国土総合開発法の一部を改正する法律
法律第二百十七号(昭二七・六・二八)
国土総合開発法(昭和二十五年法律第二百五号)の一部を次のように改正する。
第一条の前に次の目次及び章名を加える。
目次
第一章 総則(第一条・第二条)
第二章 国土総合開発審議会、都府県総合開発審議会及び地方総合開発審議会(第三条−第六条の六)
第三章 総合開発計画の作成(第七条―第十一条の四)
第四章 総合開発計画の実施(第十二条―第十三条の三)
第五章 補則(第十四条・第十五条)
附則
第一章 総則
第二条の見出しを「(国土総合開発計画)」に改める。
第三条の前に次の章名を附する。
第二章 国土総合開発審議会、都府県総合開発審議会及び地方総合開発審議会
第四条第一項中「総合開発計画」の下に「及びその実施に関し必要な事項」を加える。
第五条を次のように改める。
第五条 削除
第六条第一項中「(以下本条中「審議会」という。)」を削り、「三十人」を「四十五人」に改める
第六条第二項を次のように改める。
2 委員は、左に掲げる者について、内閣総理大臣が任命する。
一 |
衆議院議員のうちから衆議院が指名する者 |
九人 |
二 |
参議院議員のうちから参議院が指名する者 |
六人 |
三 |
総合開発計画に関し学識経験を有する者 |
十五人以内 |
四 |
関係行政機関の職員 |
十二人以内 |
五 |
地方公共団体の長 |
三人 |
第六条第三項及び第八項を削り、同条第四項本文中「都道府県知事と兼ねる委員並びに関係行政機関の職員のうちから任命される委員を除く他の委員」を「前項第三号の委員」に改め、同項但書中「任期が四年の委員で最初に任命される委員」を「最初に任命される当該委員」に改め、同項を同条第三項とし、同条第五項中「審議会」を「国土総合開発審議会」に改め、同項を同条第四項とし、同条第六項中「調査審議」を「調査」に、「審議会」を「国土総合開発審議会」に改め、同項を同条第七項とし、同条第七項中「委員」の下に「、特別委員」を加え、同項を同条第八項とし、同条に第五項及び第六項として次の二項を加える。
5 特別の事項を調査審議させるために、国土総合開発審議会に、臨時に、特別委員を置くことができる。特別委員は、総合開発計画に関し学識経験を有する者及びその他適当と認める者のうちから、内閣総理大臣が任命する。
6 特別委員は、特別の事項の調査審議が終つた場合においては、退任するものとする。
第六条の次に次の五条を加える。
(特別委員会)
第六条の二 国土総合開発審議会は、特に重要と認める河川を含む特定地域又はその他の特定地域に関する特定地域総合開発計画及びその実施に関し必要な事項について、特別に調査審議する必要があると認める場合においては、特別委員会を置くことができる。
2 特別委員会に属すべき委員及び特別委員は、会長が指名する。
3 特別委員会の委員長は、特別委員会に属する委員及び特別委員のうちから互選する。委員長は、特別委員会の議事を整理し、その経過及び結果を国土総合開発審議会に報告しなければならない。
(国土総合開発審議会の運営等)
第六条の三 前二条に定めるものを除く外、国土総合開発審議会の事務をつかさどる機関並びに国土総合開発審議会の議事及び運営に関し必要な事項は、政令で定める。
(資料の提出)
第六条の四 関係行政機関の職員は、国土総合開発審議会の求めに応じて、資料の提出、意見の陳述又は説明をしなければならない。
(要旨の公表)
第六条の五 国土総合開発審議会は、その調査審議の結果について必要があると認める場合においては、その要旨を公表するものとする。
(都府県総合開発審議会及び地方総合開発審議会)
第六条の六 都府県総合開発計画及びその実施に関し必要な事項について調査審議するために、都府県は、条例で、都府県総合開発審議会を設置することができる。
2 地方総合開発計画及びその実施に関し必要な事項について調査審議するために、関係都府県は、その協議によつて、規約を定め、地方総合開発審議会を設置することができる。
