中小企業等協同組合法の一部を改正する法律

法律第百三十八号(昭二六・四・六)

 中小企業等協同組合法(昭和二十四年法律第百八十一号)の一部を次のように改正する。

 第五条第二項中「前項に掲げる」を「事業協同組合、信用協同組合、協同組合連合会又は企業組合であることを示す」に、同条第三項中「第二十二条」を「第二十一条」に改める。

 第十一条第四項中「二人」を「五人」に改める。

 第二十七条第六項中「第二百三十九条第四項、第二百四十条」を「第二百三十九条第五項、第二百四十条第二項」に、「及び第二百四十七条から第二百五十三条まで」を「、第二百四十七条、第二百四十八条、第二百五十条、第二百五十二条及び第二百五十三条」に改める。

 第二十七条の次に次の一条を加える。

 (定款の認証)

第二十七条の二 発起人は、創立総会終了後遅滞なく、定款につき、行政庁の認証を受けなければならない。

2 行政庁は、定款が法令に違反する場合を除いては、認証をしなければならない。

3 定款は、第一項の認証を受けなければ、その効力を生じない。

 第二十八条中「創立総会終了後」を「前条第一項の認証を受けた後」に改める。

 第三十一条中「定款及び」及び「定款又は」を削る。

 第三十三条第一項第七号中「時期及び」を削り、同条中第三項を削る。

 第三十六条の次に次の一条を加える。

 (理事会)

第三十六条の二 組合の業務の執行は、理事会が決する。

 第三十八条を次のように改める。

 (理事の自己契約)

第三十八条 理事は、理事会の承認を受けた場合に限り、組合と契約することができる。この場合は、民法(明治二十九年法律第八十九号)第百八条(自己契約)の規定を適用しない。

 第三十八条の次に次の一条を加える。

 (理事の責任)

第三十八条の二 理事がその任務を怠つたときは、その理事は、組合に対し連帯して損害賠償の責に任ずる。

2 理事がその職務を行うにつき悪意又は重大な過失があつたときは、その理事は、第三者に対し連帯して損害賠償の責に任ずる。重要な事項につき第四十条第一項に掲げる書類に虚偽の記載をし、又は虚偽の登記若しくは公告をしたときも同様である。

3 第一項の理事の責任については、商法第二百六十六条第二項から第四項まで(取締役の責任)の規定を準用する。

 第三十九条の見出し中「閲覧」を「閲覧等」に、同条第一項中「及び総会」を「並びに総会及び理事会」に改め、同条第三項中「閲覧」の下に「又は謄写」を加える。

 第四十条の見出し中「閲覧」を「閲覧等」に改め、同条第三項中「閲覧」の下に「又は謄写」を加える。

 第四十条の次に次の一条を加える。

 (会計帳簿等の閲覧等)

第四十条の二 組合員は、総組合員の十分の一以上の同意を得て、何時でも、理事に対し会計の帳簿及び書類の閲覧又は謄写を求めることができる。この場合は、理事は、正当な理由がないのにこれを拒んではならない。

 第四十二条を次のように改める。

 (商法等の準用)

第四十二条 理事及び監事については、商法第二百五十四条第三項(取締役と会社との関係)、第二百六十七条から第二百六十八条ノ三まで(取締役に対する訴)及び第二百八十四条(取締役及び監査役の責任の解除)の規定を、理事については、民法第五十五条(代表権の委任)並びに商法第二百五十四条ノ二(取締役の義務)、第二百六十一条から第二百六十二条まで(会社代表)及び第二百七十二条(株主の差止請求権)の規定を、監事については、第三十八条の二、商法第二百七十四条(報告を求め調査をなす権限)及び第二百七十八条(取締役と監査役との連帯責任)の規定を、理事会については、商法第二百五十九条から第二百五十九条ノ三まで(取締役会の招集)、第二百六十条ノ二及び第二百六十条ノ三(取締役会の決議及び議事録)の規定を準用する。この場合において、商法第二百八十四条中「前条第一項」とあるのは「中小企業等協同組合法第四十条第二項」と読み替えるものとする。

