天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法の一部を改正する法律

法律第六十六号(昭三二・四・一五)

 天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法(昭和三十年法律第百三十六号)の一部を次のように改正する。

 第二条第一項中「この項」を「この項、次項及び第五項」に、「その農作物又は繭の減収量がその者の平年における収穫量」を「農作物又は繭の減収量がその農作物又は繭の平年における収穫量」に、「天災によりその生産する薪炭(薪炭原木を含む。)、木材、林業用種苗その他の林産物が流失した等のためその者の林業による平年における総収入額の百分の十以上の損失を被つた旨又はその所有する炭がま、しいたけほだ木、わさび育成施設若しくは樹苗育成施設が流失し、損壊した等のため著しい被害を被つた旨」を「天災による薪炭(薪炭原木を含む。)、木材、林業用種苗その他の林産物の流失等による損失額がその者の平年における林業による総収入額の百分の十以上である旨又は天災によるその所有する炭がま、しいたけほだ木、わさび育成施設若しくは樹苗育成施設の流失、損壊等による損失額が当該施設の被害時における価額の百分の五十以上である旨」に、「天災によりその生産する魚類、貝類若しくは海そう類が流失した等のため著しい被害を被つた旨又はその所有する漁船、漁具が沈没し、流失し、滅失し、損壊した等のため著しい被害を被つた旨」を「天災による魚類、貝類及び海そう類の流失等による損失額がその者の平年における漁業による総収入額の百分の十以上である旨又は天災によるその所有する漁船(政令で定めるものを除く。次項において同じ。)若しくは漁具(政令で定めるものを除く。次項において同じ。)の沈没、流失、滅失、損壊等による損失額が当該施設の被害時における価額の百分の五十以上である旨」に改める。

 第二条第五項を同条第七項とし、同条第四項中「前項第二号」を「第四項第二号」に改め、同項を同条第六項とし、同条第三項第一号中「牛又は馬を所有する被害農業者に貸し付けられる場合は、その額に更に三万円を加えた額」を「乳牛を所有する被害農業者に貸し付けられる場合はその額に五万円を、乳牛以外の牛又は馬を所有する被害農業者に貸し付けられる場合はその額に三万円を加えた額」に改め、同項第三号中「政令で指定する地域における被害農林漁業者に貸し付けられる場合」を「特別被害農業者若しくは特別被害林業者で特別被害地域内において農業若しくは林業を営むもの又は特別被害漁業者で特別被害地域内に住所を有するものに貸し付けられる場合(漁具の購入資金として貸し付けられる場合のうち政令で定める場合を除く。)」に改め、「開拓者」の下に「(特別被害地域内において農業を営む特別被害農業者を除く。)」を加え、同項を同条第四項とし、同項の次に次の一項を加える。

5 前項に規定する特別被害地域は、特別被害農業者については第一号、特別被害林業者については第二号、特別被害漁業者については第三号に掲げる区域とする。

 一 政令で定める都道府県の区域内の旧市町村の区域(昭和二十八年九月三十日現在における市町村の区域をいう。以下この項において同じ。)の全部若しくは一部又はその都道府県の区域内の耕地面積が十町歩以上である開拓地区の区域であつて、その区域内において農業を営む被害農業者中に含まれる当該天災に係る特別被害農業者の数が当該被害農業者の数の百分の十以上である区域のうち、都道府県知事が農林大臣の承認を受けて指定する区域

 二 政令で定める都道府県の区域内の旧市町村の区域の全部若しくは一部であつて、その区域内において林業を営む被害林業者中に含まれる当該天災に係る特別被害林業者の数が当該被害林業者の数の百分の十以上である区域のうち、都道府県知事が農林大臣の承認を受けて指定する区域

 三 政令で定める都道府県の区域内の旧市町村の区域の全部若しくは一部であつて、その区域内に住所を有する被害漁業者中に含まれる当該天災に係る特別被害漁業者の数が当該被害漁業者の数の百分の十以上である区域のうち、都道府県知事が農林大臣の承認を受けて指定する区域