3 前項の規定による関係都府県の協議については、当該都府県の議会の議決を経なければならない。
4 前各項に規定するものを除く外、都府県総合開発審議会及び地方総合開発審議会の設置、組織及び運営に関し必要な事項(地方総合開発審議会については、費用の負担方法を含む。)は、それぞれ条例又は規約で定めなければならない。
第七条の前に次の章名を附する。
第三章 総合開発計画の作成
第七条を次のように改める。
(全国総合開発計画)
第七条 内閣総理大臣は、関係各行政機関の長の意見を聞き、国土総合開発審議会の調査審議を経て、政令の定めるところにより、全国の区域について、全国総合開発計画を作成するものとする。
2 全国総合開発計画は、前項の規定により作成された場合においては、これを都府県総合開発計画、地方総合開発計画及び特定地域総合開発計画の基本とするものとする。
3 内閣総理大臣は、第一項の規定により作成した全国総合開発計画の要旨を公表するものとする。
(都府県総合開発計画)
第七条の二 都府県は、その区域について、都府県総合開発計画を作成することができる。
2 都府県は、都府県総合開発計画を作成した場合においては、建設大臣を通じて、これを内閣総理大臣に報告しなければならない。
3 内閣総理大臣は、前項の規定による報告を受けた場合においては、これを国土総合開発審議会に諮問するとともに、関係各行政機関の長に送付しなければならない。
4 関係各行政機関の長は、前項の規定による送付を受けた場合においては、これに対する意見を経済安定本部総裁に提出し、経済安定本部総裁は、これらの意見をとりまとめて、国土総合開発審議会に提出しなければならない。
第八条第二項中「前項の規定による」の下に「地方総合開発計画区域の設定のための」を加える。
第九条を次のように改める。
第九条 削除
第十条第一項中「特定地域として」の下に、「その資源の開発、災害の防除又は建設若しくは整備等に関し目標となるべき事項(以下「開発目標」という。)を指定して、」を加え、同条第二項中「関係各行政機関の長の意見を聞き」を「関係各行政機関の長と協議し」に改め、同条第五項中「第七条」を「第七条の二」に改め、同条第六項を削り、同条の次に次の一条を加える。
(特定地域総合開発計画の決定)
第十条の二 内閣総理大臣は、特定地域総合開発計画について第四条第一項の規定による報告又は勧告を受けた場合においては、その報告又は勧告に基いて、政令の定めるところにより、当該特定地域の開発目標に照らして根幹となるべき事業又は緊急を要する事業及びこれらと密接な関係を有する当該特定地域外の事業の計画からなる特定地域総合開発計画を決定し、閣議の決定を求めなければならない。
2 内閣総理大臣は、経済事情等の著しい変化のため、前項の規定による閣議の決定があつた特定地域総合開発計画が情勢の推移に適合しなくなつたと認める場合においては、関係各行政機関の長、関係都府県及び国土総合開発審議会の意見を聞いてこれを変更し、閣議の決定を求めることができる。
3 内閣総理大臣は、その決定し、又は変更した特定地域総合開発計画について、閣議の決定があつた場合においては、その要旨を公表するものとする。
第十一条中「都府県総合開発計画、地方総合開発計画又は特定地域総合開発計画」を「総合開発計画」に改め、同条の次に次の三条を加える。
(都府県に対する勧告又は助言)
第十一条の二 内閣総理大臣は、都府県が作成した総合開発計画について第四条第一項の規定による報告又は勧告を受けた場合においては、その報告又は勧告に基いて、当該総合開発計画を作成した都府県に対し、必要な勧告又は助言をしなければならない。
(総合開発計画の作成のための調査に要する経費)
第十一条の三 国は、都府県が総合開発計画を作成するための調査に要する経費については、予算の範囲内において、その一部を補助することができる。
(調査の調整)
第十一条の四 経済安定本部総務長官は、関係各行政機関の長が総合開発計画に関して行う調査について必要な調整を行い、当該各行政機関の長に対し、調査の結果について報告を求めることができる。