 第四十三条及び第四十四条第一項中「理事の過半数」を「理事会」に改める。

 第四十五条第三項中「理事」を「理事会」に、同条第四項中「可否を決する日」を「可否の決定の日」に改める。

 第四十六条を次のように改める。

 (総会の招集)

第四十六条 通常総会は、定款の定めるところにより、毎事業年度一回招集しなければならない。

 第四十七条第一項を次のように改め、同条第二項中「理事」を「理事会」に、「、臨時総会を招集しなければならない。」を「臨時総会を招集すべきことを決しなければならない。」に改める。

  臨時総会は、必要があるときは、定款の定めるところにより、何時でも招集することができる。

 第四十八条を次のように改める。

第四十八条 前条第二項の規定による請求をした組合員は、同項の請求をした日から十日以内に理事が総会招集の手続をしないときは、行政庁の承認を得て総会を招集することができる。理事の職務を行う者がない場合において、組合員が総組合員の五分の一以上の同意を得たときも同様である。

 第五十一条に次の二項を加える。

2 定款の変更は、行政庁の認証を受けなければ、その効力を生じない。

3 前項の認証については、第二十七条の二第二項の規定を準用する。

 第五十四条を次のように改める。

 (商法の準用)

第五十四条 総会については、商法第二百三十一条(総会の招集の決定)、第二百三十九条第五項、第二百四十条第二項(特別利害関係人の議決権)、第二百四十三条(総会の延期又は続行の決議)、第二百四十四条(株主総会の議事録)、第二百四十七条、第二百四十八条、第二百五十条、第二百五十二条及び第二百五十三条(株主総会の決議の取消又は無効)の規定を準用する。この場合において、商法第二百四十三条中「第二百三十二条」とあるのは「中小企業等協同組合法第四十九条」と、同法第二百四十七条第一項中「第三百四十三条」とあるのは「中小企業等協同組合法第五十三条」と読み替えるものとする。

 第六十六条中「第百四条から第百十一条まで」を「第百四条、第百五条及び第百八条から第百十一条まで」に、「及び非訟事件手続法」を「並びに非訟事件手続法」に改める。

 第六十九条を次のように改める。

 (商法等の準用)

第六十九条 組合の解散及び清算については、商法第百十六条、第百二十二条、第百二十四条、第百二十五条、第百二十九条第二項及び第三項、第百三十一条、第四百十七条第二項、第四百十八条から第四百二十四条まで、第四百二十六条及び第四百二十七条(合名会社及び株式会社の清算)並びに非訟事件手続法第三十五条第二項、第三十六条、第三十七条ノ二、第百三十五条ノ二十五第二項及び第三項、第百三十六条、第百三十七条から第百三十八条まで及び第百三十八条ノ三(法人の清算の監督)の規定を、組合の清算人については、第三十七条から第四十条ノ二まで、第四十六条から第四十八条まで並びに商法第二百五十四条第三項(取締役と会社との関係)、第二百五十四条ノ二(取締役の義務)、第二百五十九条から第二百六十一条ノ二まで(取締役会並びに取締役の業務の執行及び会社代表)、第二百六十七条から第二百六十八条ノ三まで(取締役に対する訴)、第二百七十二条(株主の差止請求権)及び第二百八十四条(取締役及び監査役の責任の解除)の規定を準用する。この場合において、商法第百二十二条中「第九十四条第四号又ハ第六号」とあるのは「中小企業等協同組合法第六十二条第一項第六号」と、同法第二百八十四条中「前条第一項」とあるのは「中小企業等協同組合法第六十九条ニ於テ準用スル同法第四十条第二項」と、同法第四百十七条第二項中「前項」とあるのは「中小企業等協同組合法第六十八条」と、同法第四百二十六条第二項中「六月前ヨリ引続キ発行済株式ノ総数ノ百分ノ三以上ニ当ル株式ヲ有スル株主」とあるのは「総組合員ノ五分ノ一以上ノ同意ヲ得タル組合員」と読み替えるものとする。

