私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律
法律第二百十四号(昭二四・六・一八)
私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号)の一部を次のように改正する。
第二条第二項を次のように改める。
この法律において競争とは、二以上の事業者がその国内における通常の事業活動の範囲内において、且つ、当該事業活動の施設又は態様に重要な変更を加えることなく左の各号の一に掲げる行為をし、又はすることができる状態をいう。但し、第四章における競争には、第二号に規定する行為をし、又はすることができる状態は含まれないものとする。
一 同一の需要者に同種又は類似の商品又は役務を供給すること
二 同一の供給者から同種又は類似の商品又は役務の供給を受けること
第六条及び第七条を次のように改める。
第六条 事業者は、外国の事業者と第四条第一項各号の一に掲げる事項を内容とする国際的協定若しくは国際的契約をし、又は国内の事業者と貿易について同条同項各号の一に掲げる事項を内容とする協定若しくは契約をしてはならない。
前項の規定は、国際取引又は国内取引の一定の分野における競争に対する当該協定又は契約の影響が問題とする程度に至らないものである場合には、これを適用しない。
事業者は、外国の事業者と国際的協定若しくは国際的契約(前項の規定に該当する協定若しくは契約を含む。)をし、又は国内の事業者と貿易についての協定若しくは契約(前項の規定に該当する協定若しくは契約を含む。)をしたときは、公正取引委員会規則の定めるところにより、当該協定又は契約の成立の日から三十日以内に、当該協定又は契約の写(口頭の協定又は契約である場合には、その内容を説明する文書)を添附して、その旨を公正取引委員会に届け出なければならない。
前項の規定は、一回限りの取引(目的物の授受の期間が一年を超えるものを除く。)に関する協定又は契約及び取引上の代理権を与えることのみを内容とする協定又は契約(相手方の事業活動を拘束する条件を含むものを除く。)には、これを適用しない。
第七条 第三条、第四条第一項、第五条又は前条第一項若しくは第三項の規定に違反する行為があるときは、公正取引委員会は、第八章第二節に規定する手続に従い、事業者に対し、届出を命じ 又は当該行為の差止、営業の一部の譲渡その他これらの規定に違反する行為を排除するために必要な措置を命ずることができる。
第九条から第十六条までを次のように改める。
第九条 持株会社は、これを設立してはならない。
会社(外国会社を含む。)は、国内において持株会社となつてはならない。
前二項において持株会社とは、国内の他の会社の株式(社員の持分を含む。以下同じ。)を所有することによりその会社の事業活動を支配することを目的として、株式を所有することを主たる事業とする会社をいう。
前項の持株会社でない会社であつて、国内の他の会社の株式を所有することを主たる事業とするもの(外国会社を含む。)が、その会社の株式を所有することによりその会社の事業活動に著しい影響を与えた場合においては、第二項の適用については、これを持株会社とみなす。
第十条 会社(外国会社を含む。)は、直接たると間接たるとを問わず、国内の一又は二以上の他の会社の株式又は社債を取得し、又は所有することにより、これらの会社間の競争を実質的に減殺することとなる場合又は一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる場合には、当該株式又は社債を取得し、又は所有してはならず、又、不公正な競争方法により、国内の他の会社の株式又は社債を取得し、又は所有してはならない。
金融業(銀行業、信託業、保険業、無尽業又は証券業をいう。以下同じ。)以外の事業を営む会社(外国会社を含む。)は、自己と国内において競争関係にある国内の他の会社の株式又は社債を取得し、又は所有してはならない。
前項の規定の適用については、金融業以外の事業を営む会社(外国会社を含む。以下本項において親会社という。)とその子会社との間には競争関係があるものと解してはならない。(第十三条並びに第十四条第二項及び第三項の規定の適用についても同じ。)この場合において子会社とは、左の各号のすべてに該当する国内の会社をいう。
一 事業活動に必要な原材料、半製品、部分品、副産物、廃物等の物資その他の経済上の利益(資金を除く。)の供給を受け、又は事業活動に必要な特許発明若しくは実用新案を利用することに関し、親会社と当該事業活動の主要部分について継続的で緊密な関係にあることにより当該親会社に従属している会社
