日本開発銀行法の一部を改正する法律

法律第二百二十四号(昭二七・七・一)

 日本開発銀行法(昭和二十六年法律第百八号)の一部を次のように改正する。

 目次中「第四十九条」を「第四十九条の三」に改める。

 第四条を次のように改める。

 (資本金)

第四条 日本開発銀行の資本金は、政府の一般会計及び米国対日援助見返資金特別会計からの出資金三百億円と第四十八条第一項及び第四十九条の二第四項の規定により政府の一般会計及び米国対日援助見返資金特別会計から出資があつたものとされた金額との合計額とする。

 第十八条第一項第三号中「又は返済資金」を「若しくは返済資金」に、「又は引受」を「若しくは引受」に、「応募すること」を「応募し、又は銀行その他の金融機関の開発資金の貸付に係る債権の全部若しくは一部を譲り受けること」に、「及びその応募に係る社債の償還期限は、」を「、その応募に係る社債又はその譲受に係る貸付金の償還期限は、その貸付、応募又は譲受の日から起算して」に改め、同項第四号を同項第五号とし、同項第三号の次に次の一号を加える。

 四 開発資金に係る債務を保証すること。但し、その保証に係る債務の履行期限は、その債務の保証の日から起算して一年未満のものであつてはならない。

 第十八条第二項中「第三号」を「第四号」に、「又は社債の応募」を「、社債の応募、債権の譲受又は債務の保証」に、「又は当該応募に係る社債の償還」を「、当該応募に係る社債の償還、当該譲受に係る債権の回収又は当該保証に係る債務の履行」に改め、同条の次に次の一条を加える。

 (債務保証等の限度)

第十八条の二 前条第一項第四号の規定による保証に係る債務の現在額及び第三十七条第一項の規定による借入金の額の合計額は、第四条に規定する資本金及び第三十六条に規定する準備金の額の合計額をこえることとなつてはならない。

 第十九条の見出しを「(貸付利率の基準等)」に改め、同条第一項を次のように改める。

  第十八条第一項第一号及び第三号の規定により行う資金の貸付の利率、同項第三号の規定により行う譲受に係る貸付債権の貸付の利率並びに同項第四号の規定により行う債務の保証の料率は、日本開発銀行の収入する貸付金利息(第四十三条第一項の規定により復興金融金庫から承継した貸付債権の利息及び第四十九条の二第一項の規定により政府の米国対日援助見返資金特別会計から承継した貸付債権の利息を含む。以下第二十四条第二項において「貸付金の利息」という。)、社債の利子及び債務保証料が日本開発銀行の事務取扱費、業務委託費、第三十七条第一項の規定による借入金の利子、第四十九条の二第二項に規定する政府の貸付金の利子、附属諸費及び資産の運用損失を償うに足るように、銀行の貸付利率又は債務の保証料率を勘案して定めるものとする。

 第十九条第二項中「貸付利率」を「貸付利率、譲受に係る貸付債権の貸付利率及び債務の保証料率」に、「貸付の目的」を「貸付、譲受に係る貸付債権及び保証に係る債務の目的」に改め、「貸付金の償還期限、」の下に「譲受に係る貸付債権の回収期限、債務の保証の期間、」を、「資金の貸付」の下に「、譲受に係る貸付債権及び債務の保証」を加える。

 第二十条中「資金の貸付」の下に、「、貸付債権の譲受又は債務の保証」を加え、「利率及び期限」を「資金の貸付の利率、譲受に係る貸付債権の貸付の利率、債務の保証の料率、貸付金の償還期限、譲受に係る貸付債権の回収期限、債務の保証の期間」に改め、「回収の方法」の下に「、債務の保証の履行の方法」を加える。

 第二十一条第一項中「銀行」を「銀行その他の金融機関で大蔵大臣の指定するもの」に改め、同条第二項中「銀行が」を「前項の規定による大蔵大臣の指定を受けた銀行その他の金融機関が」に、「銀行の」を「銀行その他の金融機関の」に改める。

 第二十四条第二項中「貸付金利息、社債の利子」を「貸付金の利息、社債の利子、債務の保証料」に、「第四十六条第一項」を「第三十七条第一項の規定による借入金の利子、第四十九条の二第二項」に改める。

 第三十六条の見出しを「(利益金の処分及び国庫納付金)」に改め、同条第一項中「これ」を「左の各号に掲げる金額のいずれか多い額」に改め、同項に第一号及び第二号として次のように加える。

 一 当該利益金の百分の二十に相当する額

 二 毎事業年度末における貸付金の残高の千分の七に相当する額(その額が当該利益金の額をこえるときは、当該利益金の額)

 第三十六条に次の二項を加える。

3 日本開発銀行は、毎事業年度の損益計算上の利益金から第一項の規定により準備金として積み立てた額を控除した残額を翌事業年度の五月三十一日までに国庫に納付しなければならない。

4 前項の規定による国庫納付金の納付の手続及びその帰属する会計その他国庫納付金に関し必要な事項は、政令で定める。

 第三十七条を次のように改める

 (資金の借入)

第三十七条 日本開発銀行は、第十八条第一項に規定する業務を行うため必要な資金の財源に充てるため、政府から資金の借入をし、又は外国の銀行その他の金融機関から外貨資金の借入をすることができる。