 第八十三条第二項第八号を次のように改め、同項第九号中「、又は理事が参事と共同し」を削る。

 八 組合を代表すべき理事の氏名

 第九十二条第一項中「司法事務局又はその出張所」を「法務局若しくは地方法務局又はその支局若しくは出張所」に改める。

 第百二条中「司法事務局」を「登記所」に改める。

 第百五条の次に次の一条を加える。

 (報告の徴収及び検査)

第百五条の二 行政庁は、組合の業務若しくは会計が法令若しくは定款に違反し、又は組合の運営が著しく不当であると認めるときは、この法律の目的を達成するために必要な限度において、組合に対して、その業務又は会計に関し必要な報告書の提出を命じ、その事実について調査することができる。

2 行政庁は、前項の報告書が提出されず、又はその報告書が虚偽であると認めるときは、この法律の目的を達成するために必要な限度において、組合の業務又は会計の状況を検査することができる。

 第百六条第一項中「第百四条第二項」の下に「若しくは前条第一項」を加え、「同条第三項」を「第百四条第三項、第百五条第二項」に改め、「認めるときは、」の下に「この法律の目的を達成するために必要な限度において、」を加える。

 第百十条中「第五十八条第二項及び第三項、第五十九条及び第六十条」を「第五十八条第一項第一号、第三号及び第二項」に改める。

 第百十四条第一項中「若しくは第百五条第二項」を「、第百五条第二項若しくは第百五条の二第二項」に改める。

 第百十五条第五号中「又は第五十四条において準用する商法第二百四十四条若しくは」を「若しくは第五十四条において準用する商法第二百四十四条、第四十二条若しくは第六十九条において準用する商法第二百六十条ノ三又は」に改め、「総会の」を削る。

 第百十五条第八号中「閲覧」の下に「若しくは謄写」を加え、同号の次に次の一号を加える。

 八の二 第四十条の二(第六十九条において準用する場合を含む。)又は第四十二条において準用する商法第二百七十四条第一項の規定に違反して正当な理由がないのに帳簿及び書類の閲覧又は謄写を拒んだとき。

 第百十五条第九号中「第二百七十四条」を「第二百七十四条第二項」に改める。

 第百十五条第十号中「、第四十七条第二項又は第四十八条」を削る。

 第百十五条の次に次の一条を加える。

第百十五条の二 不正の競争の目的で登記された組合の名称と同一又は類似の名称を使用した者は、一万円以下の過料に処する。第五条第三項において準用する商法第二十一条第一項の規定に違反した者も同様である。

   附 則

 (施行の期日)

1 この法律は、商法の一部を改正する法律(昭和二十五年法律第百六十七号)の施行の日(昭和二十六年七月一日)から施行する。但し、第十一条第四項の改正規定は、公布の日から施行する。

 (定義)

2 この附則において「新商法」とは、商法の一部を改正する法律による改正後の商法をいい、「旧商法」とは、従前の商法をいい、「新法」とは、この法律による改正後の中小企業等協同組合法をいい、「旧法」とは、従前の中小企業等協同組合法をいう。

 (原則)

3 新法は、特別の定がある場合を除いては、この法律の施行前に生じた事項にも適用する。但し、旧法によつて生じ終つた効力を防げない。

4 新法にてい触する定款及び規約の定並びに契約の条項は、この法律の施行の日から効力を失う。

 (解散命令)

5 この法律の施行前に、裁判所が請求を受け、又は着手した旧法第百十条において準用する旧商法第五十八条第二項又は第三項に定める事件及びその事件に関連するこれらの規定に定める事件については、この法律の施行後も、なお従前の例による。その事件について請求を却下された者の責任についても同様である。

 (訴の提起等についての担保)