二 親会社により株式の相当部分が所有されており、又は所有されることとなる会社
三 親会社により株式を取得される際又はその直前において、当該親会社と国内において競争していない会社
金融業以外の事業を営む国内の会社であつて、その総資産(最終の貸借対照表により、且つ、未払込株金、未払込出資金又は未払込基金に対する請求権を除いたものとする。以下同じ。)が五百万円を超えるもの又は金融業以外の事業を営む外国会社は、国内の他の会社の株式又は社債を所有する場合(株式又は社債の有価証券信託において、自己を受益者とする場合を含む。但し、株式については、自己が議決権を行使する場合に限る。)には、公正取引委員会規則の定めるところにより、毎年四月一日現在及び十月一日現在においてその所有し、又は信託をしている株式又は社債に関する報告書をそれぞれ三十日以内に公正取引委員会に提出しなければならない。
第十一条 金融業を営む会社(外国会社を含む。以下本条において同じ。)は、自己と国内において競争関係にある同種の金融業を営む国内の他の会社の株式を取得し、又は所有してはならない。
金融業を営む会社は、国内の他の会社の株式総数の百分の五を超えてその会社の株式を所有することとなる場合には、その株式を取得し、又は所有してはならない。
前二項の規定は、左の各号の一に該当する場合には、これを適用しない。
一 証券業を営む会社が業務として株式を取得し、又は所有する場合
二 証券業以外の金融業を営む会社が売出のための引受によつて株式を所有する場合
三 委託者を受益者とする有価証券信託の引受によつて株式を取得し、又は所有する場合。但し、委託者が議決権を行使する場合に限る。
第二項の規定は、金融業を営む会社が担保権の行使又は代物弁済により、国内の他の会社の株式を取得する場合には、これを適用しない。
第三項第一号若しくは第二号又は前項の場合において、取得の日から一年を超えて株式を所有しようとするときは、公正取引委員会規則の定めるところにより、あらかじめ公正取引委員会の認可を受けなければならない。この場合における公正取引委員会の認可は、金融業を営む会社が当該株式をすみやかに処分することを条件としなければならない。
第十二条 削除
第十三条 会社(外国会社を含む。)の役員又は従業員(継続して会社の業務に従事する者であつて役員以外の者をいう。)は、その会社と国内において競争関係にある国内の他の会社の役員の地位を兼ねてはならない。
第十四条 会社(外国会社を含む。)以外の者は、直接たると間接たるとを問わず、国内の一又は二以上の会社の株式又は社債を取得し、又は所有することにより、これらの会社間の競争を実質的に減殺することとなる場合又は一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる場合には、当該株式又は社債を取得し、又は所有してはならず、又、不公正な競争方法により国内の会社の株式又は社債を取得し、又は所有してはならない。
会社(外国会社を含む。)以外の者は、国内において相互に競争関係にある二以上の国内の会社の株式を所有する場合において、いずれか一の会社の株式をその総数の百分の十を超えて所有することとなるときは、公正取引委員会規則の定めるところにより、これらの株式に関する報告書をその所有することとなつた日から三十日以内に公正取引委員会に提出しなければならない。
会社(外国会社を含む。)の役員は、その会社と国内において競争関係にある国内の他の会社の株式を取得し、又は所有してはならない。
会社(外国会社を含む。)の役員は、その就任の際、就任する会社と国内において競争関係にある国内の他の会社の株式を所有している場合においては、その就任の日から三十日以内は、前項の規定にかかわらず、これを所有することができる。
公正取引委員会は、特別の事情があると認めるときは、申請により、すみやかに処分することを条件として、前項に規定する期間を延長することができる。この場合において、申請をした日からその承認又は却下の日までの期間は、これを三十日の期間に算入しない。
第十五条 国内の会社は、左の各号の一に該当する場合には、合併をしてはならない。
一 当該合併によつて不当な事業能力の較差が生ずることとなる場合
二 当該合併によつて一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる場合
三 当該合併が不公正な競争方法によるものである場合