2 経済安定本部総務長官は、前項の規定による調整を行う場合において、必要があると認めるときは、関係各行政機関の長の意見を聞いて、特に調査すべき地域を指定することができる。
第十二条の前に次の章名を附する。
第四章 総合開発計画の実施
第十二条及び第十三条を次のように改める。
(年度計画)
第十二条 関係各行政機関の長は、毎年度、特定地域総合開発計画の実施についてその所掌する事項に関して作成した翌年度の事業計画を経済安定本部総務長官に提出しなければならない。
2 都府県は、毎年度、第十一条の二の規定による勧告又は助言に基いて、総合開発計画の実施について翌年度の事業計画を作成した場合においては、政令の定めるところにより、これを関係各行政機関の長及び経済安定本部総務長官に提出することができる。
3 経済安定本部総務長官は、前二項の規定により提出された事業計画について必要な調整を行うものとする。
4 経済安定本部総務長官は、毎年度、関係各行政機関の長から総合開発計画に関する公共事業関係資金計画の書類の提出を求め、これについて、前項の規定により調整した事業計画の円滑な実施を図るため、必要な調整を行うものとする。
(特定地域総合開発計画の実施に要する経費)
第十三条 政府は、特定地域総合開発計画を実施するために要する経費については、必要な資金の確保を図り、且つ、毎年度、国の財政の許す範囲内において、これを予算に計上することに努めなければならない。
2 国は、地方公共団体が行う特定地域総合開発計画の事業について、国が負担すべき経費の割合に関し、別に法律の定めるところにより特例を設け、又は当該地方公共団体に対し、地方財政法(昭和二十三年法律第百九号)第十六条の規定に基く補助金を交付し、その他必要と認める措置を講ずることができる。
(特定地域総合開発計画に関する調整)
第十三条の二 関係各行政機関の長は、やむを得ない事情により、特定地域総合開発計画の円滑な実施に支障を及ぼす虞がある処分又は事業を行わなければならない場合においては、内閣総理大臣に対し、当該特定地域総合開発計画との調整を要請しなければならない。
2 内閣総理大臣は、前項の規定による要請があつた場合において、必要があると認めるときは、国土総合開発審議会の意見を聞いて、必要な調整を行うものとする。
(総合開発計画の実施に関する勧告)
第十三条の三 経済安定本部総務長官は、総合開発計画の実施について調整を行うため必要があると認める場合においては、関係各行政機関の長に対し、必要な勧告をすることができる。
第十四条の前に次の章名を附する。
第五章 補則
本則中第十四条の次に次の一条を加える。
(政令への委任)
第十五条 この法律の実施のための手続その他その執行について必要な事項は、政令で定める。
附 則
1 この法律は、昭和二十七年六月三十日から施行する。
2 この法律施行の際現に在職する国土総合開発審議会の委員のうち、総合開発計画に関し学識経験を有する者のうちから任命された委員中内閣総理大臣の指定する二人は、この法律施行の日において、解任されるものとする。
3 この法律施行の際現に在職する国土総合開発審議会の委員のうち、総合開発計画に関し学識経験を有する者のうちから任命された委員(都道府県知事と兼ねる委員及び前項の規定により解任される委員を除く。)は改正後の国土総合開発法第六条第二項第三号に掲げる者として、関係行政機関の職員のうちから任命された委員は同項第四号に掲げる者として、都道府県知事と兼ねる委員は同項第五号に掲げる者として、この法律施行の日において、別に辞令を用いないで、国土総合開発審議会の委員にそれぞれ任命されたものとみなす。
4 前項の規定により改正後の国土総合開発法第六条第二項第三号に掲げる者として任命された国土総合開発審議会の委員の任期は、同条第三項の規定にかかわらず、同項に規定する任期からその者が同審議会の委員として既に在任した期間を控除した期間とする。
(内閣総理大臣・法務総裁・外務・大蔵・文部・厚生・農林・通商産業・運輸・郵政・電気通信・労働・建設大臣・経済安定本部総裁署名)