(昭和二十八年法律第二百七号)の一部を次のように改正する。

 第八条第三項中「及び交付」を「、交付及び返納」に改め、同項を同条第四項とし、同条第二項の次に次の一項を加える。

3 被保険者手帳の交付を受けた者は、その被保険者手帳に健康保険印紙をちよう付すべき余白の残存する期間内において第六条の規定によつて被保険者となる見込みのないことが明らかになつたとき、又は前条の規定による承認を受けたときは、被保険者に被保険者手帳を返納しなければならない。

 第九条に次の一号を加える。

 九 特別療養費の支給

 第十四条中「開始の日」の下に「(当該疾病又は負傷につき特別療養費の支給が行なわれたときは、特別療養費の支給の開始の日)」を加え、「一年」を「二年」に改める。

 第十六条の二第二項中「二百円」を「三百三十円」に、「百四十円」を「二百四十円」に、「百三十円」を「二百二十円」に、「九十円」を「百六十円」に改め、同条第三項中「十四日」を「二十二日」に改める。

 第十六条の四第一項中「二千円」を「四千円」に改める。

 第十六条の五第二項中「二百円」を「三百三十円」に、「百四十円」を「二百四十円」に、「百三十円」を「二百二十円」に、「九十円」を「百六十円」に改める。

 第十七条の三第一項中「千円」を「二千円」に改める。

 第十七条の四中「又は家族療養費」を「、家族療養費」に改め、「配偶者分べん費」の下に「又は特別療養費」を加え、同条を第十七条の七とし、第十七条の三の次に次の三条を加える。

 (特別療養費)

第十七条の四 次の各号の一に該当する被保険者でその該当するに至つた日の属する月の初日から起算して三箇月(月の初日に該当するに至つた者については、二箇月)を経過しないもの又はその被扶養者が、日雇労働者健康保険特別療養費受給票(以下「特別療養費受給票」という。)を第十条第五項第一号又は第二号に掲げる病院若しくは診療所又は薬局のうち自己の選定するものに提出して、そのものから療養を受けたときは、被保険者に対し、その療養に要した費用について、特別療養費を支給する。ただし、当該疾病又は負傷につき、療養の給付又は家族療養費の支給を受けることができるときは、この限りでない。

 一 はじめて被保険者手帳の交付を受けた者

 二 一箇月間若しくは継続する二箇月間に通算して二十八日分以上又は継続する三箇月ないし六箇月間に通算して七十八日分以上の保険料が納付されるに至つた月において被保険者手帳に健康保険印紙をちよう付すべき余白がなくなり、又はその月の翌月中に第八条第三項の規定により被保険者手帳を返納した後、はじめて被保険者手帳の交付を受けた者

 三 前に交付を受けた被保険者手帳(前に二回以上にわたり被保険者手帳の交付を受けたことがある場合においては、最後に交付を受けた被保険者手帳)に健康保険印紙をちよう付すべき余白がなくなつた日又は第八条第三項の規定によりその被保険者手帳を返納した日から起算して一年以上を経過した後に被保険者手帳の交付を受けた者

2 特別療養費受給票は、被保険者の申請により、保険者が交付する。

3 特別療養費受給票の様式及び交付その他特別療養費受給票に関して必要な事項は、厚生省令で定める。

第十七条の五 特別療養費の支給は、被保険者が第七条の規定による承認を受けたときは、その承認により被保険者とならないこととなつた日以後、被保険者が第八条第三項の規定により被保険者手帳を返納したときは、返納の日の翌日以後は、行なわない。

2 特別療養費の支給は、第十四条(第十七条第五項において準用する場合を含む。)に規定する期間が経過した疾病又は負傷については、行なわない。

第十七条の六 第十条第一項及び第二項、第十一条、第十三条第二項及び第三項、第十三条の二、第十三条の三第一項、第十五条、第十六条並びに第十七条第二項から第四項までの規定は、特別療養費の支給に準用する。この場合において、第十五条第二項中「第十条第四項に規定する確認」及び「確認」とあるのは「特別療養費受給票の交付」と、第十六条第一項中「療養に要する費用から一部負担金に相当する額を控除した額」とあるのは「療養に要する費用の百分の五十に相当する額」と、同条第二項ただし書中「現に療養に要した費用の額」とあるのは「現に療養に要した費用の百分の五十に相当する額」と読み替えるものとする。