国内の会社は、合併をしようとする場合には公正取引委員会規則の定めるところにより、あらかじめ公正取引委員会に届け出なければならない。
前項の場合において、国内の会社は、届出受理の日から三十日を経過するまでは、合併をしてはならない。但し、公正取引委員会が、当該合併が第一項各号の一に該当する疑があると認める場合には、当該会社の同意を得て更に六十日をこえない期間を限り当該期間を延長することができる。
公正取引委員会は、第十七条の二の規定により当該合併に関し必要な措置を命ずるために、審判開始決定をし、又は勧告する場合には、前項本文に規定する三十日の期間又は同項但書の規定により延長された期間内にこれをしなければならない。但し、第二項の届出に重要な事項につき虚偽の記載があつた場合には、この限りでない。
前項の規定は、公正取引委員会が、第七条、第八条第一項又は第二十条の規定により必要な措置を命ずるために審判開始決定をし、又は勧告することを妨げるものと解してはならない。
第十六条 前条の規定は、会社(外国会社を含む。以下本条において同じ。)が左の各号に掲げる行為をする場合に、これを準用する。
一 他の会社の国内における営業の全部又は重要部分の譲受
二 他の会社の国内における営業上の固定資産の全部又は重要部分の譲受
三 他の会社の国内における営業の全部又は重要部分の賃借
四 他の会社の国内における営業の全部又は重要部分についての経営の受任
五 他の会社と国内における営業上の損益全部を共通にする契約の締結
第十七条の次に次の一条を加える。
第十七条の二 第十条第一項、第二項若しくは第四項、第十一条第一項若しくは第二項、第十五条第一項(第十六条において準用する場合を含む。)、又は前条の規定に違反する行為があるときは、公正取引委員会は、事業者に対し、報告書の提出を命じ、又は株式若しくは社債の全部若しくは一部の処分、営業の一部の譲渡その他これらの規定に違反する行為を排除するために必要な措置を命ずることができる。
第九条第一項若しくは第二項、第十三条、第十四条第一項、第二項若しくは第三項又は前条の規定に違反する行為があるときは、公正取引委員会は、当該違反行為者に対し、報告書の提出を命じ、又は株式の全部若しくは一部の処分、会社の役員の辞任その他これらの規定に違反する行為を排除するために必要な措置を命ずることができる。
前二項に規定する排除措置は、第八章第二節に規定する手続に従つて、これをしなければならない。この場合において、前項の規定の適用については第八章第二節の規定中事業者又は当該事業者とあるのは、それぞれ違反行為者又は当該違反行為者と読み替えるものとする。
第十八条中「第十五条第一項」を「第十五条第二項及び第三項」に改める。
第二十六条第一項中「第四十八条第三項又は第五十四条」を「第四十八条第三項、第五十三条の三又は第五十四条」に改める。
第三十五条第四項中「犯罪」を「事件」に改める。
第四十八条第一項を次のように改める。
公正取引委員会は、事業者が、第三条、第四条第一項、第五条、第六条第一項若しくは第三項、第九条第一項若しくは第二項、第十条第一項、第二項若しくは第四項、第十一条第一項若しくは第二項、第十三条、第十四条第一項、第二項若しくは第三項、第十五条第一項(第十六条において準用する場合を含む。)、若しくは第十七条の規定に違反する行為をしていると認める場合、事業者が第十九条の規定に違反して不公正な競争方法を用いていると認める場合又は不当な事業能力の較差があると認める場合には、当該事業者に対し、適当な措置をとるべきことを勧告することができる。
第五十一条の次に一条を加える。
第五十一条の二 公正取引委員会は、審判開始決定をした後、命令を以て定める公正取引委員会の職員をして、公正取引委員会規則の定めるところにより、第四十六条第一項各号の処分の外、その後の審判手続(審決を除く。)の一部を行わせることができる。
第五十二条第一項中「第八条第一項」の次に「、第十七条の二」を加える。
第五十三条の次に次の二条を加える。
第五十三条の二 刑事訴訟法第百四十三条から第百四十七条まで、第百四十九条、第百五十四条から第百五十六条まで、第百六十五条及び第百六十六条の規定は、公正取引委員会が、審判に際して、参考人を審訊し、又は鑑定人に鑑定を命ずる手続について、これを準用する。
前項の場合において、「裁判所」とあるのは「公正取引委員会」と、「証人」とあるのは「参考人」と、「尋問」とあるのは「審訊」と、「被告人」とあるのは「事業者」とそれぞれ読み替えるものとする。
