臨時受託調達特別会計法

法律第八十六号(昭三二・四・三〇)

 (設置)

第一条 政府がアメリカ合衆国政府との間に締結する受託調達契約の実施に関する政府の経理の適正を図るため、特別会計を設置し、一般会計と区分して経理する。

2 前項に規定する受託調達契約とは、防衛庁設置法(昭和二十九年法律第百六十四号)附則第七項に規定する受託調達契約をいう。

 (管理)

第二条 この会計は、内閣総理大臣が、法令の定めるところに従い、管理する。

 (歳入及び歳出)

第三条 この会計においては、受託調達契約(第一条第二項に規定する受託調達契約をいう。以下この条において同じ。)に基くアメリカ合衆国政府の支払に係る収入金で当該契約を履行するため政府が締結する契約(以下「調達契約」という。)に基く政府の支払金に係るもの及び調達契約に基く政府の収入金で受託調達契約に基くアメリカ合衆国政府への支払金に係るもの並びに支出済となつた歳出の返納金その他の収入金で歳出金に係るもの(歳出の金額に戻入されるものを除く。)をもつてその歳入とし、これらの収入金をもつてする支払金で調達契約又は受託調達契約に基くものをもつてその歳出とする。

 (歳入歳出予定計算書等の作成及び送付)

第四条 内閣総理大臣は、毎会計年度、この会計の歳入歳出予定計算書、繰越明許費要求書及び国庫債務負担行為要求書を作成し、大蔵大臣に送付しなければならない。

2 前項の国庫債務負担行為要求書には、国庫債務負担行為で翌年度以降にわたるものについての前年度末までの支出額及び支出額の見込、当該年度以降の支出予定額並びに数会計年度にわたる事業に伴うものについてはその全体の計画及びその進行状況等に関する調書を添附しなければならない。

 (歳入歳出予算の区分)

第五条 この会計の歳入歳出予算は、歳入にあつては、その性質に従つて款及び項に区分し、歳出にあつては、その目的に従つて項に区分する。

 (予算の作成及び提出)

第六条 内閣は、毎会計年度、この会計の予算を作成し、一般会計の予算とともに、国会に提出しなければならない。

2 前項の予算には、歳入歳出予定計算書、繰越明許費要求書及び国庫債務負担行為要求書並びに第四条第二項に規定する調書を添附しなければならない。

 (剰余金の繰入)

第七条 この会計において、毎会計年度の歳入歳出の決算上剰余を生じたときは、これをその翌年度の歳入に繰り入れるものとする。

 (歳入歳出決定計算書の作成及び送付)

第八条 内閣総理大臣は、毎会計年度、歳入歳出予定計算書と同一の区分により、この会計の歳入歳出決定計算書を作成し、大蔵大臣に送付しなければならない。

2 前項の歳入歳出決定計算書には、債務に関する計算書を添附しなければならない。

 (歳入歳出決算の作成及び提出)

第九条 内閣は、毎会計年度、この会計の歳入歳出決算を作成し、一般会計の歳入歳出決算とともに、国会に提出しなければならない。

2 前項の歳入歳出決算には、前条第一項に規定する歳入歳出決定計算書及び同条第二項に規定する債務に関する計算書を添附しなければならない。

 (実施規定)

第十条 この法律の実施のための手続その他その執行について必要な事項は、政令で定める。

   附 則

1 この法律は、公布の日から施行する。

2 防衛庁設置法の一部を次のように改正する。

  附則中第十九項を第二十項とし、第八項から第十八項までを一項ずつ繰り下げ、附則第七項中「調達を行う。」を「調達を行い、並びに受託調達契約を履行するため必要な契約の締結、検査その他の事務を長官の定めるところにより実施する。」に改め、同項を附則第八項とし、附則第六項の次に次の一項を加える。

7 防衛庁は、当分の間、第五条の権限のほか、左に掲げる権限を有する。

 一 日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定に基き日本国政府に無償で譲渡される予定の艦船二隻をアメリカ合衆国政府の負担において調達し、同国政府に引き渡すことを目的とする契約(以下「受託調達契約」という。)を同国政府との間に締結し、及び当該契約の実施に関する事務を行うこと。

 二 臨時受託調達特別会計の経理を行うこと。

(内閣総理・大蔵大臣署名) 

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