6 解散命令の請求又は訴の提起について供すべき担保に関する旧法第二十七条若しくは第五十四条において準用する旧商法第二百四十九条(旧商法第二百五十二条又は第二百五十三条第二項において準用する場合を含む。)、旧法第五十七条第三項において準用する旧商法第三百八十条若しくは旧法第六十六条において準用する旧商法第百六条又は旧法第百十条において準用する旧商法第五十九条の規定は、この法律の施行前に供した担保に関してのみ準用する。

 (定款の認証)

7 旧法第三十三条第三項において準用する商法第百六十七条の規定による定款の認証を受けた組合がこの法律の施行の際現に有する定款は、新法第二十七条の二第一項及び第五十一条第二項の認証を受けたものとみなす。

 (組合の登記)

8 この法律の施行前に成立した組合は、この法律の施行の日から六箇月以内に、新法によつて新たに登記すべきものとなつた事項を登記しなければならない。

9 前項の登記をするまでに他の登記をするときは、その登記と同時に同項の登記をしなければならない。

10 附則第八項の登記をするまでに同項の事項に変更を生じたときは、遅滞なく、変更前の事項につき同項の登記をしなければならない。

11 前三項の規定に違反したときは、その組合の理事を五千円以下の過料に処する。

 (総会の招集)

12 この法律の施行前に旧法第四十七条第二項の規定による請求があり、又は監事が総会招集の手続をした場合は、その総会については、この法律の施行後もなお従前の例による。

 (決議取消の訴)

13 決議取消の訴について、この法律の施行の際旧法第二十七条第六項又は第五十四条において準用する旧商法第二百四十八条第一項に定める期間が経過していない場合は、その決議取消の訴の提起期間については、新商法第二百四十八条第一項の規定を準用する。

 (代表理事)

14 旧法第四十二条において準用する旧商法第二百六十一条第一項又は第二項の規定によつて組合を代表する権限を有する理事は、新法第四十二条において準用する新商法第二百六十一条第一項の規定によつて組合を代表すべき理事とみなす。

15 旧法第四十二条において準用する旧商法第二百六十一条第二項の規定によつて数人の理事が共同して組合を代表すべきことを定めた場合は、その定は、新法第四十二条の規定において準用する新商法第二百六十一条第二項の規定による定とみなす。

16 この法律の施行の際組合を代表すべき理事の定がない場合は、旧法第八十三条第二項第七号の理事の登記は、新法第八十三条第二項第八号の登記があるまでは、その登記と同一の効力を有する。

 (理事の行為の責任)

17 理事がこの法律の施行前にした行為の責任については、この法律の施行後もなお従前の例による。

18 この法律施行後に前項の責任を免除する場合は、その免除については、同項の規定にかかわらず、新商法の規定を準用する。

19 この法律の施行後に附則第十七項の責任を追及する訴を提起する場合は、その訴についても前項と同様である。

 (理事に対する訴)

20 この法律の施行前に旧法第四十二条において準用する旧商法第二百六十七条第一項の規定によつて理事に対する訴を提起した場合は、その訴については、この法律の施行後もなお従前の例による。

 (組合と理事との間の訴についての組合代表)

21 この法律の施行前に組合が理事に対し、又は理事が組合に対して訴を提起した場合は、その訴について組合を代表すべき者については、この法律の施行後もなを旧法第三十八条の規定を適用する。但し、新法第四十二条おいて準用する新商法第二百六十一条ノ二の規定によつて組合を代表すべき者を定めた後は、この限りでない。

 (監事のした訴の提起等)

22 この法律の施行前に監事が裁判所に対して訴を提起し、又は請求をした場合は、その訴については、この法律の施行後もなお従前の例による。

 (監事に関する準用規定)

23 附則第十七項から第二十項までの規定は、監事に準用する。

 (清算人に関する準用規定)

24 附則第十二項及び第十四項から第二十一項までの規定は、清算人に準用する。

 (罰則)

25 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用に関しては、なお従前の例による。

(大蔵・厚生・農林・通商産業・運輸・建設・内閣総理大臣署名) 

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