第五十三条の三 公正取引委員会は、審判開始決定をした後、事業者が、審判開始決定書記載の事実及び法律の適用を認めて、公正取引委員会に対し、その後の審判手続を経ないで審決を受ける旨を文書を以て申し出て、且つ、当該違反行為又は不当な事業能力の較差を排除するために自ら採るべき具体的措置に関する計画書を提出した場合において、適当と認めたときは、その後の審判手続を経ないで当該計画書記載の具体的措置と同趣旨の審決をすることができる。
第五十四条を次のように改める。
第五十四条 公正取引委員会は、審判手続を経た後、事業者が、第三条、第四条第一項、第五条、第六条第一項若しくは第三項、第九条第一項若しくは第二項、第十条第一項、第二項若しくは第四項、第十一条第一項若しくは第二項、第十三条、第十四条第一項、第二項若しくは第三項、第十五条第一項(第十六条において準用する場合を含む。)若しくは第十七条の規定に違反する行為をしていると認める場合、事業者が第十九条の規定に違反して不公正な競争方法を用いていると認める場合又は不当な事業能力の較差があると認める場合には、審決を以て、当該事業者に対し、第七条、第八条第一項、第十七条の二又は第二十条に規定する措置を命じなければならない。
第六十五条第一項を次のように改める。
公正取引委員会は、第十一条第五項の規定による認可の申請があつた場合において、当該申請を理由がないと認めるときは、審決を以て、これを却下しなければならない。
第六十七条第一項を次のように改める。
裁判所は、緊急の必要があると認めるときは、公正取引委員会の申立により、事業者に対し、第三条、第四条第一項、第五条、第六条第一項、第九条第一項若しくは第二項、第十条第一項若しくは第二項、第十一条第一項、第二項若しくは第五項、第十三条、第十四条第一項若しくは第三項、第十五条第一項(第十六条において準用する場合を含む。)若しくは第十七条の規定に違反する疑のある場合における当該行為、議決権の行使又は会社の役員の業務の執行を一時停止すべきことを命じ、又はその命令を取り消し、若しくは変更することができる。第十九条の規定に違反して不公正な競争方法を用いている疑のある行為についても、同様とする。
第六十九条中「公正取引委員会に対し、」の次に「審判開始決定後、」を加え、「正本、」を削る。
第七十六条を次のように改める。
第七十六条 公正取引委員会は、その内部規律、事件の処理手続及び届出、認可申請その他の事項に関する必要な手続について規則を定めることができる。
第八十五条第三号中「第八十九条及び第九十条」を「第八十九条から第九十一条まで」に改める。
第八十九条中「五万円」を「五十万円」に改める。
第九十条中「三万円」を「三十万円」に、「第四十八条第三項又は第五十四条」を「第四十八条第三項、第五十三条の三又は第五十四条」に改める。
第九十一条を次のように改める。
第九十一条 左の各号の一に該当する者は、これを一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
一 第九条第一項の規定に違反して持株会社を設立し、又は同条第二項の規定に違反した者
二 第十条第一項前段又は同条第二項の規定に違反して株式又は社債を取得し、又は所有した者
三 第十一条第一項若しくは同条第二項の規定に違反して株式を取得し、若しくは所有し、又は同条第五項の規定に違反して株式を所有した者
四 第十三条の規定に違反して役員の地位を兼ねた者
五 第十四条第一項前段又は同条第三項の規定に違反して株式又は社債を取得し、又は所有した者
六 第十七条の規定に違反した者
第九十一条の二 左の各号の一に該当する者は、これを二十万円以下の罰金に処する。
一 第六条第三項の規定に違反して届出をせず、又は虚偽の届出をした者
二 第十条第四項の規定に違反して報告書を提出せず、又は虚偽の報告書を提出した者
三 第十四条第二項の規定に違反して報告書を提出せず、又は虚偽の報告書を提出した者
四 第十五条第二項の規定(第十六条において準用する場合を含む。)に違反して届出をせず、又は虚偽の届出をした者
五 第十五条第三項の規定に違反して合併による設立又は変更の登記をした者
六 第十六条において準用する第十五条第三項の規定に違反して第十六条各号の一に該当する行為をした者
第九十二条中「前三条」を「第八十九条から第九十一条まで」に改め、同条の次に次の一条を加える。
第九十二条の二 第五十三条の二の規定により宣誓した参考人又は鑑定人が虚偽の陳述又は鑑定をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処する。
前項の罪を犯した者が、審判手続終了前であつて、且つ、犯罪の発覚する前に自白したときは、その刑を減軽又は免除することができる。