 第二条第二項中「第五項」を「第七項」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。

2 この法律において「特別被害農業者」とは、被害農業者であつて、天災による農作物及び繭の減収による損失額がその者の平年における農業による総収入額の百分の五十(開拓者にあつては百分の三十)以上である旨の市町村長の認定を受けたものをいい、「特別被害林業者」とは、被害林業者であつて、天災による薪炭(薪炭原木を含む。)、木材、林業用種苗その他の林産物の流失等による損失額がその者の平年における林業による総収入額の百分の五十以上である旨又は天災によるその所有する炭がま、しいたけほだ木、わさび育成施設若しくは樹苗育成施設の流失、損壊等による損失額が当該施設の被害時における価額の百分の七十以上である旨の市町村長の認定を受けたものをいい、「特別被害漁業者」とは、被害漁業者であつて、天災による魚類、貝類及び海そう類の流失等による損失額がその者の平年における漁業による総収入額の百分の五十以上である旨又は天災によるその所有する漁船若しくは漁具の沈没、流失、滅失、損壊等による損失額が当該施設の被害時における価額の百分の七十以上である旨の市町村長の認定を受けたものをいう。

 第三条第一項第一号から第五号までを次のように改める。

 一 市町村が、組合又は金融機関との契約により、当該組合又は当該金融機関が貸し付けた経営資金につき利子補給を行うのに要する経費の一部を都道府県が補助する場合における当該補助に要する経費

 二 都道府県が、組合又は金融機関との契約により、当該組合又は当該金融機関が貸し付けた経営資金につき利子補給を行う場合における当該利子補給に要する経費

 三 市町村が、組合又は金融機関との契約により、当該組合又は当該金融機関が経営資金を貸し付けたことによつて受けた損失をこれに対し補償するのに要する経費の百分の八十以内を都道府県が補助する場合における当該補助に要する経費

 四 都道府県が、組合又は金融機関との契約により、当該組合又は当該金融機関が経営資金を貸し付けたことによつて受けた損失をこれに対し補償する場合における当該損失補償に要する経費

 五 市町村が、連合会又は農林中央金庫その他の金融機関との契約により、当該連合会又は当該金融機関が経営資金を貸し付けようとする組合(政令で定めるものに限る。次号において同じ。)に対し当該資金に充てるための資金を貸し付けたことによつて受けた損失を、当該連合会又は当該金融機関に対し、補償するのに要する経費の百分の八十以内を都道府県が補助する場合における当該補助に要する経費

 第三条第一項第七号及び第八号を削り、同項第九号から第十二号までの規定中「農業協同組合連合会、漁業協同組合連合会、」を「連合会又は」に、「当該金融機関」を「当該連合会又は当該金融機関」に改め、同項第九号を同項第八号とし、同項第十号中「全部又は」を削り、同号を同項第七号とし、同項第十一号を同項第十号とし、同項第十二号中「四分の三」を「百分の八十」に改め、同号を同項第九号とし、同条第二項中「前項第五号から第八号まで、第十一号及び第十二号」を「前項第三号から第六号まで、第九号及び第十号」に改め、同項第一号中「農業協同組合、農業協同組合連合会、森林組合連合会、漁業協同組合、漁業協同組合連合会」を「組合、連合会」に改め、同条第三項中「第一項第五号から第八号まで、第十一号及び第十二号」を「第一項第三号から第六号まで、第九号及び第十号」に改める。

 第四条第二項中「同項第一号から第四号まで、第九号及び第十号」を「同項第一号、第二号、第七号及び第八号」に、「二分の一に相当する額」を「百分の五十に相当する額」に、「同項第五号から第八号まで、第十一号及び第十二号」を「同項第三号から第六号まで、第九号及び第十号」に、「同項第一号から第四号までの経費」を「同項第一号及び第二号の経費」に、「第二条第三項第三号」を「第二条第四項第三号」に、「二分の一又は」を「百分の五十に相当する額又は」に、「当該利子補給額から当該利子補給の対象となつた貸付金の総額につき年二分五厘の割合で計算した額を控除した額」を「当該利子補給額の百分の六十五に相当する額」に改める。

 第五条第二項中「その全部又は一部」を「その一部」に改める。

 第六条中「第三条第一項第五号から第八号まで、第十一号及び第十二号」を「第三条第一項第三号から第六号まで、第九号及び第十号」に改める。

 第七条の次に次の一条を加える。

 (権限の委任)

第八条 前条第一項の規定による農林大臣の権限の一部は、政令で定めるところにより、都道府県知事に委任することができる。

   附 則

1 この法律は、公布の日から施行する。ただし、同日前に天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法第二条第一項の規定による指定のあつた天災に関しては、なお従前の例による。

2 昭和三十一年四月一日からこの法律施行の日の前日までの間において天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法第二条第一項の規定による指定のあつた天災については、前項ただし書の規定にかかわらず、第四条第二項の規定中年三分五厘以内に定められている資金に係る経費についての政府の補助額に関する部分の適用については、改正規定による。

(大蔵・農林・内閣総理大臣署名) 

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