2 政府は日本開発銀行に対して資金の貸付をすることができる。

3 第一項に規定する場合を除く外、日本開発銀行は、資金の借入をしてはならない。

 第三十九条中「銀行」の下に「その他の金融機関」を加える。

 第四十四条第三項中「商工組合中央金庫」を「銀行及び商工組合中央金庫」に改める。

 第四十六条の見出しを「(復興金融金庫関係の政府貸付金)」に改め、同条第二項を削る。

 第四十七条の見出しを「(復興金融金庫関係の指定日前における法定出資等)」に改め、同条第一項中「毎四半期)」を「昭和二十七年十二月三十一日までの間において政令で定める日(以下「指定日」という。)の前日までに終了する毎四半期)」に改め、同項及び同条第二項中「前条第一項」を「前条」に改め、同条第三項中「第四十六条第一項」を「前条」に改める。

 第四十八条を次のように改める。

 (復興金融金庫関係の指定日における法定出資等)

第四十八条 指定日における第四十六条の政府の貸付金は、第四十三条第一項に規定する日における第四十六条の政府の貸付金のうち百万円に満たない部分に相当するものを除く外、指定日において返済されたものとし、その返済されたものとされた政府の貸付金の額に相当する金額が、指定日において、政府の一般会計から日本開発銀行に対し出資されたものとする。

2 前項の規定により返済されたものとされるもの以外の指定日における第四十六条の政府の貸付金は、指定日において返済されたものとし、その返済されたものとされた政府の貸付金の額に相当する金額が、指定日において、第三十六条第一項の規定により、準備金として積み立てられたものとする。

 第四十九条の見出しを「(復興金融金庫の業務の引継に関する細目)」に改め、第六章中第四十九条の次に次の二条を加える。

 (米国対日援助見返資金特別会計からの私企業に対する貸付に係る債権の承継及び法定出資)

第四十九条の二 政府の米国対日援助見返資金特別会計からの私企業に対する貸付に係る債権で政令で定めるもの及びこれに附随する権利義務は、政令で定めるところにより、日本開発銀行が承継するものとする。

2 日本開発銀行が、前項の規定により、米国対日援助見返資金特別会計からその私企業に対する貸付に係る債権及びこれに附随する権利義務を承継したときは、その承継した私企業に対する貸付に係る債権及びこれに附随する権利で同特別会計の原簿に登記されているもののその承継の日における帳簿価額の合計額に相当する金額が、第三十七条の規定にかかわらず、その承継の日において、同特別会計から日本開発銀行に対し貸し付けられたものとする。

3 日本開発銀行は、毎事業年度、前項の政府の貸付金に対し、政令で定める利率、計算の方法及び手続により、利子を支払わなければならない。

4 第二項の規定による政府の貸付金は、政令で定めるものを除く外、政令で定めるところにより、政令で定める時期において返済されたものとなるものとし、その返済されたものとされた政府の貸付金の額に相当する金額が、当該時期において、政府の米国対日援助見返資金特別会計から日本開発銀行に対し出資されたものとする。

 (米国対日援助見返資金特別会計から承継した権利義務の処理に関する業務)

第四十九条の三 日本開発銀行は、前条第一項の規定により、米国対日援助見返資金特別会計からその私企業に対する貸付に係る債権及びこれに附随する権利義務を承継したときは、第十八条第一項各号に掲げる業務の外、当該貸付に係る債権の管理及び回収に関する業務その他その承継した権利義務の処理に関する業務を行うことができる。

2 日本開発銀行は、銀行、信用金庫、農林中央金庫及び商工組合中央金庫以外の者に対して前項に規定する業務を委託してはならない。

3 第二十一条第二項及び第三十九条の規定は、銀行、信用金庫、農林中央金庫及び商工組合中央金庫が第一項に規定する業務の委託を受けた場合について準用する。

 第五十一条第四号中「及び第四十四条第一項」を「並びに第四十四条第一項及び第四十九条の三第一項」に改め、同条第五号中「又は第四十四条第二項」を「、第四十四条第二項又は第四十九条の三第二項」に改め、同号を同条第六号とし、同条第六号中「第三十七条」の下に「第三項」を加え、同号を同条第七号とし、以下一号ずつ繰り下げ、同条第四号の次に次の一号を加える。

 五 第十八条の二に規定する額をこえて債務の保証をし、又は資金の借入をしたとき。

   附 則

1 この法律は、公布の日から施行する。

2 改正後の日本開発銀行法第三十六条の規定並びに附則第四項から附則第六項までの規定は、日本開発銀行の昭和二十七年四月に始まる事業年度から適用し、日本開発銀行の同年三月に終る事業年度分の利益金の処分、所得税、法人税及び地方税については、なお従前の例による。

3 改正前の日本開発銀行法第四十六条第二項の規定は、昭和二十七年四月に始まる日本開発銀行の事業年度については適用しない。

4 所得税法(昭和二十二年法律第二十七号)の一部を次のように改正する

  第三条第六号中「日本輸出入銀行」の下に「及び日本開発銀行」を加える。

5 法人税法(昭和二十二年法律第二十八号)の一部を次のように改正する。

  第四条第二号中「及び日本輸出入銀行」を「、日本輸出入銀行及び日本開発銀行」に改める。

6 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。

  第二十四条第三号中「日本輸出入銀行、」の下に「日本開発銀行、」を加える。

  第七百四十三条第三号中「日本輸出入銀行、」の下に「日本開発銀行、」を加える。

(大蔵・内閣総理大臣署名) 

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