第九十三条中「五千円」を「五万円」に改める。
第九十四条中「千円」を「一万円」に改める。
第九十四条の次に次の一条を加える。
第九十四条の二 左の各号の一に該当する者は、これを五千円以下の罰金に処する。
一 第四十条の規定による公正取引委員会の処分に違反して出頭せず、報告、情報若しくは資料を提出せず、又は虚偽の報告、情報若しくは資料を提出した者
二 第四十六条第一項第一号又は同条第二項の規定による事件関係人又は参考人に対する処分に違反して出頭せず、陳述をせず、虚偽の陳述をし、又は報告をせず、若しくは虚偽の報告をした者
三 第四十六条第一項第二号又は同条第二項の規定による鑑定人に対する処分に違反して出頭せず、鑑定をせず、又は虚偽の鑑定をした者
四 第四十六条第一項第三号又は同条第二項の規定による物件の所持者に対する処分に違反して物件を提出しない者
第九十五条第一項中「第九十一条第一号から第四号まで、若しくは第六号から第八号まで」を「第九十一条第一号から第三号まで、第五号若しくは第六号、第九十一条の二」に改め、同条に次の二項を加える。
法人でない団体の代表者、管理人、代理人、使用人その他の従業者がその団体の業務又は財産に関して、第八十九条、第九十条、第九十一条第一号若しくは第五号又は第九十一条の二第一号若しくは第三号の違反行為をしたときは、行為者を罰する外、その団体に対しても、各本条の罰金刑を科する。
前項の場合においては、代表者又は管理人が、その訴訟行為につきその団体を代表する外、法人を被告人又は被疑者とする場合の訴訟行為に関する刑事訴訟法の規定を準用する。
第九十六条第一項中「第八十九条及び第九十条」を「第八十九条から第九十一条まで」に改める。
第九十七条中「第四十八条第三項又は第五十四条」を「第四十八条第三項、第五十三条の三又は第五十四条」に改める。
第九十九条を次のように改める。
第九十九条 削除
第百三条に次の二項を加える。
第十一条第二項の規定は、金融業を営む会社が企業再建整備法の規定による決定整備計画に基いて金融業以外の事業を営む国内の他の会社の株式を取得し、又は所有する場合には、これを適用しない。
第十一条第五項の規定は、前項の場合にこれを準用する。
第百十条の次に次の一条を加える。
第百十条の二 第百三条第三項において準用する第十一条第五項の規定に違反して株式を所有した者は、これを一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
第百十二条中「前条第二号」を「第百十条の二又は前条第二号」に、「同条」を「各本条」に改める。
附 則
第一条 この法律は、公布の日から施行する。
第二条 この法律施行の際、金融業以外の事業を営む会社(外国会社を含む。)が第十条第二項の改正規定に反して所有する国内の他の会社の株式又は社債の処置については、政令で定める。
2 金融業以外の事業を営む国内の会社であつてその総資産が五百万円をこえるもの又は金融業以外の事業を営む外国会社は、昭和二十四年四月一日現在において国内の他の会社の株式又は社債を所有している場合(株式又は社債の有価証券信託において、自己を受益者とする場合を含む。但し、株式については、自己が議決権を行使する場合に限る。)には、第十条第四項の改正規定にかかわらず、同日現在においてその所有し、又は信託をしている株式又は社債に関する報告書を公正取引委員会規則で定める日まで、公正取引委員会に提出しなければならない。
第三条 この法律施行の際、第十四条の改正規定に反して所有されている株式の処置については、政令で定める。
第四条 附則第二条第一項又は前条の規定に基く政令には、一年以下の懲役又は五万円以下の罰金の範囲内で罰則の規定を設けることができる。
第五条 附則第二条第二項の規定に違反して報告書を提出せず、又は虚偽の報告書を提出した者は、二十万円以下の罰金に処する。
第六条 法人の代表者又は法人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人の業務又は財産に関して、前条の違反行為をしたときは、行為者を罰する外、その法人に対しても、同条の罰金刑を科する。
第七条 この法律施行前に公訴の提起のあつた事件の管轄は、第八十五条第三号の改正規定施行後も、なお改正前の規定による。
第八条 この法律施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(内閣総理大臣・法務総裁・大蔵・厚生・農林・通商産業・運輸・郵政大臣兼電気通信・建設大臣署名)