昭和二十八年六月及び七月の大水害による社会福祉事業施設の災害の復旧に関する特別措置法

法律第二百三十一号(昭二八・八・一七)

 (この法律の目的)

第一条 この法律は、昭和二十八年六月及び七月の大水害(以下「水害」という。)を受けた政令で指定する地域(以下「被害地域」という。)において、被害を受けた生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第四十条又は第四十一条の規定により設置せられた保護施設、児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第三十五条の規定により設置せられた児童福祉施設及び公益質屋法(昭和二年法律第三十五号)第一条の規定により設置せられた公益質屋(以下それぞれ、「り災保護施設」、「り災児童福祉施設」又は「り災公益質屋」といい、これらを「り災社会福祉事業施設」と総称する。)の災害復旧に関し、特別措置を講じ、もつてり災社会福祉事業施設の復旧に資することを目的とする。

 (特別措置の期間)

第二条 この法律に定める特別措置は、昭和二十八年六月一日又は同年七月一日から昭和三十年三月三十一日までの間にり災社会福祉事業施設の復旧のために地方公共団体が支出する費用について適用する。

2 前項の場合において、同項の期間の起算日を昭和二十八年六月一日とする場合と同年七月一日とする場合との区分は、政令で定める。

 (り災保護施設の特例)

第三条 水害によつて生じたり災保護施設の災害の復旧に要する費用については、生活保護法第七十三条第三号中「四分の一」とあるのは「六分の一」と、第七十四条第一項中「四分の三」とあるのは「六分の五」と、第七十五条第一項第二号中「二分の一」とあるのは「三分の二」と、同条第二項中「三分の二」とあるのは「五分の四」と読み替えて、それぞれ、同法第七十三条、第七十四条第一項、第七十五条第一項又は同条第二項の規定を適用する。

 (り災児童福祉施設の特例)

第四条 水害によつて生じたり災児童福祉施設の災害の復旧に要する費用については、児童福祉法第五十二条中「二分の一(第五十条第十号及び前条第二号の費用中、母子寮、保育所、盲ろうあ児施設、虚弱児施設及びし体不自由児施設の設備については、二分の一乃至三分の一)」とあるのは「三分の二」と、同法第五十四条中「四分の一(母子寮、保育所、盲ろうあ児施設、虚弱児施設及びし体不自由児施設の設備については、三分の一乃至四分の一)」とあるのは「六分の一」と、同法第五十六条の二第一項中「四分の三」とあるのは「六分の五」と、同条第三項中「三分の二」とあるのは「五分の四」と読み替えて、それぞれ、同法第五十二条、第五十四条又は第五十六条の二の規定を適用する。

2 都道府県及び市町村以外の者の設置した被害地域内のり災児童福祉施設であつて児童福祉法第五十六条の二第一項第一号に該当しないものが同項第二号に該当するときは、水害によつて生じた当該施設の災害の復旧に要する費用については、同条及び同法第五十六条の三の規定を準用する。この場合において、同法第五十六条の二第一項中「四分の三」とあるのは「六分の五」と、同条第三項中「三分の二」とあるのは「五分の四」と読み替えるものとする。

 (り災公益質屋の特例)

第五条 水害によつて生じたり災公益質屋の災害の復旧に要する費用については、公益質屋法第三条中「二分ノ一以内」とあるのは「三分ノ二」と読み替えて、同条の規定を適用する。

2 り災公益質屋の質物の水害による流失又はき損のため、公益質屋法第十五条において準用する質屋営業法(昭和二十五年法律第百五十八号)第二十条第二項の規定により、当該質物で担保される債権を失つた市町村に対しては、国は、その損失を補てんするため損失額の十分の八に相当する額の交付金を交付する。

 (政令への委任)

第六条 この法律に規定するものの外、この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定める。

   附 則

 この法律は、公布の日から施行する。

(大蔵・厚生・内閣総理大臣署名) 

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