国有林野事業特別会計法の一部を改正する法律
法律第三十九号(昭三五・三・三一)
国有林野事業特別会計法(昭和二十二年法律第三十八号)の一部を次のように改正する。
第一条第二項中「、民有林野について一般会計から委託を受けてする治山事業(以下「受託治山事業」という。)」を削り、同条に次の一項を加える。
この会計においては、治山治水緊急措置法(昭和三十五年法律第二十一号。以下この項において「法」という。)第三条に規定する治山事業十箇年計画の実施に伴い、前項の事業に係る経理のほか、次の事項に関する経理を行なうものとする。
一 法第二条の治山事業(国有林野事業に該当するものを除く。以下次号において「治山事業」という。)で国が施行するもの(以下「直轄治山事業」という。)
二 治山事業で都道府県又は都道府県知事が施行するものに係る国の補助金又は負担金(以下「補助金等」という。)の交付
三 法第二条第一項各号に掲げる事業に係る同条第三項第一号に規定する災害復旧事業で国が施行するものの管理
第二条の次に次の一条を加える。
第二条の二 この会計は、国有林野事業勘定及び治山勘定に区分する。
第三条中「この会計においては」を「国有林野事業勘定においては」に、「この会計に所属する」を「この勘定に所属する」に改める。
第四条中「この会計」を「国有林野事業勘定」に改める。
第五条第一項及び第六条第一項中「この会計において」を「国有林野事業勘定において」に、「この会計の負担」を「この勘定の負担」に改める。
第八条中「この会計」を「国有林野事業勘定」に改め、同条の次に次の二条を加える。
第八条の二 治山勘定においては、次条第一項の規定による一般会計からの繰入金、直轄治山事業に係る地方公共団体の負担金及び附属雑収入をもつてその歳入とし、直轄治山事業に関する費用、補助金等、同条第二項の規定による国有林野事業勘定への繰入金で第一条第三項第三号の事業に関する事務取扱費の額に相当するもの及び附属諸費をもつてその歳出とする。
第八条の三 直轄治山事業に関する費用で国庫が負担するもの、補助金等及び第一条第三項第三号の事業に関する事務取扱費の額に相当する金額は、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、一般会計から治山勘定に繰り入れるものとする。
直轄治山事業及び第一条第三項第三号の事業に関する事務取扱費は、国有林野事業勘定において支弁するものとし、当該事務取扱費の額に相当する金額は、予算の範囲内において、治山勘定から国有林野事業勘定に繰り入れるものとする。
第九条中「予定計算書」の下に、「繰越明許費要求書」を加える。
第十条を次のように改める。
第十条 この会計の歳入歳出予算は、国有林野事業勘定及び治山勘定に区分し、各勘定において、歳入にあつては、その性質に従つて款及び項に、歳出にあつては、その目的に従つて項に区分する。
第十条の次に次の一条を加える。
第十条の二 この会計の国庫債務負担行為は、国有林野事業勘定及び治山勘定の区分に従い、事項ごとに、その必要の理由を明らかにし、かつ、これをする年度及び債務負担の限度額を明らかにし、また、必要に応じ、これに基づいて支出をすべき年度、年限又は年割額を示さなければならない。
第十一条第二項第一号中「予定計算書」の下に「、繰越明許費要求書」を加え、同項第二号中「前前年度」の下に「の国有林野事業勘定」を加え、同項第三号中「当該年度」の下に「の国有林野事業勘定」を加え、同項第四号を同項第六号とし、同項第三号の次に次の二号を加える。
四 前前年度の治山勘定の事業実績表
五 前年度及び当該年度の治山勘定の事業計画表
第十一条の次に次の一条を加える。
第十一条の二 治山勘定の予備費は、当該年度の予見し難い必要に基づく経費の財源に充てるための特別の収入その他政令で定める収入の収納済額に相当する額を限度として、使用することができる。
第十二条及び第十三条中「この会計」を「国有林野事業勘定」に改める。
第十五条第二項第二号中「当該年度」の下に「の国有林野事業勘定」を加え、同項第三号を同項第四号とし、同項第二号の次に次の一号を加える。
三 当該年度の治山勘定の事業実績表
第十六条第一項中「この会計」を「国有林野事業勘定」に改め、同条の次に次の一条を加える。
第十六条の二 治山勘定において、毎会計年度の歳入歳出の決算上剰余金を生じたときは、これを当該勘定の翌年度の歳入に繰り入れるものとする。
第十七条第三項及び第十八条中「この会計」を「国有林野事業勘定」に改める。
第十八条の二を削る。
附則第五条第一項中「この会計においては」を「国有林野事業勘定においては」に、「この会計の負担」を「この勘定の負担」に改め、同条第二項中「治山事業」を「治山に関する事業」に、「この会計」を「国有林野事業勘定」に改める。
附則第五条の二第一項中「この会計において」を「国有林野事業勘定において」に、「この会計の負担」を「この勘定の負担」に改め、同条第三項中「この会計」を「国有林野事業勘定」に改め、同条第六項中「昭和二十二年度」を「昭和三十五年度」に、「この会計」を「この勘定」に改める。
附 則
1 この法律は、公布の日から施行する。
2 改正後の国有林野事業特別会計法(以下「新法」という。)の規定は、昭和三十五年度の予算から適用し、昭和三十四年度以前の予算については、なお従前の例による。
3 新法第十一条第二項第二号から第五号までの規定により国有林野事業特別会計の予算に添附すべき前前年度又は前年度に係る書類については、昭和三十五年度(前前年度に係る書類については、昭和三十六年度を含む。)の予算に限り、これらの規定にかかわらず、なお従前の例による。
4 昭和三十五年三月三十一日におけるこの会計の資産及び負債並びにこの法律の施行前に一般会計の負担において施行された事業及び工事で新法第一条第三項第一号に規定する直轄治山事業に相当するものに係る資産及び負債は、政令で定めるところにより、この会計の国有林野事業勘定又は治山勘定にそれぞれ帰属するものとする。
5 昭和三十四年度の国有林野事業特別会計の歳出予算のうち、財政法(昭和二十二年法律第三十四号)第四十二条ただし書又は第二項の規定により従前の例によることとされる改正前の国有林野事業特別会計法第十六条第一項の規定により昭和三十五年度に繰り越して使用するものは、この会計の国有林野事業勘定において使用するものとする。
6 公共企業体等労働関係法(昭和二十三年法律第二百五十七号)の一部を次のように改正する。
第二条第一項第二号ロを次のように改める。
ロ 国有林野事業(国有林野事業特別会計において事務を取り扱う治山事業を含む。)
7 地すべり等防止法(昭和三十三年法律第三十号)の一部を次のように改正する。
附則第四条の次に次の一条を加える。
第四条の二 地すべり防止工事でこれに要する費用を国有林野事業特別会計において支弁するものについては、第三十二条中国費のみをもつてする施行に関する部分の規定は、適用しないものとする。
(大蔵・農林・労働・内閣総理大臣署名)