 第十八条第五項中「家族療養費」を「家族療養費若しくは特別療養費」に改め、同項を同条第六項とし、同条第四項を同条第五項とし、同条第三項の次に次の一項を加える。

4 特別療養費の支給は、同一の疾病又は負傷につき、健康保険法、船員保険法、国家公務員共済組合法、公共企業体職員等共済組合法又は市町村職員共済組合法の規定によつて、この法律の規定による療養の給付又は家族療養費の支給に相当する給付を受けることができる場合には、行なわない。

 第二十八条第二項中「及び出産手当金」を「、出産手当金及び特別療養費」に、「十分の三」を「百分の三十五」に改める。

 第三十条第一項中「二百八十円」を「四百八十円」に、「二十二円」を「二十六円」に、「十八円」を「二十円」に改め、同条第二項を次のように改める。

2 被保険者及び事業主の負担すべき保険料額は、一日につき、それぞれ、第一級にあつては十三円、第二級にあつては十円とする。


   附 則


 (施行期日)

1 この法律は、公布の日から施行する。ただし、第十四条、第十六条の二第二項及び第三項並びに第十六条の五第二項の改正規定、第二十八条第二項の改正規定中国庫の負担率に関する部分、第三十条の改正規定並びに附則第二項から附則第四項まで、附則第七項及び附則第八項の規定は、昭和三十六年七月一日から施行する。


 (保険給付に関する経過措置)

2 被保険者若しくは被保険者であつた者又は被扶養者の疾病又は負傷及びこれによつて発した疾病であつて、療養の給付又は家族療養費の支給の開始の日から起算して第十四条の改正規定の施行前に一年を経過したものに関する療養の給付及び家族療養費の支給については、同条の改正規定にかかわらず、なお従前の例による。

3 改正後の第十六条の二第二項及び第十六条の五第二項の規定の適用については、改正前の第三十条第一項の規定による第一級の保険料は、改正後の同条同項の規定による第二級の保険料とみなす。

4 第十六条の二第三項の改正規定の施行前に支給が開始された傷病手当金については、同条同項の改正規定にかかわらず、なお従前の例による。

5 第十六条の四第一項及び第十七条の三第一項の改正規定の施行前に分娩した被保険者若しくは被保険者であつた者又は被扶養者に係る分べん費又は配偶者分べん費については、これらの改正規定にかかわらず、なお従前の例による。

6 改正後の第十七条の四第一項の規定は、同条の規定の施行前に同条同項各号の一に該当するに至つた被保険者でその該当するに至つた日の属する月の初日から起算して同条の規定の施行の際まだ三箇月(月の初日に該当するに至つた者については、二箇月)を経過していないもの及びその被扶養者についても、適用する。


 (国庫の負担に関する経過措置)

7 昭和三十六年七月一日前に行なわれた療養の給付、同日前に行なわれた療養に係る家族療養費の支給、同日前に支給が開始された傷病手当金の支給及び同日前の分娩に係る出産手当金の支給に要する費用についての国庫の負担については、第二十八条第二項の改正規定にかかわらず、なお従前の例による。


 (日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律の一部改正)

8 日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律(昭和三十三年法律第百四十九号)の一部を次のように改正する。

  附則第六項を削る。


 (健康保険法の一部改正)

9 健康保険法(大正十一年法律第七十号)の一部を次のように改正する。

  第四十三条の四第二項中「及被扶養者」を「並ニ被保険者及被扶養者」に改める。


 (国民健康保険法の一部改正)

10 国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)の一部を次のように改正する。

  第六条第五号中「交付を受けて一年を経過しない者」を「交付を受け、その手帳に日雇労働者健康保険印紙をはりつけるべき余白がなくなるに至るまでの間にある者」に改め、「被保険者とならない期間内にある者及び」の下に「同法第八条第三項の規定により当該日雇労働者健康保険被保険者手帳を返納した者並びに」を加える。

  第五十五条に次の一項を加える。

 3 第一項の規定による療養の給付は、当該疾病又は負傷につき、日雇労働者健康保険法の規定による特別療養費の支給を受けることができる間は、行なわない。

(大蔵・厚生・内閣総理大臣署名) 

法令一覧(年度別)に戻る